JPH018269Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は、ワークを保持するワーククランプを
有する治具台を一方と他方とに反転回動自在と
し、その一方への反転回動によればワーククラン
プがアンクランプ状態となつてワークの着脱に備
えられるが他方への反転回動によればワーククラ
ンプがクランプ状態に保持されてワークの裏面加
工等に備えられるようにした治具台装置における
ワーククランプの作動制御装置に関する。

従来この種装置として、特開昭57−127637号公
報により、治具台上にその反転回動に伴われて回
動するバルブブロツクを設け、該バルブブロツク
にワーククランプの油圧回路を切換制御するスプ
ールバルブを挿設すると共に、該スプールバルブ
を操作する該バルブブロツク上の従動カムと該従
動カムの回動軌跡内に突出する駆動カムとから成
るカム機構を設け、該カム機構を、該治具台の一
方への反転回動に伴い該従動カムが該駆動カムに
一方から当接したときは該従動カムが該駆動カム
に押されて作動して該スプールバルブにアンクラ
ンプ側への切換が与えられるが、該治具台の他方
への反転回動に伴い該従動カムが該駆動カムに他
方から当接したときは該駆動カムが戻しばねに抗
して正規の作動位置から逃げて該従動カムの作動
を生じないように構成したものは知られるが、こ
のものではアンクランプ状態において、ワーク着
脱時の振動等により該駆動カムの該戻しばねの弾
力による遊びを生じ、該駆動カムと該従動カムと
の係合が外れて該スプールバルブがクランプ側に
復帰されることがあり、ワーク着脱作業中での不
用意なクランプ作動で作業者の手指を狭む恐れが
ある。

本考案は、かゝる不都合を解消した装置を提供
することをその目的とするもので、上記従来例の
ものにおいて、駆動カムを作動位置に拘束すべく
作動するロツクシリンダを設け、該ロツクシリン
ダをスプールバルブを介しての給油によりそのア
ンクランプ側への切換で作動させるようにしたこ
とを特徴とする。

次いで本考案を図示の実施例に付説明する。

第１図を参照して、１は工作機械、２はその前
方の基台を示し、該基台２上にワークａを保持す
るワーククランプ３を表裏両面に有する治具台４
を第２図に示す如く左右１対に並設すると共に、
該各治具台４に係合する搬送部材５を油圧シリン
ダその他の駆動源６により左右に往復動自在と
し、かくて該駆動源６の作動によれば該両治具台
４，４は左右動されてその一方と他方とが交互に
中央の加工ステーシヨンＡとその各側方の着脱ス
テーシヨンＢとに選択されるようにし、該加工ス
テーシヨンＡでは該治具台４が下動されて位置決
めされ、前記工作機械１の加工ヘツド１ａの前進
により該治具台４の表面に保持されるワークａの
表面側の加工とその裏面に保持されるワークａの
該治具台４の透窓４ａを介しての裏面側の加工と
が行われるようにし、又該各着脱ステーシヨンＢ
では該治具台４を図示しないターンテーブルを介
して一方と他方とに適宜反転回動自在とし、該各
着脱ステーシヨンＢと該加工ステーシヨンＡとの
間の１回目の往復動後に該治具台４を例えば時計
方向に反転回動させて表裏を逆にしての加工に備
えられるようにし、次いで２回目の往復動後に該
治具台４を反時計方向に反転回動させてワークａ
の着脱に備えられるようにした。

ここで該各治具台４上には、第３図乃至第５図
に示す如く表裏のワーククランプ３，３の各油圧
回路、即ち各ワーククランプ３に備えるクランプ
シリンダ３ａの油圧回路を切換制御する１対のス
プールバルブ７，７を挿設したバルブブロツク８
が設けられるもので、該バルブブロツク８を該各
治具台４の上面の回動中心位置に固設してその反
転回動に伴い該バルブブロツク８が回動されるよ
うに構成し、更に該各スプールバルブ７を操作す
る該バルブブロツク８上の１対の従動カム９，９
とその回動軌跡内に突出する駆動カム１０とから
成るカム機構１１を設けた。

該カム機構１１は、該治具台４の反時計方向へ
の反転回動に伴い該各従動カム９が第３図で左方
から該駆動カム１０に当接したときは、該従動カ
ム９が該駆動カム１０に押されて下方に揺動され
該スプールバルブ７にばね７ａに抗した下方のア
ンクランプ位置（図示の位置）への切換が与えら
れるが、該治具台４の時計方向への反転回動に伴
い該各従動カム９が第３図で右方から該駆動カム
１０に当接したときは、該駆動カム１０が戻しば
ね１２に抗して正規の作動位置から逃げて該従動
カム９の作動、即ち下方への揺動を生じないよう
に構成されるもので、これを更に詳述るに、図示
のもので該駆動カム１０は、該バルブブロツク８
に対し回動自在の外周の配管スリーブ１３に備え
るステー１４上の軸１５ａに軸支せしめた上下方
向に揺動自在の揺動アーム１５に軸１０ａにおい
て横方向に揺動自在に軸支されると共に、該駆動
カム１０上のピン１０ｂで位置決めされる正規の
作動位置に向けて戻しばね１２により第４図で反
時計方向に付勢されるものとし、又該各従動カム
９は該バルブブロツク８の上面の回転対称位置に
夫々根部の軸９ａで上下方向に揺動自在に軸支さ
れるものとし、該各揺動カム９が該駆動カム１０
に第３図で左方から当接したときは、該各揺動カ
ム９がその先端の左上りの傾斜縁９ｂに案内され
て下方に揺動されるが、右方からの当接によれ
ば、該傾斜縁９ｂの左端の段部９ｃが該駆動カム
１０に係合して該駆動カム１０が戻しばね１２に
抗して作動位置から右方（第４図で時計方向）に
逃げ、該従動カム９の下方への揺動を生じないよ
うにした。

更に、図示のものでは左右の両治具台４，４間
に跨るリンク１６を設けて、該リンク１６の各端
部を前記ステー１４に軸１６ａにおいて枢着する
と共に前記揺動アーム１５の尾端を該リンクに係
合させかくて加工ステーシヨンＡでの治具台４の
下動に伴い該リンク１６が第３図で点線示の状態
から実線示の状態に傾動されたとき、該揺動アー
ム１５を介して該駆動カム１０が下動されて該従
動カム９の回動軌跡内に突出されるようにした。

而して、加工ステーシヨンＡ上の治具台４の下
動に続いて着脱ステーシヨンＢ上の治具台４を反
時計方向に反転回動させれば、裏側に向くワーク
ａのワーククランプ３に対応するスプールバルブ
７が駆動カム１０により従動カム９を介してアン
クランプ位置に切換られて該ワーククランプ３が
アンクランプ状態となるから、この状態でワーク
ａの着脱を行うことが出来、一方１回目の往復動
後表裏逆にしてのワークａの加工に備えるべく治
具台４を時計方向に回動させるときは、裏側に向
くワークａのワーククランプ３に対応するスプー
ルバルブ７は上記の如く駆動カム１０の逃げで上
方のクランプ位置に保持され、ワークａの脱落を
生じない。

図面で１７は油圧源に連るパイプを示し、該パ
イプ１７は前記リンク１６の中間の分配器１８を
介して各治具台４上の前記配管スリーブ１３に接
続されるものとした。

以上は上記従来例のものと特に異らないが、本
考案によれば、前記駆動カム１０を作動位置に拘
束すべく作動するロツクシリンダ１９を設け、該
ロツクシリンダ１９を前記スプールバルブ７を介
しての給油によりそのアンクランプ側への切換で
作動させるもので、これを図示のものに付更に詳
述するに、該駆動カム１０を軸支する前記揺動ア
ーム１５上に該ロツクシリンダ１９をそのピスト
ンロツド１９ａが該駆動カム１０上の前記ピン１
０ｂに当接されるように配置し、該ロツド１９ａ
の前進によれば、該駆動カム１０が該ピン１０ｂ
を介して反時計方向に押圧されて作動位置に拘束
されるようにし、該ロツド１９ａの前進用油路２
０と後退用油路２１とを該スプールバルブ７の切
換で給油側と排油側とに切換接続される配管スリ
ーブ１３上の１対の第１第２配管口２２，２３に
各接続し、該スプールバルブ７が上方のクランプ
位置に存するときは、第２配管口２３を介しての
後退用油路２１への給油により該ロツド１９ａが
後退されて該駆動カム１０の逃しばね１２に抗し
た逃げが許容されるが、該スプールバルブ７の下
方のアンクランプ位置への切換によれば図示の如
く第１配管口２２を介して前進用油路２０に給油
され、該ロツド１９ａの前進による該ロツクシリ
ンダ１９の作動で該駆動カム１０が作動位置に拘
束されるようにした。

而してこれによれば、該スプールバルブ７のア
ンクランプ側への切換によりワーククランプ３を
アンクランプ状態としてワークａの着脱作業を行
つている際に治具台４が振動しても駆動カム１０
はロツクシリンダ１９の作動で作動位置に確実に
拘束され、従来例の如く駆動カム１０が逃しばね
１２の弾力による遊びを生じて従動カム９との係
合が外れ、スプールバルブ７がクランプ側に復帰
してワーククランプ３が不用意にクランプ作動さ
れるようなことは無い。

尚、上記実施例では駆動カム１０を揺動アーム
１５に横方向に揺動自在に軸支したが、これに限
るものでは無く、例えば第６図乃至第８図に示す
ように駆動カム１０を上下方向に揺動自在に軸支
して戻しばね１２に抗して上方に逃げ勝手として
も良く、この場合該戻しばね１２はスプールバル
ブ７のばね７ａよりも弱くし、治具台４が第７図
で反時計方向に回動されて従動カム９が第６図で
左方から駆動カム１０に当接されたときは、該従
動カム９の先端の左上りの傾斜縁９ｂに押されて
該駆動カム１０が上方に逃げ、治具台４の時計方
向への回動で該従動カム９の段部９ｃが該駆動カ
ム１０の右側縁に係合したときは、該従動カム９
がその軸９ａ回りに作用するモーメントで下方に
揺動しスプールバルブ７がアンクランプ側に切換
られるようにする。

そして、揺動アーム１５上にロツクシリンダ１
９を設け、該シリンダ１９をスプールバルブ９に
対し上記実施例と同様に配管接続し、スプールバ
ルブ９のアンクランプ側への切換に伴うピストン
ロツド１９ａの前進により該駆動カム１０が該揺
動アーム１５上のストツパピン２４で位置規制さ
れる下方の作動位置に拘束されるにした。

この様に本考案によるときは、治具台の一方へ
の反転回動により駆動カムに係合する従動カムを
介してスプールバルブがアンクランプ側に切換ら
れたとき、該スプールバルブを介して給油される
ロツクシリンダの作動で該駆動カムを作動位置に
拘束するようにしたもので、アンクランプ時該ス
プールバルブはアンクランプ側に確実に切換保持
され、該駆動カムの戻しばねによる遊びで該従動
カムとの係合が外れてワーククランプ不用意にク
ランプ作動されるといつた上記従来例のものにお
ける不都合を確実に解消し得る効果を有する。

【図面の簡単な説明】

第１図は本案装置を具備する治具台装置の１例
の側面図、第２図はその正面図、第３図はその要
部の拡大截断正面図、第４図はその上面図、第５
図はその側面図、第６図は変形例の要部の拡大截
断正面図、第７図はその上面図、第８図はその側
面図である。 ａ……ワーク、３……ワーククランプ、４……
治具台、７……スプールバルブ、８……バルブブ
ロツク、９……従動カム、１０……駆動カム、１
１……カム機構、１２……戻しばね、１９……ロ
ツクシリンダ。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. ワークを保持するワーククランプを有する治具
   台を一方と他方とに反転回動自在とし、該治具台
   上に、その反転回動に伴われて回動するバルブブ
   ロツクを設けて、該バルブブロツクにワーククラ
   ンプの油圧回路を切換制御するスプールバルブ
   と、該スプールバルブを操作するカム機構とを設
   け、該カム機構を、スプールバルブの復帰ばねに
   抗して該スプールバルブを押圧すべく上下動自在
   に設けた従動カムと、該従動カムの前記バルブブ
   ロツクの回動による回動軌跡内に突出して、該従
   動カムの一方向の回動で、該従動カムの下方への
   作動を生じさせる作動位置と、該従動カムの他方
   向の回動で、該従動スムの下方への作動を生じさ
   せない不作動位置とに切換えるべく切換動自在に
   設けた駆動カムとをもつて形成したものにおい
   て、前記カム機構に、前記駆動カムを作動位置に
   拘束すべく作動するロツクシリンダを設け、該ロ
   ツクシリンダを前記スプールバルブの油路に、該
   バルブの下動で作動すべく接続したことを特徴と
   する治具台装置におけるワーククランプの作動制
   御装置。