JP3339753B2 - 工作機械の自動工具交換装置 - Google Patents

工作機械の自動工具交換装置

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JP3339753B2 JP27052394A JP27052394A JP3339753B2 JP 3339753 B2 JP3339753 B2 JP 3339753B2 JP 27052394 A JP27052394 A JP 27052394A JP 27052394 A JP27052394 A JP 27052394A JP 3339753 B2 JP3339753 B2 JP 3339753B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、スピンドルヘッドにク
ランプされた工具をアンクランプするための機構と、工
具を交換するためのマガジンとを備えた工作機械の自動
工具交換装置に関する。
【0002】
【従来の技術】従来から、工作機械の自動工具交換装置
において、スピンドルヘッドにクランプした工具を工具
交換時にアンクランプするためのアンクランプ機構と、
工具交換時にスピンドルヘッドに対して前後移動してス
ピンドルヘッドとの間でダイレクトに工具の受け渡しを
行うマガジンとを備えたものがある。そして、アンクラ
ンプ機構の駆動にはエアシリンダ等を用い、マガジンの
前後移動にはカム機構又は、エアシリンダを用いてお
り、両者は互いに連携動作するものであるにも関わら
ず、各々、別の駆動系とされていた。また、特に、ワー
クに対して水平方向(横)から加工動作を行うタイプの
工作機械においては、アンクランプ機構が、スピンドル
ヘッド側に装着されており、スピンドルヘッドの上下移
動とともに連動していた。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上述し
たような従来の自動工具交換装置においては、アンクラ
ンプ機構とマガジンとが別々の駆動系で駆動されるた
め、両者の動作のタイミングを取る必要から、動作完了
を示す信号を授受するなどして動作の確認を行ってお
り、そのための時間がかかり、結果的に、工具交換の動
作速度が遅くなっていた。また、アンクランプ機構がス
ピンドルヘッド側に装着されているため、スピンドルヘ
ッドの重量が重くなり、駆動源の負荷が大きくなり、上
下方向動作に不利となっていた。本発明は、上記の問題
を解消するためになされたものであり、アンクランプ機
構とマガジンの駆動を1つの駆動系で行うようにして、
両者の動作タイミングを取るための確認を必要とせず、
工具交換の動作速度を上げることが可能で、また、アン
クランプ機構をコラム側に装着してスピンドルヘッドの
重量を軽くし、その上下方向駆動源の負担を軽減するこ
とができる工作機械の自動工具交換装置を提供すること
を目的とする。
【0004】
【課題を解決するための手段】この目的を達成するため
に請求項1の発明は、工具が取り付けられるスピンドル
ヘッドと、このスピンドルヘッドに対して取り付け交換
される工具を把持するグリップが複数個設けられたマガ
ジンとを有した工作機械の自動工具交換装置において、
前記スピンドルヘッドにクランプされた工具を工具交換
時にアンクランプするためのアンクランプ駆動レバーを
含むアンクランプ機構と、前記マガジンを工具交換時に
スピンドルヘッドに対して前後移動するための前後移動
レバーを含む前後移動機構と前記アンクランプ駆動レ
バーを作動させるカムと前後移動レバーを作動させるカ
ムとを一体にしたカム体とを備え、前記スピンドルヘッ
ドから前記マガジンへの工具の受け渡し時には、前記ア
ンクランプ機構によるアンクランプ動作と前記前後移動
機構による前記マガジンの前方移動動作とが相前後して
前記カム体により連続的に行われ、前記マガジンから前
記スピンドルヘッドへの工具の受け渡し時には、前記前
後移動機構による前記マガジンの後方移動動作と前記ア
ンクランプ機構によるクランプ動作とが相前後して前記
カム体により連続的に行われるようにしたものである。
【0005】
【作用】上記の構成を有する請求項1の工作機械の自動
工具交換装置によれば、アンクランプ駆動レバーを駆動
して、スピンドルヘッドにクランプされた工具をアンク
ランプすると共に、前後移動レバーを駆動して、マガジ
ンをスピンドルヘッドに対して前後移動させることによ
り、工具交換を行う。この時、アンクランプ駆動レバー
と前後移動レバーとは、一体のカム体に設けたカムによ
り動作され、アンクランプ動作とマガジンの前方移動動
作とが相前後して行われることにより、スピンドルヘッ
ドからマガジンへの工具の受け渡しがなされ、また、マ
ガジンの後方移動動作とクランプ動作とが相前後して行
われることにより、マガジンからスピンドルヘッドへの
工具の受け渡しがなされる。いずれも、各動作を相前後
して連続的に行えるので、動作速度を高めることができ
る。
【0006】
【実施例】以下、本発明を具体化した一実施例による自
動工具交換装置を備えた工作機械について図面を参照し
て説明する。図1は全体構成を示す側面図、図2はマガ
ジンの前後移動機構を示す平面断面図、図3はアンクラ
ンプ機構を示す側断面図である。工作機械1は、ワーク
(図示なし)に対して水平方向(図面上では左右)に切
削その他の工作を行うものであり、前後及び左右方向に
移動可能に設けられたコラム2に対して上下方向に移動
可能に設けられたスピンドルヘッド3と、このコラム2
に対して前後方向に移動可能でかつ、自転可能に設けら
れた自動工具交換のためのマガジン装置4とから構成さ
れる。スピンドルヘッド3は、コラム2側に設けられた
ボールねじ(図示なし)で上下駆動されるようになって
いる。このスピンドルヘッド3は、工具ホルダーを保持
しクランプするホルダー部5を先端部に有し回転駆動さ
れるスピンドル軸(主軸)6と、このスピンドル軸6を
回転駆動するスピンドルモータ7と、工具のクランプを
解除するアンクランプ機構8の一部を備えている。
【0007】アンクランプ機構8を構成する部材とし
て、スピンドル軸6の中空部に該軸と平行に移動可能に
挿入され、アンクランプバネ(不図示)により付勢され
たロッド9と、スピンドル軸6の外周囲に嵌合され、前
記ロッド9の後端部側でピンにより連結されたアンクラ
ンプリング10とが、スピンドルヘッド3側に設けられ
ている。アンクランプ機構8を構成するその他の部材と
して、コラム2側に支点台11に回転可能に支持された
アンクランプ駆動レバー12(アンクランプレバーとい
う)と、このアンクランプレバー12を所定角度内で回
転駆動するカム13とが、コラム2側に設けられてい
る。アンクランプレバー12の上端部(点線部)は、カ
ム13のアンクランプ用カム溝13aに嵌まっており、
カム13の回転により該アンクランプレバー12が回動
する。アンクランプレバー12の下端部は、スピンドル
ヘッド3の外装カバーに開けた開口3aを通してスピン
ドルヘッド3内に臨み、スピンドルヘッド3が上昇した
時にアンクランプリング10の側端面に当接し得る状態
となり、カム駆動により、アンクランプレバー12が二
点鎖線で示すように回動して、アンクランプリング10
を前方に押し出し、これにより工具のクランプ状態を解
除できるようになっている。
【0008】マガジン装置4は、放射状に複数の工具を
保持するグリップ14を有した円盤状のマガジン15を
有し、このマガジン15は、コラム2側に固定されたマ
ガジン支持部16に回転自在に支持された回転軸17に
保持されており、この回転軸17に形成されたスプライ
ンにより水平方向には移動可能とされ、該軸17と一体
に回転されるようになっている。回転軸17は、減速歯
車機構18と駆動軸19を介してマガジン旋回モータ2
0に連結されている。なお、マガジン15を所定の回転
位置に停止させるための位置決めピン21aがマガジン
支持部16に設けられ、それに対向してマガジン15の
所定の位置に位置決め穴21bが設けられており、マガ
ジン15が後退した時に、位置決めピン21aが位置決
め穴21bに嵌まり込み位置決めされる。また、マガジ
ン15の所定の回転位置で、グリップ14をアンロック
するための部材22が装備されている。
【0009】また、マガジン15を前後方向に移動させ
るための機構として、マガジン支持部16が取り付けら
れたカムベース16aに前後移動自在に支持された前後
シャフト軸23と、この前後シャフト軸23を前後移動
させるための前後移動レバー24(前後レバーという)
とを有する。この前後レバー24は、カムベース16a
の天板に回転自在に支持され、その一端に締結されたカ
ムフォロア(図示なし)はカム13の前後用カム溝13
bに嵌められ、他端に締結されたカムフォロア24aは
前後シャフト軸23に結合された前後カム部材25に係
合されている。前後シャフト軸23の前端部に締結した
カムフォロア23aは、マガジン15と一体に設けたカ
ム溝26に係合させ、該シャフト軸23の前後移動をマ
ガジン15に伝達するようにしている。また、アンクラ
ンプ用カム溝13aと前後用カム溝13bとが設けられ
た一体のカム13は、カップリング27を介してカム駆
動モータ28(図2、図3)に連結されており、カム1
3の回転位置を検出するカムセンサ29からの信号に基
づいて回転制御されるようになっている。カム動作によ
り、マガジン15は前後レバー24を介して前後方向に
駆動される。二点鎖線で示す前後カム部材25´は前方
に移動した時の位置を示している。
【0010】図4はカム13の2つのアンクランプ用カ
ム溝13aと前後用カム溝13bのタイミング線図であ
る。カムの正回転時に、アンクランプ機構によるアンク
ランプ動作と、前後移動機構によるマガジンの前方移動
動作とが相前後して連続的に行われ、また、その逆回転
時には、逆の動作が行われるようなカム溝構成とされて
いる。
【0011】なお、上記アンクランプ機構8において、
アンクランプレバー12の下端部はアンクランプリング
10に跨がり得る二股形状とされ、ここにコロ部材でな
るカムフォロア12a(図3)が回転自在に取り付けら
れ、アンクランプレバー12はこのカムフォロア12a
を介してアンクランプリング10の側端面と接触するよ
うな構成とされている。アンクランプリング10は、ス
ピンドルヘッド3の外周に嵌められ、スピンドルヘッド
3の長孔を挿通するピンによりアンクランプ用のロッド
9と連結されている。
【0012】次に、上記のように構成された工作機械の
自動工具交換装置の動作について、図5のフローチャー
トを参照して説明する。自動工具交換の動作が開始され
ると、スピンドルヘッド3が上昇し、アンクランプレバ
ー12がアンクランプリング10に当接し得る状態とな
り、この時、スピンドルヘッド3の先端のホルダー部5
にクランプされている工具ホルダーは、マガジン15の
グリップ14に受け渡される。上記動作に相前後して、
カム駆動モータ28が駆動されてカム軸27を介してカ
ム13が回転駆動され(S1)、アンクランプレバー1
2のカムフォロア12aがアンクランプ用カム溝13a
の傾斜にかかり、アンクランプレバー12が支点台11
の軸回りに回動され、その下端のカムフォロア12aが
アンクランプリング10の側端面を押し、ロッド9がア
ンクランプバネによる付勢に抗して移動され、アンクラ
ンプが行われる(S2)。アンクランプレバー12は円
弧運動するのに対し、アンクランプリング10はスピン
ドル軸6に平行な直線運動をするが、カムフォロア12
aを介して転がり運動をするので、両者の接触部での磨
耗は生じない。
【0013】上記のアンクランプが終了する直前に、前
後レバー24のカムフォロア(図示なし)がマガジン前
後用カム溝13bの傾斜にかかり、前後レバー24が動
き出し、そのカムフォロア24aが前後カム25を押
し、前後シャフト軸23が前進する。これにより、前後
シャフト軸23の先端のカムフォロア23aがカム溝2
6を介してマガジン15を前進させる(S3)。マガジ
ン15の前進は、カムセンサ29による検出信号に基づ
いてカム駆動モータ28を停止させることで終了する。
その後、マガジン旋回モータ20が回転し、減速歯車機
構18と回転軸17のスプラインを経てマガジン15を
旋回させ、割り出しを行う(S4)。割り出し終了後、
カム駆動モータ28を逆回転させることで、カム13を
反転させる(S5)。これにより、上記動作と逆の順序
で逆の動作を行う。すなわち、マガジン15を後退させ
(S6)、マガジン15からスピンドルヘッド3側へ工
具ホルダーを渡し、そのクランプを行う(S7)。クラ
ンプ動作は、マガジン前進時と同様に、カムセンサ29
による検出信号に基づいてカム駆動モータ28を停止さ
せることで終了する。
【0014】なお、本発明は上記実施例構成に限られず
種々の変形が可能であり、例えば、アンクランプ機構8
を構成するアンクランプリング10はリング形状に限ら
れることなく、スピンドル軸方向に移動してクランプを
解除するものであれば、どのような形状であってもよ
い。
【0015】
【発明の効果】以上のように請求項1の発明に係る工作
機械の自動工具交換装置によれば、スピンドルヘッドへ
の工具のアンクランプ・クランプ動作と、工具交換のた
めのマガジンの前進・後退動作とは、一体の1つのカム
の回転により時間的に相前後して連続的に行われるの
で、互いに動作完了の確認を取る必要がなく、動作のス
ピードアップが図れ、工具交換動作に要する時間を短く
できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例による自動工具交換装置を備
えた工作機械の側断面図である。
【図2】同装置におけるマガジン前後駆動機構部分の平
面断面図である。
【図3】同装置におけるアンクランプ機構の側断面図で
ある。
【図4】同装置におけるカムのタイミング線図である。
【図5】同装置の工具交換動作を示すフローチャートで
ある。
【符号の説明】
1 工作機械 2 コラム 3 スピンドルヘッド 4 マガジン装置 8 アンクランプ機構 12 アンクランプレバー 13 カム13 13a アンクランプ用カム溝 13b 前後用カム溝 14 グリップ 15 マガジン 24 前後レバー

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 工具が取り付けられるスピンドルヘッド
    と、このスピンドルヘッドに対して取り付け交換される
    工具を把持するグリップが複数個設けられたマガジンと
    を有した工作機械の自動工具交換装置において、 前記スピンドルヘッドにクランプされた工具を工具交換
    時にアンクランプするためのアンクランプ駆動レバーを
    含むアンクランプ機構と、 前記マガジンを工具交換時にスピンドルヘッドに対して
    前後移動するための前後移動レバーを含む前後移動機構
    前記アンクランプ駆動レバーを作動させるカムと前後移
    動レバーを作動させるカムとを一体にしたカム体とを備
    え、 前記スピンドルヘッドから前記マガジンへの工具の受け
    渡し時には、前記アンクランプ機構によるアンクランプ
    動作と前記前後移動機構による前記マガジンの前方移動
    動作とが相前後して前記カム体により連続的に行われ、
    前記マガジンから前記スピンドルヘッドへの工具の受け
    渡し時には、前記前後移動機構による前記マガジンの後
    方移動動作と前記アンクランプ機構によるクランプ動作
    とが相前後して前記カム体により連続的に行われるよう
    にし たことを特徴とする工作機械の自動工具交換装置。
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