JPS5852006Y2 - 中ぐり加工装置 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は治具に固定したワークの中ぐり加工装置に関す
るもので、クランプ装置のクランプ解除操作によって中
ぐり加工面にツールマークを生じさせないようにするこ
とを目的とする。

従来の中ぐり加工装置においては、中ぐり加工面にツー
ルマークを生じさせないために、中ぐり加工後工具を半
径方向に逃すための特別な機構を加工主軸側に組込むと
か、又ワークを工具刃先から逃す特別な機構を治具側に
組込むことが行われていた。

こいため構造の複雑化を招くばかりでなく価格の増大を
招いていた。

本考案はかかる従来の欠点をなくするために、ワークの
クランプ支持面に対してずれた位置にある加工部を支持
するナチュラルクランプ装置のスプリング押圧力を利用
してアンクランプ動作によってワークを工具刃先から逃
すようにしたもので、特別な機構を付加することなくク
ランプ装置のクランプ力解除操作によって所期の目的を
達成せんとするものである。

以下本考案の実施例を第１図に基いて説明する。

１０は基台、１１は基台１０に設置された治具本体、１
２は治具本体１１上に立設された支柱、１３はこの支柱
１２の上端に固着された固定板、１４．１５はこの固定
板１３に固着されたクランプ用シリンダ及びナチュラル
パーロック用のシリンダ、１６は治具本体１１上に設置
されワークＷの基準面Ｗａを支承する基準シート、１７
は基準シート１６のシート面１６ａ上に突出されワーク
Ｗの基準穴に係入する基準ピン、１８は基準シート１６
からずれた位置に設けられワークＷの加工部下面を支承
するナチュラルクランプ装置である。

このナチュラルクランプ装置１８は、ガイドブツシュ２
０に軸方向摺動可能に案内されたナチュラルバー２１と
、このナチュラルバー２１を加工部下面に弾力的に押圧
せしめるスプリング２２と、ナチュラルバー２１の外周
面と摩擦係合し軸方向変位を阻止する上部楔体２３と、
ナチュラルパー２１の下端面と係合し後退を阻止する下
部楔体２４と、この上部楔体２３及び下部楔体２４を進
退勤作させる操作機構２５とから構成されている。

操作機構２５としては、治具本体１１に軸承された枢軸
２６の一端に固着された回動レバー２７と、この回動レ
バー２７に係合し上部楔体２３の突出軸３０に嵌合する
上部ブロック３１及び下部楔体２４の突出軸３２に嵌合
する下部ブロック３３と、上部楔体２３と上部ブロック
３１との間及び下部楔体２４と下部ブロック３３との間
に挿入された圧縮スプリング３４．３５と、前記枢軸２
６の他端に固着された作動アーム３６と、この作動アー
ム３６の先端部に枢支ピン３７にて一端が連結され他端
が前記シリンダ１５のピストンロツ）”１５ａと枢支ピ
ン３８にて連結された連結ロッド３９とにより構成され
ている。

前記楔体２３，２４の各突出軸３０，３２の先端にはブ
ロック３１．３３と係合する係止フランジ３０ａ 、３
２ａが突設されている。

前記クランプ用シリンダ１４のピストンロッド１４ａ下
端部にはクランプ装置４０が設けられている。

このクランプ装置４０としては、ピストンロッド１４ａ
と連結された昇降ブロック４１と、この昇降ブロック４
１に突設され固定板１３に設けられたブツシュ４２に案
内されたパイロットパー４３と、昇降ブロック４１に枢
軸４３にて揺動可能に枢支された揺動体４４と、この揺
動体４４に突設されワークＷに当接する抑圧子４５．４
５と、昇降ブロック４１の下面に固着され、シリンダ４
６及びこのシリンダ４６に嵌挿されピストンロッド４７
を下方に突出せしめたピストン４８を備えた補助クラン
プ装置５０とより構成されている。

この補助クランプ装置５０はナチュラルクランプ装置１
８にて支承される加工部上面を押圧し、上下各楔体２３
，２４にてロックされたナチュラルパー２１に対してワ
ークＷの加工部は挾持されクランプされる。

この加工部の加工穴中心と同心的に加工主軸（図示省略
）が配置され、この加工主軸の先端には工具Ｔを備えた
フィール５１が固着されている。

この加工主軸を軸承せる主軸ユニットは送りユニット上
に設置され、加工穴中心線と平行な方向に進退勤作され
る。

またこの加工主軸は定位置停止機構を有し、中ぐり加工
後工具Ｔを最上部に位置させるべく停止される。

前記クランプ用シリンダ１４及びロック用のシリンダ１
５並びに補助クランプ用シリンダ４６は第２図に示すよ
うに油圧源６０に対し電磁切替弁６１．６２，６３，６
４及び減圧弁６５を介して接続されている。

電磁切替弁６１はクランプ装置４０のクランプ、アンク
ランプを切替えるためのものであり、電磁切替弁６２は
電磁切替弁６１をアンクランプに切替えた直後に付勢さ
れ、シリンダ１４によるクランプ力解除が行われた後ピ
ストンの上昇運動を阻止するものである。

電磁切替弁６３は補助クランプ装置のクランプ、アンク
ランプを切替えるものであり、電磁切替弁６４はナチュ
ラルクランプ装置１８のロック、アンロックを切替える
ものである。

上記、構成における動作を第２図、第３図に基づいて説
明する。

第２図に示す切替弁の状態は原位置状態であり、シリン
ダ１４のピストン及び補助シリンダ４６のピストンは上
昇端に位置し、シリンダ１５のピストンは下降端に位置
し、クランプ装置４０、ナチュラルクランプ装置１８は
共にアンクランプ状態となっている。

このためナチュラルパー２１はスプリング２２の押圧力
により上方に押上げられている。

これよりワークＷを搬入し基準穴に基準ピンを係入させ
て位置決めし、基準シート１６にワーク基準面を支持さ
せる。

ナチュラルパー２１はワークの加工部下面によって押下
げられスプリング２２を圧縮する。

これより起動信号接点ｃｒｌＯが閉成され電磁切替弁６
１を切替えてシリンダ１４のピストンを下降させ、押圧
子４５にてワークをシート面に押圧しクランプする。

この状態では補助クランプ装置５０はまだ作動されてい
ない。

クランプ確認にてリミットスイッチＬＳＩが閉成され電
磁切替弁６４を切替えてロック用シリンダ１５を作動さ
せ、連結ロッド３９、作動レバー３６を介して回動アー
ム２７を第１図において時計方向に回動させる。

枢軸２６に対して半径方向外方において回動アーム２７
と係合する上部ブロック３１は下部ブロック３３より変
位量が大きいので上部楔体２３の方が先にナチュラルパ
ー２１に摩擦係合してこれを仮締めする。

次いで下部楔体２４もナチュラルパー２１の下端面に係
合して後退を完全に阻止する。

こうしてナチニラルバー２１のロックが完了するとりミ
ットスイイツチＬＳ４が閉成され、電磁切替弁６３を切
替えて補助クランプ装置５０を作動させワーク加工部の
上下面をクランプし保持する。

補助クランプ確認にてリミットスイッチＬＳ３が閉成さ
れると加工主軸が回転され送りユニットの前進動作によ
り中ぐり加工が行われる。

送りユニットが前進端に達すると、加工主軸は工具刃先
が真上に位置する定位置に停止され、リレー接点ｃｒ−
１１−ｂが開かれ電磁切替弁６１，６３．６４が切替え
られ、クランプ装置４０、補助クランプ装置５０、ナチ
ュラルクランプ装置１８をアンクランプし、クランプ装
置４０が極くわずか上昇しクランプ力が解除される時間
遅れをもってタイマＴＲ１がタイムアツプし、タイマ接
点ｔｒ１を閉じて電磁切替弁６２を切替え、シリンダ上
室から排出される流体の流れをブロックする。

これによってシリンダ１４のピストンの上昇は止められ
クランプ力解除状態が持続され、アンクランプの確認も
行われない。

一方ナチュラルパー２１のロック状態も解除されるので
、スプリング２２による押圧力が有効となり１、ワーク
Ｗの加工部下面をこのスプリング力によって微小量押上
げる。

この後送りユニットを後退させ、加工面にツールマーク
を生じさせることなく加工主軸を原位置に復帰させるこ
とができる。

加工主軸の原位置復帰によりリレー接点ｃｒ１２ が
開かれ電磁切替弁６２を切替えてクランプ装置４０を復
帰させる。

このように、本考案によればワーク基準面からずれた加
工部を支承するナチュラルクランプ装置のスプリング力
を利用してワーク加工面を工具刃先から若干量逃すよう
にしたものであるため、アンクランプ動作と同時に逃が
し動作が行われ、サイクルタイムの短縮ができるばかり
でなく、加工主軸とか治具本体に特別な逃し機構を組込
まなくて良いため構成を複雑化させないで済む利点があ
る。

【図面の簡単な説明】

図面は本考案の実施例を示すもので、第１図は治具装置
の縦断面図、第２図は油圧回路線図、第３図は電気回路
線図である。 １１・・・・・・治具本体、１４・・・・・・クランプ
用シリンダ、１５・・・・・・ロック用シリンダ、１６
・・・・・・基準シート、１８・・・・・・ナチュラル
クランプ装置、２１・・・・・・ナチュラルバー、２２
・・・・・・スプリング、２３・・・・・・上部楔体、
２４・・・・・・下部楔体、３１・・・・・・上部ブロ
ック、３３・・・・・・下部ブロック、４０・・・・・
・クランプ装置、４６・・・・・・補助クランプ用シリ
ンダ、５０・・・・・・補助クランプ装置、６１，６２
，６３，６４・・・・・・電磁切替弁。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 中ぐり加工されるワークのクランプ基準面を治具本体の
   シート面に押圧するクランプ装置と、前記クランプ基準
   面からずれた加工部下面にスプリング力にて当接するナ
   チュラルバー及びこナチュラルバーの後退を阻止するロ
   ック機構を備えたナチュラルクランプ装置と、前記加工
   部上面を押圧し前記ロック機構にてロックされたナチュ
   ラルバーとによって加工部を挾持して固定する補助クラ
   ンプ装置と、前記加工部の内周面を中ぐり加工する工具
   を支持して回転可能に軸承され軸線方向に相対移動可能
   な加工主軸と、中ぐり加工後前記工具をナチュラルバー
   の抑圧方向に一致させるべく主軸を定位置割出しする割
   出装置と、工具の定位置割出し後前記りランプ装置釦よ
   び補助クランプ装置のクランプ力を除去しかつ前記ナチ
   ュラルクランプ装置のロック機構を除去させる制御手段
   とを設け、前記ナチュラルバーのスプリング押圧力にて
   アンクランプ動作と同時に加工部を上方に微少変位させ
   て中ぐり加工面と工具刃先とを離間せしめるようにした
   ことを特徴とする中ぐり加工装置。