JPS6030753Y2 - 写真感光材料処理装置 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は写真フィルムや写真製版用の印刷版等の写真感
光材料（以下単に１感光材料、という）を写真処理する
装置に関腰さらに詳細には走行する感光材料にノズルパ
イプからの処理液を噴射させて写真処理を行うようにし
た噴射式写真処理装置（以下単に１処理装置ヨという）
の改良に関する。

感光材料特に印刷版などのような大型の感光材料へ現像
・定着・水洗等の写真処理を施す場合には、第１図に示
すような処理液噴射式の処理装置が一般に用いられてい
た。

この処理装置は送りローラ１等の搬送手段によって感光
材料２を矢印方向へ搬送する過程において、搬送路の上
方に（必要に応じては点線で示すように下方にも）複数
個のノズルパイプ３を臨設腰タンク”４から供給される
現像液、定着液、あるいは水洗水等の処理液５を感光材
料２の表面に噴射させて写真処理を行われる。

この処理装置に用いられているノズルパイプ３は、一端
を閉鎖した中空円筒の軸方向周壁に、感光材料２の表面
に対して複数個のノズルを垂直に透設して戒り、加圧状
態でパイプ３内に供給される処理液５をノズルを通して
感光材料の表面に噴射していた。

しかしながらこのような処理装置によるときは、噴射さ
れた処理液５が感光材料２の表面で多量にかつ長時間に
渡って滞留するために該表面に処理ムラを生じ、処理効
率が極めて悪いという欠点があった。

何故なら、処理液５が感光材料の表面に対しほぼ垂直な
角度で噴射されるために、処理液が円滑に感光材料から
流出せず、感光材料表面に残ったま）次工程へ搬送され
てしまうからである。

これを印刷版現像処理装置における現像・水洗機構を例
にとって、更に詳しく説明すると、アルミニウムプレー
トに予め感光層が施されている印刷用ｐｓ版（ｐｒｅ−
ｓｅｎｓｉｔｉｚｅｄｐｌａｔｅ富士写真フィルム■商
品名）は富士写真フィルム上商品名液を噴霧され、未感
光部分が膨潤して感光部分より脱膜剥離され、続いて水
洗される。

現像工程では、このように未感光部分や脱膜剥離される
が、現像液が版から円滑に流出しないので、不要な膨潤
膜が充分除去されないま）、版材が水洗工程へ導びかれ
る。

水洗に於ても同様に水洗水が必要な時間だけ、版材に対
して噴霧されるが、水洗水が版から円滑に流れない。

この結果どうしても膨潤膜が版材に付着したま）の傾向
をきたし、このように仕上げられた版を印刷に用いると
、版の不要部分に印刷インキが乗り、印刷物を汚れたも
のにしてしまい、実用上有害な欠点が生じた。

そこで、本考案は従来の処理装置における上記欠点を解
消し、感光材料へ噴射された処理液が、該表面に滞留す
ることなく迅速に流動し処理効率が改善された処理装置
を提供することを目的とする。

本考案の上記目的は水平な感光材料搬送路に沿って臨設
されたノズルパイプから処理液を走行する感光材料の表
面へ噴射して写真処理を行う写真感光材料処理装置にお
いて、噴射した処理液が感光材料の側端部から流出する
如く前記ノズルを感光材料の表面側端方向に傾斜させて
設けたことを特徴とする写真感光材料処理装置、によっ
て達成される。

この詳細を本考案の実施態様に基き以下に説明する。

第２図は本考案の要部であるノズルパイプの一実施態様
を示す側断面図である。

このパイプ３はある程度肉厚を有し、孔あけ等の加工が
容易な塩化ビニール等の樹脂製パイプから戒り、その一
端は閉鎖され他端は給液源（図示せず）に連結され、ま
た周壁軸方向には第２図に示すように軸中心線Ｘ−Ｘに
垂直な方向に対し、角度θだけ傾斜してはＳ′等間隔に
透設された複数個のノズル３ａを有するもので、感光材
料２の搬送路上方の幅方向にノズル３ａを下向きにして
配設されている。

パイプ３の軸方向長さは感光材料２の幅方向長さとはく
等しく、またノズル３ａの孔径は通常１ｍｍ〜６ｍ程度
に設定される。

こ）にノズル３ａの傾き角度θ「噴射角ヨという）をど
のように設定するかは、処理液５の感光材料２表面にお
ける流動性及び流出方向に関連するので、特に重要であ
る。

噴射角θの設定に際してはノズル３ａの大きさ、液圧、
ノズル３ａから感光材料２表面までの距離等の諸条件に
よって変動するので、通常実験的に求めることが好まし
く、本考案者らの経験によれば、この噴射角θは一般に
５°〜６０°が好ましく、さらに好ましくは液噴霧損失
を減少させる為に、２５°〜３５°であることが明らか
にされている。

以上の通り構成された本処理装置によれば、処理液５が
第３図に矢印で示すように感光材料２の側端方向に迅速
に流動して該側端から下方に流出するので液と感光層と
の接触が迅速に行なわれ処理効率がよく、かつ処理液５
が感光材料２の表面に滞留することがない。

以上は本考案の一実施態様であるが、本考案においては
第４図以下に示すように種々の変更が可能である。

第３図はノズルパイプ３の噴射角θを軸方向の中央部で
左右に傾きを変えてノズル３ａを設けたもので、このノ
ズルパイプ３を配設した処理装置によれば、感光材料の
一端だけでなく、処理液５が感光材料２の両側端部から
流出する。

第４図は傾斜状のノズル３ａと垂直状のノズル３ｂとを
パイプ３に併設したもので、ノズル３ａから感光材料２
の表面性に側端部表面に噴射される処理液５が側方へ飛
散するのを、ノズル３ｂから噴射される処理液５によっ
て防止することができる。

前記態様はいずれもノズルパイプを装置の搬送路を横切
る方向に配設した場合であるが、本考案はこれに限らず
、第５図に示すように、パイプ軸が感光材料２の走行方
向と一致する様に、感光材料２の幅方向に複数個並設し
、かつノズル３ｂを噴射角θとなるように設定してもよ
い。

このように配置すれば、パイプに対して角度θだけ傾斜
させて穿孔加工する必要がなく、穿孔加工が容易で前記
態様と同じ効果を奏することが出来る。

なおパイプ３に設けられるノズル３ａ、３ｂについては
第６図に示すようにパイプ３にネジあるいは溶接時の固
着手段によってノズル金具３ａ１゜３ｂ、を設けること
も可能である。

以上に詳述したように、本考案によれば感光材料の表面
に噴射された処理液が該表面で迅速に流動するので処理
ムラを生じることがなく、またこの処理液は直ちに感光
材料表面から流出するので処理に有害な残留物を排除す
ることが出来、特に印刷版のように膨潤膜を生じる感光
材料の処理装置に開閉すれば顕著な効果が得られる。

【図面の簡単な説明】

第１図は従来装置の側面図、第２図は本考案の一実施態
様の断面図、第３図〜第６図は本考案の他の実施態様の
断面図である。 １・・・・・・送りローラ、２・・・・・・感光材料、
３・・・・・・ノズルパイプ、 ３ａｔ ３ｂ・・・・・・ノズル、 ４・・・・・・タン ク、 ５・・・・・・処理液。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 水平な感光材料搬送路に沿って臨設されたノズルパイプ
   から処理液を走行する感光材料の表面へ噴射して写真処
   理を行う写真感光材料処理装置において、噴射した処理
   液が感光材料の側端部から流出する如く前記ノズルを感
   光材料の表面側端方向に傾斜させて設けたことを特徴と
   する写真感光材料処理装置。