JPS6029582B2 - 金型用ガス抜き装置 - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 本発明はダィカストマシンや射出成形機等の成形機にお
ける金型のキャビティから、射出成形時に大量のガスの
みを抜き取る金型用ガス抜き装置に関するものである。

従来、ダィカストマシン等において高速高圧で溶融金属
をキャビティ内へ充填した場合、キャビティ内のガスが
充分抜け切らずに製品中に残存し、製品中に巣を形成す
る欠点があった。この欠点を排する為、本発明の出願人
会社では、多量のガスを短時間に抜くことができる様、
金型の分離面部に、キャビティから導かれたガス抜き溝
、このガス抜き溝の端部で柚線方向に沼勅する弁、およ
び、ガス抜き溝の途中から弁部の側面に迂回したガス排
出用の通路であるバイパスを設け、射出成形時にバイパ
スを介してキャビティ内のガスを抜き、被射出溶融物が
ガス抜き溝の端部に達した時、この質量の大きい溶融物
の作用で弁を押上げ、この弁にてバイパスの端部を直接
塞ぐ構造のガス抜き装置を開発した。

しかし、弁体の動作が常に確実でなく、特に、被射出溶
融物がその流れの先端部分で不連続な状態となって弁体
に至った場合に該弁体が充分に作動しない場合があった
。すなわち、溶融物の流れの先端部分が不連続であれば
、最初の溶融物の作動で弁がいったんは締まるが、次に
ガスが来た時、弁は弁の後部に設けた圧縮ばねの作用で
開く。そして、次に、又、溶融物が来て弁を閉じようと
した時、先に来ている弁の前の溶融物が固まりかけてい
るので、溶融物は弁に直接作用せず、先の溶融物に作用
する。この時、先に固まりかけている溶融物とその回り
の金型部との間にはフリクションが作用しているので、
弁に作用する力は弱くなり、弁が充分に締らず、バイパ
スに入って来た溶融物がバルフ内に侵入する恐れがあっ
た。本発明はこの様な欠点を排し、最初の被射出溶融物
が弁体に達したとき、素早く且つ確実に排気口を閉じる
弁体を具えた射出成形金型用のガス抜き装置を提供する
ものである。

本発明においては、金型の分離面部に、キャビティから
導かれたガス抜き溝、このガス抜き溝の端部で車母線方
向に指動し、かつ、軸線を中心として回動する弁、この
弁を摺動および回動しうるように支持してそれ自体が軸
線方向に摺動しうるスプール、および前記ガス抜き溝の
途中から弁部の側面に通じたガス排出用の通路を設け、
弁を閉じる方向に作用する弾性体をスプールと弁との間
に設け、弁の先端面を高い面から低い面まで円周方向に
順次高さが変わっている斜面にし、弁開きの状態のとき
、ガス抜き溝の端部位層に弁の先端面の高い部分が来る
ように設け、スプールの側部に傾斜部とそれに続く垂直
部からなるカギ形の案内溝を設け、弁の後端部から横方
向に伸ばして設けたガイド榛を、前記案内溝の中を貫通
させて設け、弁開きの状態のとき、ガイド棒が前記案内
溝の傾斜部にあって弁が前記弾性体の作用で閉じようと
するのを防げうるように設け、弁の先端面に作用する溶
湯の作用で前記案内溝の煩斜部にあるガイド棒の係止に
打勝って弁を後退させて閉じうるように設けた金型用ガ
ス抜き装置とした。

つぎに、図面に示した１実施例によって、本発明をさら
に詳しく説明する。

本発明に係る金型用ガス抜き装置３０は第１，２図に示
す如く固定金型１１と可動金型１２との分割面１３位置
およびその延長位置に設けるものである。

すなわち、固定金型１１と可動金型１２とを合せた場合
に、例えば固定金型１１の分割面に、キャビティ１６の
適宜周辺より、金型の分割面１３に形成されるガス抜き
道２１及びガス抜き溝２２を介して当該ガス抜き装置３
０に至る排気通路を形成する。

そして、該金型用ガス抜き装置３０は第１図に示す如く
、ガス抜き溝２２と弁４１の下面４２とを略垂直とする
如く弁４１を設け、ガス抜き溝２２の弁４１近傍より弁
４１の側方上方部４３に至るガス排出用の通路であるバ
イパス２５を設ける。

弁４１はスプール３１内において、該スプ−ル３１１こ
対しその軸万向に摺動し、かつ、軸線を中心として回動
し、上方に弁４１が回動しながら移動した場合にはスプ
ール３１下端に設けた弁座３４に弁４１が当接され、ガ
ス抜き溝２２及びバイパス２５は弁室４７への蓮通が閉
鎖されるようにした。弁４１の下面は、金型の分割面１
３と交差する状態で２つの面にわけ、それぞれの面は第
２図において日で示す高い面からＬで示す低い面まで円
周方向に順次高さがなめらかに変わるような斜面にした
。すなわち、第１図に示すように、弁４１の下面はスク
リュ状にした。そして、弁４１が第１図に示すように射
出前の状態にある時に、２つに分かれたガス抜き溝２２
の上端部位贋に、弁４１の下面の高い部分日がそれぞれ
来るようにし、弁４１の下面に溶融物が当ったら、弁４
１が上昇するとともに、第２図に矢印で示す方向に弁４
１が回動しうるようにした。なお、２つに分かれたガス
抜き溝２２の先端部は、一方を固定金型１１、他方を可
動金型１２に設けておいても良い。その時は、弁４１の
下面を２つに分けた面は金型の分割面１３と同一面にす
ることもできる。弁４１上方には弁４１の弁棒である弁
体軸４５周辺に形成される弁室４７空間を有し、該弁室
４７よりスブール３１外方への排出口３６を設ける。

弁体軸４５はスプール３１に対し摺動自在にかつ回動自
在に弁体支持部３５により支持されている。そして、弁
４１とスプール３１との間に、弁４１を上方に摺動させ
て閉じる方向に力が作用する弾性体６９を設けた。すな
わち、第１図に示す如く、弁体軸４５後端４６とスプー
ル頂部３２との間に引張バネを弾性体６９として設け、
弁４１をスプール３１に対し常に上方へ引き上げる力を
該引張バネ６９をもって加える様にする。スプール３１
の側面には、第３図に示すように垂直部と鏡斜部と垂直
部からなるカギ形の案内溝４８を設け、弁体軸４５の後
端４６部から水平に伸ばしたガイド棒４９を案内溝４８
の中を貫通させて設けた。スプール３１の外部にあるガ
イド榛４９の先端部には、水平方向に所定の幅を有する
板５０を一体に取付けた。これは、ストツパ５６を作用
させる時、弁４１が後述するように回動しても、ストッ
パ５６とガイド綾４９の先端部がはずれないようにする
ために設けたものである。第１図に示すように、弁４１
がセットされている時には、ガイド榛４９が案内溝４８
の煩斜部にあって弁４１の上昇が妨げられるようにした
。そして、熔融物が弁体下面４２に当った衝撃により、
ガイド棒４９が案内溝４８の煩斜部を上昇し、垂直部へ
移動し、弁４１が回動しながら上昇し、その時、弾性体
６９の作用によって弁４１が引上げられるようにした。
弾性体６９はあらかじめ幾分ねじって取付けておくと良
い。なお、場合によっては、案内溝４８の下側の垂直部
は設けなくても良い。前記弁４１を内装したスプール３
１は、ブラケット５１を介して例えば固定金型１１に取
付けたシリンダー５２のピストンロッド５３により上下
に移動する。

本発明に係る金型用ガス抜き装置３０は上述の如く、固
定金型１１にブラケット５１を取り付け、該ブラケット
５１に設けたシリンダー５２のピストンロッド５３先端
にスプール３１を設けて該スプール３１を軸方向に可動
し、前記スプール３１に対して軸方向に猫動自在でかつ
回動自在の弁４１を設け、弁４１を閉じる方向に力が作
用する弾性体６９と、弁４１をスプール３１に対して開
き位置で係止させ、弁４１の閉動作によって係止がはず
れる案内溝４８とガイド棒４９からなる係止案内機構を
備えると共に、スクリュ形になっている前記弁体下面４
２に対し、略垂直のガス抜き溝２２と、該ガス抜き溝２
２から弁体側方上部４３に至るガス排出用の通路とを金
型１１，１２の分割面１３に設けたことを特徴とする金
型用ガス抜き装置３０である。

本発明に係る金型用ガス抜き装置３川ま上記の如く構成
した故、金型１１，１２を合せた後、弁４１がスプール
３１に対して最下位直にあり、したがって、ガイド棒４
９が案内溝４８の下方の垂直部の中にある状態にしてス
プール３１をピストンロッド５３により降下させると、
第１図に示す如く弁体下面４２がガス抜き溝２２の直上
方部を閉鎖し、弁側方上方部４３にバイパス２５が開□
した状態となり、ガイド棒４９が案内溝４８の傾斜部に
位置した状態となる。

従ってキャビティ１５よりガス抜き道２１、ガス抜き溝
２２、バイパス２５、弁室４７、排出口３６を経てスプ
ール３１外に至る排気通路が形成される。該状態にて図
示していない鍵込穴より溶融金属をキャビティ１５内に
鋳込めば、キャビティ１５への被射出溶融金属の充填に
伴い、キャビティ１５内のガスはガス抜き道２１、ガス
抜き溝２２を経て弁４１に当るとともに、バイパス２５
を通って弁体側方上方部４３から弁室４７、排出口３６
を経て排出される。ただし、この時、ガスは質量が極め
て小さいので、弁４１は上昇しない。そして、キヤビテ
ィ１５内に被射出溶融金属がほぼ充填された後は、溶融
金属がガス抜き溝２２内を上昇し、前記ガスと同様に弁
体下面４２に当る。このとき、弁４１に加わる衝撃は、
溶融金属の質量がガスの質量に対し非常に大きく慣性が
大である故、ガスが弁４１に与える衝撃よりも非常に大
きく弁４１を上方に眺上げる。この時、弁４１は、ガイ
ド棒４９、案内溝５０の傾斜部および弾性体６９の作用
により、回動しながら上昇し、ガイド榛４９は案内溝５
０の上方の垂直部へと移行する。この状態では、弁４１
は上方に位置し、弁４１は、弁座３４に当援されてバイ
パス２５を塞ぎ、ガス抜き溝２２及びバイパス２５と、
弁室４７及び排出口３６との間を閉鎖し、被射出溶融物
の流出を弁４１位置にて停める。このとき、被射出溶融
物がガス抜き道２１及びガス抜き溝２２内でガスと混じ
り、飛沫状となり不連続に弁体に当る場合であっても、
最初の溶融物の衝突により弁体が跳上げられ、その後、
溶融物による上方への押圧力が無くとも引張バネなどの
弾性体６９の作用によって弁４１を上方位置に維持する
故、弁４１による排気通路の閉鎖は確実に行われる。ガ
ス抜き装置３０の弁４１が、バイパス２５を閉鎖した状
態にて、所定時間の加圧冷却にて錆込作業が終了すれば
、シリンダ５２にてスブール３１を上昇させ、キャビテ
ィ１５、ガス抜き道２１、ガス抜き溝２２及びバイパス
２５内に充満されて凝固した金属と弁４１とを離し、可
動金型１２を移動させて固定金型１１と分離し、図示し
ていない押出ピンにて成形品を可動金型１２より取り出
す。

尚、シリンダ５２を作動させて、弁４１をスプール３１
と一体に上昇させるに際し、弁体下面４２とガス抜き溝
２２中の凝固金属との分離抵抗及び弁４１個方とバイパ
ス２５内の凝固金属との分離抵抗により弁４１は上方へ
の移動が妨げられる故、スプール３１が上昇しようとし
たとき、弁４１が前記抵抗によりスプール３１より引き
降される如く、スブールの上昇に遅れ、弁４１は開く。

この様にスプール３１を引上げる時に、弁４１はスプー
ル内で下方位置に位置する故、次回銭込時において、金
型１１，１２を合せ、スプール３１を降下させれば弁４
１はガス抜き溝２２直上を閉鎖し、バイパス２５を弁体
側方上方部４５に閉口し、次の鋳込みの準備を完了する
こととなる。なお、スプール３１を特上げる時、弁４１
が上り確実に開くようにするため、あるいは、空打ちの
時のために、ストッパ機構を設けておくことが、より望
ましい。すなわち、弁体軸４５より水平方向に伸ばして
設けたガイド藤４９に復帰杵５５の役目を持たせること
もある。該ガイド榛４９はスプール周壁部に設けた案内
溝４８よりスプール３１の外方へ貫通させたもので、ス
プール３１をシリンダ５２にて上昇させたとき、ブラケ
ット５１に設けたストツパ５６に当り、スプール３１の
上昇に伴って弁４１をスプール３１に対して降下させる
ものである。このガイド棒４９は、復帰杵として作用す
る時は、鋳込みを行なうことなく射出成形機を空打ちし
た後や、最初に鋳込みを行なう場合等において、確実に
弁４１をスプール３１に対して下方位置に位置させ、ス
プール３１を降下させたときに、バイパス２５を閉口し
て鋳込み準備を調えるものである。また、前記実施例に
おいては、第１図に示した弁４１の代りに、第４図に示
すようなスプール型の弁４１ａを用い、穴４１ｂの位置
に応じて、バイパス２５と弁室４７との蓮通、遮断を行
うようにしても良い。

３１ｂは弁４１の上昇時に作動するストツパ部である。

さらに、前記実施例においては、弾性体６９として、弁
体軸４５の頂部とスプール３１の天井部間に引張バネを
用いたが、これは、弁４１と弁体支持部３５との間に圧
縮バネを用いてもよい。勿論、ガス抜き装置３川ま、金
型の上部に設ける代りに、側面側に設けることもできる
。このように、本願発明に係る金型用ガス抜き装置は、
上記スプールと弁との間に弁を閉じる方向に作用する弾
性体と回動、摺動用ガイド機構を具え、かつ、下面がス
クリュ型の回動、摺動可能な弁を用い、弁への圧力が小
さいガスは容易に通過させ、押圧力の大なる被射出溶融
物は確実に遮断する故、ガス抜き道、ガス抜き溝の断面
積を大きくして銭込時のガス抜きを容易且つ迅速に行な
い得るのであり、弁は被射出溶融物の最初の衝撃で排出
通路を閉じ、弾性体により閉鎖を維持される故、熔融金
属が断続的に釆ても弁の閉鎖が確実に行なわれて開位置
で保持される。

そして、常に弁４１が確実に作動し、射出時のガスの排
出が確実容易に行われるので、常に巣のない良質、耐強
度の射出製品を確実容易に得ることができる。

【図面の簡単な説明】

第１図は本発明の１実施例を示す縦断面図、第２図は第
１図のローロ線断面図、第３図は第１図の血−ｍ線側面
図、第４図は本発明の他の実施例を示す弁部の断面図で
ある。 １１・・…・固定金型、１２・・・・・・可動金型、１
５・・・．・・キャビティ、２２・・・・・・ガス抜き
溝、２５・・・・・・バイパス、３０…・・・ガス抜き
装置、３１・…・・スプール、３４・・・・・・弁座、
３６・・…・排出口、４１・・・・・・弁、４５・・・
・・・弁体鯛、４７・・・・・・弁室、４８・・・・・
・案内溝、４９……ガイド樺、５２……シリンダ、５６
・・・・・・ストツパ。 多１図 繁２図 茅３図 ＊４個

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. １ 金型の分離面部に、キヤビテイから導かれたガス抜
   き溝、このガス抜き溝の端部で軸線方向に摺動し、かつ
   、軸線を中心として回動する弁、この弁を摺動および回
   動しうるように支持してそれ自体が軸線方向に摺動しう
   るスプール、および前記ガス抜き溝の途中から弁部の側
   面に通じたガス排出用の通路を設け、 弁を閉じる方向
   に作用する弾性体をスプールと弁との間に設け、 弁の
   先端面を高い面から低い面まで円周方向に順次高さが変
   わつている斜面にし、弁開きの状態のとき、ガス抜き溝
   の端部位置に弁の先端面の高い部分が来るように設け、
   スプールの側部に傾斜部とそれに続く垂直部からなる
   カギ形の案内溝を設け、弁の後端部から横方向に伸ばし
   て設けたガイド溝を、前記案内溝の中を貫通させて設け
   、弁開きの状態のとき、ガイド棒が前記案内溝の傾斜部
   にあつて弁が前記弾性体の作用で閉じようとするのを防
   げうるように設け、弁の先端面に作用する溶湯の作用で
   前記案内溝の傾斜部にあるガイド棒の係止に打勝つて弁
   を後退させて閉じうるように設けた金型用ガス抜き装置
   。