JPH028594Y2 - - Google Patents

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JPH028594Y2
JPH028594Y2 JP1983140986U JP14098683U JPH028594Y2 JP H028594 Y2 JPH028594 Y2 JP H028594Y2 JP 1983140986 U JP1983140986 U JP 1983140986U JP 14098683 U JP14098683 U JP 14098683U JP H028594 Y2 JPH028594 Y2 JP H028594Y2
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piston
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spool
mold
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Description

【考案の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本考案は、ダイカストマシン等の成形機に用い
る金型用ガス抜き装置に係り、さらに詳しくは、
高速で応答可能な弁体を備えた金型用ガス抜き装
置に関するものである。
〔従来の技術〕
従来より、ダイカストは精密な製品を多量に製
造する方法として広く普及しているが、製品内部
に巣のない健全性を重要視される製品には適さな
い場合があつた。
その理由は高速、高圧で溶融金属をキヤビテイ
内に充填するため、キヤビテイ内のガスが充分に
抜けきらずに、溶融金属と混合して製品中に巣と
して残存することがあるためである。
このような不都合を解消するものとして、本考
案者等は鋳込製品や金型に制約されずに大量のガ
スを確実容易に抜き、ガスの巻き込みをなくして
健全なダイカスト製品を得ることができるように
した金型用ガス抜き装置を開発した。
この装置は、金型のキヤビテイから金型外に通
じる排出路を弁の作用で開いておいた状態で射出
を行ない、キヤビテイ内の質量の小さいガスをガ
ス排出路を通して排出し終わつた時点で、キヤビ
テイ内から進んできた質量の大きな被射出溶融物
の慣性力を、前記弁に直接作用させることにより
弁を素早く移動させて締め、ガス排出路を直接遮
断し、このガス排出路からの被射出溶融物の流出
を防ぎうるようにして、射出時に金型内のガス抜
きを確実容易に行ないうるようにしたものであ
る。
このような金型用ガス抜き装置は、成形機で連
続運転しているときには順調に作動するが、成形
機を例えば数日または数時間などのように長時間
休止しておいた後の運転開始時などのように、金
型や射出スリーブ等が冷却していて溶湯の流れ状
態が悪い場合は確実に作動しないことがあつた。
すなわち、成形機の運転開始時の金型の温度が
所定の温度にまで上昇していないときは、金型が
冷却されており、この冷却状態において通常の射
出動作を行なうと、溶湯が金型キヤビテイの隅々
にまで行き渡らないうちに冷却してしまい、製品
の一部が成形されないおそれがある。
したがつて、射出成形時には射出初期において
低速射出を行ない、続いて高速射出に移るが、運
転開始初期においては、通常は、低速射出のみで
2〜5シヨツトの試し打ちを行ない、金型の温度
を上昇させる操作を行なう。
このような運転開始直後の低速試し打ちの場合
には、溶湯の慣性力が弱いため、溶湯が弁頭部に
当つても弁は締まらず、弁でガス排出路を確実に
遮断することができず、溶湯がガス排出路から流
出してスプール側に入り込むおそれがある。そし
て、スプール側にいつたん溶湯が入つたら、溶湯
が固まり、金型用ガス抜き装置自体が次回から作
動しなくなるので、分解・保守・組立・取付けを
行なう必要がある。
そこで、従来においてはこのような不都合を避
けるために、作業者がガス抜き溝や通路などのベ
ントラインに前回鋳込んだ成形品の一部を入れ
て、溶湯がスプール側に入り込まないようにした
り、或いは、弁と連結されているレバー等を手で
押して弁を閉じていた。
〔本考案が解決しようとする課題〕
このように、金型の温度が所定の温度まで上昇
していない運転開始時に、作業者がガス抜き溝な
どにつめものをしたり、手で押して弁を閉じたり
する場合、作業者によるこのような手動操作は極
めて面倒で不便であり、かつ、成形機側に作業者
が入り込むため極めて危険な状態にある。
本考案は、これらの欠点をなくすためのもの
で、弁の後端部をピストン構造部として、成形機
の運転開始時等に弁を閉じるための流体圧をピス
トン構造部に供給し、遠隔操作によつて弁を閉
じ、スプール側に溶湯が入り込まないようにした
ものであり、運転開始して数シヨツト後に、金型
等の温度が所望の温度以上に上昇し、溶湯の流れ
状態が良くなり、弁閉に必要な溶湯の慣性力が与
えられるようになつたら、弁を流体圧で強制的に
閉じるのをやめ、正規の作動を行なわせうるよう
にしたものである。
〔課題を解決するための手段〕
本考案においては、金型に取付けうるスプール
の内部に、溶湯の慣性力が作用しうる面部を前端
部に有する弁を摺動自在の設けて、弁をスプール
前端部で開閉可能に設け、弁の弁棒部の後端部を
ピストン構造部にしてピストンを前記スプールの
後方部内に摺動自在に設け、弁開保持力よりも大
きな力を作用させて弁を閉じるための流体圧を前
記ピストン構造部のピストン前面側に作用させる
流体圧供給源を、電磁切替弁を介して前記ピスト
ン前面側に連結し、 成形機の運転開始時の金型の温度が所定の温度
にまで上昇していないときに前記電磁切替弁に弁
閉指令を与える弁閉指令装置と、運転開始時のこ
の弁閉指令時から所定の時間経過後に前記電磁切
替弁に弁閉解除指令を与える弁閉解除指令装置を
備えた指令装置を、前記電磁切替弁のソレノイド
に連結した構造にした。
〔作用〕
この金型用ガス抜き装置は、弁開状態で弁とス
プールを金型にセツトした状態で、射出動作を行
なう。この射出動作により、溶湯が前進して来る
ので、キヤビテイ内のガスは弁装置を介して外部
に充分に排出される。
射出動作により溶湯がキヤビテイ内を満たした
後、溶湯がガス抜き溝部を前進して来て弁の弁頭
部の下面に衝突すれば、溶湯の慣性力の作用によ
り、弁は閉じ、溶湯は弁装置内に入らない。
射出動作が終つて、キヤビテイ内やガス抜き溝
内の溶湯が冷却凝固すれば、型開を行ない、その
後、射出製品を取出す。また、弁は再び開いてお
く。
以上の作用は、連続して成形作業を行なう通常
の場合の作用であるが、長時間運転を休止してい
て金型の温度が所定の温度まで上昇していないと
きに運転を再開するときは、射出開始前に弁閉指
令を与えて電磁切替弁を切替えてピストン構造部
のロツド側の室に大きな圧力の圧力流体を供給し
て弁をあらかじめ強制的に閉じておく。そして、
この弁閉指令時から所定の時間経過後の数回の射
出動作後、金型の温度が所定の温度まで上昇すれ
ば、弁閉解除指令を出して電磁切替弁を切替え、
この動作は解除させる。
その後は、前記した通常の射出動作とガス抜き
動作を行なう。
〔実施例〕
以下、図面に示す実施例に基づいて本考案を詳
細に説明する。
第1図および第2図は本考案の1実施例を説明
するもので、図において符号1で示すものは固定
金型、2は可動金型であり、固定金型1と可動金
型2の分割面およびその延長位置にガス抜き装置
3が設けられている。
一方、キヤビテイ4の周辺から金型の分割面に
形成されているガス抜き溝6を介してガス抜き装
置3の下部に至る排気通路が形成されている。
そして、ガス抜き装置3においては、ガス抜き
溝6に対して弁頭部7aの下面とをほぼ垂直とす
るように弁7を設け、ガス抜き溝6の途中から弁
頭部7aの横方向へ迂回して弁頭部9aの側方上
方に至るバイパスからなるガス排出用の通路8が
設けてある。
溶湯の慣性力が作用しうる面部を前端面に有す
る弁7は、弁支持部材であるスプール9内におい
て、このスプール9に対しその軸線方向に摺動
し、第1図において上方に弁7が移動した場合に
は、スプール9の下端に設けた弁座10に弁頭部
7aが接触し、通路8はスプール9内の弁室11
との連通状態が閉塞されるようになつている。弁
室11には排出口12が形成されている。
スプール9の途中で、弁棒7bの上端部にはば
ね受けを兼ねたピストン13が固定されており、
このピストン13はスプール9の上端に形成され
た室14内に摺動自在に嵌合されており、ピスト
ン13と、室14の下面すなわちスプール9の途
中に設けた弁棒7b用ガイド部材9bの上面との
間には圧縮ばね15が弾装されており、弁7は常
時閉じる方向への力を与えられている。
ガイド部材9bには弁棒7bと直交した状態で
透孔9aが形成されており、この透孔9a内には
圧縮ばね16によつて押圧された状態でスチール
ボール17が嵌合されており、このスチールボー
ル17は弁棒7bの途中に形成された小径部7c
に接している。また、圧縮ばね16は押しねじ1
8によつてその押圧力を調整できる。なお、圧縮
ばね16やスチールボール17は弁7を弁開状態
で係止させうる係止装置を構成している。
スチールボール17は、圧縮ばね15によつて
上動されようとしている弁7を止めるもので、圧
縮ばね16の押圧力は圧縮ばね15の弾発力に打
勝つ程度の大きさを有している。
スプール9の上端部の両側にはそれぞれ突出部
9c,9cが突設されてT形になつており、これ
ら突出部9cはブロツク19に形成されたT溝1
9aに摺動可能に嵌合されている。このブロツク
19は、これと一体のブロツク19cを介して、
固定金型1側に固定されたブラケツト20に固定
されたシリンダ21のピストンロツド21aの下
端に固定されている。
一方、第1図に示すように、ブロツク19の上
端部には溝19bが横断して形成されており、こ
の溝19b中にはレバー22が昇降自在に嵌合さ
れている。レバー22はブロツク19cの端面よ
りも突出した長さにしておく。
レバー22はブロツク19の中心部に昇降自在
に嵌合されたピン23の上端に固定されており、
ピン23の下端は前記室14の上室内に臨まさ
れ、弁棒7bの上端に固定されたピストン13と
対面している。
ブロツク19の前面には蝶ねじ24を介して回
転レバー25が回動自在に軸承されており、回動
レバー25が垂直状態にある時にはスプール9が
T溝19aから抜けないように保持し、回動レバ
ー25を水平状態にしたら、スプール9や弁7を
金型1,2の上方に移動させた状態で、スプール
9は水平方向に抜けるようになる。
また、レバー22の両端部とブロツク19との
間には圧縮ばね26が弾装されており、レバー2
2を常時上方に押し上げ、レバー22が上昇して
いる状態でピン23とピストン13とが接触しな
いようにしている。ブラケツト20の途中には前
記レバー22と接触しうる位置に突出した状態で
左右一対のストツパ27,27が設けられてい
る。19fはブロツク19cの一部の突出部であ
り、ブラケツト20側に設けられたガイドロツド
28に摺動自在に嵌合されている。
一方、スプール9の上端が連結されるブロツク
19には、回動レバー25と反対側の側面に、当
て板29がその上端をボルト30によつて固定さ
れている。当て板29の下端は、スプール9側に
延びており、ブロツク19とスプール9の連結部
において、当て板29には近接センサ31が取付
けられている。近接センサ31はピストン13の
位置を検出することにより、弁7の開閉状態を検
出でき、その検出信号は、配線31aを介して制
御装置側へ導かれる。
また、当て板29の下端部には圧縮空気源34
と接続するための連結孔29aが形成されてお
り、この連結孔29aはスプール9の上端部に形
成された室14に連続する通孔14aと連通して
いる。そして、通孔14aの端縁で、連結孔29
aの端縁と接する位置にはOリング32が取付け
られており、両者の連結部の気密を保つことがで
きる。
連結孔29aには電磁切替弁33を介して流体
圧供給源である圧縮空気源34が接続されてい
る。この場合、圧縮空気の圧力はスチールボール
17で弁7を弁開状態に保持、係止している力に
打勝つて、弁7を強制的に閉じうる圧力にしてい
る。電磁切替弁33のソレノイド33aには、長
時間運休していた後の成形機の運転開始時の金型
1,2の温度が所定の温度にまで上昇していない
ときに電磁切替弁33のソレノイド32aに弁閉
指令を与える弁閉指令装置40aと、運転開始時
のこの弁閉指令時から所定の時間経過後数シヨツ
トの射出成形を行なつて金型1,2の温度が所定
の温度まで上昇したときにソレノイド33aに弁
閉解除指令を与える弁閉解除指令装置40bとを
備えた指令装置40を、連結した。
ここで、ピストン13の前面側の室14に電磁
切替弁33を介して圧縮空気源34を連結し、運
転開始初期において作動させる前記した弁閉指令
装置40aと弁閉解除指令装置40bを備えた指
令装置40を設けたのは、例えば数日や数時間の
ように長時間休止していて金型の温度が低くなつ
ている成形装置の運転を再開するとき、金型内で
の溶湯の流れ状態が悪く、溶湯が弁を閉じるのに
必要な慣性力を有していないときに、射出開始前
に圧縮空気の供給によりあらかじめ弁を強制的に
閉じておけるようにし、弁装置内に溶湯の一部が
入り込まないように防止するためである。
なお、ばね受け13の上側の室は、スプール9
とブロツク19間の通路19eおよび回動レバー
25に設けた通路25aを通じて外気に連結され
ている。
次に、以上のように構成された本実施例の作用
について説明する。
例えば、数日または数時間、成形装置の運転を
休止していて金型の温度が所定の温度に達してい
なくて、溶湯に弁閉じに必要な慣性力が期待でき
ない状態の下で運転を再開するときは、このガス
抜き装置3を金型1,2にセツトし、手動または
自動的に弁閉指令装置40aを作用させてソレノ
イド33aに弁閉指令を与え、電磁切替弁33を
切替え、圧縮空気源34と室14とを連通させ、
圧縮空気を供給し、ピストン13に対し空気圧を
作用させ、スチールボール17の押圧力に抗して
弁7を上動させ、弁7をあらかじめ強制的に閉じ
させる。
このように空気圧により弁7を閉じさせる動作
をリモートコントロールにより行なうことができ
る構造を採用すれば、不便さや作業者におよぼす
危険を著しく低下させることができる。
このように、あらかじめ弁7を強制的に閉じて
おいた状態で、通常の射出動作を数シヨツト行な
う。そうすると、溶湯の慣性力が小さくても溶湯
が弁装置内に入るトラブルは生じない。そして、
数シヨツトの射出動作を行なううちに、溶湯によ
り金型1,2の温度が所望の温度まで上昇し、溶
湯は充分な湯流れ状態を示し、弁閉動作を行なう
のに充分な慣性力を有するようになる。
そうなつたら、弁閉指令装置40aを弁閉解除
指令装置40bに切替え、ソレノイド33aに弁
閉解除指令を与え、電磁切替弁33を第1図に示
すように切替え、成形機の運転開始初期における
強制的な弁閉状態を解除する。なお、運転開始時
の弁閉指令時から弁閉解除指令時までの最適な射
出シヨツト数や時間は、射出する製品の大きさや
形状等によつても異なるが、これは、試し打ちに
よる製品の状態を見たり、経験を生かせば、自ず
から定まる。その後は、ガス抜き装置3を介して
キヤビテイ4内のガスを排出する通常の射出動作
を続行する。
通常の射出動作を行なう場合は、まず、型開き
の状態で、かつ、弁棒7bの小径部7c下端段部
にスチールボール17を押圧係止させ、弁頭7a
が弁座10から離れた状態で、すなわち、弁が開
いた状態でスプール9全体をシリンダ21を作動
させることにより下降させる。
この状態で固定金型1と可動金型2の型締を行
なうと、キヤビテイ4からガス抜き溝6、通路
8、弁室11を経てスプール9外に至る通路が形
成される。
そして、この状態で図示していない射出プラン
ジヤが作動し溶融金属がキヤビテイ4内に供給さ
れる。この時、キヤビテイ4内を充満させた溶融
金属はガス抜き溝6を通つて進んで行くが、キヤ
ビテイ4内のガスは通路8や弁室11を通り、排
出口12方向に向かい、外に充分に排出される。
なお、ガスは質量が小さいため、ガスの作用で弁
7が閉じることはない。
一方、ガスに続いて溶融金属が可頭部7aの下
面に激突する。この時、弁7に加わる衝撃は溶融
金属の質量がガスに比較して極めて大きく、慣性
が大であるため、ガスが弁7に与える衝撃より極
めて大きく、弁7を上方にはね上げる。この結
果、圧縮ばね16によつて押圧されているスチー
ルボール17の拘束力を脱し、弁7は上方に向か
い、圧縮ばね15による上方への引き上げ力をも
加わり、弁頭部7aの上面が弁座10に素早く着
座し、通路8と弁室11の間を閉塞し、溶融金属
の流出を弁7の位置で止める。
この時、溶融金属がキヤビテイ4やガス抜き溝
6内でガスと混合し、飛沫状となり、不連続に弁
体に当たる場合であつても、最初の溶融金属の衝
突により、弁体がはね上げられ、その後ガスが来
て溶融金属による上方への押圧力がなくなつて
も、弁7は圧縮ばね15の力により上方への移動
習性が与えられているため、弁7による排気通路
の閉塞は確実に行なわれる。
このようにして射出が行なわれ、ガス抜き装置
3の弁7が閉じた状態で、所定時間の加圧冷却に
より鋳込み作業が終了すれば、シリンダ21を作
動させ、スプール9を上昇させる。この上昇動作
に伴い、キヤビテイ4、ガス抜き溝6および通路
8内に充満されて凝固した金属は上昇中の弁7か
ら離れる。その後、型開を行なつた後、図示して
いない製品押出装置により、成形品を可動金型か
ら取出す。
シリンダ21が作動し、スプール9全体が引き
上げられる時、レバー22の両端がストツパ27
と接触する。そして、圧縮ばね26による弾発力
に抗してレバー22は溝19b中を下降し、この
結果、ピン23が下降し、上動限界にある弁7の
上端のピストン13に接触し、これを圧縮ばね1
5の力に打ち勝つて下方に押す。この結果、弁頭
部7aは弁座10から離れ、弁7は完全に開かれ
る。
弁7の下降に伴い、スチールボール17は再び
弁棒7bの途中に形成された小径部7c中に嵌入
し、弁7が開いた状態を保持する。この状態で前
述したと同様に次の鋳込動作を行なえば良い。
なお、弁7とレバー22とは別体に設けられて
おり、弁7が閉じる状態にあつては、弁7のみが
作動できる。したがつて、従来のように、レバー
22と一体となつた弁7と比較すると質量が小さ
く、動作時における慣性が小さく、溶湯の弁体に
対する衝突時における弁7の閉じる速さは極めて
速く、優れた応答性を持つている。
なお、前記した実施例においては、スチールボ
ール17による弁開保持力よりも小さい力を弁7
に作用させておくための手段として、室14内に
設けた圧縮ばね15を用いているが、これは弁7
に弁閉方向の比較的に小さな力を作用させ得るも
のであれば、流体圧回路を用いても良い。その場
合は、例えば第3図に示したような構成にする。
第3図に示した装置においては、室14内に収
容されている圧縮ばね15を除き、連結孔29a
に接続される圧縮空気源34とを結ぶ管路に、圧
縮空気源34側から順に減圧弁35、電磁切替弁
36,37を介装した構造を採用し、圧縮空気源
34と電磁切替弁36との間には、減圧弁35を
バイパスするバイパス管路39を設け、電磁切替
弁36のTポートに接続させた。電磁切替弁36
のソレノイド36aには、第1図で示したのと同
様に、弁閉指令装置40aと弁閉解除指令装置4
0bを備えた指令装置40を連結した。
このような構造を採用すると、通常の射出動作
時においては電磁切替弁36,37は第3図に示
す状態にあり、減圧弁35を介して所望の圧力に
減圧された圧縮空気源34からの空気圧が室14
内に導かれる。この空気圧は第1図および第2図
に示す実施例における圧縮ばね15の弾発力に相
当するもので、通常はスチールボール17による
弁7に対する拘束力より小さく、この空気圧では
弁7は閉じることはない。
通常の射出成形時においては、この空気圧は圧
縮ばね15の代用となり、溶湯の慣性力によつて
弁7が閉じるときの加勢をするとともに、いつた
ん閉じた弁7が射出時に再び開かないようにする
ことができる。
そして、長時間休止していた後の運転開始時の
ように弁7を強制的に閉じたい場合には、弁閉指
令装置40aを作用させ、電磁切替弁36を切替
えてTポートとAポートを通じさせれば、圧縮空
気源34の大きな圧力はそのまま室14内に導か
れ、ピストン13は空気圧により上方に押され、
弁7は閉じる。
一方、シリンダ21を作動させて弁開状態の弁
7とスプール9を下降させ、金型1,2にセツト
する時には、電磁切替弁36は第3図に示した状
態のままにし、電磁切替弁37のみを切替えてA
ポートをEXポートに通じさせる。そうすると、
圧縮空気源34の圧力はブロツクされ、室14は
大気に開放される。したがつて、弁7にはスチー
ルボール17の拘束力のみしか加わらず、シリン
ダ21の始動時におけるシヨツクが生じても弁7
が閉じることがなく、ガス抜き装置としての役割
を確実に保つことができる。
なお、流体圧供給装置においては、圧縮空気源
34の代りに油圧供給源等を用いることもでき
る。ただし、その場合は、電磁切替弁33,37
のEXポートはタンクに連結させておく。スチー
ルボール17に対する押圧力を圧縮ばね16で与
える代りに流体圧を利用して与えることもでき
る。
なお、本考案は、従来より公知のように、スプ
ールに設けたガス排出用の排出口を大気中に開放
したり、真空吸引装置に連結したりしておくこと
ができ、また、溶湯の流れが正常な射出途中に電
気的指令で弁を閉じるようにすることができる
が、その場合に、電気的指令のタイミングがうま
くとれなかつたら、指令によつて弁が閉じる前に
溶湯が弁部まで来て溶湯が弁装置内に入り、弁装
置の作用が不確実になろうとするが、その場合で
も、射出途中におくれた電気的指令によつて弁が
閉じる前に溶湯の慣性力の作用で弁が閉じるの
で、弁の閉じ動作が常に確実に行なわれ、かつ、
安全であり、長期連続運転に充分にこたえうる。
〔考案の効果〕
以上の説明から明らかなように、本考案によれ
ば、弁棒の上端部をピストン構造とし、この部分
に電磁切替弁を介して流体圧を作用させる構成を
採用し、成形機の運転開始時の金型の温度が所定
の温度にまで上昇していないときに前記電磁切替
弁に弁閉指令を与える弁閉指令装置と、運転開始
時のこの弁閉指令時から所定の時間経過後に前記
電磁切替弁に弁閉解除指令を与える弁閉解除指令
装置を備えた指令装置を、前記電磁切替弁のソレ
ノイドに連結して設けたので、数日や数時間のよ
うに成形機を長時間休止させておいた後の運転開
始初期で、金型の温度が所定の温度まで上昇して
いなくて溶湯の湯流れが悪く、弁を閉じるのに必
要な慣性力を溶湯が有していないときに、射出の
試し打ちをする場合、リモコン操作によつて電磁
切替弁に弁閉指令を与え、弁の後端部のピストン
構造部に大きな流体圧を作用させて弁をあらかじ
め強制的に確実容易に閉じさせることができる。
したがつて、この射出の試し打ち時に弁が閉じな
いで溶湯が弁室側に入り込むという不都合な事故
が生じることがない。勿論、運転開始時等におい
て、流体圧を利用して簡単に弁を閉じた状態にし
ておくことができるので、従来のように、操作者
による手動操作を必要とせず、離れた位置から弁
を閉じることができ、繁雑さや面倒さおよび危険
が全く無い。
勿論、金型が充分に温まつて正常運転に入ると
きは、ピストン前面部と流体圧供給源間の連通を
断ち、射出時に溶湯の慣性力のみで弁を閉じうる
ように、簡単に切替えることができる。そして、
射出時にガス抜き装置の作用により、キヤビテイ
内のガスを充分に排出しながら射出動作を行なう
ことができ、巣のない製品を容易に得ることがで
きる。
【図面の簡単な説明】
第1図および第2図は本考案の1実施例を示す
縦断側面図および一部断面した正面図、第3図は
本考案の他の実施例を示す縦断側面図である。 1……固定金型、2……可動金型、3……ガス
抜き装置、4……キヤビテイ、7……弁、9……
スプール、10……弁座、11……弁室、13…
…ピストン、14……室、15,16,26……
圧縮ばね、17……スチールボール、21……シ
リンダ、22……レバー、25……回動レバー、
27……ストツパ、33,36,37……電磁切
替弁、34……流体圧供給装置(圧縮空気源)、
35……減圧弁、40……指令装置、40a……
弁閉指令装置、40b……弁閉解除指令装置。

Claims (1)

  1. 【実用新案登録請求の範囲】 金型1,2に取付けうるスプール9の内部に、
    溶湯の慣性力が作用しうる面部を前端部に有する
    弁7を摺動自在に設けて、弁7をスプール前端部
    で開閉可能に設け、弁7の弁棒7b部に後端部を
    ピストン13構造部にしてピストン13を前記ス
    プール9の後方部内に摺動自在に設け、弁開保持
    力よりも大きな力を作用させて弁7を閉じるため
    の流体圧を前記ピストン13構造部のピストン前
    面側に作用させる流体圧供給源34を、電磁切替
    弁33,36を介して前記ピストン前面側の室1
    4に連結し、 成形機の運転開始時の金型の温度が所定の温度
    にまで上昇していないときに前記電磁切替弁3
    3,36に弁閉指令を与える弁閉指令装置40a
    と、運転開始時のこの弁閉指令時から所定の時間
    経過後に前記電磁切替弁33,36に弁閉解除指
    令を与える弁閉解除指令装置40bとを備えた指
    令装置40を、前記電磁切替弁33,36のソレ
    ノイド33a,36aに連結した金型用ガス抜き
    装置。
JP14098683U 1983-09-13 1983-09-13 金型用ガス抜き装置 Granted JPS5985659U (ja)

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* Cited by examiner, † Cited by third party
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