JPH028595Y2 - - Google Patents

Info

Publication number
JPH028595Y2
JPH028595Y2 JP1983140987U JP14098783U JPH028595Y2 JP H028595 Y2 JPH028595 Y2 JP H028595Y2 JP 1983140987 U JP1983140987 U JP 1983140987U JP 14098783 U JP14098783 U JP 14098783U JP H028595 Y2 JPH028595 Y2 JP H028595Y2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
valve
spool
molten metal
mold
force
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired
Application number
JP1983140987U
Other languages
English (en)
Other versions
JPS5985660U (ja
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed filed Critical
Priority to JP14098783U priority Critical patent/JPS5985660U/ja
Publication of JPS5985660U publication Critical patent/JPS5985660U/ja
Application granted granted Critical
Publication of JPH028595Y2 publication Critical patent/JPH028595Y2/ja
Granted legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Molds, Cores, And Manufacturing Methods Thereof (AREA)

Description

【考案の詳細な説明】 [産業上の利用分野] 本考案は、ダイカストマシン等の成形機に用い
る金型用ガス抜き装置に係り、さらに詳しくは、
高速で応答可能な弁体を備えた金型用ガス抜き装
置に関するものである。
[従来の技術] 従来より、ダイカストは精密な製品を多量に製
造する方法として広く普及しているが、製品内部
に巣のない健全性を重要視される製品には適さな
い場合があつた。
その理由は高速、高圧で溶融金属をキヤビテイ
内に充填するため、キヤビテイ内のガスが充分に
抜けきらずに、溶融金属と混合して製品中に巣と
して残存することがあるためである。
このような不都合を解消するものとして、本考
案者等は鋳込製品や金型に制約されずに大量のガ
スを確実容易に抜き、ガスの巻き込みをなくして
健全なダイカスト製品を得ることができるように
した金型用ガス抜き装置を開発した。
この装置は、金型のキヤビテイから金型外に通
じる排出路を弁の作用で開いておいた状態で射出
を行ない、キヤビテイ内の質量の小さいガスをガ
ス排出路を通して排出し終わつた時点で、キヤビ
テイ内から進んできた質量の大きな被射出溶融物
の慣性力を、前記弁に直接作用させることによ
り、弁を素早く移動させて締め、ガス排出路を直
接遮断し、このガス排出路からの被射出溶融物の
流出を防ぎうるようにして、射出時に金型内のガ
ス抜きを確実容易に行ないうるようにしたもので
ある。
この金型用ガス抜き装置は、内部に弁を摺動自
在に設けたスプールをシリンダによつて弁の摺動
方向に移動自在に設け、射出し、型開きした後の
スプールの後退途中で、弁の後退を止めて弁を開
くためのストツパ機構を設けた構造を採用してい
る。
そして、スプールと弁を金型へセツトする場合
は、弁が開いたままの状態を保つてスプールと弁
を前進させている。
しかし、この技術においては、ガス抜き用の弁
装置内に弁に常時弁開方向の力を作用させている
圧縮ばねを設けていたので、弁開状態で弁やスプ
ールを金型にセツトするときに弁がシヨツク等で
閉じることは無いが、射出時に溶湯の慣性力でい
つたん閉じた弁が溶湯の断続により再度開き、そ
の時、溶湯が弁装置の中に入つて、弁が作動しな
くなるというトラブルが起きていた。
この欠点を解消するために、本考案者等は、弁
に弁閉方向の力を常時作用させておく引張ばね
と、この力に打勝つて弁を弁開位置に保持させて
係止させておくための係止装置を備えた弁装置を
開発した。この装置では、射出時に、キヤビテイ
内のガスがガス抜き溝やスプール内を通つて排出
されているとき、溶湯がガス抜き溝を通つて来て
溶湯の慣性力が弁頭部に作用したら、弁が係止装
置による保持力に打勝つて上昇して閉じ、いつた
ん閉じた後は、前記引張ばねの作用で弁が閉じ状
態を保ち続けるようになつている。そして、一度
閉じた弁は、溶湯が断続的に来た場合でも、強制
的に開かないかぎり、自然に開くことがないよう
になつている。
一方、成形装置を例えば一晩または数時間など
のように長時間休止しておいた後の運転開始時に
おいては、金型その他が冷却されており、この冷
却状態において通常の射出動作を行なうと、溶湯
が金型キヤビテイの隅々にまで行き渡らないうち
に冷却してしまい、正常な製品ができないし、ま
た、金型内に製品の一部が残るおそれがある。
射出成形時には射出初期において低速射出を行
ない、続いて高速射出に移るが、運転開始初期に
おいては、通常は、低速射出のみで2〜5シヨツ
トの試し打ちを行ない、金型の温度を上昇させる
操作を行なう。
このような運転開始直後の低速試し打ちの場合
には、溶湯の慣性力が弱いため溶湯が弁頭部に当
つても弁は締まらず、スプール側に溶湯が入り込
むおそれがある。
そこで、従来においてはこのような不都合を避
けるために、作業者がガス抜き溝などのベントラ
インに前回鋳込んだ成形品の一部を入れて、溶湯
がスプール側に入り込まないようにしたり、或い
は、弁を手で押して閉じていた。
[本考案が解決しようとする課題] このような金型用ガス抜き装置において、弁や
スプールを金型にセツトするときには、型締時に
弁が開いた状態で、スプールと弁を所定位置に下
降させている。
ところが、スプールを下降させるシリンダの始
動時には急激に作動油の圧力が作用するため、シ
ヨツクが生じ、これが、常に弁閉方向の力を作用
させている引張ばねの力に加算され、弁開状態を
保持する機構が持つ保持能力を越えた力が作用
し、弁が閉じてしまうことがある。そうすると、
弁やスプールを金型にセツトした射出開始前に弁
がすでに閉じていることになり、この弁装置はガ
ス抜き機能を失い、キヤビテイ内のガスが弁装置
を介して外に逃げることができず、製品中に巣が
できてしまう。
また、従来例で示したように、長時間休止して
いて金型の温度が低下している運転開始時に、作
業者がガス抜き溝などにつめものをしたり、弁を
手で押して閉じたりする場合、このような作業者
による手動操作は極めて面倒で不便であり、さら
には、成形機内に作業者が入り込むため極めて危
険な状態にある。
本考案は以上のような従来の欠点を除去するた
めになされたもので、弁の後端部に設けたピスト
ン構造部に弁閉方向の力を作用させるばねを設け
ず、通常運転時におけるスプール下降時の弁開状
態の保持と溶湯の慣性力の作用による弁閉動作を
確実に行なうことができるようにしたり、金型の
温度が低下している運転開始時に弁をあらかじめ
強制的に閉じうるようにしたり、また、遠隔操作
も確実容易に行なえるように構成した金型用ガス
抜き装置を提供することを目的としている。
[課題を解決するための手段] 本考案においては、金型に出し入れ自在に取付
けうるスプールの内部に、溶湯の慣性力が作用し
うる面部を前端部に有する弁を摺動自在に設け
て、弁をスプール前端部で開閉可能に設け、弁の
弁棒部の後端部をピストン構造部にしてピストン
を前記スプールの後方部内に摺動自在に設け、溶
湯の慣性力が弁開き状態の弁に作用した時には弁
閉動作を行わせて、溶湯の慣性力が弁開き状態の
弁に作用していない通常のときは弁を弁開位置に
係止させ得る係止装置を前記弁の弁棒側面に当接
させて設け、かつ、 流体圧供給源、減圧弁、第1の電磁切替弁、お
よび、弁開状態でのスプールと弁の金型へのセツ
ト時に切替えることによつてPポートと連通して
いたAポートを外気開放のEXポートに連通させ
うる第2の電磁切替弁を順次連結し、かつ、減圧
弁と平列に設けて流体圧供給源と第1の電磁切替
弁を連結したバイパス管路とからなる流体圧回路
を、前記ピストン構造部のロツド側の室に連結し
た構造にした。
[作用] 金型のガス抜き部に弁やスプールをセツトする
ときには、係止装置の作用で弁を開いた位置に確
実に保持した状態で、弁やスプールを前進させて
セツトする。その時、弁棒部の後端部のピストン
構造部のロツド側の室を第2の電磁切替弁を介し
て外気と連通させておくことにより、ピストン構
造部や弁に流体圧による弁閉方向の力を作用させ
ないでおく。したがつて、弁セツト時に多少シヨ
ツクがあつても、係止装置が充分に作用している
ことにより、弁が閉じることはない。
弁を開いたままで金型にセツトしたら、第2の
電磁切替弁を切替えてピストン構造部のロツド側
の室を第1の電磁切替弁を介して減圧弁と連通さ
せてロツド側の室に比較的に小さい圧力を作用さ
せておく。このときには、係止装置の作用で、弁
は弁開状態を保つている。その後、射出動作に入
る。この射出動作により、キヤビテイ内のガスは
弁装置を介して外部に充分に排出される。
射出動作により溶湯がキヤビテイ内を満たした
後、溶湯がガス抜き溝部を前進して来て弁の弁頭
部の下面に衝突すれば、溶湯の慣性力が弁の係止
装置の力よりも大きい状態で弁に作用するので、
弁は閉じ、溶湯は弁装置内に入らない。
射出動作が終つて、キヤビテイ内やガス抜き溝
内の溶湯が冷却凝固すれば、シリンダを作動させ
て弁装置の先端部を金型から抜き取るとともに、
型開を行ない、その後、射出製品を取出す。
弁装置の先端部を金型から抜き取つたら、弁を
再び開いておく。
なお、以上の説明は、連続して成形作業を行な
う通常の場合の作用説明であるが、長時間運転を
休止していて金型の温度が低下しているときに運
転を再開するときは、射出開始前に第1の電磁切
替弁を切替えてピストン構造部のロツド側の室に
大きな圧力の圧力流体を供給して弁をあらかじめ
強制的に閉じておく。勿論、数回の射出動作の
後、金型の温度が所定の温度まで上昇すれば、こ
の動作は解除させておく。
[実施例] 以下、図面に示す1実施例に基づいて本考案を
詳細に説明する。
第1図および第2図は本考案の1実施例を説明
するもので、図において符号1で示すものは固定
金型、2は可動金型、1a,2aは固定金型と可
動金型の分割面にそれぞれはめ込んだ半割状の座
である。ここでは、座1a,2aはそれぞれ固定
金型1、可動金型2の一部とする。固定金型1と
可動金型2の分割面およびその延長位置にガス抜
き装置3が設けられている。
一方、キヤビテイ4の周辺から金型の分割面に
形成されているガス抜き道5よりガス抜き溝6を
介してガス抜き装置3の下部に至る排気通路が形
成されている。
そして、ガス抜き装置3においては、ガス抜き
溝6に対して弁頭部7aの下面をほぼ垂直とする
ように弁7を設け、ガス抜き溝6の途中から弁頭
部7aの横方向へ迂回して弁頭部7aの側方上方
に至るバイパスからなるガス排出用の通路8が設
けてある。8aは湯だまり部である。
溶湯の慣性力が作用しうる面部を前端部に有す
る弁7は、弁支持部材であるスプール9内におい
て、このスプール9に対しその軸線方向に摺動
し、第1図において上方に弁7が移動した場合に
は、スプール9の下端に設けた弁座10に弁頭部
7aが接触し、通路8はスプール9内の弁室11
との連通状態が閉塞される。弁室11には排出口
12が形成されている。
スプール9の途中で、弁棒7bの上端部にはピ
ストン13が固定されており、このピストン13
はスプール9の上端に形成された室14内に摺動
自在に嵌合されており、ここに形成されているピ
ストン構造部のロツド側の室14には、後記する
ように、液体圧が作用し、弁セツト時以外の射出
時などの通常の時には、ピストン13に弁7を閉
じる方向への力が与えられている。
スプール9の途中にあるガイド部材9bには弁
棒7bと直交した状態で透孔9aが形成されてお
り、この透孔9a内には圧縮ばね16によつて押
圧された状態でスチールボール17が嵌合されて
おり、このスチールボール17は弁棒7bの途中
に形成された小径部7cに接している。また、圧
縮ばね16は押しねじ18によつてその押圧力を
調整できる。
スチールボール17は、ピストン13に作用し
ている弁閉じ方向の後記する小さい力によつて上
動されようとしている弁7を止めるもので、圧縮
ばね16の押圧力は前記ピストン13に作用して
いる小さい力に打勝つ程度の大きさを有する。こ
こで、スチールボール17や圧縮ばね16等は、
弁7が開いている状態で、かつ、弁7に溶湯の慣
性力が作用していない通常のときに、ピストン構
造部のロツド側の室14に作用している弁閉じ方
向の小さい力に抗して、弁7を弁開状態で保持さ
せておくように係止させうる係止装置を形成して
いる。なお、弁棒7bの側面に当接させて設けた
係止装置16,17は、溶湯の慣性力で弁7が閉
じる力よりも小さく、また、ピストン13に作用
させる流体圧による弁閉じ方向の後記する大きい
力よりも小さい力を有している。
スプール9の上端部の両側にはそれぞれ突出部
9c,9cが突設されてT形になつており、これ
ら突出部9aはブロツク19に形成されたT溝1
9aに摺動可能に嵌合されている。このブロツク
19は、これと一体のブロツク19cを介して、
固定金型1側に固定されたブラケツト20に固定
されたシリンダ21のピストンロツド21aの下
端に固定されている。19dはブロツク19,1
9c連結用のボルトである。
一方、第1図に示すように、ブロツク19の上
端部には溝19bが横断して形成されており、こ
の溝19b中にはレバー22が昇降自在に嵌合さ
れている。レバー22はブロツク19cの端面よ
りも突出した長さにしておく。
レバー22はブロツク19の中心部に昇降自在
に嵌合されたピン23の上端に固定されており、
ピン23の下端は前記室14の上室内に臨まさ
れ、弁棒7bの上端に固定されたピストン13と
対面している。
ブロツク19の全面には蝶ねじ24を介して回
動レバー25が回動自在に軸承されており、回動
レバー25が垂直状態にある時にはスプール9が
T溝19aから抜けないように保持し、回動レバ
ー25を水平状態にしたら、スプール9や弁7を
金型1,2の上方に移動させた状態で、スプール
9は水平方向に抜けるようになる。
また、レバー22の両端部とブロツク19との
間には圧縮ばね26が弾装されており、レバー2
2を常時上方に押し上げ、レバー22が上昇して
いる状態でピン23とピストン13とが接触しな
いようにしている。
一方、ブラケツト20の途中には前記レバー2
2と接触しうる位置に突出した状態で左右一対の
ストツパ27,27が設けられている。
また、前記ブロツク19cはその一部に突出部
19fを有し、この突出部19fはブラケツト2
0側に設けられたガイドロツド28に摺動自在に
嵌合されており、後述するようにスプール9が昇
降される時の案内を行なう。
スプール9の上端が連結されるブロツク19に
は、回動レバー25と反対側の側面に、当て板2
9がその上端をボルト30によつて固定されてい
る。当て板29の下端は、スプール9側に延びて
おり、ブロツク19とスプール9の連結部におい
て、当て板29には近接センサ31が取付けられ
ている。近接センサ31はピストン13、したが
つて、弁7の位置を検出する。そして、弁7が閉
じた状態か開いた状態かを検出でき、その検出信
号は、配線31aを介して制御装置側へ導かれ
る。
また、当て板29の下端部には空気源と接続す
るための連結孔29aが形成されており、この連
結孔29aはスプール9の上端部に形成された室
14に連続する通孔14aと連通している。そし
て、通孔14aの端縁で、連結孔29aの端縁と
接する位置にはOリング32が取付けられてお
り、両者の連結部の気密を保つことができる構造
とされている。
連結孔29aには流体供給源でもある圧縮空気
源34が接続されており、連結孔29aと圧縮空
気源34とを結ぶ管路に、圧縮空気源34側から
順に減圧弁35、四方切替型の第1の電磁切替弁
36、および、弁開状態でのスプール9と弁7の
金型へのセツト時に切替えることによつてPポー
トと連通していたAポートを外気解放のEXポー
トに連通させうる第2の電磁切替弁37を配した
構造を採用した。圧縮空気源34と電磁切替弁3
6との間には減圧弁35と平列に設けて減圧弁3
5をバイパスするバイパス管路39が設けられて
おり、電磁切替弁36のTポートに接続されてい
る。そして、この流体圧回路の作用によりピスト
ン13に弁閉じ方向の力を作用させる場合のう
ち、第1図に図示したように、減圧弁35を通し
て作用させる場合は、スチールボール17等の係
止装置16,17による拘束力よりも小さい力が
得られ、電磁切替弁36を切替えることにより、
バイパス管路39を通して作用させる場合は、係
止装置16,17による拘束力よりも大きい力が
得られるようになつている。
ここで、ピストン13構造部のロツド側の室1
4を第2の電磁切替弁37を介して外気と連通さ
せ得る構造にしたのは、シリンダ21を作用させ
て弁開状態で弁7やスプール9を下降させ、金型
1,2に設置するときに、ロツド側の室14に弁
閉方向の力を作用させないようにし、シヨツクに
より弁7が極力閉じないようにしたためである。
すなわち、弁開状態の弁7を金型へセツトすると
き以外の射出動作時等に、ロツド側の室14に常
時作用させている弁閉方向の比較的に小さい流体
圧力をも、弁セツト時にはロツド側の室14に作
用させないようにし、その結果、弁セツト時に
は、係止装置16,17による弁開保持力のみを
充分に作用させ、弁7が絶対に閉じないようにし
たためである。
なお、ピストン13の上側の室は、スプール9
とブロツク19間の通路19eおよび回動レバー
25に設けた通路25aを通じて外気に連結され
ている。
このように構成された本実施例では、つぎに示
すような動作が行なわれる。
まず、型開状態で、かつ、弁棒7bの小径部7
c下端部にスチールボール17を押圧させ、弁頭
部7aが弁座10から離れた状態で、すなわち、
弁が開いた状態でスプール9全体をシリンダ21
を作動させることにより下降させる。
このときは、電磁切替弁37を切替えて、ピス
トン構造部のロツド側の室14は外気に連通させ
ておき、弁閉じ方向の力が作用しないようにして
弁7がシヨツクで閉じないようにしておく。
すなわち、弁7を開いた状態で、金型1,2に
このガス抜き装置をセツトするとき、シリンダ2
1等を用いるので、その始動時にはシヨツクが伴
うことがあり、このシヨツクがスチールボール1
7による弁7に対する拘束力より大きいと、スプ
ール9を下降させる時に弁7が閉じるおそれがあ
る。
したがつて、このような不都合なことが起きな
いようにするために、本考案では、スプール9を
下降させる時には、電磁切替弁36は第1図に示
した状態のままにし、電磁切替弁37のみを切替
えてAポートをEXポートに通じさせる。そうす
ると、圧縮空気源34の圧力はブロツクされ、室
14は大気に開放される。したがつて、弁7には
スチールボール17の拘束力のみしか加わらず、
シリンダ21の始動時におけるシヨツクが生じて
も弁7が閉じることがなく、ガス抜き装置として
の役割を確実に保つことができる。
スプール9と弁開状態の弁7を金型にセツトし
た状態で固定金型1と可動金型2の型締を行なう
と、キヤビテイ4からガス抜き道5、ガス抜き溝
6、通路8、弁室11を経てスプール9外に至る
通路が形成される。このとき、電磁切替弁37を
元の状態に切替えて、第1図に示したような状態
にし、室14に減圧弁35による所望の圧力を作
用させておく。このときの空気圧はスチールボー
ル17による弁7に対する拘束力より小さいの
で、弁7が閉じることはない。
そして、この状態で図示していない射出プラン
ジヤが作動し溶融金属がキヤビテイ4内に供給さ
れる。この時、キヤビテイ4内を充満させた溶融
金属はガス抜き道5、ガス抜き溝6を通つて進ん
で行くが、キヤビテイ4内のガスは通路8や弁室
11を通り、排出口12方向に向かい外に充分に
排出される。なお、ガスは質量が小さいため、ガ
スの作用で弁7が閉じることはない。
一方、ガスに続いて溶融金属が弁頭部7aの下
面に激突する。この時、弁7に加わる衝撃は溶融
金属の質量がガスに比較して極めて大きく、慣性
が大であるため、ガスが弁7に与える衝撃より極
めて大きく、弁7を上方にはね上げる。この結
果、圧縮ばね16によつて押圧されているスチー
ルボール17の拘束力を脱し、弁7は上方に向か
い、圧縮空気源34からの圧力による上方への引
き上げ力をも加わり、弁頭部7aの上面が弁座1
0に素早く着座し、通路8と弁室11との間を閉
塞し、溶融金属の流出を弁7の位置で止める。
この時、溶融金属がガス抜き道5、ガス抜き溝
6内でガスと混合し、飛沫状となり、不連続に弁
体に当たる場合であつても、最初の溶融金属の衝
突により、弁体がはね上げられ、その後ガスが来
て溶融金属による上方への押圧力がなくなつて
も、弁7は圧縮空気源34からの圧力により上方
への移動習性が与えられているため、弁7による
排気通路の閉塞は確実に行なわれる。
また、第1図からも明らかなように弁頭部7a
はその下面に極めて深い凹部7dが形成されてい
るため、溶融金属や金属粉等はほとんどがこの凹
部7d内に激突し、溶融金属等が弁頭部7aの周
囲を通つて弁頭部7aの上方にまわり込む不都合
はなくなり、弁頭部7aは確実に弁座10に対し
て着座することができる。
このようにして射出が行なわれ、ガス抜き装置
3の弁7が閉じた状態で、所定時間の加圧冷却に
より鋳込み作業が終了すれば、シリンダ21を作
動させ、スプール9を上昇させる。この上昇動作
に伴い、キヤビテイ4、ガス抜き道5、ガス抜き
溝6および通路8内に充満されて凝固した金属は
上昇中の弁7から離れる。その後、型開を行なつ
た後、図示していない製品押出装置により、成形
品を可動金型から取出す。
シリンダ21が作動し、スプール9全体が引き
上げられる時、ブロツク19に取付けられたレバ
ー22の両端がブラケツト20側から突出してい
るストツパ27と接触する。そして圧縮ばね26
による弾発力に抗してレバー22は溝19b中を
下降し、この結果、ピン23が下降し、上動限界
にある弁7の上端のピストン13に接触し、これ
を圧縮空気源34からの圧力に打勝つて下方に押
す。
この結果、弁頭部7aは弁座10から離れ、弁
は完全に開かれる。
弁7の下降に伴い、スチールボール17は再び
弁棒7bの途中に形成された小径部7c中に嵌入
し、弁7が開いた状態を保持する。この状態で前
述したと同様に次の鋳込動作を行なえば良い。
なお、弁7と、レバー22とは別体に設けられ
ており、弁が閉じる状態にあつては、弁7のみが
作動できる。したがつて、従来のように、レバー
22と一体となつた弁7と比較すると質量が小さ
く、動作時における慣性が小さく、溶湯の弁体に
対する衝突時における弁の閉じる速さは極めて速
く、優れた応答性を持つている。
なお、前記したように、ブロツク19にスプー
ル9当接用の当て板29を設け、連結孔29aに
対するスプール9との接触部に、Oリング32を
設けた構造を採用しているので、ガス抜き装置3
の清掃時において、スプール9をT溝19aから
引き出し、スプール9や弁7のみを容易に取り外
すことができる。したがつて、当て板29はその
まま残り、近接センサ31とその配線31aや空
気源34側の配管はブロツク19側にそのまま残
り、配線や配管の着脱をしないですみ、清掃や保
守に際して操作が極めて容易となる。勿論、スプ
ール9をブロツク19に取付ける場合は、スプー
ル9をT溝19a内に押入れ、当て板29に押付
けて、回動レバー25でロツクするだけで極めて
簡単に取付けることができる。
一方、例えば、数日または数時間、成形装置の
運転を休止していて金型の温度が所定の温度に達
していなくて、溶湯の弁閉じに必要な慣性力が期
待できない状態の下で運転を再開するときは、こ
のガス抜き装置3を金型1,2にセツトし、電磁
切替弁36を切換えてTポートとAポートを通じ
させ、圧縮空気源34と室14とを連通させ、圧
縮空気源34の圧力をそのまま室14に導き、ピ
ストン13に対し大きい空気圧を作用させ、スチ
ールボール17の押圧力に抗して弁7を上動させ
強制的に閉じさせ、溶湯が弁装置内に入らないよ
うにする。
このように空気圧により弁7を閉じさせる動作
をリモートコントロールにより行なうことができ
る構造を採用すれば、不便さや作業者におよぼす
危険を著しく低下させることができる。
勿論、運転を再開して数シヨツトの射出動作を
行ない、金型の温度が所定の温度まで上昇すれ
ば、電磁切替弁36を第1図に示す状態に切替え
る。
なお、圧縮空気源34の代りに油圧供給源等の
他の流体圧供給源を用いることもできる。ただ
し、油圧を用いる場合は、電磁切替弁37のEX
ポートはタンクに連結させておく。
また、スチールボール17に対する押圧力を圧
縮ばね16で与える代りに流体圧を利用して与え
ることもできる。
なお、本考案は、従来より公知のように、スプ
ール9に設けたガス排出用の排出口12を大気中
に開放したり、真空吸引装置に連結したりしてお
くことができ、また、溶湯の流れが正常な射出途
中に電気的指令で弁7を閉じるようにすることが
できるが、その場合に、電気的指令のタイミング
がうまくとれなかつたら、指令によつて弁が閉じ
る前に溶湯が弁7部まで来て溶湯が弁装置内に入
り、弁装置の作用が不確実になろうとするが、そ
の場合でも、射出途中のおくれた電気的指令によ
つて弁7が閉じる前に溶湯の慣性力の作用で弁が
閉じるので、弁7の閉じ動作が常に確実に行なわ
れ、かつ、安全であり、長期連続運転に充分にこ
たえうる。
[考案の効果] 以上の説明から明らかなように、本考案によれ
ば、弁棒の上端部をピストン構造部とし、弁を開
いた状態でスプールと弁を金型にセツトすると
き、ピストン構造部のロツド側の室を大気開放す
るようにしたので、流体圧や従来のようなばね力
による弁閉方向の力は作用せず、弁棒に対するス
チールボール等の係止装置の係止による拘束力の
みが大きく作用するため、スプール下降時のシヨ
ツクがあつても弁は閉じず、弁を確実に開いたま
までスプールを下降させ、正常なガス抜き機能を
保持させることができる。
また、弁開状態の弁を金型にセツトした後の射
出時等には、電磁切替弁を再度切替えて、ロツド
側室に流体圧を作用させて係止装置の弁保持力よ
りも小さい弁閉じ方向の力を作用させておくこと
ができるので、射出時に溶湯が弁に作用したとき
に、すみやかに弁を閉じるための手助けをするこ
とができるとともに、いつたん閉じた弁をバウン
ド等で再び開かないように保持し続けておくこと
ができ、溶湯がスプール内に入り込まないように
して、弁の長期連続運転を容易に可能にすること
ができる。
また、弁棒の上端部をピストン構造とし、この
部分に流体圧を作用させる構成を採用しているの
で、長時間休止していた成形装置の運転を再開
し、その運転開始時に金型の温度が低く、溶湯が
所望の慣性力を有していないときに試し打ちする
場合に、リモコン操作により、弁をあらかじめ強
制的に簡単に閉じさせることができ、射出時にお
いて弁が閉じないで溶湯が弁室側に入り込むとい
う不都合な事故を生じることがない。
勿論、運転開始時等においては、流体圧を利用
して簡単に弁を閉じた状態にしておけば、操作者
による手動操作を必要とせず、離れた位置から弁
を閉じることができ、繁雑さや面倒さおよび危険
が全く無い。
【図面の簡単な説明】
図面は本考案の1実施例を示すもので、第1図
は縦端側面図、第2図は一部断面した正面図であ
る。 1……固定金型、2……可動金型、3……ガス
抜き装置、4……キヤビテイ、7……弁、9……
スプール、10……弁座、11……弁室、13…
…ピストン、14……室、16,26……圧縮ば
ね、17……スチールボール、19……ブロツ
ク、19a……T溝、21……シリンダ、22…
…レバー、25……回動レバー、27……ストツ
パ、34……流体圧供給源(圧縮空気源)、35
……減圧弁、36,37……電磁切替弁、39…
…バイパス管路。

Claims (1)

  1. 【実用新案登録請求の範囲】 金型1,2に出し入れ自在に取付けうるスプー
    ル9の内部に、溶湯の慣性力が作用しうる面部を
    前端部に有する弁7を摺動自在に設けて、弁7を
    スプール前端部で開閉可能に設け、弁7の弁棒7
    b部の後端部をピストン13構造部にしてピスト
    ン13を前記スプール9の後方部内に摺動自在に
    設け、溶湯の慣性力が弁開き状態の弁7に作用し
    た時には弁閉動作を行わせて、溶湯の慣性力が弁
    開き状態の弁7に作用していない通常のときは弁
    7を弁開位置に係止させ得る係止装置16,17
    を前記弁7の弁棒7b側面に当接させて設け、 流体圧供給源34、減圧弁35、第1の電磁切
    替弁36、および、弁開状態でのスプール9と弁
    7の金型へのセツト時に切替えることによつてP
    ポートと連通していたAポートを外気開放のEX
    ポートに連通させうる第2の電磁切替弁37を順
    次連結し、かつ、減圧弁35と平列に設けて流体
    圧供給源34と第1の電磁切替弁36を連結した
    バイパス管路39とからなる流体圧回路を、前記
    ピストン13構造部のロツド側の室14に連結し
    た金型用ガス抜き装置。
JP14098783U 1983-09-13 1983-09-13 金型用ガス抜き装置 Granted JPS5985660U (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP14098783U JPS5985660U (ja) 1983-09-13 1983-09-13 金型用ガス抜き装置

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP14098783U JPS5985660U (ja) 1983-09-13 1983-09-13 金型用ガス抜き装置

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPS5985660U JPS5985660U (ja) 1984-06-09
JPH028595Y2 true JPH028595Y2 (ja) 1990-03-01

Family

ID=30315465

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP14098783U Granted JPS5985660U (ja) 1983-09-13 1983-09-13 金型用ガス抜き装置

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JPS5985660U (ja)

Citations (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS57106462A (en) * 1980-12-23 1982-07-02 Ube Ind Ltd Venting device for die in molding machine

Family Cites Families (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS6019806Y2 (ja) * 1980-12-23 1985-06-14 宇部興産株式会社 射出成形装置の金型用ガス抜き装置

Patent Citations (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS57106462A (en) * 1980-12-23 1982-07-02 Ube Ind Ltd Venting device for die in molding machine

Also Published As

Publication number Publication date
JPS5985660U (ja) 1984-06-09

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JPS6141663B2 (ja)
US4691755A (en) Degassing apparatus for a metal mold
JPH08294763A (ja) 真空ダイカスト装置
JPH028595Y2 (ja)
JPH0230778B2 (ja)
JPH028594Y2 (ja)
JPS607888Y2 (ja) 金型用ガス抜き装置
JPS624378Y2 (ja)
JPH027746B2 (ja)
JPH0337461B2 (ja)
JPS642469B2 (ja)
JPS6019807Y2 (ja) 金型用ガス抜き装置
JPH0238060B2 (ja) Kanagatayogasunukisochiniokerubenbunosetsuchihoho
JPH0156862B2 (ja)
JPS5846386B2 (ja) 減圧ダイカスト法および装置
US4245690A (en) Hot chamber die casting machine and method for controlling the flow of melt during and immediately after molding a part
JPH0231227Y2 (ja)
JPH0221170Y2 (ja)
JPS6338071Y2 (ja)
JPS607883Y2 (ja) 金型用ガス抜き装置
JPH0236349B2 (ja) Kanagatayogasunukisochi
JPS58112647A (ja) ダイカスト装置
JPH0230134Y2 (ja)
JPS58112646A (ja) ダイカスト装置
JPH0815651B2 (ja) 金型用ガス抜き装置