JPS5914298B2 - 金型用ガス抜き装置 - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 本発明はダイカストマシンや射出成形機等の成形機にお
ける金型のキャビティから、射出成形時に大量のガスの
みを抜き取る金型用ガス抜き装置に関するものである。

従来、ダイカストマシン等において高速高圧で溶融金属
をキャビティ内へ充填した場合、キャビティ内のガスが
充分抜は切らずに製品中に残存し、製品中に巣を形成す
る欠点があった。

この欠点を排する為、本発明の出願人会社では、多量の
ガスを短時間に抜くことができる様、金型の分離面部に
、キャビティから導かれたガス抜き溝、このガス抜き溝
の端部で軸線方向に摺動する弁及びガス抜き溝の途中か
ら弁部の側面に迂回したガス排出用の通路であるバイパ
スを設け、射出成形時にバイパスを介してキャビティ内
のガスを抜き、被射出溶融物が、ガス抜き溝の端部に達
した時、この質量の大きい溶融物の作用で弁を押上げ、
この弁体にてバイパスの端部を直接塞ぐ構造のガス抜き
装置を開発した。

しかし、弁体の動作が常に確実でなく、時に、被射出溶
融物が、その流れの先端部分で不連続な状態となって弁
体に至った場合に該弁体が充分に作動しない場合があっ
た。

すなわち、溶融物の流れの先端部分が不連続であれば、
最初の溶融物の作動で弁がいったんは締まるが、次にガ
スが来た時、弁は弁の後部に設けた圧縮ばねの作用で開
く。

そして次に、又、溶融物が来て弁を閉じようとした時、
先に来ている弁位置の前の溶融物が固まりかげているの
で、溶融物の力は弁に直接作用せず、先の溶融物に作用
する。

この時、先に固まりかげている溶融物とその回りの金型
部との間にはフリクションが作用しているので。

弁に作用する力は弱くなり弁が充分に締らず、バイパス
に入って来た溶融物がバルブ内に侵入する恐れがあった
。

本発明はこの様な欠点を排し、最初の被射出溶融物が弁
体に達したとき、素早く且つ確実に排気口を閉じる弁体
を具えた射出成形金型用のガス抜き装置を提供するもの
である。

本発明に係る金型用ガス抜き装置３０は第１図に示す如
く固定金型１１と可動金型１２どの分割面１３位置およ
びその延長位置に設けるものである。

すなわち、固定金型１１と可動金型１２とを合せた場合
に、例えば固定金型１１０分割面に、キャビティ１５の
適宜周辺より金型の分割面１３に形成されるガス抜き道
２１及びガス抜き溝２２を介して当該ガス抜き装置３０
に至る排気通路を形成する。

そして、該金型用ガス抜き装置３０は第２図に示す如（
、ガス抜き溝２２と弁４１の下面４２とを略垂直とする
如く弁４１を設はガス抜き溝２２の弁４１近傍より弁４
１の側方上方部４３に至るガス排出用の通路であるバイ
パス２５を設ける。

弁４１はスプール３１内において、該スプールに対し、
その軸方向に摺動し、例えば第２図において上方に弁４
１が移動した場合には、スプール３１下端に設げた弁座
３４に弁体４１が当接され、ガス抜き溝２２及びバイパ
ス２５は弁室４７への連通が閉鎖される。

（第３図参照）。弁４１上方には弁４１の弁棒である弁
体軸４５周辺に形成される弁室４１空間を有し、該弁室
４１よりスプール３１外方への排出口３６を設げる。

弁体軸４５はスプール３１に対し摺動自在に弁体支持部
３５により支持されており、弁体軸４５後端４６には、
スプール内周壁部３３との間に板バネ３８を介在させる
。

該板バネ３８は、その長さく外径）がスプール３１内径
より僅かに長く、湾曲状態にて取り付けられる。

そして、板バネ３８の外周面はスプール３１の内周面に
設けた溝部３３ａで保持され、板バネ３８の中央部は弁
体軸４５の一部である後端部に固定されている。

従って、第３図又は第４図に示す如く、弁４１を上下の
位置で停止させる様に板バネ３８は上方又は下方に湾曲
した状態で安定するスナップアクションを呈するととも
に、第２図に示すように型締時にスプール３１と弁４１
が下降限位置にある時は、板バネ３８の中央部と外周部
が上方にあり、板バネ３８の中央部と外周部との中間部
が下方にあるように、板バネ３８が液状になって安定す
ることとなる。

尚、該板バネ３８は第２図に示すように射出直前の状態
で、第４図に示した状態と同様に、中央部が下限位置に
あるように七ッｌ−しておいても良い。

板バネ３８は、第５図に示す様な十字形にして、その外
径をスプール３１内径より催かに犬としたものを用いて
装着時に湾曲状とする場合や、第６，７図に示す如きサ
ラバネ３９を用いる場合等がある。

上記板バネ３８又はサラバネ３９等のバネ体は必要に応
じ複数枚設けることもある。

サラバネ３９には必ずしも切抜き穴を設ける必要はない
。

なお例えば、スプール３１の内周面の溝部３３ａの直径
を４０ｍｍＬした場合、板バネ３８の外径を４１ｍ１ｒ
ｔとした。

なお、本発明ではサラバネ３９は板バネに含まれるもの
とする。

そして、前記弁４１を内装したスプール３１は、ブラケ
ットを介して、例えば固定金型１１に取付けたシリンダ
ー５２のピストンロッド５３により上下に移動する。

本発明の実施例としての金型用ガス抜き装置３０は上述
の如く、固定金型１１にブラケット５１を取り付け、該
ブラケット５１に設けたシリンダー５２のピストンロッ
ド５３先端にスプール３１を設けて、該スプール３１を
軸方向に可動とし、前記スプール３１に対して軸方向に
摺動自在の弁４１を設け、該弁４１１体軸後端４６近傍
と前記スプール３１０周壁部３３との間に湾曲した板バ
ネ３８等のバネ体を水平に位置させて介在させると共に
、前記弁体下面４２に対し、略垂直のガス抜き溝２２と
該ガス抜き溝２２から弁体側方上部４３に至るガス排出
用の通路であるバイパス２５とを金型１１，１２０分割
面１３に設けた構造とした金型用ガス抜き装置３０であ
る。

本発明に係る金型用ガス抜き装置３０は上記の如く構成
した故、金型１１，１２を合せた後、板バネ３８等の弁
をスプールに対して開き位置で係止させ、弁の閉動作に
ともなって係止を開放させ、且つ、弁が閉じた時、弁の
閉鎖を持続させる部材であるバネ体を下方に湾曲した状
態にてスプール３１をピストンロッド５３により降下さ
せると、第２図に示す如く弁体下面４２が、ガス抜き溝
２２の直上方部を閉鎖し弁体側方上方部４３にバイパス
２５が開口した状態となる。

従って、キャビティ１５よりガス抜き道２１、ガス抜き
溝２２、バイパス２５弁室４７、排出口３６を経て、ス
プール３１外に至る排気通路が形成される。

この時、板バネ３８は波状になっており、比較的に小さ
な弁４１の押上刃で板バネ３８の中央部が容易にさらに
押上げられるようになっている。

該状態にて鋳込穴１６より溶融金属をキャビティ１５内
に鋳込めば、キャビティ１５への被射出溶融金属の充填
に伴い、キャビティ１５内のガスはガス抜き道２１、ガ
ス抜き溝２２を経て弁４１に当り、バイパス２５を通っ
て弁体側方上方部４３から弁室４７、排出口３６を経て
排出される。

そして、キャビティ１５内に被射出溶融金属がほぼ充填
された後＋ｉ、溶融金属がガス抜き溝２２内を上昇し、
前記ガスと同様に弁体下面４２に当る。

このとき、弁４１に加わる衝撃は、溶融金属の質量が、
ガスの質量に対し非常に大きく慣性が犬である故、ガス
が弁４１に与える衝撃よりも非常に大きく弁４１を上方
に跳上げてバネ体などをスプールに対して開き位置で係
止させ、弁の閉動作にともなって係止を開放させ、且つ
、弁が閉じた時、弁の閉鎖を持続させる部材を上方に湾
曲させる。

（第３図参照）。

バネ体が上方に湾曲した状態では弁４１は上方に位置し
、弁４１は、弁座３４に当接されてバイパス２５を塞ぎ
、ガス抜き溝２２及びバイパス２５と、弁室４７及び排
出口３６との間を閉鎖し、被射出溶融物の流出を弁４１
位置にて停める。

このとき、被射出溶融物が、ガス抜き道２１及びガス抜
き溝２２内でガスと混じり、飛沫状となり、不連続に弁
体に当る場合であっても、最初の溶融物の衝突により弁
体が跳上げられ、その後、溶融物による上方への押圧力
が無くともバネ体が上方湾曲状態にて弁４１を上方位置
に維持する故、弁体４１による排気通路の閉鎖は確実に
行われる。

ガス抜き装置３０ｆ７）弁４１が、ガス抜き溝２２バイ
パス２５を閉鎖した状態にて、所定時間の加圧冷却にて
鋳込作業が終了すれば、第４図に示す如くシリンダー５
２にてスプール３１を上昇させ、キャビティ１５、ガス
抜き道２１、ガス抜き溝２２及びバイパス２５内に充満
されて凝固した金属１９と弁４１とを離し、第１図に示
す可動金型１２を移動させ固定金型１１と分離し、押出
ビン１４にて成形品を可動金型１２より取り出す。

尚、シリンダ５２を作動させて、弁４１をスプール３１
と一体に上昇させるに際し、弁体下面４２と、ガス抜き
溝２２中の凝固金属１９との分離抵抗及び弁４１側方と
バイパス２５内の凝固金属１９との分離抵抗により弁４
１は上方への移動が妨げられる故、スプール３１が上昇
しようとしたとき、弁４１が前記抵抗によりスプール３
１より引き降される如（スプールの上昇に遅れ、バネ体
を下方に湾曲させる。

この様にスプール３１を引上げる時に、弁４１はスプー
ル内で下方位置に位置する故、次回鋳込時において、金
型１１゜１２を合せ、スプール３１を降下させれば、弁
４１はガス抜き溝２２直上を閉鎖し、バイパス２５を弁
体側方上方部４３に開口し、次の鋳込みの準備を完了す
ることとなる。

なお、スプール３１を持上げる時、弁４１がより確実に
開くようにするため、あるいは空打ちの時のために、ス
トッパ機構を設けておくことが、より望ましい。

すなわち、弁体軸４５より水平方向に復帰杆５５を設け
ることもある。

該復帰杆５５は、スプール周壁部３３に設けた通孔５７
よりスプール３１の外方へ貫通させたもので、スプール
３１をシリンダー５２にて上昇させたとき、ブラケット
５１に設けたストッパー５６に当り、スプール３１の上
昇に伴って、弁４１をスプール３１に対して降下させる
ものである。

この復帰杆５５は鋳込みを行なうことなく、射出成形機
を空打ちした後や、最初に鋳込みを行なう場合等におい
て、確実に弁４１をスプール３１に対して下方位置に位
置させ、スプール３１を降下させたときに、バイパス２
５を開口して鋳込み準備を調えるものである。

また、前記実施例においては、第２〜４図に示した弁４
１０代りに、第８図に示すようなスプール型の弁４１ａ
を用い、穴４１ｂの位置に応じて、バイパス２５と弁室
４７との連通、遮断を行うようにしても良い。

さらに、前記実施例においては、板バネ３８を弁体支持
部３５よりも上に設けたが、これは板バネ３８を弁体支
持部３５より下方に設けても良い。

勿論、ガス抜き装置３０は、金型の上部に設ける代りに
、側面側に設けることもできる。

このように、本願発明に係る金型用ガス抜き装置３０は
、上記の様にバネ体などをスプールに対して開き位置で
係止させ、弁の閉動作にともなって係止を開放させ、且
つ、弁が閉じた時、弁の閉鎖を持続させる部材を具えた
弁４１を用い、金型の分離面部１３のキャビティ１５か
ら導かれたガス抜き溝部２２に、軸線方向に摺動する弁
４１と、この弁を摺動自在に支持したスプール３１を設
けて、弁４１をスプール３１に対して開閉可能に設け、
前記ガス抜き溝２２の途中から弁部の側面に通じたガス
排出用の通路２５を設け、弁４１をスプール３１に対し
て開き位置で係止させ、弁の閉動作にともなって係止を
開放させ、且つ、弁が閉じた時、弁の閉鎖を持続させる
部材である板バネ３８を弁とスプールとの間に設けた金
型用ガス抜き装置であるから、弁４１への圧力が小さい
ガスは容易に通過させ、押圧力の犬なる被射出溶融物は
弁４１をもって確実に遮断する故、ガス抜き道２１、ガ
ス抜き溝２２の断面積を太き（して鋳込時のガス抜きを
容易且つ迅速に行ない得るのであり、弁４１は被射出溶
融物の最初の衝撃で排気通路を閉じ、バネ体により閉鎖
を維持される故、溶融金属がガスと混合し、溶融金属に
よる弁４１の押上げが断続的であっても閉鎖が確実に行
なわれる。

そして常に弁４１が確実に作動し、射出時のガスの排出
が確実容易に行われるので、常に巣のない良質、耐強度
の射出製品を確実容易に得ることができる。

【図面の簡単な説明】

第１図は本発明の１実施例を示す縦断面図第２図は、本
発明に係る金型用ガス抜き装置の要部断面図、第３図、
第４図は夫々金型用ガス抜き装置の作動を示す要部断面
図、第５図、第６図は夫々本発明に係るガス抜き装置に
使用するバネ体を示す平面図、第７図は第６図の■−■
線断面図第８図は弁部の他の実施例を示す縦断面図であ
る。 １１−固定金型、１２−可動金型、１５−キャビティ、
１９−凝固金属、２２−ガス抜き溝、２５−バイパス、
３０−ガス抜き装！、３１−スプール、３４−弁座、３
６＝排出口、３８一板バネ、３９−サラバネ、４１−弁
、４５−弁体軸、４７−弁室、５２−シリンダー、５５
＝復帰杆、５６−ストッパー。

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 １ 金型の分離面部のキャビティから導かれたガス抜き
   溝部に軸線方向に摺動する弁と、この弁を摺動自在に支
   持したスプールを設けて、弁をスプールに対して開閉可
   能に設け、前記ガス抜き溝の途中から弁部の側面に通じ
   たガス排出用の通路を設け、弁をスプールに対して開き
   位置で係止させ、弁の閉動作にともなって係止を開放さ
   せ、且つ、弁が閉じた時、弁の閉鎖ｖ持続させる部材で
   ある板バネを弁とスプールとの間に設けた金型用ガス抜
   き装置。 ２ 板バネをスプール内に湾曲させた状態にして、且つ
   、その外周面をスプールの内周面で保持した状態として
   設け、弁の弁棒の一部を該板バネの中央部に固定した特
   許請求の範囲第１項記載の金型用ガス抜き装置。 ３ スプールを軸線方向に摺動自在に設け、このスプー
   ルの内周面と弁棒との間に湾曲させて設けた部材である
   板バネを、弁が上昇して弁が閉ざされた時には、板バネ
   の中央部が上限位置にあり、スプールが金型の分離面部
   から離れて上昇する時には板バネの中央部が弁の開き動
   作にともなって下方位置へ移動するようにした特許請求
   の範囲第１項又は第２項記載の金型用ガス抜き装置。