JPS6029559Y2 - 建築用パネル - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は、建築、構築物の外壁、または屋根を乾式１法
により形成するのに有用な建築用パネルに関するもので
ある。

一般に建築物の外壁としては、例えば実公昭５０−８９
５号に示すような金属サイディング材を胴縁に釘着した
構造が普及している。

しかしながら、この構造では雄、雌連結部に全く断熱材
が存在せず、良導体の金属板が熱橋となって、この部分
に結露、あるいは断熱性能の低下を招くおそれがあった
。

このような欠点を改善したサイディング材としては例え
ば実開昭５１−７４３０８号がある。

そして、この断面のパネル自体の断熱性能は向上するが
、目地部の防水性、防火性、気密性に欠ける不利があっ
た。

本考案はこのような欠点を除去するため、この種パネル
の連結部の下地材との接触部分で防水シート、および防
火層として機能するフリ一端を具備した建築用パネルを
提案するものである。

以下に、図面を用いて、本考案に係る建築用パネルの一
実施例につき詳細に説明する。

第１図は上記パネルを示す斜視図であり、１は主体で長
方形の化粧面１ａを有し、例えば金属薄板を素材とする
ものである。

２，３は側壁で主体１の両端を垂直、もしくは傾斜（図
示せず）して折り曲げたものである。

４は雄型連結部で側壁２の下端を外側方へ突出して形威
したものであり、上記雄型連結部４は差込縁５とその先
端を図示するように折り曲げ、あるいは反対側（図示せ
ず）に折り曲げた舌片６とから形威したものである。

７は雌型連結部で側壁３の下端を内方にコ字状に屈曲し
て差込溝８を形威し、その下縁９をさらに外側方へ延長
した延長部１０と、その途中に側壁３と平行に設けた突
条１１と、延長部１０の先端を外方へ屈曲した舌片１２
とから構成したものである。

なお、突条１１は必要に応じて設けるものであり、図と
反対の方向に窪ませることも可能である。

特に、突条１１は雄、雌型を連結したときに目地部に対
する気密性と水切り性、および防火性の機能を発揮する
ものである。

１３は防火性を有する合成樹脂発泡体で前記主体１と側
壁２，３によって形成された樋状部、および樋状部の裏
面と延長部１０の裏面とを下方へ膨出せしめ、かつ、膨
出した部分のうち側壁２から内側に向かって差込溝８の
最奥から延長部１０先端までの長さのうち、差込縁５の
長さを差し引いた長さΔ１に亘って切り欠いた形状で、
単一体で形成したものであり、主に断熱材、接着材、軽
量な嵩上げ材、クッション材、吸音材、非吸音湿層、お
よび防火材として機能する。

なお、合成樹脂発泡体１３の膨出部分は断熱材とクッシ
ョン材、および外気に露出している主体１と胴縁等の内
部構造材との熱橋を遮熱するのに役立つものである。

また、その素材は高熱下で炭化層を形成するポリイソシ
アネレートフォーム、フェノールフオーム等であり、主
に原料状態で吐出して発泡体を製造するものである。

１４はシートで脅威樹脂発泡体１３の長手方向の全露出
面のうち切り欠き部のΔ１の幅とその側壁、および膨出
部の裏面を被覆すると共に、一端部が差込縁５の裏面の
一部を被覆し、他端部は延長部９より外側方へ突出させ
て、フリ一端１５を形成したものである。

特に、フリ一端１５は、この種パネルの連結に際し、最
弱点部分の防水性と断熱性と気密性と防火性の機能を有
するように防火塗膜１５ａを形成したものである。

所謂防火性のあるバッキング材として機能するものであ
る。

このフリ一端１５の形状の例を示せば、第２図ａ ”−
ｃに示すように形成する。

すなわち、ａはフリ一端の先端１５ｂを折り曲げた場合
、ｂ図はフリ一端１５を波状に形成した場合、Ｃ図はフ
リ一端１５に接着剤層１６と剥離層１７とを設けたよう
な構成である。

上記シート１４の素材としては、アスベスト紙、クラフ
ト紙、石膏紙、合成樹脂フィルム、金属箔、不織布の１
種、または２種以上をラミネートしたシート、あるいは
これらシートの外表面となる面に防カビ剤、例えば金属
石けん、フェニル酢酸、水銀、フェノール系化合物、ア
ニリン誘導体、ベンツイミダゾール誘導体、硫黄化合物
、サニシルアニライド等を塗布した防水シート等である
。

また、シート１４としては、ポリエチレン樹脂の塗膜を
形成したシート、植毛シート等を用いるものである。

次に、実施例につき説明する。

いま、第３図ａ、 ｂに示す装置で第１図に示す建築用
パネルを製造すると仮定する。

なお、因において、Ａは矢印方向に回転する上、下型Ａ
□、んからなる加温方式の型、Ｂは防水シートの成形機
、Ｃは主体１の成形機、Ｄは合成樹脂発泡体吐出機であ
る。

そこで、主体１としては０．２７７７＋７１１のカラー
鋼板、合成樹脂原料としてはフェノール樹脂（旭有機材
工業株式会社の即レジン）、シート１４としてはクラフ
ト紙（１９０ｇ／ｄ）にアルミニウム箔をラミネートし
たものを用いる。

そこで、例えば、型Ａが３０ｍ、／ｍｉｎの速度で回転
し、型温か９０℃に設定されており、上記原料が成形さ
れた主体１の背面１ｂにやや平均に吐出されたと仮定す
る。

この原料がクリームタイム、あるいはゲルタイムの期間
、好ましくはクリームタイム初期にシート１４を第１図
に示すように原料と接触させ、型Ａに供給し、型Ａ内で
養生してその出口から第１図に示すようなパネルとして
連続して送出する。

特に、この際、シート１４の背面１４ａが撓まずに型Ａ
の入口まで搬送されるため、原料の化学反応、発泡高さ
を抑制せず、その末期で発泡頂面と接触し、有効発泡を
図る。

そこで、このようにして製造された建築用パネルを切断
し、観察したところ、合成樹脂発泡体１３は均質発泡組
織となっており、密度もフリー発泡における頂面を僅か
に圧縮した程度であった。

また、この建築用パネルを第４図に示すように胴縁１８
に施工した際には、連結部の胴縁１８との接触部位でフ
リ一端１５がシートとして作用し、目地部からはＪＩＳ
−Ａ −１４１４の６．４の水密試験で平均圧力５５
に９ｆ ／ｄ （５３９，３７ｐａ ）でも雨水が下地
に到達することがなかった。

勿論、結露水は建築用パネルの裏面に到達することがな
かった。

さらに、防火性はＪＩＳ −Ａ−１３０１においても最
弱点部である目地部のポリリン酸系発泡防火塗膜が３〜
４Ｔｒｇｎ厚に発泡したため裏面温度が１８０℃であり
、２６０℃の上限をはるかに下まわった。

上述したように、本考案に係る建築用パネルによれば、
壁体において最弱点部であるパネル連結部の防水性と防
火性を防火塗膜を有するフリ一端によって確実に改善し
、かつ、下地材の腐食を防止した特徴がある。

さらに、本考案に係る建築用パネルは製造が容易で、し
かも安価に製造できる特徴がある。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案に係る建築用パネルの一実施例を示す斜
視図、第２図ａ ”−’ ｃは本考案に係る上記パネル
の要部であるフリ一端の例を示す説明図、第３図ａ、
ｂは上記パネルの製造に供する装置の一例を示す概略図
、第４図は上記パネルの施工例を示す縦断面図である。 １・・・・・・主体、１３・・・・・・合成樹脂発泡体
、１４・・・・・・シート、１５・・・・・・フリ一端
、１５ａ・・・・・・防火塗膜。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 長方形状の化粧面を有する主体の一側縁に外方へ突出し
   た差込縁からなる雄型連結部を設け、上記側縁と平行な
   他側縁に差込溝と該差込溝の下縁を外側方へ延長突出し
   た延長部を有する雌型連結部とを備えた建築用パネルに
   おいて、前記主体と二側縁で囲まれた樋状部に充填し、
   かつ、該裏面と上記延長部から下方へ膨出し、該膨出部
   のうち、雄型連結部の側壁から内側へ向かって前記差込
   溝の最奥から延長部先端までの長さから差込縁の長さを
   差し引いた分だけ切り欠いた防火性を有する合成樹脂発
   泡体と、該発泡体の長手方向の露出面のうち、延長部端
   の側面を除く全面をシートで被覆すると共に、延長部端
   を外側方へ突出してフリ一端を形威し、該フリ一端の表
   面に防火塗膜を設けたことを特徴とする建築用パネル。