JPS6040758Y2 - サイデイングボ−ド - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は雄、雌型連結部を有する表面材の裏面にフェノ
ールフオームを充填し、その背面を不燃性の発泡シート
で覆ったサイディングボード（以下、単にボードという
）に関するものである。

さらに詳しくは、上記ボードを用いて外壁等を形成した
際に連結部における防水性、耐震性、吸音性、緩衝性、
フェノールフオームとの接着性、隔離性、気密性を改善
し、かつ、耐火性と装着時における下地構造に対する１
なじみヨをよくして施工性を向上したボードに係る。

一般に外壁を形成する方法としては乾式１法と湿式１法
がある。

そして最近は工期の短縮、断熱層の容易な形成とコスト
低減から乾式１法が大幅に普及しつつある。

その主な部材は雄、雌嵌合構造のボードである。

しかしながら、この種ボードは連結部が雄、超構造にな
っているため強風下において雨水が目地部から内部（裏
面）に侵入（漏洩）する欠点があった。

また、表面材同士が相互に接触、しかも嵌合するため熱
伝導がよく、損傷が生じやすく、結露、錆の主要な発生
源ともなっていた。

さらに、単なる差込み構造では強風によりボードが離脱
する不利もあった。

その他、下地が凹凸であるとボードの装着作業が非常に
繁雑で非能率的となり、しかも仕上りが凹凸となって外
観を損なう不利があった。

また、断熱性は連結部の気密性が悪いため、この部分に
結露が生じやすく、結露によるカビも繁殖する欠点があ
った。

さらに、耐火性については、この連結部から熱気、火炎
が内部へ侵入し、ポリウレタンフォーム、スチレンフオ
ーム等の可燃性の芯材、胴縁、下地が燃焼する不利があ
った。

すなわち、この種ボードで形成された壁体の外側は火炎
、高熱にさらされると、ボードの外側を形成する金属板
が熱により膨張して大きく歪み、この歪みはフリ一端構
造の連結部端縁に大きく現われる。

また、芯材であるフオーム、例えばポリウレタンフォー
ムは耐熱温度が１００℃以下であり、かつ、上記温度ま
での間においては大きく収縮する。

従って、この種ボードを用いた外壁の連結部では嵌合部
の離脱、および大きな間隙の発生が避けられなかった。

そして、この間隙、芯材自体からは火炎、熱気がボード
内部へ直接的に侵入するため耐火性、耐熱性に全く欠け
る外壁となる欠点があった。

本考案はこのような欠点を除去するため、ボードの連結
部に防水性、気密性、クッション性、緩衝性、断熱性、
耐離脱性、装着性、耐震性、釘穴を介して浸入する水を
阻止することにより得られる下地等の耐食性、吸音性、
および耐火性、耐熱性を改善したボードを提案するもの
である。

以下に、図面を用いて本考案に係るボードの一実施例に
ついて詳細に説明する。

第１図は上記ボードの代表的な一例を示す斜視図であり
、１は表面材で、例えば金属薄板（カラー鉄板、ステン
レス板、銅板、アルミニウム板）の１種からなる。

さらに説明すると表面材１は長方形の化粧面２と、その
端縁を垂直、または傾斜（図示せず）した側壁３，４と
、その両側縁に外方へ延びる雄型連結部５と、雌型連結
部６とから構成したものである。

また、雄型連結部５は外側方へ突出した差込縁７と、そ
の先端に設けた舌片８とから形成し、雌型連結部６は側
壁４の端縁を内方に屈曲し、再び外側方に屈曲して差込
溝９を設けると共に、その下縁１０を外方へ延長して延
長部１１を形成したものである。

なお、延長部１１にはその途中に突条１２を側壁と平行
に設け、先端に舌片１３を形成したものである。

１４はフェノールフオームで断熱性、耐火性、および接
着性を有し、前記表面材１の凹部、所謂化粧面２と側壁
３，４の背面で形成された部分にモールデング方式で充
填したものである。

なお、フェノールフオーム１４は下記する発泡シートに
、第２図に拡大、抽出して示すように一部含浸させてフ
ェノールフオームの脆性とフェノールフオームと下記す
る無機質発泡シートとの接着力の補強を図り、常温下で
の外力による振動の低減と高熱下でのクラックの防止を
図って残塵のないフェノールフオームとしたものである
。

また、フェノールフオーム１４はレゾールタイプのフオ
ームであり、液状からクリーム−ゲル−ライズと変化し
てフオームを形成するものである。

勿論、フェノールフオーム１４は常温において軽量な断
熱材、高熱下では炭化層となり断熱性を発揮するもので
ある。

１５は不燃性の発泡シートで少なくとも差込縁７の背面
７ａの一部とフェノールフオーム１４の背面、および、
雌型連結部６の下縁１０と延長部１１を被覆するもので
あり、主にフェノールフオームを保護（クラックの防止
と接着力の強化）を図り、しかもボード裏面に露出する
片面に防カビ剤を塗布した金属箔をラミネートした不燃
性の無機質発泡シートとし、この不燃性の発泡シート１
５と表面材１でサンドイッチ構造とすることによってボ
ードの機械強度を強化し、かつ、連結部における防水材
、バッキング材、フェノールフオーム形成時の離型剤、
クッション材、吸音材、緩衝材、防火材、および装着時
の施工性の改善に係る下地補償材として機能するもので
ある。

発泡シート１５の具体例としては、不燃性の石膏を主成
分とするフオーム、ガラス繊維の不織布、アスベスト紙
のフオーム等の１種、または２種をラミネートしたもの
であり、厚さはフリー状態で１〜５Ｗｎ程度である。

なお、上記発泡シート１５はフェノールフオーム１４と
接する面が独立、あるいは連通気泡、好ましくは独立気
泡組織のフオームであり、しかも外側面には防水性、不
燃性、防カビ性のための薄膜、フィルム等を設けたもの
である。

上記薄膜等の一例としては、金属箔、合成樹脂フィルム
、シリコン樹脂、透湿シート等の１種を一体に形成した
ものである。

次に本考案に係るボードの装着状態について説明する。

第３図においてＡは胴縁、Ｂは釘、■＠は本考案に係る
ボードであり、胴縁Ａにボード■を釘Ｂを介して固着す
る。

このボード■の差込溝９に相隣接するボード＠の差込縁
７を挿入し、連結する。

モして全壁体を形成するには、この工程を順次くり返し
行なえばよい。

なお、この連結部においては、発泡シート１５と突条１
２間にバッキング打曲な発泡シート１５が押圧状態で接
触しているため雨水等の侵入、および第１次の火炎の侵
入をここで阻止する。

また、断熱性は良導体の金属板同士が直接接触せず、か
つ、内外の空気の流通を阻止したため高断熱構造となる
。

以上説明したのは本考案の一実施例にすぎず、連結部の
発泡シートに粘着剤を含浸せしめることもできる。

上述したように本考案に係るボードによれば、外部から
連結部を介して侵入する雨氷、風を発泡シートの諸機能
によって阻止し、壁画体の耐腐食性、防水性、耐火性、
断熱性、耐結露性、防カビ性を改善した特徴がある。

また、連結部に弾性、クッション性を付加したため、耐
振性、耐衝撃性、耐離脱性を強化した特徴がある。

さらにフェノールフオームは発泡シートによって補強さ
れ、かつ、接着性も発泡シートの吸水機能によって向上
し、フェノールフオームのクラック、残塵、接着不足の
ないボードにできる特徴がある。

その他、装着の際に下地材の表面がやや凹凸であっても
仕上りが同一共通平面となるように下地になじませて美
しい外観の仕上りとすることができる。

また、躯体が地震で振動した際にもその衝撃を緩和し、
ボードの離脱を防止する副次的な特徴がある。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案に係るサイディングボードの一実施例を
示す斜視図、第２図は第１図のαの部分を拡大して示す
説明図、第３図はその装着状態を示す説明図である。 １・・・・・・表面材、５・・・・・・雄型連結部、６
・・・・・・雌型連結部、１４・・・・・・フェノール
フオーム、１５・・・・・・発泡シート。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 長方形の化粧面の両側縁を内方に屈曲し、その下端を外
   側方へ突出して雄型連結部と雌型連結部とを形成した断
   面凹状の表面材と、該表面材の凹状に充填したフェノー
   ルフオームと、該フオームの裏面と雄型連結部のフオー
   ム側近傍と雌型連結部の裏面全面を不燃性の無機質発泡
   シートの露出する片面に防カビ剤を塗布した金属箔を一
   体に接着した不燃性の発泡シートの無機質面をフェノー
   ルフオームに接触させて構威し、かつ、これら構成材を
   上記フオーム形ｘｈの自己接着性で一体に固着したこと
   を特徴とするサイディングボード。