JPH0453377Y2

JPH0453377Y2 -

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Publication number: JPH0453377Y2
Application number: JP1985151888U
Authority: JP
Priority date: 1985-10-02
Filing date: 1985-10-02
Publication date: 1992-12-15
Also published as: JPS6259206U

Description

【考案の詳細な説明】

〔産業上の利用分野〕本考案は雄、雌型連結部を有する不燃性の凹状
断面からなる表面材の凹部にフエノールフオーム
成形体を充填、接着し、かつ、雌型連結部に不燃
性基材を貼着した防火パネルに関するものであ
る。さらに詳しくはフエノールフオームの耐火、
耐熱性を有効に利用すると共に、その欠点である
発錆作用を抑制し、かつ、芯材の製造、および表
面材への充填が容易な形状にすると共に、表面材
との一体化、および気密性が強化されるようにシ
ート状物を雄型連結部の差込縁の表面にまで貼着
し、しかも防火上の弱点である連結部に不燃性基
材を貼着して防火構造、ボツクステストに合格で
きると共に、打設しやすい防火パネルに係る。〔従来の技術〕一般に外壁を形成する方法としては乾式工法と
湿式工法があるが、最近は工期の短縮、断熱層の
容易な形成とコスト低減から乾式工法が大幅に普
及しつつある。その主な部材は、雄、雌嵌合構造
のパネルである。しかしながら、この種パネルに
より形成された壁体の外側が火炎、高熱にさらさ
れると、パネルの外側を形成する金属板が熱によ
り膨張して大きく歪む。特に、この歪はフリー端
構造の連結部端縁に大きく現れる。また、芯材で
あるフオーム、例えばポリウタレンフオームは耐
熱温度が100℃以下であり、かつ、上記温度まで
の間に大きく収縮する。従つて、この主パネルを
用いた外壁の連結部では嵌合部の離脱、および大
きな間隙の発生が避けられなかつた。また、この
間隙等からは火炎、熱気が壁体内部へ直接的に浸
入するため耐火性、耐熱性に欠け、防火構造試
験、ボツクステストなどに合格できにくい欠点が
あつた。さらに、パネルの延長部裏面にはクツシ
ヨン性に富む合成樹脂発泡体が存在するため、釘
打設時に釘が弾ねて打設しにくい不利があつた。
その他、合成樹脂発泡体の耐火、耐熱性を改善す
るために硼砂、パーライト粒などの１種以上を平
均に混合した発泡体も知られているが、発泡組織
が極度に荒らされるので本来の強度、反応時間が
得られず、コストアツプの他に生産性に劣る不利
があつた。また、合成樹脂発泡体としては耐火、
耐熱性にすぐれたフエノールフオーム自体を芯材
とするパネルも上市されようとしている。しか
し、表面材として金属板、特に鉄系の材質の板材
を用いた場合は、フオーム形成時に使用する強酸
の硬化剤の残留物が金属板を腐食する欠点があつ
た。しかも、フエノールフオームは金属板との接
着性がフオーム自体の脆性のために弱く、接着剤
を用いて接着すると、ある程度時間が経過すると
凝集破壊によつて剥離する等の欠点があつた。〔考案の目的〕本考案はこのような欠点を除去するため、フエ
ノールフオームをシート状物でサンドイツチした
成形体とすることにより表面材とフエノールフオ
ームの直接的な接触、および表面材の一側内面と
の接触を阻止して表面材の発錆原因を低減すると
共に、フエノールフオームと表面材とをシート状
物で一体にサンドイツチし、その上、シート状物
の一端縁を差込縁の一部を被覆するまで延長し、
固着し、機械強度の向上を図り、しかも雌型連結
部に不燃性基材を貼着してパネルの打設を容易
に、かつ、確実に躯体に固定し、その上、壁体の
目地部からの火炎、熱気、および湿気の浸入を胴
縁等に直接伝播しないように確実に遮断し、さら
に前記した各試験に合格できると共に、生産、お
よび施工が容易で、かつ、安価である防火パネル
を提案するものである。〔考案の構成〕以下に、図面を用いて本考案に係る防火パネル
の一実施例について詳細に説明する。第１図は上
記防火パネルの代表的な一例を示す斜視図であ
り、１は表面材で例えばカラー鋼板、ステンレス
板、銅板、アルミニウム板、ガルフアン、ガルバ
リウム鋼板などの金属薄板を所定形状に成形し
て、長方形状の化粧面２とその両側縁を垂直、ま
たは傾斜状（図示せず）に屈曲した側壁３，４と
から形成した断面凹状の主体５と、側壁３の下端
を直接、または一度内方へ屈曲等（図示せず）し
た後に外方へ延ばした差込縁６と、その先端を外
方、または内方（図示せず）に屈曲した舌片７と
から形成した雄型連結部８と、側壁４の下端を外
側方へコ字状に突出した突起９と突起９の端縁を
側壁４の内壁４ａよりΔl₁だけ突出、もしくは同
等（図示せず）とした位置で外側方へ屈曲した後
にそのまま延長した係合溝１０と係合溝１０の下
縁１０ａを外側方へ延ばした延長部１１とを形成
した雌型連結部１２とから構成したものである。
なお、延長部１１には必要により、その途中に突
条１３を側壁４と平行に形成したり、延長部１１
の先端を内、外方に屈曲して舌片１４を形成する
こともできる。特に、舌片７，１４は雨返しと施
工の際の危険防止、および端縁の歪を抑制するの
に役立ち、突条１３は差込縁６と下縁１０ａ間に
毛細管現象を阻止する空隙１５（第２図に示す）
を形成し、また差込縁６を係合溝１０に嵌挿した
際のテコの支点として機能し、差込縁６の弾力を
係合部分に作用させるのに役立つものである。１
６はフエノールフオーム（以下、単にフオームと
いう）で、その一側面と裏面との角部をΔl₂の幅
に亘つて切り欠いて窪部１７を形成したものであ
る。１８，１９はシート状物でフオーム１６をフ
オーム１６形成時の自己接着性、または接着剤を
介してサンドイツチすると共に、フオーム１６と
主体５の間に接着剤２０を介在させて一体に固着
すると共に、フオーム１６の裏面に固着したシー
ト状物１９を延長し、雄型連結部８の差込縁６の
表面の少なくとも一部までをも被覆し、接着剤２
０を介して一体に貼着し、フオーム１６と主体５
との一体化を強化し、高熱下におけるフオーム１
６の燃焼ガスの目地部への漏洩抑制、防火パネル
を連結した際の目地部の気密性、防水性を強化す
るものである。さらに説明すると、フオーム１６
はレゾールタイプ、ベンジリツクエーテルタイ
プ、ノボラツクタイプにより形成した発泡組織で
あり、シート状物１８，１９は同質、または異質
物で、例えばクラフト紙、アスベスト紙、石膏
紙、ガラス繊維等、合成樹脂等の不織布、金属箔
（Al，Pb）、発泡シート（３〜４mm）、アスフアル
トフエルト等の１種以上をラミネートしたもの、
あるいは高温時に保形性を得るために金網を両面
からシート材でサンドイツチし、これを成形した
もの等であり、主に補強材、離型材、隔離材、お
よび芯材保持材として機能するものである。な
お、シート状物１８，１９は成形体、あるいはフ
オーム１６形成時に型内で同時に形成し、かつ、
フオーム１６成形時に自己接着性を利用してシー
ト状物１８，１９を一体に固着するものである。
２２は不燃性基材で下縁１０ａ、および延長部１
１の裏面に接着剤２１を介して植設し、雌型連結
部１２の防火性を強化すると共に、防火パネルを
胴縁などに固定する際の打設時における釘の弾ね
返りを阻止して施工しやすくするものである。そ
の材料としては高密度のグラスウール、ロツクウ
ール、石膏ボード、珪酸カルシウム板、炭酸カル
シウム板、泡ガラス、パーライト板、高密度のフ
エノールフオーム（70〜100Kg／m³）などの１種
からなるものである。なお、接着剤２１は有機、
無機などの１種、または２種以上からなるもので
ある。２３は空間層で表面材１の化粧面２と側壁
４、およびフオーム１６の１側面１６とで囲まれ
た部分であり、主にフオーム１６の生産性と表面
材１への充填を容易にすると共に、フオーム１６
と表面材１の内面とが直接接触するのを低減し、
表面材１の発錆を抑制するのに役立つものであ
る。〔実施例〕いま、第１図に示すような防火パネルを第２図
に示すように施工すると仮定する。そこで、胴縁
Ａ上に防火パネル○イを釘Ｂで固定する。次に防火
パネル○ロの差込縁６を防火パネル○イの係合溝１０
に挿入する。また、防火パネル○ロの延長部１２は
図示しないが釘Ｂによつて胴縁Ａ上に固定する。
従つて、壁体を形成するには上記のような工程を
順次くり返して行えばよいものである。次に本考案に係る防火パネルの防火性、耐酸性
について説明する。表面材１は0.27mmのカラー鋼板、フオーム１６
はレゾールタイプのフオームで密度が40Kg／m³、
厚さ25mm、シート状物１８，１９は防水処理され
たクラフト紙、接着剤２０，２１は酢酸ビニル樹
脂（エマルジヨンタイプ）、不燃性基材２２はロ
ツクウールで厚さ10mm、幅は係合溝１０の最奥か
ら舌片１４までとしたものである。なお、フオー
ム１６のΔl₂は15mm、空間層２３の幅Δl₁は５mmと
した。比較例パネルは第３図に示すように表面材１にフエノ
ールフオーム単体からなる芯材１６′をモールド
で充填し、その裏面をシート状物１９′で被覆し
た形状の構造である。また、防火性の試験として
はJIS−Ａ−1321を行つた。耐食性（発錆）試験
としては湿度100％、温度90℃の雰囲気に表面材
の木口をシールして10日間放置し、そのあとでフ
エノールフオームを表面材から剥離して、表面材
の裏面を各々観察した。水蜜試験はJIS−Ａ−
1414を行つた。その結果は次のようであつた。

【表】

〔その他の実施例〕

以上説明したのは本考案に係る防火パネルの一
実施例にすぎず、表面材１を第４図ａ〜ｊに示す
ように構成したり、防火パネルを第５図ａ〜ｄに
示すように構成することもできる。すなわち、第
４図ａ〜ｊにおいて、ａ図は側壁４と係合溝１０
の最奥とを面一にした表面材１、ｂ図は舌片７を
内方へ屈曲した表面材１、ｃ図は舌片７を上方へ
突出した表面材１、ｄ図は側壁３の下端を内方へ
屈曲し、再び外側方へ突出して差込縁６を形成し
た表面材１、ｅ図はｄ図の屈曲部分が突起９を一
部嵌合しうる嵌挿溝３ａを形成した表面材１、ｆ
図は舌片１４を外方へ屈曲すると共に、突出した
表面材１、ｇ，ｈ図は側壁３，４を傾斜した表面
材１、ｉ図は化粧面２に凹部２ａを形成した表面
材１、ｊ図は差込縁６を内方へ屈曲し、化粧面２
方向へ延ばした表面材１である。また、第５図ａ
は側壁３とフオーム１６の側面との間に幅Δl₁の
空隙を形成した防火パネル、ｂ図はシート状物１
９を不燃性基材２２の裏面まで被覆した防火パネ
ル、ｃ図はシート状物１９で不燃性基材２２の裏
面と側面とを被覆した防火パネルである。なお、
第５図ａにおいて２点鎖線で示すように不燃性基
材２２を舌片１４より突出する大きさとすること
もできる。さらに、図示しないが、フオーム１６
にセルロースフアイバー、ガラス繊維、パーライ
ト粒の１種以上を添加したり、突起９と差込縁６
の長さを設定することにより突起９の幅以上の目
地幅とすることもできる。なお、第２図、第５図
においては差込縁６の接着剤２０は省略して示し
てある。もちろん第４図、第５図を各々組み合わ
せて防火パネルとすることもできる。〔考案の効果〕上述したように本考案に係る防火パネルによれ
ば、連結部において外部から浸入する熱気、火炎
は不燃性の表面材と不燃性基材によつて完全に阻
止され、これより熱気、火炎が内部へ伝播しない
特徴がある。また、表面材と不燃性基材が不燃性
であるため、外観上、破壊個所のない熱、炎の遮
断層を形成することにより、外壁等の耐火性、断
熱性を大幅に向上する特徴がある。さらに、不燃
性基材を延長部の裏面に固着したため、釘の打設
が容易で施工性にすぐれた特徴がある。しかも、
芯材をサンドイツチ構造としたため、機械強度が
あり、主体の化粧面に生ずるオイルキヤン（ペコ
ツキ）も殆ど発生せず、美しい外観となる特徴が
ある。また、フオームをシート状物でサンドイツ
チし、かつ、表面材との接触を低減し、さらに嵌
挿しやすい形状としたため、生産性、施工性にす
ぐれた特徴がある。さらに、表面材はシート状物
をフオームとの接触部分に介在させたため、耐酸
性、防火性、防水性にすぐれた特徴がある。その
うえ、シート状物を雄型連結部の差込縁表面にま
で貼着したため、脆く、接着性の悪いフオームで
も、表面材とシート状物でサンドイツチされて機
械強度が向上した特徴がある。また、シート状物
で差込縁の表面までを被覆したため、連結部の防
水性、気密性、防火性は大きく改善された特徴が
ある。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案に係る防火パネルの一実施例を
示す斜視図、第２図は上記パネルの連結状態を示
す説明図、第３図は従来から使用されているパネ
ルを示す説明図、第４図ａ〜ｊ、および第５図ａ
〜ｃはその他の実施例を示す説明図である。１……表面材、８……雄型連結部、１２……雌
型連結部、１６……フエノールフオーム、２２…
…不燃性基材。

Claims

【実用新案登録請求の範囲】

金属板を樋状に形成すると共に、その１側壁に
外側方へ突出した差込縁を有する雄型連結部を設
け、他側壁下端を外側方へコ字状に突出し、次に
その端縁を外側方へ屈曲した後に外側方へ延長し
て補強兼ガイド用の突起と係合溝と延長部とから
なる雌型連結部を形成した表面材と、該表面材の
樋状部に充填すると共に、長方形断面の一側角を
角形に切り欠いて窪部を設けたフエノールフオー
ムと、前記係合溝の下縁、および延長部裏面に植
設した不燃性基材とを有するパネルにおいて、シ
ート状物でサンドイツチしたフエノールフオーム
を前記表面材の樋部に接着剤を介して一体に固着
し、また該表面材の雌型連結部側の側壁とフエノ
ールフオーム側壁間に空間層を形成し、かつ、フ
エノールフオームの窪部が雄型連結部側の裏面に
位置するように配設し、前記フエノールフオーム
の裏面の長手方向の露出面に貼着したシート状物
の一端部を延長し、雄型連結部の差込縁表面の一
部までを被覆すると共に、一体に差込縁に貼着し
たことを特徴とする防火パネル。