JPS6028270B2 - 海藻酒の製法 - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 本発明は海藻酒の新規な製法に関する。

海藻酒の製法としては、海藻成分の抽出液に糠類及び徴
量栄養素を加えて酵母で発酵させる方法が知られている
（特公昭５６−７６７０号公報参照）。

しかしこの方法では海藻を中性又は弱酸性の熱水で抽出
するため、海藻中の一部の多糖類以外の成分はわずかし
か利用されない。本発明者は海藻成分をより有効に利用
して、アルカリ度及び栄養価の高い健康酒を製造するこ
とを目的として研究した結果、本発明を完成した。本発
明は、糖類及び徴量栄養素を含有する培養液に酵母を加
えて発酵を行い、その前又は発酵時に海藻の加水分解物
を添加することを特徴とする、海藻酒の製法である。

糖類としては、例えばぶどう糖、果糠、麦芽糖、糖みつ
、はちみつ等のほか、米、大麦、らし、麦、とうもろこ
し、甘藷等を麹菌、アミロ菌等で糖化したもの、あるい
は果実、果汁等が用いられる。

徴量栄養素としては、例えば微量金属、ビタミン等の発
酵促進物質が用いられ、酵母としては、アルコール発酵
に通常用いられる酵母、例えばサッカロミセス属の酵母
の利用が好ましい。海藻の加水分解物は、海藻を酸溶液
中で加熱処理することにより得られる。海藻としては、
例えば海苔、こんぶ、わかめ、もずく等が用いられる。
酸としては無機酸例えば塩酸、硫酸等有機酸例えばくえ
ん酸、りんご酸等が用いられる。酸溶液としては酸濃度
１〜１０％の水溶液を用いることが好ましい。酸濃度が
２％より低いと加水分解を充分に行うことができず、ま
た１０％より高いと海藻の炭化及び蛋白変性が起こるお
それがある。加熱温度は９０〜１１ぴ０好まし〈は９５
〜１１０午０であり、通常は８〜５畑時間で加水分解は
終了する。次いで加水分解液のｐＨを中性付近に調整し
たのち炉過する。本発明を実施するに際しては、糖類及
び徴量栄養素を含む培養液に酵母を加えて発酵を行い、
この発酵の前又は発酵時に前記の海藻加水分解物を添加
する。

加水分解物の添加量は、原料の海藻の乾重量に換算して
、培養液の０．１〜１値重量％、特に０．５〜５重量％
が好ましい。培養液はｐＨ２〜８好ましくは３．５〜５
に調整し、発酵温度は５〜４０℃好ましくは１５〜２５
℃が好ましい。糖類の資イゼ率を高めるため、数回に分
けて糖類を加えることが好ましい。培養液のｐＨを調整
するためには、乳酸、りんご酸、くえん酸、燐酸、水酸
化ナトリウム、水酸化カリウム等が用いられる。発酵終
了後、発酵液を炉過し、この炉液に５０〜７５ｑｏの温
度で１０〜３び分間程度の火入れを行ったのち、１〜６
ヵ月間熟成させることが好ましい。

これにより風味及びこくのある醸造酒が得られる。また
発酵液を蒸留することにより蒸留酒を製造することもで
きる。本発明方法により得られる海藻酒は、海藻中のミ
ネラル、アミノ酸、ビタミン等が発酵助成剤として働き
、これにより独特の風味及びこくを生じ、アルカリ度及
び栄養価の高いものとなる。

この海藻酒はアミノ酸を多量に含有しているので調／味
料として用いることもできる。また海藻の加水分解物中
の硫黄化合物に由来する悪臭は加水分解中に除去され、
糖類の一部は発酵により資化される。また海藻の加水分
解物には、抽出液に含まれない成分も含まれているため
、これらの成分が発酵を促進して風味豊かな酒を造るこ
とができる。

さらに海藻の抽出液を用いる場合には、抽出後の多量の
残査が生じ、これをアルギン酸の製造時の目的に利用で
きない場合は、産業廃棄物として処理するための困難を
生ずる。本発明方法は海藻の全成分を有効に利用するた
め、残査が極めて少ない点でも優れている。実施例 １ 海苔乾物１５重量部に５％塩酸５の重量部を加え、１０
５ｑｏで蝿杵下に１餌時間加水分解を行う。

冷却後、炭酸ナトリウム５．８重量部及び水２９．２重
量部を加え、ｐＨ７に調整したのち炉別すると、加水分
解液約１０の重量部が得られる。ぶどう糖２の重量部、
海苔加水分解液１０重量部、ビタミンＢ，，Ｂ６，日及
びパントテン酸カルシウムをそれぞれ１×１０‐４重量
部、ＭｇＳ０４０．２重量部、ＫＨ２Ｐ０４０．２重量
部、アスパラギン酸０．１重量部に水を加えて全量１０
舷容量部の培地を作成し、これに乳酸を加えてｐＨ４．
０に調整する。

この培地に培養ぶどう酒酵母５重量部を加え、２１００
で発酵を行い、１０日目にぶどう糖５重量部を追加して
発酵を続け、２０日目に発酵液を炉過し、火入れ後、２
カ月常温で貯蔵熟成させると、ワイン状芳香を有し、こ
くのある醸造酒が得られる。実施例 ２ 実施例１で得られた酒を単蒸留すると、ブランデー様の
風味を有する蒸留酒が得られる。

実施例 ３ 実施例１の醸造酒２舷容量部に実施例２の蒸留酒３の重
量部をブレンドすると、アルコール度の高い醸造酒様酒
が縛られる。

実施例 ４ 海苔乾物１の重量部を用い、実施例１と同様に処理して
加水分解液約１０の重量部を調製する。

この加水分解液１の重量部及びぶどう酒酵母の代わりに
清酒酵母を用い、実施例１と同様に処理すると、ワイン
芳香が少しうすれ清酒様芳香が加味された醸造酒が得ら
れる。実施例 ５ オキナワモズク１５重量部に５％塩酸４の重量部及び５
％クエン酸水溶液血重量部を加えて全量５の重量部とし
、１０び０で蝿梓下に１餌時間加水分解を行う。

冷却後、Ｎａ２ＣＱ３重量部、Ｋ２ＣＱ４重量部及び水
４紅重量部を加え、炉過してｐＨ７の加水分解液約１０
の重量部を得る。ぶどう糖１５重量部にモズク加水分解
液１の重量部、ビタミン及び無機塩を実施例１と同様に
加え、水で溶解して全量１００容量部とし、培養ぶどう
酒酵母を加え、２ｒｏで培養する。

１０日目に１の重量部のぶどう糖を追加して発酵を続け
、２０日目に発酵液を炉過し、火入れ後、２力月貯臓熟
成すると、芳香性及びこくのある発酵酒が得られる。

実施例 ６実施例５で得られたオキナワモズクの加水分
解液５重量部に、ミカンを圧搾して得た果汁５の重量部
、ぶどう糖１匹重量部、実施例１と同様の徴量栄養素及
び水３５重量部を加え、ＮａＯＨでｐＨ３．５に調整し
、亜硫酸０．０５重量部を加えてよく蝿辞し、静贋後、
蓬引して上澄を炉遇する。

この炉液８の重量部に培養ぶどう酒酵母を加え、２０℃
で３０日間発酵を行う。発酵終了後、発酵液を炉過する
と、モズクエキス含有のミカン酒が得られる。このミカ
ン酒はミカン果汁単独のものに比べ温和な風味を有する
。比較例 海苔乾物１の重量部を細切し、これに水１０の重量部を
加え、乳酸で母３．０としたのち９０℃に加熱し、燈拝
しながら３時間熱水抽出を行う。

冷却後、抽出液を炉遇したのちＮａＯＨでｐＨ４０に調
整する。この抽出液１の重量部、ぶどう糖２の重量部、
ビタミンＢ，＆，日及びパントテン酸をそれぞれ１×１
０‐４重量部、Ｍ簿０４０．２重量部、ＫＨ２Ｐ０４０
．２重量部、アスパラギン酸０．１重量部に水を加えて
全量１０蟹容量部とする。この培地に培養清酒酵母５重
量部を加え、２１℃で発酵を行い、１０日割こぶどう糖
５重量部を追加し、２０日目に炉過したのち火入れして
３カ月貯蔵熟成すると、海藻抽出成分を含有する醸造酒
が得られる。試験例 実施例４及び比較例の醸造酒について、風味、アルコー
ル度及びアルカリ度を調べた。

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. １ 糖類及び微量栄養素を含有する培養液に酵母を加え
   て発酵を行い、その前又は発酵時に海藻の加水分解物を
   添加することを特徴とする、海藻酒の製法。