JPS60233131A - ポリオレフイン系樹脂用改質剤 - Google Patents

ポリオレフイン系樹脂用改質剤

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JPS60233131A
JPS60233131A JP59088439A JP8843984A JPS60233131A JP S60233131 A JPS60233131 A JP S60233131A JP 59088439 A JP59088439 A JP 59088439A JP 8843984 A JP8843984 A JP 8843984A JP S60233131 A JPS60233131 A JP S60233131A
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JP
Japan
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maleic anhydride
prepolymer
polymer
graft copolymer
polyolefin
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JP59088439A
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English (en)
Inventor
Takashi Tsuda
隆 津田
Shiro Kojima
児島 史郎
Yasutaro Yasuda
安田 保太郎
Takashiro Azuma
東 貴四郎
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Toagosei Co Ltd
Mitsui Toatsu Chemicals Inc
Original Assignee
Toagosei Co Ltd
Mitsui Toatsu Chemicals Inc
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるた
め要約のデータは記録されません。

Description

【発明の詳細な説明】 本発明は特定のグラフト共重合体からなるポリオレフィ
ン系樹脂用改質剤に関するものである。
近年の高分子化学工業の著しい発展に伴ない数多くの高
分子材料が日常生活用品、工業用品、車輌、建材など広
範囲にわたって使用されている。
中でもポリオレフィン系樹脂は低価格で、かつ、成形性
、軽量性、耐油性、耐水・防湿性、物理的化学的安定性
等に優れ、バランスのとれた機械的強度を持つ為、包装
材料、日用雑貨、工業用材料、自動車の部品材料や構造
材料等の分野に大量に消費されている。
特に石油危機以降は、製品の高性能・高機能化へのニー
ズが高まり、高分子材料の分野でもエンジニアリングプ
ラスチックスが注目すべき成長性を示すなど需要の動向
も変化しつつある。このような状況下、従来の汎用プラ
スチックスの分野でも、市場の多様化する要求に対応す
る為、様々な方法で改良・改質の努力が重ねられている
ポリオレフィン系樹脂は、安価で加工性に優れ、またそ
の化学構造に由来する化学的安定性の故に、汎用樹脂と
して大きな需要がある。反面、その成形物表面に塗装、
印刷、接着等の二次加工を施すことが困難であり、また
硬質ポリオレフィン系樹脂では低温での衝撃強度が不満
足であるなどの欠点を持っている。その他、光や紫外線
による劣化の防止や難燃化、帯電防止への要求も根強い
これらの欠点を改良し、また要求を満すべく、ポリオレ
フィン系樹脂の様々な改良努力がなされている。
一般にポリオレフィン系樹脂の持つこれらの欠点は、次
のような方法で改良がなされている。
1)オレフィンと他の単量体との共重合11)ポリオレ
フィンに対する他の単量体のグラフト重合 111)ポリオレフィン同志、あるいはポリオレフィン
と他の樹脂成分とのポリマーブレンドIV)ポリオレフ
ィンと各種充填剤、強化繊維との複合化 ■)ポリオレフィン成形品への他の樹脂成分のコーティ
ングあるいは表面グラフト化 V1)ポリオレフィン成形品の溶剤、各種薬品による化
学的表面処理 vll)紫外線、プラズマ、スパッタリングなどによる
物理的表面処理及びプラズマ重合 Vlll )添加剤による樹脂物性又は表面の改質この
中で、共重合によって改質されたポリオレフィンは化学
組成が改質前の組成と異なる為に、ポリオレフィン樹脂
が本来有している物性をある程度低下させる。また、グ
ラフト重合においては、グラフト化が可能なポリマーが
限定される上、技術的にも困難であることが多い。ポリ
マーブレンドによる方法は相溶性の面で限定され、特に
非相溶系ブレンドにおいては異種ポリマー間界面の補強
が必要となる。同様に各種の充填剤と複合化する場合に
も、異種材料間の界面のぬれ、接着性を高める為、充填
剤の表面処理やマ) IJワックス脂の改質が必要とな
ったりする。
一方、コーティングやラミネーション等化学的又は物理
的な表面処理による改質は、ポリオレフィン成形物の形
で行われるので、化学組成的には改質前とほとんど変わ
らず、ポリオレフィン樹脂のバルクの物性が低下するこ
とはない。しかし、コーティングによる改質ではポリオ
レフィン成分と他の成分との接着が問題となるし、薬品
による化学的処理では処理工程が繁雑になる上公害防止
の面からも好ましくない。また、物理的表面処理やプラ
ズマ重合では特殊な装置が必要となり、コスト的に不利
となる。添加剤による改質では相溶性の問題から添加量
が制限されたり、表面に移行した成分が脱離して永続的
な改質効果が不可能になったりする。
以上述べたように、各方法とも長所と短所を持つため、
現在では用途に応じて使い分けられている。
これらのポリオレフィン改質法のうち、樹脂自体の機椋
的物性の改良においては、ポリマーブレンドによる改質
や、無機物、金−との複合化が特に注目されている。一
方樹脂一面の性質のみの改質においては、表面移行性の
グラフト共重合体を添加する方法が特に興味深い。
ポリマーブレンドによるポリオレフィンの改質では、例
えば、ポリプロピ゛レンの衝撃強度向上を目的とした各
種エラストマー成分とのブレンドが池 昨今味見に検討されており、すヂに自動車のバンパー用
として開発が進んでいる。
例えばエラストマー成分として、エチレン−プロピレン
−ジエン三元共重合伴(以下EPDMと略称する)を用
いるもの(特公昭58−39854号、同58−461
38号、特開昭52−45649号、同5B−1762
30号、同5B−174425号)、エチレン−酢酸ビ
ニル共重合体(以下EVAと略称する)を用いるもの(
%開開58−176260号、同58−174426号
)などがその例としてあげられる。
この他ポリブチレンテレフタレート(特開昭49−12
0949号)、ポリアミド(特開昭56−167740
号)、シリコーン<特公昭57−10144号)などと
のブレンドが試みられている。
これらの発明では、ブレンド時にニラストアー成分の架
橋とグラフト化を同時に行う等の方法で所定の相溶性を
達成している。しかし本質的に相溶性を持たない樹脂同
志のブレンドでは、ブレンドを構成する少くとも一方の
ポリマーを変成して相溶性を高めるか、または、両樹脂
の界面を強化、接着させる第6.成、分の添加が必要で
ある。一般(このような相溶化を達成する為の第3成分
(、以下相溶化剤と称する)としては、異種のポリマー
セグメントを同一分子内に持つブロックポリマーやグラ
フトポリマーが有効であると言われている。
ブロックポリマーは通常アニオン重合で合成できるが、
適正な反応条件を保つことが困難であるし、合成可能な
ポリマー種が極めて限定される。グラフト重合は通常、
過酸化物による連鎖移動法、放射線グラフト法、ポリマ
ー開始剤法等が行われているが、これらの方法は一般に
グラフト率が低く、分子量や組成のコントロールが困難
な上合成可能なポリマーの種類も限定される。
従って、ポリオレフィンと他種のポリマーをブレンドす
る際の相溶化剤として使用することのできるプロ、クポ
リマー又はグラフトポリマーが、安価かつ容易に、しか
も分子構造や組成・分子量などを望み通りに制御しうる
ように合成できるなら、その技術的、経済的価値は非常
に太きい。
また、無機物や金属を充填することによってポリオレフ
ィンの物性例えば寸法安定性、剛性、表面塗装性、接着
性等を改良する事はすでに一般化しており、その際の異
種材料界面の接着性を向上する為、様々な工夫がなされ
ている。最もしばしば行われる方法は、充填剤を各種の
表面処理剤で処理する方法であり、この場合充填剤を低
分子量のポリオレフィンなどのワックス類や飽和高級脂
肪酸、飽和高級脂肪酸金属塩、不飽和高級脂肪酸、不飽
和高級脂肪酸金属塩、チタネート系カップリング剤、シ
ラン系カップリング剤、各種の界面活性剤等で前処理し
た後ポリオレフィンと混練りされる。これらの一般的な
処理剤による方法では、充填剤の処理工程、更に乾燥工
程を要する場合もあり、作業性に問題がある上、複合化
された樹脂の物性も不満足な場合が多い。このような一
般的な表面処理剤による方法の他、無機粉体や金属粉末
存在下でモノマーを重合させて粉体表面をコートしたり
、グラフト化する方法や、メカノケミカル反応などが試
みられているが、これらは汎用樹脂を工業的規模で製造
する目的の場合にはコストの面からも現実性に乏しいと
言える。
充填剤の表面処理ではなく、マトリックス樹脂の改質軸
具体的には極性基の導入によって充填剤との界面を補強
しようという試みも盛んである。
例えば、ポリプロピレンをガラス繊維と共に溶融肪 混練りする際、無水マレイン酸などの不飽和脂脂酸及び
過酸化物を微量添加共存させ、ポリプロピレンにグラフ
トさせることによって無機充填剤表面との密着性を改良
するという例がある(特公昭51−10265号)。し
かしこの場合にも、グラフト量や混練り条件を最適にな
るようコントロールすることが困難であるという短所が
ある。
樹脂の表面だけを選択的に改質したい時には、表面移行
性のクシ型グラフト共重合体を微量添加する方法が非常
に興味深い(特開昭57−179246号)。この方法
では、クシ型グラフト共重合体のアンカーセグメントと
してポリオレフィンに相溶性の良いポリマー種を導入で
きれば、通常の成形条件下で容易にクシ型グラフト共重
合体が表面に濃縮し、樹脂表面に親水性、塗装性、印刷
性、接着性、撥水撥油性、耐汚染性等の望ましい性質を
付与することができるであろう。この方法をポリオレフ
ィンの改質に応用する際の問題点は、ポリオレフィンに
相溶するセグメントをクシ型グラフト共重合体の一成分
として導入することが難しいという合成上の問題である
。例えば、アニオン重合法によって末端に重合性官能基
を持った高分子量単量体、いわゆるマクロモノマーを合
成し、このマクロモノマーを他の単量体と共重合するこ
とによって構造の明確に規制されたクシ型グラフト共重
合体を得ることができる(特公昭53−45358号)
が、この方法では合成条件のコントロールが困難である
上合成可能なポリマー種が限定される為工業的な実用化
は難しい。
また、連鎖移動剤を用いたラジカル重合法によってマク
ロモノマーを合成する方法(特公昭4O−19187S
号、同40−23350号、同43−11224号、同
45−16147号等)では、比較的容易にクシ型グラ
フト共重合体が得られるものの、やはり、合成可能なポ
リマー種が限定され、%’にポリオレフィンのアンカー
セグメントとしてふされしい非極性のセグメントを導入
することが難しいという問題点がある。
従って、ポリオレフィンに相溶するセグメントと、移行
して表面に機能を与えるセグメントを同一ポリマー分子
内にもつクシ型グラフト共重合体が簡便に得られるなら
ば、その応用範囲は非常に大きい。例え&戴ポリオレフ
ィン系樹脂表面の塗装性や印刷性、接着性の改良、帯電
防止性、親水性、撥水撥油性の付与等は、改良要求が強
いにもかかわらず適当な手法が見当らない為、これらの
要求を満足させる技術的手法の確立が期待されている。
本発明者らは、上記のような界面及び表面の問題に特に
注目してポリオレフィン系樹脂の改質を目的に鋭意研究
した結果本発明に至ったものである。即ち本発明は、無
水マレイン酸単位を2〜20重量%含有する無水マレイ
ン酸変性ポリオレフィン系樹脂に、該無水マレイン酸単
位と反応性の官能基を有する重合体を反応させて得られ
るグラフト共重合体からなるポリオレフィン系樹脂用改
質剤である。
異種ポリマーや異種材料間の界面、及び、高分子材料の
表面を改質する場合に、プロ、クポリマーやグラフトポ
リマーが有効である可能性は以前から指摘されていた。
にもかかわらず、これら改簀剤の製造や、樹脂の改質手
法等の面で問題点が1 あり、統一した原理による技術的手法の確立には至って
いない。特にポリオレフィンの場合には主に合成面での
問題から、未解決の状態であった。
即ち従来技術によるブロックポリマーやグラフトポリマ
ーは、製造コストの面から非現実的であったり、また分
子構造の規制が困難である為改質効果が不十分であった
りした。本発明の優位性は、特殊な方法で合成し、構造
の明確に規定されたグラフト共重合体が、この未解決の
問題を一挙に解決し、ポリオレフィンの様々な改良・改
質を可能とした点にある。即ち、2種類以上のポリマー
のポリマーブレンドにおける相溶化剤として、また無機
物や金属充填剤の表面処理剤として、樹脂成形品やフィ
ルムの表面改質剤として、その他異種材料の界面や表面
での親和性の欠如が原因となる材料設計上のトラブルに
対して本発明のグラフト共重合体による改質法を適用す
ることができ、大きな効果を発揮する。このような要求
の多様性に柔軟に対応できる理由は、本発明で用いるグ
ラフト共重合体の枝成分が、プレポリマーの種類を随2 時目的に応じて変化させうる為である。このような分子
構造を設計する上での多様性、柔軟性、容易性こそが本
発明の長所である。
本発明における無水マレイン酸変性ポリオレフィン系樹
脂は、オレフィン単位を主体とするポリオレフィン系樹
脂の無水マレイン酸変性物で、無水マレイン酸単位を2
〜20重量%含有するものであって、オレフィン単位を
主体とするポリオレフィン系樹脂としては判えば、ポリ
プロピレン、ポリエチレン、プロピレンとエチレンのラ
ンダム又はプロ、り共重合体、プロピレンと炭素数が多
くとも12個の他のα−オレフィンとのランダム又はプ
ロ、り共重合体、プロピレン−エチレン−ジエンモノ、
マー3元共重合体、塩素化ポリプロピレン、塩素化ポリ
エチレン、ポリブタジェン、ブタジェン−スチレン共重
合体、ブタジェン−アクリロニトリル共重合体、イソプ
レン、クロロプレン、エチレン−酢ビ共重合体、エチレ
ン−アクリル酸エステル共重合体等が使用できるが、好
ましくは、ポリプロピレン、ポリエチレン、プロピレン
とエチレンのランダム又はブロック共重合体、プロピレ
ンと炭素数が多くとも12個の他のα−オレフィンとの
ランダム又はブロック共重合体、プロピレン−エチレン
−ジエンモノマー!1元共重合体が用いられ、更に好ま
しくはポリプロピレンが用いられる。これらのポリオレ
フィン系樹脂は1種又は2種以上の混合物を使用するこ
とができる6 また、本発明において用いられる無水マレイン酸変性ポ
リオレフィン系樹脂は、ポリオレフィン系樹脂と無水マ
レイン酸とを有機過酸化物の存在下で反応させることに
よって得ることができる。
有機過酸化物は、一般にラジカル重合における開始剤及
び重合体の架橋剤として使われているものであり、その
種類は特に制限されないが、1分間の半減期が100℃
以上のものが好ましい。1分間の半減期が100℃未満
のものでは、その取り扱いが難しく使用した効果もあま
り認められない為望ましくない。好ましい有機過酸化物
の代表例としては、1.1−ビス−t−プチルバーオキ
シ−3,5,5−トリメチルシクロヘキサンのごときケ
トンパーオキシド、ジクミルパーオキシドのごときジア
ルキルパーオキシド、2,5−ジメチルヘキサン−2,
5−ハイドロパーオキシドのごときハイドロパーオキシ
ド、ベンゾイルパーオキシドのごときジアシルパーオキ
シド、2.5−ジメチル−2,5−ジベンゾイルパーオ
キシヘキサンのごときパーオキシエステル等があげられ
る。
本発明における無水マレイン酸変性ポリオレフィン系樹
脂の製造法としては、種々の公知の方法、例えば溶液法
、懸濁法、溶融法等のいずれの製造法も採用することが
できる。
これらのうち、溶液法によって無水マレイン酸変性ポリ
オレフィン系樹脂を製造する場合、無極性有機溶媒中に
ポリオレフィン系樹脂と無水マレイン酸を投入し、さら
にラジカル開始剤を添加して高温にて加熱することによ
って、目的物を得ることができる。この際使われる無極
性有機溶媒とシテハ、ヘキサン、ヘプタン、ベンゼン、
トルエン、ギシレン、クロルベンゼン及びテトラクロル
5 エタン等があげられる。また反応温度は、使用するポリ
オレフィンが溶解する温度であり、一般には110〜1
60℃が好ましい。
また、懸濁法によって無水マレイン酸変性ポリオレフィ
ン系樹脂を製造する場合、極性溶媒中にポリオレフィン
系樹脂と無水マレイン酸を投入し、さらに前記のラジカ
ル開始剤を添加して高圧下で100℃以上の温度におい
て反応させることによって得られる。
さらに、溶融法によって無水マレイン酸変性ポリオレフ
ィン系樹脂を製造する場合、一般の合成樹脂の分野にお
いて使用されている溶融混線機、例えば押出機を用いて
、ポリオレフィン系樹脂、無水マレイン酸および前記の
ラジカル開始剤を溶融混練しながら反応させることによ
って得ることができる。この際の混練温度は、使用され
るポリオレフィン系樹脂の融点以上ないし300℃以下
の温度範囲が好ましい。
本発明における無水マレイン酸変性ポリオレフィン系樹
脂中の無水マレイン酸単位の割合は、26 〜20重量%であり、4〜15重葉チが好ましい。
無水マレイン酸単位の割合が2重量%未満であると、プ
レポリマーとの反応が難しくなりグラフト共重合体の生
成が困難となる。また、無水マレイン酸単位の割合が2
0重蓋チを越えると、ポリオレフィン系樹脂に対する相
溶性が低下し、またプレポリマーと反応させて得たグラ
フト共重合体の、ポリオレフィン系樹脂に対する改質効
果が低下したり、悪影響を及ぼしたりする。
本発明における無水マレイン酸単位と反応性の官能基を
有する重合体とは、高分子鎖の両末端又は片末端に無水
マレイン酸単位と反応性の官能基を有する比較的低分子
量のポリマーあるいはオリゴマーを意味する(以下これ
をプレポリマーと称する)。好ましい末端官能基として
は、ヒドロキシル基、アミノ基、カルボキシル基、ジヒ
ドロキジル基、ジアミノ基、ジカルボキシル基、エポキ
シ基等が挙げられ、更に好ましくはヒドロキシル基、ア
ミノ基があげられる。
本発明におけるプレポリマーの末端官能基は、両末端に
あっても良いし片末端のみでも良いが、片末端のみに官
能基を持つプレポリマーが好まし〜1゜ 上記無水マレイン酸単位と反応性とは、無水マレイン酸
単位が有するカルボン酸無水物基又はカルボキシル基が
反応に寄与することをいう。
本発明におけるプレポリマーを製造するための原料とし
ては、目的に応じて随意に選ぶことができ、例えばアル
キル(メタ)アクリレート、パーフルオロアルキル(メ
タ)アクリレート、(メタ)アクリル酸、スチレン、ス
チレン置換体、酢酸ビニルのごとき有機酸のビニルエス
テル、アクリロニトリル、塩化ビニル、塩化ビニリデン
、ポリオキシエチレンメタクリレート等が単独あるいは
共重合という形で用いられ、更には、ポリエステル、ポ
リアミド、ポリウレタン、ポリオキシメチレン、ポリオ
キシエチレン、ポリジメチルシロキサン等の重縮合、重
付加、開環重合タイプのポリマーも使用できる。好適に
は、ポリアルキル(メタ)アクリレート、パーフルオロ
アルキル(メタ)アクリレート、ポリ(メタ)アクリル
酸、ポリスチレン、ポリ酢酸ビニル、ポリアクリロニト
リル、ポリ塩化ビニル、ポリ(ポリオキシエチレンメタ
クリレート)が用いられ、更に好適にはポリアルキル(
メタ)アクリレート、ポリパーフロロアルキル(メタ)
アクリレート、ポリスチレンが用いられる。
ただし、これらの原料は、単独で重合させてもよいし、
2成分以上を共重合させてもよい。
本発明におけるプレポリマーの分子量は、数平均分子量
で500〜20. OOOが好ましく、to00〜15
.000がさらに好ましい。数平均分子量が500未満
では、セグメントの高分子的性質が弱くグラフト共重合
体の改質効果が十分でなく、数平均分子量が20.00
0を越えると無水マレイン酸変性ポリオレフィン系樹脂
との反応が困難となり、得られるグラフト共重合体中に
多量の未反応ホモポリマーが残存しやすい。
上記数平均分子量は例えばゲルパーミエーシ。
ンクロマトグラフ(以下GPCと略称する)で測9 定することができる。
本発明におけるプレポリマーの製造法としては、ラジカ
ル重合法、イオン重合法、重縮合法、重付加法等いずれ
も採用される。例えば、ラジカル重合法によって末端に
ヒドロキシ基を有するポリメチルメタクリレート(以下
PMMAと称する)のプレポリマーを合成する場合には
、メチルメタクリレート(以下MMAと称する)、溶媒
、アゾビスイソブチロニトリル(以下AIBNと称する
)等の重合開始剤及びメルカプトエタノールを反応容器
に仕込み、反応温度まで加熱して数時間重合させればよ
い。他のラジカル重合性モノマーを使用する場合にも、
同様にして片末端に官能基を持つプレポリマーを容易に
得ることができる。重合開始剤はアゾ系のものが好まし
く、使用するモノマーの重合反応性に応じて、適当な分
解温度を持つ開始剤を選択するのがよい。連鎖移動剤は
、目的とする末端官能基の種類によって適宜選択する。
通常は連鎖移動定数の関係から、メルカプタン系の連鎖
移動剤が好適である。例えば、末端にヒト0 ロキシル基を持つプレポリマーの場合にはメルカ。
ブトエタノールが、末端にアミン基を持つプレポリマー
の場合には2−アミノエタンチオールが用いられる。
本発明における、グラフト共重合体の製造は、上記の無
水lマレイン酸変性ポリオレフィン系樹脂と、プレポリ
マーを共通溶媒に溶解し、適当な触媒を添加した後加熱
・昇温することによって容易に行うことができる。例え
ば、幹にポリプロピレン、枝にPMMAの各セグメント
を持つグラフト共重合体を製造する場合には、無水マレ
イン酸単位2〜20重量%で変性されたポリプロピレン
と、片末端ヒドロキシル基のPMMAプレポリマーをキ
シレン又はモノクロルベンゼンに溶解させ、−触媒とし
てトリプロピルアミンを、数チ添加し、反応液を数時間
還流させれば目的物が得られる。
この際、使用目的によって、得られるグラフトポリマー
分子中のカルボン酸無水物基やカルボキシル基が障害と
なる場合は、低分子化合物による化学的処理によりこれ
らの官能基を封鎖することもできる。
PMMA以外の枝を持つグラフト共重合体も、プレポリ
マーの構成モノマーの種類を変えることによって容易に
製造できる。
また、本発明においてグラフトポリマーの原料として使
用する無水マレイン酸変性ポリオレフィン系樹脂の無水
マレイン酸は、一部分解してマレイン酸になりていても
かまわない。
プレポリマーとして両末端に官能基を持つものを使用す
る際には、過度に架橋反応が起こらない程度に反応率を
制御する必要がある。ただし、ポリオレフィン系樹脂に
対する相溶性が保たれるならば、剥土の架橋構造の生成
も許される。
本発明におけるグラフト共重合体を製造する際の、無水
マレイン酸変性ポリオレフィン系樹脂/プレポリマーの
好ましい比率は、重量比で9515〜5/95であり、
更に好ましくは、80/20〜20/8 D である。
無水マレイン酸変性ポリオレフィン系樹脂の割合が95
重量%を越えると、機能付与セグメントの比率が小さす
ぎ、大きな改質効果は期待できない。また、その割合が
5重量%未満では、ポリオレフィンに相溶しアンカー効
果を発揮するセグメントが少なすぎ、大きな改質効果は
期待できない。
以上に説明したように、ポリオレフィン系樹脂を幹セグ
メントするグラフト共重合体は容易に合成でき、目的に
応じた分子構造の枝セグメントを選択できる上、分子構
造例えば、枝セグメントの分子量、枝セグメントの長さ
、全体の分子量、共重合組成等が比較的容易に調節し5
る。この為、以下に述べるポリオレフィン系樹脂の様々
な改質に対応した分子設計が可能となるのである。
本発明にいう改質の対象となるポリオレフィン系樹脂と
は、高圧法ポリエチレン、中低圧法ポリエチレン、ポリ
プロピレン、ポリ−4−メチル−1−ペンテン、エチレ
ン−プロピレン共電n体、エチレン−プロピレン−ジエ
ンモノマ−3元共重合体(以下EPDMと略す)、エチ
レン−酢酸ビニル共重合体、エチレン−(メタ)アクリ
ル酸(エステル)共重合体等の単独重合体や共重合体3 塩素化ポリプロピレン、クロルスルホン化ポリエチレン
等の置換ポリオレフィン類に適用することができ、さら
にポリオレフィン系樹脂同志及びポリオレフィン系樹脂
と他の樹脂の混合物にも適用できる。本発明における上
記ポリオレフィン系樹脂は、これらのポリオレフィンを
主体とする混合物でもよい。
グラフト共重合体を、ポリマーブレンドの相溶化剤とし
て使用する場合は、ポリオレフィン系樹脂とブレンドす
る樹脂あるいはエラストマーと相溶性の良いプレポリマ
ーをグラフト共重合体の枝セグメントの原料とすればよ
い。ブレンドする樹脂と対応するプレポリマーの組合せ
公知の例を表4 表1 (表の略号) pvc:ポリ塩化ビニル、PS:ポリス
チレン、ABS:アクリロニトリル−ブタジエン−スチ
レン3元グラフト共重合体、As :アクリロニトリル
ースチレン共重合体、MBS:MMA−ブタジェン−メ
チレフ6元グラフト共重合体、AES: アクリロニト
リル−EPDM−メチレノ6元共重合体、PBT:ポリ
ブチレンテレフタレート、PET:ポリエチレンテレフ
タレート、PC室ポリカーボネート、PPE:ボIJ 
フェニレンエーテル、PCL:ポリ(ε−カブロラクト
ン) ブレンド法としては、通常の方法例えばオープンロール
、バンバリーミキサ−、エフ肴トルーダー、ニーダ−等
を使用したブレンド法が採用される。
また、グラフト共重合体をポリオレフィン系樹脂の表面
改質剤として使用する場合は、表面に機能を付与するセ
グメントを共重合体の枝セグメントに用いればよい。例
えば、表面に撥水・撥油性や耐汚染性を与えたい場合に
は、パー70ロアルキル(メタ)アクリレートのプレポ
リマーをグラフト共重合体の原料とすればよく、表面に
親水性、耐電防止性等を付与したい場合には、ポリエチ
レングリゴール等の親水性のセグメントを構造中に含む
プレポリマーを用いればよい。ポリオレフィン成形品の
表面を改質する為には、各々の目的に適したグラフト共
重合体をポリオレフィン系樹脂に均一に溶解させた後、
表面に移行させる条件を設定する必要がある。例えばフ
ッ素系グラフト共重合体を添加して表面を撥水、撥油性
にしたい場合には、成形時に、テフロンや空気等の疎水
性雰囲気に接触させる必要があり、親水性グラフト共重
合体を添加して表面に親水性、帯電防止性を付与したい
場合には、成形時に、金属やガラス等の親水性雰囲気に
接触させる必要がある。このような成形時の条件を適確
に調節しさえすれば、効果的にポリマー表面を改質する
ことができ、しかも従来の添加剤にありがちな表面から
の脱離も起らない為永続的な効果が保たれる。
本発明の改質剤は、構造の規制されたグラフトポリマー
からなるものであって、ポリオレフィン系樹脂の材料間
の界面又はその表面を容易に改質即ち撥水、撥油性、親
水性、帯電防止性等の性質を向上させることができ、ポ
リオレフィン系樹脂を用いたポリマーブレンドにおける
相溶化、ポリオレフィン系樹脂の表面処理、樹脂成形品
やフィルムの表面改質等の用途に利用でき、工業的価値
が高い。
次に本発明をより具体的に説明する為、参考例、実施例
及び比較例を揚げる。
なお各側における部は重量部を表わし、チは重7 量チを表わす。
参考例1 メチルメタクリレートプレポリマーの合成 攪拌機、還流冷却器、滴下ロート、温度計及びN2ガス
吹込口を備えれガラスフラスコに、アセトン160部、
トルエン660部の混合溶媒を仕込み、N2導入還流下
に、開始剤アゾビスシアノ吉草酸5部、メチルメタクリ
レート(以下MMAと略す)500部、連鎖移動剤とし
てメルカプトエタノール3.9部の混合轡液を6時間連
続的に滴下して重合を行った。更にその後2時間加熱し
て重合を終了した。
反応液を10倍量のn−へキサンに投入して沈澱させた
後、80℃で減圧乾燥を行ない、MMAプレポリマー4
80部を得た。GPCによるポリスチレン換算分子量は
、1o、ooo(数平均)及び19.000 (重量平
均)であった。
参考例2 フルオロアルキルアクリレートプレポリマー
の合成 攪拌機、環流冷却器、温度計及びN!ガス吹込8 0を備えたガラスフラスコに、ペンシトリフルオライド
100部、下に示す構造式を持つフルオロアルキルアク
リレート50部、メルカプトエタノール1.95部、A
 I BN 1部を仕込み、N、導入下に80℃で4時
間かけて重合させた。
CF、 +CF2−)−CH,−CH,−000−CH
=CH。
4=4〜12の混合物(nの平均値約7)この溶液を1
0倍量のメジノール中に投入して沈澱させ、50℃で減
圧乾燥して、末端ヒドロキシ基を有するフルオロアクリ
レートプレポリマー31.8部を得た。
参考例3 プロピレンMMAグラフトポリマーの合成 攪拌機、還流冷却器、温度針、H管及びN、ガス吹込口
を備えたガラスフラスコに、参考例1で合成したMMA
プレポリマー30部及びクロルベンゼン150部を仕込
み、加熱・還流により脱水した。
その後、無水マレイン化ポリプロピレン(三井東圧化学
■製、分子量3〜5万で無水マレイン酸含量10チのも
の)60部、トリプロピルアミン10部を加え、16時
間還流・反応させると、透明で均一な溶液となった。放
冷後10倍量のメタノールに投入し、沈澱させた。80
℃で減圧乾燥してプロピレン−MMAグラフトポリマー
の固型物58部を得た。
参考例4 プロピレン−フルオロアクリレートグラフト
ポリマーの合成 攪拌機、還流冷却機、温度針を備えたガラスフラスコに
、無水マレイン化ボリプ四ピレン(参考例6で用いたも
の)5部、クロルベンゼン15部を仕込み、加熱昇温し
て溶解させた後、参考例2で合成したフルオロアクリレ
ートプレポリマー5部及びベンゾトリフロリド10部の
混合溶液を加え、更にトリプロピルアミン0,7部を添
加した。
この反応液を更に加熱し、還流下で4時間反応させ、減
圧乾燥して、プロピレン−フルオロアクリレートグラフ
トポリマーの固型物968部を得た。
実施例1 ポリプロピレン/ポリ塩化ビニル系ブレンド ポリプロピレン(三片石油化学工業■裏向品名三井石油
化学ボリブ・J700)hポリ塩化ビール(東亜合成化
学工業■製部品名アロンPVCTS700に安定剤、滑
剤を配合したコンパウンド)を、参考例6で製造したグ
ラフトポリマーと共に押出機でブレンドした。ブレンド
温度は170〜220℃であった。ブレンド物から作成
した試験片を引張試験(引張速度I B@ / m )
に供した。結果を表2に示す。
比較例1 ブレンド時にグラフトポリマーを添加しない事以外は実
施例1と同様にして行った。結果を表2に示す。
実施例2 エチレン−エチルアクリレート共重合体/ポ
リ塩化ビニル系ブレンド エチレン−エチルアクリレート共重合体(日本ユニカー
麹製商品名NUC6570,エチルアクリレート含量約
20チ)とポリ塩化ビニル(実施例1で使用したもの)
を、参考例6で製造したグラフトポリマーと共に押出機
でブレンドした。ブレンド温度は170〜220℃であ
った。ブレンド物から作成した試験片を引張試験(引張
速度1101a/m1x)に供した。その結果を表6に
示す。
比較例2 ブレンド時にグラフトポリマーを添加しない事以外は実
施例2と同様にして行った。結果を表3に示す。
実施例3 塩ビーウレタングラフト共重合体/EPDM
系ブレンド 塩化ビニル−ウレタングラフト共重合体(東亜合成化学
工業■製部品名アロンNP−3000に安定剤、滑剤を
配合したコンパウンド)とEPDM(日本合成ゴム■製
部品名EP−24)を、参考例6で製造したグラフトポ
リマーと共に押出機でブレンドした。ブレンド温度は1
60〜200℃であった。ブレンド物から作成した試験
片を引張試験(引張速度1oom/m)に供した。結果
を表4に示す。
比較例3 ブレンド時にグラフトポリマーを添加しない事1 以外は実施例6と同様にして行った。結果を表4に示す
実施例4 ポリプロピレン表面の撥水・撥油化ポリプロ
ピレン(実施例1で使用したもの)と、参考例4で製造
したグラフトポリマーと共に押出様でブレンド(ブレン
ド温度180〜240℃)した後、粉砕した。このもの
を熱プレス機でプレス(170℃、5分)し、テストピ
ースとした。
この際、片側のプレス面にテフロンシートをはさみ、テ
フロン接触面とした。こうして作成したテストピースの
テフロン接触面及び金型(クロムメッキ)面の対水及び
対に一デカン接触角をゴニオメータによって測定した。
その結果を表5に示す。
2 64 上記表2〜5かられかるように実施例1〜3ではポリオ
レフィンと他のポリマーとのブレンドにおいて相溶性の
よいことがわかり、実施例4ではポリオレフィンの表面
改質が十分なされていることがわかる。
特許出願人 東亜合成化学工業株式会社

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 1 無水マレイン酸単位を2〜20重量%含有する無水
    マレイン酸変性ポリオレフィン系樹脂に、該無水マレイ
    ン酸単位と反応性の官能基を有する重合体を反応させて
    得られるグラフト共重合体からなるポリオレフィン系樹
    脂用改質剤。
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