JP2787467B2 - 改質ポリスチレン系樹脂および耐衝撃性ポリスチレン系樹脂組成物の製造法 - Google Patents

改質ポリスチレン系樹脂および耐衝撃性ポリスチレン系樹脂組成物の製造法

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【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明はポリシロキサンをグラフトすることによつて
改質されたポリスチレン系樹脂およびその組成物に関す
るものである。
〔従来の技術〕
ポリスチレン樹脂は硬く、高周波電気絶縁性に優れ、
酸やアルカリに強く、90℃ぐらいから軟らかくなり、13
0℃ぐらいから粘い液体となるため射出成型が容易であ
る。反面、脆いという欠点を有する他に、その成型物表
面の潤滑性など摺動性が不十分であるため、成型時の離
型性、耐摩耗性、潤滑性に問題がある。
従来一般にポリスチレン系樹脂のもつ前述の欠点のう
ち、脆さに関してはハイインパクトポリスチレン、ABS
樹脂、ASA樹脂等の開発等によつて改良されており、摺
動性に関してはつぎのような方法で改良がなされてい
る。
1)成型時におけるポリジメチルシロキサンなどのシリ
コーンオイルの、スプレー式による金型への噴き付け、 2)ポリジメチルシロキサンなどのシリコーンオイルの
ブレンド、 3)スチレンとポリジメチルシロキサン鎖を持つオレフ
イン化合物との共重合、 4)スチレンとポリジメチルシロキサン鎖を持つオレフ
イン化合物との共重合物と他のポリシロキサン鎖を構成
単位に持たないスチレン系樹脂とのブレンド、 5)ポリスチレンユニツトとポリシロキサンユニツトを
持つブロツク共重合、 6)ポリスチレンユニツトとポリシロキサンユニツトを
持つブロツク共重合体と他のポリシロキサン鎖を構成単
位に持たないスチレン系樹脂とのブレンド、 7)ポリシロキサン鎖へのスチレンモノマーのグラフト
共重合、 8)ポリシロキサン鎖へスチレンモノマーをグラフトし
た共重合体と他のポリシロキサン鎖を構成単位に持たな
いスチレン系樹脂とのブレンド、 〔発明が解決しようとする課題〕 従来の技術の中でシリコーンオイルを金型に噴き付け
る方法は製品の表面に離型剤として噴きつけたオイルが
残留する他、成形金型に頻繁に離型剤を噴き付ける必要
があり非能率的である等の欠点がある上に、摺動性の改
良には役に立たない。
シリコーンオイルをブレンドして改質されたポリスチ
レン系樹脂はシリコーンが一般に樹脂との相溶性が悪い
ためにシリコーンオイルが成形時もしくは混練時に分離
しやすい、ブリードアウトしやすい、均一に混ざり合わ
ない、外観を著しく損う、ほこり等が付きやすい、物性
劣化、特に衝撃強度の低下を引起こす等の障害が生じ
る。
スチレンとポリジメチルシロキサン鎖を持つオレフイ
ン化合物との共重合物はYuhsuke Kawakami、R.A.N.Murt
hyおよびYuya Yamashitaによる論文(Die Makromolekul
are Chemie 第185巻,9ページ(1984))に記されてい
るような方法を始めとしてラジカル、アニオン共重合な
どによつて合成することが可能であるが、現行法ではそ
の重合度、収率とも不十分で、さらに、ホモポリスチレ
ンが多量に副生し、これを取除くのが難しく、工業的に
生産するのは難しい。したがつてこの種の共重合体を他
の樹脂にブレンドすることも難しい。
ポリスチレンセグメントとポリシロキサンセグメント
を持つブロツク共重合体を合成する方法はJ.C.Saan、D.
J.GardonおよびS.Lindsayによる論文(Macromolecules
第3巻1ページ(1970))、A.MarsiatおよびY.Gallot
による論文(Die Makromolekulare Chemie 第176巻164
1ページ(1975))、J.G.Zillox、J.E.L.Rooversおよび
S.Bywaterによる論文(Macromolecules第8巻573ページ
(1975))等に記されたようなブチルリチウムのような
塩基性の一官能性開始剤や、D.S.Brown、K.U.Fulcherお
よびR.E.Wettonによる論文(Journal of Polymer Scien
ce Polymer Letter Eddition第8巻659ページ(197
0))、J.W.Deanによる論文(Journal of Polymer Scie
nce Polymer Letter Eddition第8巻677ページ(197
0))、D.J.Legrantによる論文(Journal of Polymer S
cience B 8巻195ページ(1970))、H.G.Kimによる論文
(Macromolecules,第5巻594ページ(1972))、C.Pric
e、A.G.WarsonおよびM.T.Chovによる論文(Polymer第13
巻333ページ(1972))、F.R.Jonesによる論文(Eurpea
n Polymer Journal第10巻249ページ(1974))等に記さ
れているようなナトリウムナフタレンやリチウムナフタ
レンのような二官能性開始剤による方法、P.Bajaj、S.
K.VarshneyおよびA.Misraによる論文(Journal of Poly
mer Science Polymer Chemistry Eddition 第18巻295
ページ(1980))に記されているようなリチウムビフエ
ニルを開始剤として、スチレンをアニオン重合した後に
ヘキサメチルシクロトリシロキサンあるいはオクタメチ
ルシクロテトラシロキサン等を重合する方法で得られる
が、特殊な反応装置を必要とする他、反応時間も長時間
要するなどの欠点を有し、さらに、適正な反応条件を保
つことが難しいためポリスチレンセグメント、ポリシロ
キサンセグメント各々の分子量調整、最終製品の分子量
調整が難しく、合成可能なポリマー種が限定され、目的
とする組成の製品を得るのが難しく、したがつてこの種
の共重合体を他の樹脂にブレンドすることも難しい。ま
た、この種のブロツク共重合体はA.Skouliosによる論文
(Macromolecules第4巻268ページ(1971))に記され
ているように両末端がシラノールで修飾されているポリ
スチレンと両末端に塩素化された官能機を持つポリシロ
キサンとの縮合反応によつても得ることができるが、こ
の方法は異なつた数のセグメントが生成する他、ポリス
チレンセグメント、ポリシロキサンセグメント各々の分
子量調整、最終製品の分子量調整が難しく、合成可能な
ポリマー種が限定され、目的とする組成の製品を得るの
が難しく、したがつてこの種の共重合体を他の樹脂にブ
レンドすることも難しい。
ポリシロキサン鎖へのスチレンのグラフト共重合体
は、この共重合体自体が成形時の離型性、耐摩耗性、潤
滑性のが良い材料となる可能性を持つが、このグラフト
共重合体を合成する従来の方法ではP.Bajaj、D.C.Gupta
およびK.Varshungによる論文(Polymer Engineering an
d Science第23巻825ページ(1983))やJ.A.Barrieおよ
びK.Mundeyによる論文(Journal of Membrance Science
第13巻175ページ(1983))に記されているようにポリ
ジメチルシロキサン−ポリメチルビニルシロキサンブロ
ツク共重合体あるいはメチルビニルシロキサン−ジメチ
ルシロキサン共重合体のビニル基からスチレンをラジカ
ル、あるいは、60Co照射によつて重合するグラフト共重
合によつて得られるが、これも、架橋反応を伴うことも
あつて、適正な反応条件を保つことが難しいためポリス
チレンユニツト、ポリシロキサンユニツト各々の分子量
調整、最終製品の分子量調整が難しく、目的とする組成
の製品を得るのが困難であること、得られるグラフト共
重合体がポリシロキサン鎖にスチレンがグラフト重合し
た分子構造であるために、他のポリシロキサン鎖を構成
単位に持たないスチレン系樹脂にブレンドした場合相溶
性に問題が生じること、衝撃強度の低下を引き起こすこ
となど不都合な点があり、最終製品樹脂成形時の離型
性、耐摩耗性、耐衝撃性等について期待する効果が得ら
れていない。
本発明者らは、上記のようなポリスチレン系樹脂の表
面特性と衝撃強度の問題に注目して、ポリスチレン系樹
脂の改質を鋭意研究した結果、本発明に致つたものであ
る。
すなわち本発明の目的は、上記問題を解決し、成形時
の離型性、耐摩耗性、潤滑性、耐衝撃性等が改良された
ポリスチレン系樹脂を提供することである。
〔課題を解決するための手段〕
本発明の改質ポリスチレン系樹脂は、無水マレイン酸
で変性されたスチレン−ブタジエンブロツク共重合体
(以下、変性ポリスチレン系エラストマーと略す)に、
反応性基を有するポリシロキサンを反応させることによ
り得られる。
本発明の改質ポリスチレン系樹脂における変性ポリス
チレン系エラストマーは、スチレン−ブタジエンブロツ
ク共重合体(ポリスチレンセグメントおよびポリブタジ
エンセグメントがそれぞれ1個以上含むものである。)
のポリブタジエンセグメントが選択的に水素添加され無
水マレイン酸でグラフト変性されたものである。
本発明の耐衝撃性ポリスチレン系樹脂組成物は、本発
明の改質ポリスチレン系樹脂とポルスチレンもしくはス
チレン系共重合体樹脂とを混合することを特徴とする。
本発明の組成物の製造法は、変性ポリスチレン系エラ
ストマーと、反応性基を有するポリシロキサンとをポリ
スチレンもしくはスチレン系共重合体樹脂の存在下に反
応させることを特徴とする。
本発明におけるスチレン−ブタジエンブロツク共重合
体は、ポリスチレンセグメントが15〜60重量%の範囲で
構成されていることが好ましく、さらに好ましく20〜50
重量%で構成されているものである。ポリスチレンセグ
メントの割合が15重量%未満であると本発明の組成物の
製造法において、変性ポリスチレン系エラストマーと反
応性基を有するポリシロキサンとの反応生成物とポリス
チレンもしくはスチレン系共重合体樹脂との相溶性が低
下する、反応が円滑に進行しない等の問題が生じ、60重
量%を越えると変性ポリスチレン系エラストマーと反応
性基を有するポリシロキサンとを反応させる際、熔融温
度が上昇する、あるいは分散性が低下する等の成形性や
最終製品に好ましくない影響をおよぼす。
本発明における変性ポリスチレン系エラストマーは、
スチレンブタジエンブロツク共重合体のポリブタジエン
セグメントが選択的に水素添加され、更に無水マレイン
酸でグラフト変性されたものである。更に詳しくのべる
とポリブタジエンセグメントは水素添加されずに残留し
ている不飽和結合の割合が20%以下であり、好ましくは
10%以下、さらに好ましくは5%以下である。不飽和度
が20%超えると耐熱性、耐熱老化性、耐候性が低下し、
好ましくない。また、ポリスチレンセグメントは10%以
上が水素添加されると本発明の組成物の機械的強度、耐
衝撃性が低下する傾向を生じる。
本発明の変性ポリスチレン系エラストマーの無水マレ
イン酸の含有量は、0.02〜20重量%の範囲であり、好ま
しい範囲は0.1〜10重量%、特に好ましい範囲は0.2〜5
重量%である。無水マレイン酸単位の含有率が0.02重量
%未満では変性ポリスチレン系エラストマーの無水マレ
イン酸単位と反応性ポリシロキサンとの反応が難しくな
る。また20重量%を超えると未反応の酸無水物基がポリ
シロキサン鎖の持つ改質機能を疎外し、成形物表面の潤
滑性など摺動性を低下させ、成形時の離型性、耐摩耗
性、潤滑性に悪影響をおよぼすおそれがある。
本発明に使用するスチレンブタジエンブロツク共重合
体の具体的な例は、米国特許明細書第4219627号、同第3
251905号、同第3390207号および特公昭45−29669号公報
等に記載されている。これらの公報などには単量体の逐
次付加、単量体の付加増大、またはカツプリング反応に
より造られるポリスチレンセグメントおよびポリブタジ
エンセグメントかそれぞれ一つからなるブロツクコポリ
マーが示されている。
また、特公昭58−10413号公報、特公昭53−15958号公
報、特公昭41−8782号公報、特開昭53−94584号公報、
米国特許明細書3251905号、同第3639521号公報に記載さ
れている。これらの公報には、共重合の反応速度におけ
る差を利用してブタジエンとスチレンとの混合物を共重
合させることにより製造されたテーパードコポリマーブ
ロツクを含むマルチブロツクコポリマーが示されてい
る。
スチレン−ブタジエンブロツク共重合体を水素添加す
る方法は、米国特許明細書第3113986号および特公昭59
−37294号公報に記載されている。すなわち不活性水素
希釈剤たとえばシクロヘキサンに上記の方法によつて得
られたスチレン−ブタジエンブロツクコポリマー、マル
チブロツクコポリマーを溶解し、可溶性水素添加触媒の
存在下水素添加反応を行う。
無水マレイン酸でのグラフト変性の公知の方法は、た
とえば、特開昭61−76518号公報、特開昭62−250018号
公報、特開昭62−79211号公報などに記載されている。
たとえばラジカル発生剤の存在下、無水マレイン酸と上
記水素添加処理を行なつたブロツクコポリマーあるいは
マルチブロツクコポリマーとを熔融混練により無水マレ
イン酸をグラフトさせる。
本発明における反応性ポリシロキサンは片末端、ある
いは両末端にアミノ基含有置換基を有し、重量平均分子
量が1,000〜100,000、好ましくは5,000〜50,000がよ
い。重量平均分子量が1,000以下となると変性ポリスチ
レン系エラストマーとの反応において三次元化を起こ
し、熔融温度が上昇する、あるいは分散性が低下する等
の成形性や最終製品に好ましくない影響をおよぼす。ま
た該反応性ポリシロキサンの重量平均分子量が100,000
以上となると変性ポリスチレン系エラストマーとの反応
性が低下する恐れがある。
上記重量平均分子量はゲルパーミエーシヨンクロマト
グラフで測定することができる。なお該反応性ポリシロ
キサンは片末端あるいは両末端にアミノ基含有置換基を
有するものであれば特にその製造法を問わないが、重合
度および分子量分布コントロールの容易性の点からリビ
ング重合ポリシロキサンを骨格とするものが特に好まし
い。このような反応性ポリシロキサンは、たとえばトリ
メチルシラノールもしくは両末端シラノールジメチルシ
ロキサンオリゴマーを開始剤としてリチウム触媒の存在
下にヘキサメチルシクロトリシロキサンをリビング重合
した後、ジメチルクロロシランと反応させて片末端ある
いは両末端かにSi−H結合を導入し、さらにヒドロシリ
ル化反応によつて片末端あるいは両末端をアミノ基とし
たものである。
本発明の改質ポリスチレン系樹脂の製造法は、変性ポ
リスチレン系エラストマーに、末端にアミノ基を有する
反応性ポリシロキサンを溶液法もしくは溶融法で反応さ
せる。この反応の際の該反応性ポリシロキサンの変性ポ
リスチレン系エラストマーに対する添加割合は0.05〜70
重量%であることが好ましい。0.05重量%以下では改質
ポリスチレン樹脂による成形製品の表面潤滑性と耐摩耗
性が不十分であり、70重量%以上になると改質ポリスチ
レン樹脂がグリース状となつたり、該樹脂を用いた成形
製品の相溶性の低下、ブリードの発生、物性の劣化を誘
発する等の好ましくない効果を生むおそれがある。溶液
法によつて本発明の改質ポリスチレン系樹脂を製造する
場合は、上記の変性ポリスチレン系エラストマーと片末
端あるいは両末端にアミノ置換基含有反応性ポリシロキ
サンとを共通溶媒中で撹拌し、溶媒を除去するのみによ
つて、目的物を得ることができる。この際使用される溶
媒としては、たとえばジイソプロピルエーテル、ジ−n
−プロピルエーテル、ジオキサン、テトラヒドロフラン
等の直鎖もしくは環式のエーテル類、アセトン、メチル
エチルケトン、メチルイソブチルケトン、アセトフエノ
ン、シクロヘキサノン等の脂肪族もしくは芳香族のケト
ン類、酢酸エチル、酢酸イソブチル、酢酸−n−ブチル
等のエステル類、トルエン、キシレン等の芳香族炭化水
素類等をあげることができる。ここに例示した溶媒以外
のものであつても、変性ポリスチレン系エラストマーと
片末端あるいは両末端にアミノ基を有する反応性ポリシ
ロキサンとの共通溶媒でありさえすれば、安全衛生上問
題が無い限り、どんなものでも使用することができる。
また、2種以上の混合溶媒として用いることにも問題は
ない。
また反応温度は室温で十分であるが、溶媒が沸騰す温
度まで昇温することに問題があるわけでもない。
本発明の耐衝撃性ポリスチレン系樹脂組成物の製造法
の一つは、本発明の改質ポリスチレン系樹脂とポリスチ
レンもしくはスチレン系共重合体樹脂とを熔融法で配合
する方法である。一般の合成樹脂の分野において使用さ
れている熔融混練機、たとえば押出し機を用いて配合す
ることが可能で、この際、混練温度は250℃以下、好ま
しくは150〜230℃である。250゜を超える温度では改質
ポリスチレン系樹脂の安定性をも損われるおそれがあ
る。なお、配合に際して種々の添加剤、たとえば、熱安
定剤、紫外線吸収剤、滑剤、着色剤、もしくは帯電防止
剤を、または種々の充填剤、たとえばタルク、ガラス繊
維等を任意に加えることができる。
本発明の組成物の他の製造法は、改質ポリスチレン系
樹脂の製造とスチレン系ポリマーとの配合を同時に行な
う方法であり、変性ポリスチレン系エラストマーと片末
端あるいは両末端にアミノ基を有する反応性ポリシロキ
サンとポリスチレンもしくはスチレン系共重体樹脂とを
混合し、熔融・反応させるか、またはこれらを共通溶媒
にて溶液とした後加熱反応させ、しかる後に溶媒を除去
するなどの方法による。この際種々の添加剤を加えるこ
とができるのは前述の方法と同様である。
本発明の耐衝撃性ポリスチレン系樹脂組成物の製造法
において使用するポリスチレンとしては、ポリスチレ
ン、ハイ・インパクト・ポリスチレンをあげることがで
きる。また、スチレン系共重合体樹脂としては、アクリ
ロニトリル−スチレン共重合体、アクリロニトリル−ブ
タジエン−スチレン共重合体、アクリロニトリル−スチ
レン−アクリルゴム共重合体、アクリロニトリル−スチ
レン−EPDM(エチレン−プロピレン−ジエンタ−ポリマ
ー)共重合体、アクリロニトリル−塩素化ポリエチレン
−スチレン共重合体、メチルメタクリレート−ブタジエ
ン−スチレン共重合体、スチレン−ブタジエン−エチレ
ン−スチレンブロツク共重合体等をあげることができ
る。根本的にはスチレンを重合単位として含む重合体で
あればよく特別な制約はないが、重合単位に無水マレイ
ン酸基のような酸無水物基やカルボキシル基のような極
性が強く、反応性も高い基の含有量が少ないものが好ま
しい。また2種以上のスチレン系ポリマーを混合して用
いても何ら差し支えない。
〔実施例〕
以下、実施例にて本発明を説明する。
実施例における物性値は、得られた耐衝撃性ポリスチ
レン樹脂組成物をシリンダー温度180℃〜200℃にした射
出成型機により試験片を成形し、下記方法によつて測定
したものである。
1.引張り試験、ASTM D638 2.曲げ試験、ASTM D790 3.動摩擦係数、JIS K7218A (相手材SUS304 速度4cm/s、荷重2kgf 保持時間30mi
n) 4.摩擦摩耗量、JIS K7218A (相手材SUS304 速度50cm/s、荷重1.02kgf 保持時間1
00min) 5.ノツチ付アイゾツト衝撃強度、 ASTM D790 実施例1 比重0.91g/cc、スチレン含有量28重量%無水マレイン
酸含有率2重量%、25℃における溶液粘度が6000cps
(トルエン20重量%溶液)のスチレンセグメント−ブタ
ジエンセグメント−スチレンセグメントのごとくブロツ
ク共重合されブタジエンが選択的に水素添加された変性
ポリスチレン系エラストマー50重量部をテトラヒドロフ
ラン700重量部に溶解し、ゲルパーミユエーシヨンクロ
マトグラフで測定した重量平均分子量が5000の片末端に
アミノ基を有するポリジメチルシロキサン50重量を加
え、15時間撹拌反応させた。ついでテトラヒドロフラン
を減圧除去し、残留固形物を冷凍粉砕後さらに真空乾燥
して、次式の本発明の改質ポリスチレン系樹脂を得た。
実施例2〜4 ASTM−D1238にしたがつて測定したメルトフローイン
デツクス(200℃、5,000g)が3.5である粉状のハイイン
パクトポリスチレン樹脂、実施例1で使用した変性ポリ
スチレン系エラストマー、および実施例1で使用した片
末端にアミノ基を有するポリジメチルシロキサンを表1
に示す組成比で混合し、ついでシリンダー温度を200〜2
20℃とした押出し機で混練押出し造粒を行ない耐衝撃性
ポリスチレン樹脂組成物を得た。物性を測定し、その結
果を表−1に示す。
実施例5 実施例1で得られた改質ポリスチレン系樹脂6重量部
と実施例2〜4で使用したのと同じハイインパクトポリ
スチレン樹脂94重量部をシリンダー温度を200〜220℃と
した押出し機で混練押出し造粒を行ない、耐衝撃性ポリ
スチレン樹脂組成物を得た。物性を測定し、その結果を
表−1に示す。
実施例6〜8 実施例2〜4で使用したハイインパクトポリスチレン
樹脂、実施例2〜4で用いたのと同じ変性ポリスチレン
系エラストマー、重量平均分子量が10,000の両末端にア
ミノ基を含有する下記式の反応性ポリシロキサン、を混
合し、ついでシリンダー温度を200〜220℃とした押出し
機で混練押出し耐衝撃性ポリスチレン樹脂組成物を得
た。物性を表−1に示す。
比較例1 実施例2〜6に使用したハイインパクトポリスチレン
樹脂の物性を表−1に示す。
比較例2 実施例2〜6に使用したハイインパクトポリスチレン
樹脂97重量部に重量平均分子量10,000の反応性基を持た
ないポリシロキサン3重量部を混合し、ついでシリンダ
ー温度を200〜220℃とした押出し機で混練押出し造粒を
行ない樹脂組成物を得た。その物性を測定し、結果を表
−1に示す。
比較例3 実施例2〜6に使用したハイインパクトポリスチレン
樹脂94重量部、重量平均分子量10,000の反応性基を持た
ないポリシロキサン3重量部と実施例1〜4で用いた変
性ポリスチレン系エラストマー3重量部を混合し、つい
でシリンダー温度を200〜220℃とした押出し機で混練押
出し造粒を行ない樹脂組成物を得た。その物性を測定
し、結果を表−1に示す。
〔発明の効果〕 本発明の利点は、変性ポリスチレン系エラストマーに
対して反応性ポリシロキサンを反応させる方法によつて
構造の明確にコントロールされた改質ポリスチレン系樹
脂が得られたことであり、従来のポリスチレン系樹脂の
衝撃強度、成形時の未解決の問題一挙に解決したことで
ある。
本発明の改質スチレン系樹脂を従来のポリスチレン系
樹脂に含有させること、すなわち本発明の耐衝撃性ポリ
スチレン系樹脂組成物によつて耐衝撃性を強化し、成形
時の離型性、耐摩耗性、潤滑性、成形物表面の潤滑性な
ど摺動性の改質、改良することが可能となつた。これは
本発明の改質スチレン系樹脂が優れた弾性体であり、さ
らにポリスチレン系樹脂に対する相溶性に優れているこ
とによるものである。
本発明の改質スチレン系樹脂は従来技術による改質ス
チレン系樹脂に比べ、その構造時にポリシロキサン部分
の構造をコントロールすることが容易であるため、目的
に応じてポリシロキサン部分の分子量、ポリスチレン系
エラストマー部分とポリシロキサン部分との割合等を最
適とすることが可能であり、スチレン系熱可塑性エラス
トマーの幅広い用途からくる要求の多い多様性に柔軟に
対応することができる。
ポリスチレン樹脂は低価格でかつ、硬く、耐水性、高
周波電気絶縁性に優れ、酸やアルカリに侵されず、さら
に射出成型が容易であるため、その用途は非常に広く、
本発明の改質ポリスチレン系樹脂は従来のポリスチレン
樹脂の改質、改良を行なうに当つても要求の多様性に柔
軟に対応できる。

Claims (11)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】無水マレイン酸で変性されたスチレン−ブ
    タジエンブロック共重合体に、反応性基を有するポリシ
    ロキサンを反応させて得られる改質ポリスチレン系樹
    脂。
  2. 【請求項2】前記無水マレイン酸で変性されたスチレン
    −ブタジエンブロック共重合体は、スチレン−ブタジエ
    ンブロック共重合体(ここで、ポリスチレンセグメント
    およびポリブタジエンセグメントをそれぞれ1個以上含
    み、ポリスチレンセグメントを15〜60重量%含有する)
    のポリブタジエンセグメントが選択的に水素添加され無
    水マレイン酸でグラフトされたものである請求項(1)
    記載の改質ポリスチレン系樹脂。
  3. 【請求項3】無水マレイン酸単位が変性されたスチレン
    −ブタジエンブロック共重合体中20重量%以下含有する
    請求項(1)または(2)記載の改質ポリスチレン系樹
    脂。
  4. 【請求項4】反応性基を有するポリシロキサンが片末端
    アミノ基を有する重量平均分子量が1,000〜100,000のポ
    リシロキサンである請求項(1)ないし請求項(3)記
    載の改質ポリスチレン系樹脂。
  5. 【請求項5】反応性基が有するポリシロキサンが両末端
    にアミノ基を有する重量平均分子量が1,000〜100,000の
    ポリシロキサンである請求項(1)ないし請求項(3)
    記載の改質ポリスチレン系樹脂。
  6. 【請求項6】第1項ないし第5項のいずれか1項に記載
    の改質ポリスチレン系樹脂とポリスチレンもしくはスチ
    レン系共重合体樹脂とを混合してなる耐衝撃性ポリスチ
    レン系樹脂組成物。
  7. 【請求項7】無水マレイン酸で変性されたスチレン−ブ
    タジエンブロック共重合体と、反応性基を有するポリシ
    ロキサンとをポリスチレンもしくはスチレン系共重合体
    の存在下に反応させることを特徴とする耐衝撃性ポリス
    チレン系樹脂組成物の製造法。
  8. 【請求項8】前記無水マレイン酸で変性されたスチレン
    −ブタジエンブロック共重合体は、スチレン−ブタジエ
    ンブロック共重合体(ここで、ポリスチレンセグメント
    およびポリブタジエンセグメントをそれぞれ1個以上含
    み、ポリスチレンセグメントを15〜60重量%含有する)
    のポリブタジエンセグメントが選択的に水素添加され無
    水マレイン酸でグラフトされたものである請求項(7)
    記載の耐衝撃性ポリスチレン系樹脂組成物の製造法。
  9. 【請求項9】無水マレイン酸単位が変性されたスチレン
    −ブタジエンブロック共重合体中20重量%以下含有する
    ことからなる請求項(8)記載の耐衝撃性ポリスチレン
    系樹脂組成物の製造法。
  10. 【請求項10】反応性基を有するポリシロキサンが片末
    端アミノ基を有する重量平均分子量1,000〜100,000のポ
    リシロキサンである請求項(7)ないし(9)記載の耐
    衝撃性ポリスチレン系樹脂組成物の製造法。
  11. 【請求項11】反応性基を有するポリシロキサンが両末
    端にアミノ基を有する重量平均分子量が1,000〜100,000
    のポリシロキサンである請求項(7)ないし(9)記載
    の耐衝撃性ポリスチレン系樹脂組成物の製造法。
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