JP4794807B2 - 分岐型ポリオレフィン、その製造方法および分岐型ポリオレフィンを含む熱可塑性樹脂組成物 - Google Patents

分岐型ポリオレフィン、その製造方法および分岐型ポリオレフィンを含む熱可塑性樹脂組成物 Download PDF

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Description

本発明は、オレフィン連鎖が該オレフィン連鎖と同一または異なるオレフィン組成を有するオレフィン連鎖の両末端以外の部位に結合してなる分岐型ポリオレフィン、その製造方法および該分岐型ポリオレフィンを含む熱可塑性樹脂組成物に関する。
ポリオレフィンは、優れた加工性、耐薬品性、電気的性質、機械的性質などを有しているため、押出成形品、射出成形品、中空成形品、フィルム、シートなどに加工され、各種用途に用いられている。
近年ポリオレフィンに対する物性の要求が多様化しており、例えば耐熱性に優れたポリオレフィン、軟質ポリ塩化ビニルのような柔軟な感触を有するポリオレフィンなど様々な性状のポリオレフィンが望まれている。
ポリオレフィンの物性を改良する方法としては、モノマーの種類、モル比などを調整する方法、ランダム、ブロックなどのモノマーの配列を変える方法などがあり、従来から種々の方法が試みられている。
例えばエチレンを主成分とするポリオレフィンでは、分岐型の構造を有するポリマーは、特異な溶融物性を示し、ポリマーの成形において優位性を有することは一般に知られている。このため、炭素原子数3以上のオレフィンを主成分とするポリオレフィンについても、分岐型の構造を有するものは、特異な溶融物性を有することが期待される。また、主鎖のオレフィン連鎖の組成が側鎖のオレフィン連鎖の組成と異なる場合は、相溶化剤として機能することも期待される。
本発明者らはこのような従来技術のもと検討した結果、炭素原子数2〜20のオレフィンから得られるオレフィン連鎖が、該オレフィン連鎖と同一または異なるオレフィン組成を有するオレフィン連鎖の両末端以外の部位に結合してなる分岐型ポリオレフィンは、種々の優れた特性を有することを見出して本発明を完成するに至った。
すなわち本発明は、種々の優れた特性を有する分岐型ポリオレフィンおよびその製造方法を提供することを目的とするとともに、該分岐型ポリオレフィンを含む熱可塑性樹脂組成物を提供することを目的としている。
本発明に係る分岐型ポリオレフィンは、炭素原子数2〜20のオレフィンから選ばれる少なくとも1種のオレフィンから得られる繰り返し単位を主たる構成単位とするオレフィン連鎖(A)と、炭素原子数2〜20のオレフィンから選ばれる少なくとも1種のオレフィンから得られる繰り返し単位を主たる構成単位とし、上記オレフィン連鎖(A)と同一または異なるオレフィン組成を有するオレフィン連鎖(B)とからなり、上記オレフィン連鎖(B)が上記オレフィン連鎖(A)の両末端以外の部位にカルボニル基を有する結合を介して結合され、かつオレフィン連鎖(B)は上記オレフィン連鎖(A)1本当たり1本以上存在することを特徴としている。
本発明に係る分岐型ポリオレフィンには、上記オレフィン連鎖(B)の重量平均分子量(Mw)が5,000以上であるポリオレフィン、
上記カルボニル基を有する結合が、エステル結合および/またはアミド結合であるポリオレフィン、
上記オレフィン連鎖(A)および上記オレフィン連鎖(B)のうち、一方が結晶性ポリオレフィンであり、他方が非晶性ポリオレフィンであるポリオレフィン、
上記オレフィン連鎖(A)および上記オレフィン連鎖(B)が、いずれもポリプロピレンであるポリオレフィン、
上記オレフィン連鎖(A)および上記オレフィン連鎖(B)が、いずれも立体規則性を有するポリオレフィンなどがある。
本発明に係る分岐型ポリオレフィンの製造方法は、炭素原子数2〜20のオレフィンから選ばれる少なくとも1種のオレフィンから得られる繰り返し単位を主たる構成単位とし、両末端以外に1つ以上のカルボキシル基および/または酸無水基を有する官能基含有ポリオレフィン(C)と、炭素原子数2〜20のオレフィンから選ばれる少なくとも1種のオレフィンから得られる繰り返し単位を主たる構成単位とし、上記官能基含有ポリオレフィン(C)と同一または異なるオレフィン組成を有し、末端のみにカルボキシル基または酸無水基と反応しうる基を有する末端修飾ポリオレフィン(D)とを反応させて上記分岐型ポリオレフィンを製造することを特徴としている。
本発明に係る分岐型ポリオレフィンの製造方法には、上記官能基含有ポリオレフィン(C)が、マレイン化されたエチレンおよび/またはプロピレンの単独重合体または共重合体である製造方法、
上記末端修飾ポリオレフィン(D)が、片末端のみにカルボキシル基または酸無水基と反応しうる基を有する片末端修飾ポリオレフィンである製造方法、
上記末端修飾ポリオレフィン(D)が、マレイン化されたエチレンおよび/またはプロピレンの単独重合体または共重合体である製造方法などがある。
本発明に係る熱可塑性樹脂組成物は、上記分岐型ポリオレフィンを0.01〜50重量%含有することを特徴としている。
本発明は、種々の優れた特性を有する分岐型ポリオレフィンおよびその製造方法を提供することができるとともに、該分岐型ポリオレフィンを含む熱可塑性樹脂組成物を提供することができる。
以下、本発明に係る分岐型ポリオレフィン、その製造方法および該分岐型ポリオレフィンを含む熱可塑性樹脂組成物について具体的に説明する。
本発明に係る分岐型ポリオレフィンは、炭素原子数2〜20のオレフィンから選ばれる少なくとも1種のオレフィンから得られる繰り返し単位を主たる構成単位とするオレフィン連鎖(A)と、炭素原子数2〜20のオレフィンから選ばれる少なくとも1種のオレフィンから得られる繰り返し単位を主たる構成単位とし、上記オレフィン連鎖(A)と同一または異なるオレフィン組成を有するオレフィン連鎖(B)とからなり、上記オレフィン連鎖(B)が上記オレフィン連鎖(A)の両末端以外の部位にカルボニル基を有する結合を介して結合されている。
ここで組成が同一であるとは、例えばオレフィン連鎖(A)が単独重合体であるときは、オレフィン連鎖(B)はオレフィン連鎖(A)と同一のオレフィンからなる単独重合体であり、オレフィン連鎖(A)が共重合体であるときは、オレフィン連鎖(B)はオレフィン連鎖(A)と同一のオレフィンの組合せであり、それぞれのコモノマー含量がほぼ同一の共重合体であることをいい、組成が異なるとは、オレフィン連鎖を形成するモノマー種、コモノマー種、コモノマー含量の少なくとも1種が異なることをいう。なお、本発明においては、組成が異なることが好ましい。
なお、オレフィン連鎖(A)およびオレフィン連鎖(B)の組成には、オレフィン連鎖(A)とオレフィン連鎖(B)とを結合するカルボニル基を有する結合は含まれない。
炭素原子数2〜20のオレフィンとしては、例えば直鎖状または分岐状のα-オレフィン、環状オレフィンなどが挙げられる。
直鎖状のα-オレフィンとして具体的には、例えばエチレン、プロピレン、1-ブテン、1-ペンテン、1-ヘキセン、1-オクテン、1-デセン、1-ドデセン、1-テトラデセン、1-ヘキサデセン、1-オクタデセン、1-エイコセンなどの炭素原子数2〜20、好ましくは2〜10のものが挙げられる。
分岐状のα-オレフィンとして具体的には、例えば3-メチル-1-ブテン、4-メチル-1-ペンテン、3-メチル-1-ペンテン、3-エチル-1-ペンテン、4,4-ジメチル-1-ペンテン、4-メチル-1-ヘキセン、4,4-ジメチル-1-ヘキセン、4-エチル-1-ヘキセン、3-エチル-1-ヘキセンなどの炭素原子数4〜20、好ましくは5〜10のものが挙げられる。
環状オレフィンとしては、シクロペンテン、シクロヘプテン、ノルボルネン、5-メチル-2-ノルボルネン、テトラシクロドデセン、ビニルシクロヘキサンなどの炭素原子数が3〜20、好ましくは3〜10のものが挙げられる。
オレフィン連鎖(A)およびオレフィン連鎖(B)の組成が同一である場合は、オレフィン連鎖(A)およびオレフィン連鎖(B)は炭素原子数3〜20のオレフィンから得られる繰り返し単位を主たる構成単位とすることが好ましい。
オレフィン連鎖(A)およびオレフィン連鎖(B)は、上記炭素原子数2〜20のオレフィンから選ばれるオレフィンから得られる繰り返し単位を主たる構成単位とするが、上記炭素原子数2〜20のオレフィン以外の重合性モノマー、例えばジエンなどから得られる繰り返し単位を含んでいてもよい。
オレフィン連鎖(A)およびオレフィン連鎖(B)は、上記炭素原子数2〜20のオレフィンから選ばれる1種のオレフィンから得られる繰り返し単位形成されていてもよく、上記炭素原子数2〜20のオレフィンから選ばれる2種以上のオレフィンから得られる繰り返し単位から形成されていてもよい。
オレフィン連鎖(A)およびオレフィン連鎖(B)が、上記炭素原子数2〜20のオレフィンから選ばれる2種以上のオレフィンから得られる繰り返し単位から形成される場合は、これらのうち1種が通常60モル%以上100モル%未満、好ましくは70〜99モル%、より好ましくは75〜98モル%の範囲で含まれることが望ましく、他は上記以外の炭素原子数2〜20のオレフィンから選ばれるオレフィンおよび/または炭素原子数2〜20のオレフィン以外の重合性モノマーである。
オレフィン連鎖(A)およびオレフィン連鎖(B)は、立体規則性を有していてもよく、その場合は、アイソタクティック、シンジオタクティックのいずれであってもよい。
オレフィン連鎖(A)およびオレフィン連鎖(B)の組成が同一である場合は、オレフィン連鎖(A)およびオレフィン連鎖(B)は、プロピレン単独重合体、プロピレンと炭素原子数4〜20のオレフィンからなるプロピレン共重合体などのポリプロピレンであることが好ましく、特にプロピレン単独重合体であることが好ましい。またオレフィン連鎖(A)およびオレフィン連鎖(B)は、立体規則性を有することが好ましく、その場合は、アイソタクティック、シンジオタクティックのいずれであってもよい。オレフィン連鎖(A)およびオレフィン連鎖(B)が立体規則性を有する場合には、オレフィン連鎖(A)およびオレフィン連鎖(B)がアイソタクティックであることが好ましい。
オレフィン連鎖(A)およびオレフィン連鎖(B)の組成が異なる場合は、オレフィン連鎖(A)およびオレフィン連鎖(B)のうち一方が結晶性ポリオレフィンであり、他方が非晶性ポリオレフィンであることが好ましい。特にオレフィン連鎖(A)が、エチレン・プロピレン共重合体などのエチレンと炭素原子数3〜20のオレフィンとの非晶性共重合体、プロピレン・エチレン共重合体などのプロピレンとプロピレン以外の炭素原子数2〜20のオレフィンとの非晶性共重合体であることが好ましく、オレフィン連鎖(B)がエチレン単独重合体、プロピレン単独重合体などの結晶性重合体であることが好ましい。
本発明に係る分岐型ポリオレフィンが、オレフィン連鎖(A)およびオレフィン連鎖(B)が異なるオレフィン組成を有している場合の例としては、例えばオレフィン連鎖(A)が単独重合体であるときは、オレフィン連鎖(B)はオレフィン連鎖(A)と異なるオレフィンからなる単独重合体または共重合体であり、オレフィン連鎖(A)が共重合体であるときは、オレフィン連鎖(B)はオレフィン連鎖(A)と異なるオレフィンの組合せの共重合体、オレフィン連鎖(A)と同一のオレフィンの組合せであってモノマー比が異なる共重合体または単独重合体である。
オレフィン連鎖(A)は、重量平均分子量(Mw)が、通常10,000〜10,000,000、好ましくは20,000〜5,000,000、より好ましくは50,000〜1,000,000の範囲にある。
オレフィン連鎖(B)は、炭素原子数が15以上であることが好ましく、また重量平均分子量(Mw)が、通常5,000以上、好ましくは5,000〜1,000,000、より好ましくは10,000〜500,000の範囲にある。
オレフィン連鎖(A)およびオレフィン連鎖(B)の組成が異なる場合、オレフィン連鎖(B)は、重量平均分子量(Mw)が、通常5,000以上、好ましくは10,000〜10,000,000、より好ましくは15,000〜1,000,000、さらに好ましくは20,000〜500,000の範囲にあることが望ましい。
本発明に係る分岐型ポリオレフィンは、上記オレフィン連鎖(B)が上記オレフィン連鎖(A)の両末端以外の部位にカルボニル基を有する結合を介して結合され、かつオレフィン連鎖(B)は上記オレフィン連鎖(A)1本当たり1本以上、好ましくは1.1本以上、より好ましくは1.5〜100本、さらに好ましくは2〜50本の範囲で結合されている。
カルボニル基を有する結合としては、例えばエステル結合、アミド結合、イミド結合、ウレタン結合、尿素結合などが挙げられる。
これらの結合は、1種だけで存在していても2種以上が存在していてもよく、エステル結合および/またはアミド結合であることが好ましい。
本発明に係る分岐型ポリオレフィンは、メルトフローレート(MFR:ASTM D 1238に準拠して、190℃または230℃、2.16kg荷重の条件で測定、以下同じ。)が、通常0.001〜3,000g/10分、好ましくは0.005〜1,000g/10分、さらに好ましくは0.01〜1,000g/10分の範囲にあり、密度(ASTM D 1505に準拠して測定、以下同じ。)が、通常0.70〜1.0g/cm3、好ましくは0.75〜0.98g/cm3、より好ましくは0.80〜0.96g/cm3の範囲にある。
オレフィン連鎖(A)およびオレフィン連鎖(B)の組成が同一である場合は、分岐型ポリオレフィンは、MFRが、通常0.01〜3,000g/10分、好ましくは0.05〜1,000g/10分、さらに好ましくは0.1〜500g/10分の範囲にあることが望ましく、オレフィン連鎖(A)およびオレフィン連鎖(B)の組成が異なる場合、分岐型ポリオレフィンは、MFRが通常0.001〜1,000g/10分、好ましくは0.005〜500g/10分、さらに好ましくは0.01〜100g/10分の範囲にあることが望ましい。
オレフィン連鎖(A)とオレフィン連鎖(B)との好ましい組合せを以下に例示する。
オレフィン連鎖(A)およびオレフィン連鎖(B)の組成が同一である場合は、オレフィン連鎖(A)およびオレフィン連鎖(B)は、ポリプロピレンであることが好ましく、この場合該ポリプロピレンは、密度が0.880〜0.960g/cm3、特に0.890〜0.950g/cm3の範囲にあることが好ましく、MFRが0.05〜1,000g/10分、特に0.1〜500g/10分の範囲にあることが好ましい。またポリプロピレンが共重合体である場合には、共重合成分は、通常10モル%以下、特に5モル%以下の量であることが好ましい。
オレフィン連鎖(A)およびオレフィン連鎖(B)の組成が異なる場合、オレフィン連鎖(A)はエチレンと炭素原子数3〜20のオレフィンとの共重合体であり、オレフィン連鎖(B)はポリプロピレンであることが好ましい。このときオレフィン連鎖(A)であるエチレンと炭素原子数3〜20のオレフィンとの共重合体は、密度が0.850〜0.900g/cm3、好ましくは0.858〜0.898g/cm3、より好ましくは0.855〜0.895g/cm3の範囲にあり、MFRが0.1〜50g/10分、好ましくは0.2〜40g/10分、より好ましくは0.3〜30g/10分の範囲にあり、X線による結晶化度が30%未満、好ましくは28%未満、より好ましくは25%未満の範囲にある。また、オレフィン連鎖(B)であるポリプロピレンは、密度が0.880〜0.960g/cm3、特に0.890〜0.950g/cm3の範囲にあることが好ましく、MFRが0.05〜1,000g/10分、特に0.1〜500g/10分の範囲にあることが好ましい。ポリプロピレンが共重合体である場合には、共重合成分は、通常10モル%以下、特に5モル%以下の量であることが好ましい。
製造方法
本発明に係る分岐型ポリオレフィンは、例えば炭素原子数2〜20のオレフィンから選ばれる少なくとも1種のオレフィンから得られる繰り返し単位を主たる構成単位とし、両末端以外に1つ以上のカルボキシル基および/または酸無水基を有する官能基含有ポリオレフィン(C)と、炭素原子数2〜20のオレフィンから選ばれる少なくとも1種のオレフィンから得られる繰り返し単位を主たる構成単位とし、上記官能基含有ポリオレフィン(C)と同一または異なるオレフィン組成を有し、末端のみにカルボキシル基または酸無水基と反応しうる基を有する末端修飾ポリオレフィン(D)とを反応させることにより製造することができる。
(C)官能基含有ポリオレフィン
官能基含有ポリオレフィン(C)は、両末端以外の部位に1つ以上のカルボキシル基および/または酸無水基を有するポリオレフィンである。官能基含有ポリオレフィン(C)は、上記オレフィン連鎖(A)となり、カルボキシル基および/または酸無水基はオレフィン連鎖(A)およびオレフィン連鎖(B)を結合するカルボニル基を有する結合となる。
官能基含有ポリオレフィン(C)は、未変性のポリオレフィンの一部または全部を、不飽和カルボン酸またはその誘導体でグラフト変性することにより得られる。
未変性のポリオレフィンは、従来公知の触媒を用いて上記炭素原子数2〜20のオレフィンを重合または共重合することにより製造することができる。従来公知の触媒としては、例えばマグネシウム担持型チタン触媒系、メタロセン触媒などが挙げられる。
以下、これらの触媒について説明する。
マグネシウム担持型チタン触媒系
マグネシウム担持型チタン触媒系としてはチタン、マグネシウム、ハロゲンを必須とする固体状チタン触媒成分(I)、有機金属化合物触媒成分(II)、および、必要に応じて電子供与体(III)からなる触媒系が好ましい。
[(I)固体状チタン触媒成分]
固体状チタン触媒成分(I)は、下記のようなマグネシウム化合物、チタン化合物および電子供与体を接触させることにより調製することができる。
(マグネシウム化合物)
マグネシウム化合物として還元能を有するマグネシウム化合物および還元能を有しないマグネシウム化合物が挙げられる。
還元能を有するマグネシウム化合物としては、例えば下式で表される有機マグネシウム化合物が挙げられる。
nMgR2-n
式中、nは0≦n<2であり、Rは水素、炭素原子数1〜20のアルキル基、アリール基またはシクロアルキル基であり、nが0である場合2個のRは同一でも異なっていてもよい。Xはハロゲンである。
このような還元能を有する有機マグネシウム化合物として具体的には、ジメチルマグネシウム、ジエチルマグネシウム、ジプロピルマグネシウム、ジブチルマグネシウム、ジアミルマグネシウム、ジヘキシルマグネシウム、ジデシルマグネシウム、オクチルブチルマグネシウム、エチルブチルマグネシウムなどのアルキルマグネシウム化合物;エチル塩化マグネシウム、プロピル塩化マグネシウム、ブチル塩化マグネシウム、ヘキシル塩化マグネシウム、アミル塩化マグネシウムなどのアルキルマグネシウムハライド;ブチルエトキシマグネシウム、エチルブトキシマグネシウム、オクチルブトキシマグネシウムなどのアルキルマグネシウムアルコキシド、ブチルマグネシウムハイドライド、水素化マグネシウムなどが挙げられる。
その他、金属マグネシウムを用いることもできる。
還元能を有しないマグネシウム化合物として具体的には、塩化マグネシウム、臭化マグネシウム、ヨウ化マグネシウム、フッ化マグネシウムなどのハロゲン化マグネシウム;メトキシ塩化マグネシウム、エトキシ塩化マグネシウム、イソプロポキシ塩化マグネシウム、ブトキシ塩化マグネシウム、オクトキシ塩化マグネシウムなどのアルコキシマグネシウムハライド;フェノキシ塩化マグネシウム、メチルフェノキシ塩化マグネシウムなどのアリロキシマグネシウムハライド;ジエトキシマグネシウム、ジイソプロポキシマグネシウム、ジブトキシマグネシウム、ジ-n-オクトキシマグネシウム、ジ-2-エチルヘキソキシマグネシウム、メトキシエトキシマグネシウムなどのジアルコキシマグネシウム;ジフェノキシマグネシウム、ジ-メチルフェノキシマグネシウム、フェノキシメチルフェノキシマグネシウムなどのジアリロキシマグネシウム、ラウリン酸マグネシウム、ステアリン酸マグネシウムなどのマグネシウムのカルボン酸塩などが挙げられる。
これら還元能を有しないマグネシウム化合物は、上述した還元能を有するマグネシウム化合物から誘導した化合物、あるいは触媒成分の調製時に誘導した化合物であってもよい。還元能を有しないマグネシウム化合物を、還元能を有するマグネシウム化合物から誘導するには、例えば還元能を有するマグネシウム化合物を、ポリシロキサン化合物、ハロゲン含有シラン化合物、ハロゲン含有アルミニウム化合物、エステル、アルコール、ハロゲン含有化合物、あるいはOH基や活性な炭素−酸素結合を有する化合物と接触させればよい。
なお上記の還元能を有するマグネシウム化合物および還元能を有しないマグネシウム化合物は、アルミニウム、亜鉛、ホウ素、ベリリウム、ナトリウム、カリウムなどの他の金属との錯化合物、複化合物を形成していてもよく、あるいは他の金属化合物との混合物であってもよい。さらに、マグネシウム化合物は単独であってもよく、上記の化合物を2種以上組み合わせてもよい。
上記のようなマグネシウム化合物のうち、マグネシウム化合物が固体である場合には、電子供与体(i)を用いて液体状態にすることができる。この電子供与体(i)としては、アルコール類、フェノール類、ケトン類、アルデヒド類、エーテル類、アミン類、ピリジン類、金属酸エステル類などが挙げられ、
具体的には、メタノール、エタノール、プロパノール、ブタノール、ペンタノール、ヘキサノール、2-エチルヘキサノール、オクタノール、ドデカノール、オクタデシルアルコール、オレイルアルコール、ベンジルアルコール、フェニルエチルアルコール、クミルアルコール、イソプロピルアルコール、イソプロピルベンジルアルコールなどの炭素原子数1〜18のアルコール類;
トリクロロメタノール、トリクロロエタノール、トリクロロヘキサノールなどの炭素原子数1〜18のハロゲン含有アルコール類;
2-プロポキシエタノール、2-ブトキシエタノール、2-エトキシプロパノール、3-エトキシプロパノール、1-メトキシブタノール、2-メトキシブタノール、2-エトキシブタノールなどのアルコキシアルコール類;
フェノール、クレゾール、キシレノール、エチルフェノール、プロピルフェノール、ノニルフェノール、クミルフェノール、ナフトールなどの低級アルキル基を有してもよい炭素原子数6〜20のフェノール類;
アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、アセトフェノン、ベンゾフェノン、ベンゾキノンなどの炭素原子数3〜15のケトン類;
アセトアルデヒド、プロピオンアルデヒド、オクチルアルデヒド、ベンズアルデヒド、トルアルデヒド、ナフトアルデヒドなどの炭素原子数2〜15のアルデヒド類;
メチルエーテル、エチルエーテル、イソプロピルエーテル、ブチルエーテル、アミルエーテル、テトラヒドロフラン、アニソール、ジフェニルエーテルなどの炭素原子数2〜20のエーテル類;
トリメチルアミン、トリエチルアミン、トリブチルアミン、トリベンジルアミン、テトラメチルエチレンジアミンなどのアミン類;
ピリジン、メチルピリジン、エチルピリジン、ジメチルピリジンなどのピリジン類;
テトラエトキシチタン、テトラ-n-プロポキシチタン、テトラ-i-プロポキシチタン、テトラブトキシチタン、テトラヘキソキシチタン、テトラブトキシジルコニウム、テトラエトキシジルコニウムなどの金属酸エステル類などが挙げられる。
これらは単独で用いても2種以上組み合わせて用いてもよい。
これらのうちでも、アルコール類、アルコキシアルコール類、金属酸エステル類が特に好ましく用いられる。固体状マグネシウム化合物の電子供与体(i)による可溶化反応は、固体状マグネシウム化合物と電子供与体(i)とを接触させ、必要に応じて加熱する方法が一般的である。この際、接触温度は0〜200℃、好ましくは20〜180℃、より好ましくは50〜150℃である。
また上記可溶化反応では、炭化水素溶媒等を共存させてもよい。このような炭化水素溶媒として具体的には、ペンタン、ヘキサン、ヘプタン、オクタン、デカン、ドデカン、テトラデカン、灯油などの脂肪族炭化水素類、シクロペンタン、メチルシクロペンタン、シクロヘキサン、メチルシクロヘキサン、シクロオクタン、シクロヘキセンなどの脂環族炭化水素類、ベンゼン、トルエン、キシレンなどの芳香族炭化水素、ジクロロエタン、ジクロロプロパン、トリクロロエチレン、クロロベンゼン、2,4-ジクロロトルエンなどのハロゲン化炭化水素類などが用いられる。
固体状チタン触媒成分(I)の調製に用いられるマグネシウム化合物としては、上述した以外にも多くのマグネシウム化合物が使用できるが、最終的に得られる固体状チタン触媒成分(I)中において、ハロゲン含有マグネシウム化合物の形で存在することが好ましく、したがってハロゲンを含まないマグネシウム化合物を用いる場合には、調製の途中でハロゲン含有化合物と接触反応させることが好ましい。
これらの中でも、還元能を有しないマグネシウム化合物を含むことが好ましく、特にハロゲン含有マグネシウム化合物が好ましく、さらにこれらの中でも塩化マグネシウム、アルコキシ塩化マグネシウム、アリーロキシ塩化マグネシウムを含むことが好ましい。
(チタン化合物)
チタン化合物としては、4価のチタン化合物が好ましく用いられる。このような四価のチタン化合物としては、次式で示される化合物が挙げられる。
Ti(OR)g4-g
式中、Rは炭化水素基であり、Xはハロゲン原子であり、0≦g≦4である。このような化合物として具体的には、
TiCl4、TiBr4、TiI4 などのテトラハロゲン化チタン;
Ti(OCH3)Cl3、Ti(OC25)Cl3、Ti(O n-C49)Cl3、Ti(OC25)Br3、Ti(O-iso-C49)Br3 などのトリハロゲン化アルコキシチタン;
Ti(OCH3)2Cl2、Ti(OC25)2Cl2 Ti(On-C49)2Cl2、Ti(OC25)2Br2 などのジハロゲン化ジアルコキシチタン;
Ti(OCH3)3Cl、Ti(OC25)3Cl、Ti(O n-C49)3Cl、Ti(OC25)3Br などのモノハロゲン化トリアルコキシチタン;
Ti(OCH3)4、Ti(OC25)4、Ti(O n-C49)4、Ti(O iso-C49)4、Ti(O 2-エチルヘキシル)4 などのテトラアルコキシチタンなどが挙げられる。
これらの中でもテトラハロゲン化チタンが好ましく、特に四塩化チタンが好ましい。これらのチタン化合物は単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。またチタン化合物は、芳香族炭化水素とともに用いたり、あるいは炭化水素、ハロゲン化炭化水素で希釈して用いたりしてもよい。
((ii)電子供与体)
固体状チタン触媒成分(I)を調製する際には電子供与体(ii)を用いることが好ましく、電子供与体(ii)としては、下記のような酸ハライド類、酸アミド類、ニトリル類、酸無水物、有機酸エステル類、ポリエーテル類などが用いられる。
具体的には、アセチルクロリド、ベンゾイルクロリド、トルイル酸クロリド、アニス酸クロリドなどの炭素原子数2〜15の酸ハライド類;
酢酸N,N-ジメチルアミド、安息香酸N,N-ジエチルアミド、トルイル酸N,N-ジメチルアミドなどの酸アミド類;
アセトニトリル、ベンゾニトリル、トリニトリルなどのニトリル類;
無水酢酸、無水フタル酸、無水安息香酸などの酸無水物;
ギ酸メチル、酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸ビニル、酢酸プロピル、酢酸オクチル、酢酸シクロヘキシル、プロピオン酸エチル、酪酸メチル、吉草酸エチル、クロル酢酸メチル、ジクロル酢酸エチル、メタクリル酸メチル、クロトン酸エチル、シクロヘキサンカルボン酸エチル、安息香酸メチル、安息香酸エチル、安息香酸プロピル、安息香酸ブチル、安息香酸オクチル、安息香酸シクロヘキシル、安息香酸フェニル、安息香酸ベンジル、トルイル酸メチル、トルイル酸エチル、トルイル酸アミル、エチル安息香酸エチル、アニス酸メチル、アニス酸エチル、エトキシ安息香酸エチル、γ-ブチロラクトン、δ-バレロラクトン、クマリン、フタリド、炭酸エチルなどの炭素原子数2〜18の有機酸エステル類が挙げられる。
また有機酸エステル類としては、下記一般式で表される骨格を有する多価カルボン酸エステルを好ましい例として挙げることができる。
Figure 0004794807
(式中、R1は置換または非置換の炭化水素基、R2 、R5 、R6 は水素または置換もしくは非置換の炭化水素基、R3 、R4 は水素または置換もしくは非置換の炭化水素基であり、好ましくはその少なくとも一方は置換または非置換の炭化水素基である。また、R3とR4とは互いに連結されて環状構造を形成していてもよい。炭化水素基R1〜R6が置換されている場合の置換基は、N、O、Sなどの異原子を含み、例えば、C−O−C、COOR、COOH、OH、SO3H、−C−N−C−、NH2 などの基を有する)
このような多価カルボン酸エステルとしては、具体的には、脂肪族ポリカルボン酸エステル、脂環族ポリカルボン酸エステル、芳香族ポリカルボン酸エステル、異節環ポリカルボン酸エステルなどが挙げられる。
上記一般式で表される骨格を有する多価カルボン酸エステルの好ましい具体例としては、コハク酸ジエチル、コハク酸ジブチル、メチルコハク酸ジエチル、メチルコハク酸ジアリール、α-メチルグルタル酸ジイソブチル、β-メチルグルタル酸ジイソプロピル、メチルマロン酸ジイソブチル、エチルマロン酸ジブチル、エチルマロン酸ジエチル、イソプロピルマロン酸ジエチル、イソプロピルマロン酸ジブチル、ブチルマロン酸ジブチル、フェニルマロン酸ジブチル、ジエチルマロン酸ジエチル、ジブチルマロン酸ジブチル、ジブチルマロン酸ジエチル、マレイン酸 n-ブチル、メチルマレイン酸ジブチル、ブチルマレイン酸ジブチル、フマル酸ジ 2-エチルヘキシル、シクロヘキセンカルボン酸ジ n-ヘキシル、ナジック酸ジエチル、テトラヒドロフタル酸ジイソプロピル、フタル酸ジエチル、フタル酸モノエチル、フタル酸ジプロピル、フタル酸ジイソブチル、フタル酸ジイソプロピル、フタル酸エチルイソブチル、フタル酸ジ n-ブチル、フタル酸ジ n-ヘプチル、フタル酸ジ n-オクチル、フタル酸ジ 2-エチルヘキシル、フタル酸ジ(2-メチルペンチル)、フタル酸ジ(3-メチルペンチル)、フタル酸ジ(4-メチルペンチル)、フタル酸ジ(2,3-ジメチルブチル)、フタル酸ジ(3-メチルヘキシル)、フタル酸ジ(4-メチルヘキシル)、フタル酸ジ(5-メチルヘキシル)、フタル酸ジ(3-エチルペンチル)、フタル酸ジ(3,4-ジメチルペンチル)、フタル酸ジ(2,4-ジメチルペンチル)、フタル酸ジ(2-メチルヘキシル)、フタル酸ジ(2-メチルオクチル)、フタル酸ジデシル、フタル酸ジフェニル、これらフタル酸ジエステルの混合物、
ナフタレンジカルボン酸ジエチル、ナフタレンジカルボン酸ジブチル、トリメリット酸トリエチル、トリメリット酸トリブチル、3,4-フランジカルボン酸ジブチル、アジピン酸ジエチル、アジピン酸ジブチル、セバシン酸ジオクチル、セバシン酸ジブチルなどが挙げられる。
これらのうち、フタル酸ジエステル類が好ましく用いられる。
さらに電子供与体としては、複数の原子を介して存在する2個以上のエーテル結合を有する化合物(以下「ポリエーテル」ということがある。)が挙げられる。このポリエーテルとしては、エーテル結合間に存在する原子が、炭素、ケイ素、酸素、窒素、リン、ホウ素、イオウまたはこれらから選択される2種以上である化合物などを挙げることができる。このうちエーテル結合間の原子に比較的嵩高い置換基が結合しており、2個以上のエーテル結合間に存在する原子に複数の炭素原子が含まれた化合物が好ましく、例えば下記一般式で示されるポリエーテルが好ましい。
Figure 0004794807
(式中、nは2≦n≦10の整数であり、R1〜R26は炭素、水素、酸素、ハロゲン、窒素、イオウ、リン、ホウ素およびケイ素から選ばれる少なくとも1種の元素を有する置換基であり、任意のR1〜R26、好ましくはR1〜R2nは共同してベンゼン環以外の環を形成していてもよく、主鎖中に炭素以外の原子が含まれていてもよい)
このようなポリエーテル化合物として具体的には、2-(2-エチルヘキシル)-1,3-ジメトキシプロパン、2-イソプロピル-1,3-ジメトキシプロパン、2-ブチル-1,3-ジメトキシプロパン、2-s-ブチル-1,3-ジメトキシプロパン、2-シクロヘキシル-1,3-ジメトキシプロパン、2-フェニル-1,3-ジメトキシプロパン、2-クミル-1,3-ジメトキシプロパン、2-(2-フェニルエチル)-1,3-ジメトキシプロパン、2-(2-シクロヘキシルエチル)-1,3-ジメトキシプロパン、2-(p-クロロフェニル)-1,3-ジメトキシプロパン、2-(ジフェニルメチル)-1,3-ジメトキシプロパン、2-(1-ナフチル)-1,3-ジメトキシプロパン、2-(2-フルオロフェニル)-1,3-ジメトキシプロパン、2-(1-デカヒドロナフチル)-1,3-ジメトキシプロパン、2-(p-t-ブチルフェニル)-1,3-ジメトキシプロパン、2,2-ジシクロヘキシル-1,3-ジメトキシプロパン、2,2-ジエチル-1,3-ジメトキシプロパン、2,2-ジプロピル-1,3-ジメトキシプロパン、2,2-ジブチル-1,3-ジメトキシプロパン、2-メチル-2-プロピル-1,3-ジメトキシプロパン、2-メチル-2-ベンジル-1,3-ジメトキシプロパン、2-メチル-2-エチル-1,3-ジメトキシプロパン、2-メチル-2-イソプロピル-1,3-ジメトキシプロパン、2-メチル-2-フェニル-1,3-ジメトキシプロパン、2-メチル-2-シクロヘキシル-1,3-ジメトキシプロパン、2,2-ビス(p-クロロフェニル)-1,3-ジメトキシプロパン、2,2-ビス(2-シクロヘキシルエチル)-1,3-ジメトキシプロパン、2-メチル-2-イソブチル-1,3-ジメトキシプロパン、2-メチル-2-(2-エチルヘキシル)-1,3-ジメトキシプロパン、2,2-ジイソブチル-1,3-ジメトキシプロパン、2,2-ジフェニル-1,3-ジメトキシプロパン、2,2-ジベンジル-1,3-ジメトキシプロパン、2,2-ビス(シクロヘキシルメチル)-1,3-ジメトキシプロパン、2,2-ジイソブチル-1,3-ジエトキシプロパン、2,2-ジイソブチル-1,3-ジブトキシプロパン、2-イソブチル-2-イソプロピル-1,3-ジメトキシプロパン、2,2-ジ-s-ブチル-1,3-ジメトキシプロパン、2,2-ジ-t-ブチル-1,3-ジメトキシプロパン、2,2-ジネオペンチル-1,3-ジメトキシプロパン、2-イソプロピル-2-イソペンチル-1,3-ジメトキシプロパン、2-フェニル-2-ベンジル-1,3-ジメトキシプロパン、2-シクロヘキシル-2-シクロヘキシルメチル-1,3-ジメトキシプロパン、2,3-ジフェニル-1,4-ジエトキシブタン、2,3-ジシクロヘキシル-1,4-ジエトキシブタン、2,2-ジベンジル-1,4-ジエトキシブタン、2,3-ジシクロヘキシル-1,4-ジエトキシブタン、2,3-ジイソプロピル-1,4-ジエトキシブタン、2,2-ビス(p-メチルフェニル)-1,4-ジメトキシブタン、2,3-ビス(p-クロロフェニル)-1,4-ジメトキシブタン、2,3-ビス(p-フルオロフェニル)-1,4-ジメトキシブタン、2,4-ジフェニル-1,5-ジメトキシペンタン、2,5-ジフェニル-1,5-ジメトキシヘキサン、2,4-ジイソプロピル-1,5-ジメトキシペンタン、2,4-ジイソブチル-1,5-ジメトキシペンタン、2,4-ジイソアミル-1,5-ジメトキシペンタン、3-メトキシメチルテトラヒドロフラン、3-メトキシメチルジオキサン、1,2-ジイソブトキシプロパン、1,2-ジイソブトキシエタン、1,3-ジイソアミロキシエタン、1,3-ジイソアミロキシプロパン、1,3-ジイソネオペンチロキシエタン、1,3-ジネオペンチロキシプロパン、2,2-テトラメチレン-1,3-ジメトキシプロパン、2,2-ペンタメチレン-1,3-ジメトキシプロパン、2,2-ヘキサメチレン-1,3-ジメトキシプロパン、1,2-ビス(メトキシメチル)シクロヘキサン、2,8-ジオキサスピロ[5,5]ウンデカン、3,7-ジオキサビシクロ[3,3,1]ノナン、3,7-ジオキサビシクロ[3,3,0]オクタン、3,3-ジイソブチル-1,5-オキソノナン、6,6-ジイソブチルジオキシヘプタン、1,1-ジメトキシメチルシクロペンタン、1,1-ビス(ジメトキシメチル)シクロヘキサン、1,1-ビス(メトキシメチル)ビシクロ[2,2,1]ヘプタン、1,1-ジメトキシメチルシクロペンタン、2-メチル-2-メトキシメチル-1,3-ジメトキシプロパン、2-シクロヘキシル-2-エトキシメチル-1,3-ジエトキシプロパン、2-シクロヘキシル-2-メトキシメチル-1,3-ジメトキシプロパン、2,2-ジイソブチル-1,3-ジメトキシシクロヘキサン、2-イソプロピル-2-イソアミル-1,3-ジメトキシシクロヘキサン、2-シクロヘキシル-2-メトキシメチル-1,3-ジメトキシシクロヘキサン、2-イソプロピル-2-メトキシメチル-1,3-ジメトキシシクロヘキサン、2-イソブチル-2-メトキシメチル-1,3-ジメトキシシクロヘキサン、2-シクロヘキシル-2-エトキシメチル-1,3-ジエトキシシクロヘキサン、2-シクロヘキシル-2-エトキシメチル-1,3-ジメトキシシクロヘキサン、2-イソプロピル-2-エトキシメチル-1,3-ジエトキシシクロヘキサン、2-イソプロピル-2-エトキシメチル-1,3-ジメトキシシクロヘキサン、2-イソブチル-2-エトキシメチル-1,3-ジエトキシシクロヘキサン、2-イソブチル-2-エトキシメチル-1,3-ジメトキシシクロヘキサンなどが挙げられる。
またポリエーテルとしては、トリス(p-メトキシフェニル)ホスフィン、メチルフェニルビス(メトキシメチル)シラン、ジフェニルビス(メトキシメチル)シラン、メチルシクロヘキシルビス(メトキシメチル)シラン、ジ-t-ブチルビス(メトキシメチル)シラン、シクロヘキシル-t-ブチルビス(メトキシメチル)シラン、i-プロピル-t-ブチルビス(メトキシメチル)シランなどを挙げることができる。
これらのうちでも、2,2-ジイソブチル-1,3-ジメトキシプロパン、2-イソプロピル-2-イソブチル-1,3-ジメトキシプロパン、2-イソプロピル-2-イソペンチル-1,3-ジメトキシプロパン、2,2-ジシクロヘキシル-1,3-ジメトキシプロパン、2,2-ビス(シクロヘキシルメチル)-1,3-ジメトキシプロパンなどが好ましく用いられる。
電子供与体(ii)としては、有機酸エステル類およびポリエーテルが好ましく、フタル酸ジエステル類などの芳香族ジエステル類およびポリエーテルがより好ましく用いられる。上記のような電子供与体は2種以上併用することもできる。また上記に例示されたような電子供与体は、最終的に固体状チタン触媒成分(I)中に含まれていればよい。したがって固体状チタン触媒成分(I)を調製する際には、上記に例示されたような化合物そのものを必ずしも用いなくてもよく、固体状チタン触媒成分(I)を調製する過程でこれらの化合物を生成しうる他の化合物を用いてもよい。この際も、2種以上の電子供与体(ii)が生成するように他の化合物を用いることもできる。
(固体状チタン触媒成分(I)の調製)
上述した化合物から固体状チタン触媒成分(I)を調製する方法としては、特に限定されるものではないが、例えば下記のような方法が挙げられる。なお以下の方法において、有機金属化合物としては、後述する有機金属化合物(II)と同じものが用いられる。
(1)マグネシウム化合物、上記電子供与体(i)および炭化水素溶媒からなる液状状態のマグネシウム化合物を、必要に応じて有機金属化合物と接触反応させて固体を析出させた後、または析出させながら液状状態のチタン化合物と接触反応させ得られた固体成分と、芳香族炭化水素と、液状状態のチタン化合物と電子供与体(ii)とを少なくとも1回接触反応させる。この固体成分と芳香族炭化水素、液状状態のチタン化合物との接触は複数回実施するのが好ましい。
(2)無機担体または有機担体と液状有機マグネシウム化合物との接触物に必要に応じて有機金属化合物と接触反応させて固体を析出させた後、または析出させながら液状状態のチタン化合物と接触反応させ得られた固体成分と、芳香族炭化水素と、液状状態のチタン化合物と電子供与体(ii)とを少なくとも1回接触反応させる。この際、予め該接触物をハロゲン含有化合物および/または有機金属化合物と接触反応させてもよい。この固体成分と芳香族炭化水素、液状状態のチタン化合物との接触は複数回実施するのが好ましい。
[(II)有機金属化合物触媒成分]
有機金属化合物触媒成分(II)は、周期表第13族から選ばれる金属を含むものが好ましく、中でも、有機アルミニウム化合物、有機ホウ素化合物、1族元素とアルミニウムまたはホウ素との錯アルキル化合物などを好ましく挙げることができる。有機アルミニウム化合物としては、例えば下記式で示される有機アルミニウム化合物を例示することができる。
a nAlX3-n
(式中、Raは炭素原子数1〜12の炭化水素基であり、Xはハロゲンまたは水素であり、nは1〜3である。)
aは、炭素原子数1〜12の炭化水素基、例えばアルキル基、シクロアルキル基またはアリール基であるが、具体的には、
メチル基、エチル基、n-プロピル基、イソプロピル基、イソブチル基、ペンチル基、ヘキシル基、オクチル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基、フェニル基、トリル基などである。
このような有機アルミニウム化合物として具体的には、
トリメチルアルミニウム、トリエチルアルミニウム、トリイソプロピルアルミニウム、トリイソブチルアルミニウム、トリオクチルアルミニウム、トリ2-エチルヘキシルアルミニウムなどのトリアルキルアルミニウム;
トリイソプレニルアルミニウムなどのトリアルケニルアルミニウム;
ジメチルアルミニウムクロリド、ジエチルアルミニウムクロリド、ジイソプロピルアルミニウムクロリド、ジイソブチルアルミニウムクロリド、ジメチルアルミニウムブロミドなどのジアルキルアルミニウムハライド;
メチルアルミニウムセスキクロリド、エチルアルミニウムセスキクロリド、イソプロピルアルミニウムセスキクロリド、ブチルアルミニウムセスキクロリド、エチルアルミニウムセスキブロミドなどのアルキルアルミニウムセスキハライド;
メチルアルミニウムジクロリド、エチルアルミニウムジクロリド、イソプロピルアルミニウムジクロリド、エチルアルミニウムジブロミドなどのアルキルアルミニウムジハライド;
ジエチルアルミニウムハイドライド、ジイソブチルアルミニウムハイドライド、エチルアルミニウムジハイドライドなどのアルキルアルミニウムハイドライドなどが挙げられる。
また有機アルミニウム化合物として、下記式で示される化合物を用いることもできる。
a nAlY3-n
上記式において、Raは上記と同様であり、Yは−ORb基、−OSiRc 3基、−OAlRd 2基、−NRe 2基、−SiRf 3基または−N(Rg)AlRh 2基であり、nは1〜2である。
なお、Rb、Rc、RdおよびRhはメチル基、エチル基、イソプロピル基、イソブチル基、シクロヘキシル基、フェニル基などであり、Reは水素、メチル基、エチル基、イソプロピル基、フェニル基、トリメチルシリル基などであり、RfおよびRgはメチル基、エチル基などである。
このような有機アルミニウム化合物としては、具体的には、以下のような化合物を例示できる。
(i)Ra nAl(ORb)3-nで表される化合物、例えば ジメチルアルミニウムメトキシド、ジエチルアルミニウムエトキシド、ジイソブチルアルミニウムメトキシドなど、
(ii)Ra nAl(OSiRc)3-nで表される化合物、例えば Et2Al(OSiMe3)、(iso-Bu)2Al(OSiMe3)、(iso-Bu)2Al(OSiEt3)など、
(iii)Ra nAl(OAlRd 2)3-nで表される化合物、例えば Et2AlOAlEt2、(iso-Bu)2AlOAl(iso-Bu)2 など、
(iv)Ra nAl(NRe 2)3-nで表される化合物、例えば Me2AlNEt2、Et2AlNHMe、Me2AlNHEt、Et2AlN(Me3Si)2、(iso-Bu)2AlN(Me3Si)2など、
(v)Ra nAl(SiRf 3)3-nで表される化合物、例えば、(iso-Bu)2AlSiMe3など、
(vi)Ra nAl〔N(Rg)-AlRh 23-nで表される化合物、例えば、
Et2AlN(Me)-AlEt2、(iso-Bu)2AlN(Et)Al(iso-Bu)2など。
またこれに類似した化合物、例えば酸素原子、窒素原子を介して2以上のアルミニウムが結合した有機アルミニウム化合物を挙げることができる。より具体的には、(C25)2AlOAl(C25)2、(C49)2AlOAl(C49)2、(C25)2AlN(C25)Al(C25)2など、さらにメチルアルミノキサンなどのアルミノキサン類(有機アルミニウムオキシ化合物)を挙げることができる。
また、下記式の有機アルミニウム化合物を用いることもできる。
aAlXY(Ra、X、Yは上記と同様である)
有機ホウ素化合物としては、トリフェニルボロン、トリス(4-フルオロフェニル)ボロン、トリス(3,5-ジフルオロフェニル)ボロン、トリス(4-フルオロメチルフェニル)ボロン、トリス(ペンタフルオロフェニル)ボロン、トリス(p-トリル)ボロン、トリス(o-トリル)ボロン、トリス(3,5-ジメチルフェニル)ボロン、テキシルボラン、ジシクロヘキシルボラン、ジシアミルボラン、ジイソピノカンフェニルボラン、9-ボラビシクロ[3.3.1]ノナン、カテコールボラン、B-ブロモ-9-ボラビシクロ[3.3.1]ノナン、ボラン-トリエチルアミン錯体、ボラン-メチルスルフィド錯体などが挙げられる。
また、有機ホウ素化合物としてイオン性化合物を使用してもよい。このような化合物としては、トリエチルアンモニウムテトラ(フェニル)ホウ素、トリプロピルアンモニウムテトラ(フェニル)ホウ素、トリメチルアンモニウムテトラ(p-トリル)ホウ素、トリメチルアンモニウムテトラ(o-トリル)ホウ素、トリ(n-ブチル)アンモニウムテトラ(ペンタフルオロフェニル)ホウ素、トリプロピルアンモニウムテトラ(o,p-ジメチルフェニル)ホウ素、トリ(n-ブチル)アンモニウムテトラ(p-トリフルオロメチルフェニル)ホウ素、N,N-ジメチルアニリニウムテトラ(フェニル)ホウ素、ジシクロヘキシルアンモニウムテトラ(フェニル)ホウ素、トリフェニルカルベニウムテトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレート、N,N-ジメチルアニリニウムテトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレート、ビス[トリ(n-ブチル)アンモンニウム]ノナボレート、ビス[トリ(n-ブチル)アンモンニウム]デカボレートなどを挙げることができる。
1族元素とアルミニウムとの錯アルキル化物としては、下記一般式で表される化合物を例示できる。
1AlRj 4
(M1はLi、Na、Kであり、Rjは炭素原子数1〜15の炭化水素基である。)
このような化合物として具体的には、LiAl(C25)4、LiAl(C715)4などが挙げられる。
有機ホウ素化合物および1族元素とホウ素との錯アルキル化物としては、前述の有機アルミニウム化合物および1族元素とアルミニウムとの錯アルキル化物のアルミニウムをホウ素で置換した構造の化合物を挙げることができる。
[(III)電子供与体]
電子供与体(III)としては、先に述べた固体状チタン触媒成分(I)の調製時に使用した電子供与体(ii)として示したような化合物を用いることができ、さらに下記一般式で示される有機ケイ素化合物を用いることができる。
nSi(OR')4-n
(式中、RおよびR'は炭化水素基であり、0<n<4である)
このような一般式で示される有機ケイ素化合物としては、具体的には、下記のような化合物が挙げられる。
トリメチルメトキシシラン、トリメチルエトキシシラン、ジメチルジメトキシシラン、ジメチルジエトキシシシラン、ジイソプロピルジメトキシシラン、tert-ブチルメチルジメトキシシラン、t-ブチルメチルジエトキシシラン、tert-アミルメチルジエトキシシラン、ジフェニルジメトキシシラン、フェニルメチルジメトキシシラン、ジフェニルジエトキシシラン、ビスo-トリルジメトキシシラン、ビスm-トリルジメトキシシラン、ビスp-トリルジメトキシシラン、ビスp-トリルジエトキシシラン、ビスエチルフェニルジメトキシシラン、ジシクロヘキシルジメトキシシラン、シクロヘキシルメチルジメトキシシラン、シクロヘキシルメチルジエトキシシラン、エチルトリメトキシシラン、エチルトリエトキシシラン、ビニルトリメトキシシラン、メチルトリメトキシシラン、n-プロピルトリエトキシシラン、デシルトリメトキシシラン、デシルトリエトキシシラン、フェニルトリメトキシシラン、γ-クロルプロピルトリメトキシシラン、メチルトリエトキシシラン、エチルトリエトキシシラン、ビニルトリエトキシシラン、tert-ブチルトリエトキシシラン、n-ブチルトリエトキシシラン、iso-ブチルトリエトキシシラン、フェニルトリエトキシシラン、γ-アミノプロピルトリエトキシシラン、クロルトリエトキシシラン、エチルトリイソプロポキシシラン、ビニルトリブトキシシラン、シクロヘキシルトリメトキシシラン、シクロヘキシルトリエトキシシラン、2-ノルボルナントリメトキシシラン、2-ノルボルナントリエトキシシラン、2-ノルボルナンメチルジメトキシシラン、ケイ酸エチル、ケイ酸ブチル、トリメチルフェノキシシラン、メチルトリアリロキシ(allyloxy)シラン、ビニルトリス(β-メトキシエトキシシラン)、ビニルトリアセトキシシラン、ジメチルテトラエトキシジシロキサン、シクロペンチルトリメトキシシラン、2-メチルシクロペンチルトリメトキシシラン、2,3-ジメチルシクロペンチルトリメトキシシラン、シクロペンチルトリエトキシシラン、ジシクロペンチルジメトキシシラン、ビス(2-メチルシクロペンチル)ジメトキシシラン、ビス(2,3-ジメチルシクロペンチル)ジメトキシシラン、ジシクロペンチルジエトキシシラン、トリシクロペンチルメトキシシラン、トリシクロペンチルエトキシシラン、ジシクロペンチルメチルメトキシシラン、ジシクロペンチルエチルメトキシシラン、ヘキセニルトリメトキシシラン、ジシクロペンチルメチルエトキシシラン、シクロペンチルジメチルメトキシシラン、シクロペンチルジエチルメトキシシラン、シクロペンチルジメチルエトキシシランなど。
これらのうち、エチルトリエトキシシラン、n-プロピルトリエトキシシラン、tert-ブチルトリエトキシシラン、ビニルトリエトキシシラン、フェニルトリエトキシシラン、ビニルトリブトキシシラン、ジフェニルジメトキシシラン、フェニルメチルジメトキシシラン、ビスp-トリルジメトキシシラン、p-トリルメチルジメトキシシラン、ジシクロヘキシルジメトキシシラン、シクロヘキシルメチルジメトキシシラン、2-ノルボルナントリエトキシシラン、2-ノルボルナンメチルジメトキシシラン、フェニルトリエトキシシラン、ジシクロペンチルジメトキシシラン、ヘキセニルトリメトキシシラン、シクロペンチルトリエトキシシラン、トリシクロペンチルメトキシシラン、シクロペンチルジメチルメトキシシランなどが好ましく用いられる。
さらに電子供与体(III)として、2,6-置換ピペリジン類、2,5-置換ピペリジン類、N,N,N',N'-テトラメチルメチレンジアミン、N,N,N',N'-テトラエチルメチレンジアミンなどの置換メチレンジアミン類、1,3-ジベンジルイミダゾリジン、1,3-ジベンジル-2-フェニルイミダゾリジンなどの置換イミダゾリジン類などの含窒素電子供与体、トリエチルホスファイト、トリn-プロピルホスファイト、トリイソプロピルホスファイト、トリn-ブチルホスファイト、トリイソブチルホスファイト、ジエチルn-ブチルホスファイト、ジエチルフェニルホスファイトなどの亜リン酸エステル類などリン含有電子供与体、2,6-置換テトラヒドロピラン類、2,5-置換テトラヒドロピラン類などの含酸素電子供与体を用いることもできる。これらの電子供与体(III)は、2種以上併用することもできる。
メタロセン触媒
次に、メタロセン触媒について説明する。
未変性ポリオレフィンの製造に用いられるメタロセン触媒に制限はないが、それ自体公知のメタロセン触媒が挙げられる。公知のメタロセン触媒としては、チタン、バナジウム、クロム、ジルコニウム、ハフニウムなどの遷移金属の化合物が挙げられ、使用条件下で液状のものでも固体状のものでも使用することができる。また、これらは単一化合物である必要はなく、他の化合物に担持されていてもよいし、他の化合物との均質混合物であってもよく、さらに他の化合物との錯化合物や複化合物であってもよい。
それ自体公知のメタロセン触媒の中でも、C2対称またはC1対称を有するキラルな構造のメタロセン化合物を使用することが好ましい。
C2対称を有するキラルな構造のメタロセン化合物としては、rac-エチレン-ビス(インデニル)ジルコニウムジクロリド、rac-エチレン-ビス(テトラヒドロインデニル)ジルコニウムジクロリド、rac-ジメチルシリル-ビス(2,3,5-トリメチルシクロペンタジエニル)ジルコニウムジクロリド、rac-ジメチルシリル-ビス[1-(4-フェニルインデニル)]ジルコニウムジクロリド、rac-ジメチルシリル-ビス[1-(2-メチル-4-フェニルインデニル)]ジルコニウムジクロリド、rac-ジメチルシリル-ビス{1-[2-メチル-4-(1-ナフチル)インデニル]}ジルコニウムジクロリド、rac-ジメチルシリル-ビス{1-[2-メチル-4-(2-ナフチル)インデニル]}ジルコニウムジクロリド、rac-ジメチルシリル-ビス{1-[2-メチル-4-(1-アントリル)インデニル]}ジルコニウムジクロリド、rac-ジメチルシリル-ビス{1-[2-メチル-4-(9-アントリル)インデニル]}ジルコニウムジクロリド、rac-ジメチルシリル-ビス{1-[2-メチル-4-(9-フェナントリル)インデニル]}ジルコニウムジクロリド、rac-ジメチルシリル-ビス{1-[2-メチル-4-(o-クロロフェニル)インデニル]}ジルコニウムジクロリド、rac-ジメチルシリル-ビス{1-[2-メチル-4-(ペンタフルオロフェニル)インデニル]}ジルコニウムジクロリド、rac-ジメチルシリル-ビス[1-(2-エチル-4-フェニルインデニル)]ジルコニウムジクロリド、rac-ジメチルシリル-ビス{1-[2-エチル-4-(1-ナフチル)インデニル]}ジルコニウムジクロリド、rac-ジメチルシリル-ビス{1-[2-エチル-4-(9-フェナントリル)インデニル]}ジルコニウムジクロリド、rac-ジメチルシリル-ビス[1-(2-n-プロピル-4-フェニルインデニル)]ジルコニウムジクロリド、rac-ジメチルシリル-ビス{1-[2-n-プロピル-4-(1-ナフチル)インデニル]}ジルコニウムジクロリド、rac-ジメチルシリル-ビス{1-[2-n-プロピル-4-(9-フェナントリル)インデニル]}ジルコニウムジクロリドなどが挙げられる。これらの化合物の中で、rac-ジメチルシリル-ビス{1-[2-エチル-4-(1-ナフチル)インデニル]}ジルコニウムジクロリド、rac-ジメチルシリル-ビス{1-[2-エチル-4-(9-フェナントリル)インデニル]}ジルコニウムジクロリド、rac-ジメチルシリル-ビス{1-[2-n-プロピル-4-(1-ナフチル)インデニル]}ジルコニウムジクロリド、rac-ジメチルシリル-ビス{1-[2-n-プロピル-4-(9-フェナントリル)インデニル]}ジルコニウムジクロリドなどの嵩高い置換基を有するメタロセン化合物を用いることがより好ましい。
C1対称を有するキラルな構造のメタロセン化合物としては、エチレン[2-メチル-4-(9-フェナントリル)-1-インデニル](9-フルオレニル)ジルコニウムジクロリド、エチレン[2-メチル-4-(9-フェナントリル)-1-インデニル](2,7-ジメチル-9-フルオレニル)ジルコニウムジクロリド、ジメチルシリル(9-フルオレニル)(3-t-ブチルシクロペンタジエニル)ジルコニウムジクロリド、ジフェニルシリル(9-フルオレニル)(3-t-ブチルシクロペンタジエニル)ジルコニウムジクロリドなどが挙げられる。
上記のメタロセン化合物は単独で用いても2種類以上を組み合わせて用いてもよく、前述の固体状チタン触媒成分(I)と組み合わせて用いてもよい。
上記のメタロセン化合物は、前述の有機金属触媒成分(II)と組み合わせて使用する。
以下にメタロセン触媒の一例について説明する。
メタロセン触媒は、例えば、
(a)シクロペンタジエニル骨格を有する配位子を含む周期表第4族の遷移金属化合物(以下「メタロセン化合物(a)」と記載することがある。)と、
(b)有機アルミニウムオキシ化合物と、
必要に応じて。
(c)粒子状担体と
から形成される。
((a)メタロセン化合物)
メタロセン化合物(a)は、下記式(1)で表される。
MLx …(1)
式中、Mは周期表第4族の遷移金属原子であり、具体的にはジルコニウム、チタンまたはハフニウムである。
Lは遷移金属原子に配位する配位子であり、少なくとも1個のLはシクロペンタジエニル骨格を有する配位子を含む配位子であり、シクロペンタジエニル骨格を有する配位子を含む配位子以外のLは、炭素原子数1〜12の炭化水素基、アルコキシ基、アリーロキシ基、トリアルキルシリル基、SO3R基(ただし、Rはハロゲンなどの置換基を有していてもよい炭素原子数1〜8の炭化水素基である。)、ハロゲン原子または水素原子であり、xは遷移金属原子の原子価を満たす数である。
シクロペンタジエニル骨格を有する配位子を含む配位子としては、例えば、
シクロペンタジエニル基、メチルシクロペンタジエニル基、ジメチルシクロペンタジエニル基、トリメチルシクロペンタジエニル基、テトラメチルシクロペンタジエニル基、ペンタメチルシクロペンタジエニル基、エチルシクロペンタジエニル基、メチルエチルシクロペンタジエニル基、プロピルシクロペンタジエニル基、メチルプロピルシクロペンタジエニル基、ブチルシクロペンタジエニル基、メチルブチルシクロペンタジエニル基、ヘキシルシクロペンタジエニル基などのアルキル置換シクロペンタジエニル基またはインデニル基、4,5,6,7-テトラヒドロインデニル基、フルオレニル基などが例示できる。これらの基は、ハロゲン原子、トリアルキルシリル基などで置換されていてもよい。
上記一般式(1)で表される化合物がシクロペンタジエニル骨格を有する基を2個以上含む場合には、そのうち2個のシクロペンタジエニル骨格を有する基同士は、エチレン、プロピレンなどのアルキレン基、イソプロピリデン、ジフェニルメチレンなどの置換アルキレン基、シリレン基またはジメチルシリレン基、ジフェニルシリレン基、メチルフェニルシリレン基などの置換シリレン基などを介して結合していてもよい。
シクロペンタジエニル骨格を有する配位子以外の配位子Lとしては、具体的に下記のようなものが挙げられる。
炭素原子数1〜12の炭化水素基としては、アルキル基、シクロアルキル基、アリール基、アラルキル基などが挙げられ、より具体的には、
アルキル基としては、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基などが例示され、
シクロアルキル基としては、シクロペンチル基、シクロヘキシル基などが例示され、
アリール基としては、フェニル基、トリル基などが例示され、
アラルキル基としては、ベンジル基、ネオフィル基などが例示される。
またアルコキシ基としては、メトキシ基、エトキシ基、ブトキシ基などが例示され、
アリーロキシ基としては、フェノキシ基などが例示され、
ハロゲンとしては、フッ素、塩素、臭素、ヨウ素が例示される。
SO3Rで表される配位子としては、p-トルエンスルホナト基、メタンスルホナト基、トリフルオロメタンスルホナト基などが例示される。
このようなシクロペンタジエニル骨格を有する配位子を含むメタロセン化合物(a)は、例えば遷移金属原子の原子価が4である場合、より具体的には下記式(2)で示される。
1 a 2 b 3 c 4 d M …(2)
式中、Mは上記一般式(1)中のMと同じ遷移金属原子であり、R1はシクロペンタジエニル骨格を有する基(配位子)であり、R2、R3およびR4はシクロペンタジエニル骨格を有する基、アルキル基、シクロアルキル基、アリール基、アラルキル基、アルコキシ基、アリーロキシ基、トリアルキルシリル基、SO3R基、ハロゲン原子または水素原子であり、aは1以上の整数であり、a+b+c+d=4である。
上記式(2)において、R1、R2、R3およびR4のうち少なくとも2個例えばR1およびR2がシクロペンタジエニル骨格を有する基(配位子)であるメタロセン化合物が好ましく用いられる。
メタロセン化合物がシクロペンタジエニル骨格を有する基を2個以上有する場合は、これらのうち2個のシクロペンタジエニル骨格を有する基はエチレン、プロピレンなどのアルキレン基、イソプロピリデン、ジフェニルメチレンなどの置換アルキレン基、シリレン基またはジメチルシリレン、ジフェニルシリレン、メチルフェニルシリレン基などの置換シリレン基などを介して結合されていてもよい。
またR3およびR4はシクロペンタジエニル骨格を有する基、アルキル基、シクロアルキル基、アリール基、アラルキル基、アルコキシ基、アリーロキシ基、トリアルキルシリル基、SO3R、ハロゲン原子または水素原子である。
以下に、Mがジルコニウムであるメタロセン化合物について具体的な化合物を例示する。
ビス(インデニル)ジルコニウムジクロリド、ビス(インデニル)ジルコニウムジブロミド、ビス(インデニル)ジルコニウムビス(p-トルエンスルホナト)ビス(4,5,6,7-テトラヒドロインデニル)ジルコニウムジクロリド、ビス(フルオレニル)ジルコニウムジクロリド、エチレンビス(インデニル)ジルコニウムジクロリド、エチレンビス(インデニル)ジルコニウムジブロミド、エチレンビス(インデニル)ジメチルジルコニウム、エチレンビス(インデニル)ジフェニルジルコニウム、エチレンビス(インデニル)メチルジルコニウムモノクロリド、エチレンビス(インデニル)ジルコニウムビス(メタンスルホナト)、エチレンビス(インデニル)ジルコニウムビス(p-トルエンスルホナト)、エチレンビス(インデニル)ジルコニウムビス(トリフルオロメタンスルホナト)、エチレンビス(4,5,6,7-テトラヒドロインデニル)ジルコニウムジクロリド、イソプロピリデン(シクロペンタジエニル−フルオレニル)ジルコニウムジクロリド、イソプロピリデン(シクロペンタジエニル−メチルシクロペンタジエニル)ジルコニウムジクロリド、ジメチルシリレンビス(シクロペンタジエニル)ジルコニウムジクロリド、ジメチルシリレンビス(メチルシクロペンタジエニル)ジルコニウムジクロリド、ジメチルシリレンビス(ジメチルシクロペンタジエニル)ジルコニウムジクロリド、ジメチルシリレンビス(トリメチルシクロペンタジエニル)ジルコニウムジクロリド、ジメチルシリレンビス(インデニル)ジルコニウムジクロリド、ジメチルシリレンビス(インデニル)ジルコニウムビス(トリフルオロメタンスルホナト)、ジメチルシリレンビス(4,5,6,7-テトラヒドロインデニル)ジルコニウムジクロリド、ジメチルシリレン(シクロペンタジエニル−フルオレニル)ジルコニウムジクロリド、ジフェニルシリレンビス(インデニル)ジルコニウムジクロリド、メチルフェニルシリレンビス(インデニル)ジルコニウムジクロリド、ビス(シクロペンタジエニル)ジルコニウムジクロリド、ビス(シクロペンタジエニル)ジルコニウムジブロミド、ビス(シクロペンタジエニル)メチルジルコニウムモノクロリド、ビス(シクロペンタジエニル)エチルジルコニウムモノクロリド、ビス(シクロペンタジエニル)シクロヘキシルジルコニウムモノクロリド、ビス(シクロペンタジエニル)フェニルジルコニウムモノクロリド、ビス(シクロペンタジエニル)ベンジルジルコニウムモノクロリド、ビス(シクロペンタジエニル)ジルコニウムモノクロリドモノハイドライド、ビス(シクロペンタジエニル)メチルジルコニウムモノハイドライド、ビス(シクロペンタジエニル)ジメチルジルコニウム、ビス(シクロペンタジエニル)ジフェニルジルコニウム、ビス(シクロペンタジエニル)ジベンジルジルコニウム、ビス(シクロペンタジエニル)ジルコニウムメトキシクロリド、ビス(シクロペンタジエニル)ジルコニウムエトキシクロリド、ビス(シクロペンタジエニル)ジルコニウムビス(メタンスルホナト)、ビス(シクロペンタジエニル)ジルコニウムビス(p-トルエンスルホナト)、ビス(シクロペンタジエニル)ジルコニウムビス(トリフルオロメタンスルホナト)、ビス(メチルシクロペンタジエニル)ジルコニウムジクロリド、ビス(ジメチルシクロペンタジエニル)ジルコニウムジクロリド、ビス(ジメチルシクロペンタジエニル)ジルコニウムエトキシクロリド、ビス(ジメチルシクロペンタジエニル)ジルコニウムビス(トリフルオロメタンスルホナト)、ビス(エチルシクロペンタジエニル)ジルコニウムジクロリド、ビス(メチルエチルシクロペンタジエニル)ジルコニウムジクロリド、ビス(プロピルシクロペンタジエニル)ジルコニウムジクロリド、ビス(メチルプロピルシクロペンタジエニル)ジルコニウムジクロリド、ビス(ブチルシクロペンタジエニル)ジルコニウムジクロリド、ビス(メチルブチルシクロペンタジエニル)ジルコニウムジクロリド、ビス(メチルブチルシクロペンタジエニル)ジルコニウムビス(メタンスルホナト)、ビス(トリメチルシクロペンタジエニル)ジルコニウムジクロリド、ビス(テトラメチルシクロペンタジエニル)ジルコニウムジクロリド、ビス(ペンタメチルシクロペンタジエニル)ジルコニウムジクロリド、ビス(ヘキシルシクロペンタジエニル)ジルコニウムジクロリド、ビス(トリメチルシリルシクロペンタジエニル)ジルコニウムジクロリドなど。
なお上記例示において、シクロペンタジエニル環の二置換体は1,2-および1,3-置換体を含み、三置換体は1,2,3-および1,2,4-置換体を含む。またプロピル、ブチルなどのアルキル基は、n-、iso-、sec-、tert-などの異性体を含む。
メタロセン化合物(a)として、上記のようなジルコニウム化合物中のジルコニウムを、チタンまたはハフニウムに置き換えた化合物を用いることもできる。
これらの化合物は単独で用いてもよいし、2種以上を組み合わせて用いてもよい。また炭化水素あるいはハロゲン化炭化水素に希釈して用いてもよい。
メタロセン化合物(a)としては、中心の金属原子がジルコニウムであり、少なくとも2個のシクロペンタジエニル骨格を含む配位子を有するジルコノセン化合物が好ましく用いられる。
((b)有機アルミニウムオキシ化合物)
有機アルミニウムオキシ化合物(b)としては、具体的に、従来公知のアルミノキサンおよび特開平2−276807号公報に開示されているようなベンゼン不溶性アルミニウムオキシ化合物が挙げられる。
このような従来公知のアルミノキサンは、後述するような(b-2)有機アルミニウム化合物から例えば下記のような方法によって製造することができる。
(1)吸着水を含有する化合物あるいは結晶水を含有する塩類、例えば塩化マグネシウム水和物、硫酸銅水和物、硫酸アルミニウム水和物、硫酸ニッケル水和物、塩化第1セリウム水和物などを懸濁した炭化水素媒体に、トリアルキルアルミニウムなどの有機アルミニウム化合物を添加して反応させて炭化水素の溶液として回収する方法。
(2)ベンゼン、トルエン、エチルエーテル、テトラヒドロフランなどの媒体中で、トリアルキルアルミニウムなどの有機アルミニウム化合物に直接水(水、氷または水蒸気)を作用させて上記媒体の溶液として回収する方法。
(3)デカン、ベンゼン、トルエンなどの媒体中で、トリアルキルアルミニウムなどの有機アルミニウム化合物にジメチルスズオキシド、ジブチルスズオキシドなどの有機スズ酸化物を反応させる方法。
なお回収されたアルミノキサンの溶液から溶媒あるいは未反応有機アルミニウム化合物を蒸留して除去した後、溶媒に再溶解してもよい。
有機アルミニウムオキシ化合物(b)は、少量のアルミニウム以外の金属成分を含有していてもよい。
((c)粒子状担体)
必要に応じて用いられる粒子状担体(c)として具体的に、SiO2、Al23、B23、MgO、ZrO2、CaO、TiO2、ZnO、Zn2O、SnO2、BaO、ThOなどの無機担体;ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリ-1-ブテン、ポリ4-メチル-1-ペンテン、スチレン−ジビニルベンゼン共重合体などの樹脂(有機担体)を用いることができる。これらのうち、SiO2 が好ましい。これらは、2種以上組み合わせて用いることもできる。
(メタロセン触媒の調製)
メタロセン触媒がメタロセン化合物(a)と、有機アルミニウムオキシ化合物(b)と、粒子状担体(c)とからなる固体状メタロセン触媒である場合には、該固体状メタロセン触媒は、従来公知の方法により、上記のようなメタロセン化合物(a)および有機アルミニウムオキシ化合物(b)を、粒子状担体(c)に担持させて形成される。
また、固体状メタロセン触媒は、メタロセン化合物(a)および有機アルミニウムオキシ化合物(b)とともに、下記のような有機アルミニウム化合物(b-2)を粒子状担体(c)に担持させて形成してもよい。
固体状メタロセン触媒を調製するに際して、メタロセン化合物(a)(遷移金属原子換算)は、粒子状担体(c)1g当たり、通常0.001〜1.0ミリモル、好ましくは0.01〜0.5ミリモルの量で、有機アルミニウムオキシ化合物(b)は、通常0.1〜100ミリモル、好ましくは0.5〜20ミリモルの量で用いられる。
固体状メタロセン触媒は、粒径が通常1〜300μm、好ましくは10〜100μmである。
また固体状メタロセン触媒は、上記のような触媒成分とともに、必要に応じて電子供与体、反応助剤などのオレフィン重合に有用な他の成分を含んでいてもよい。
なお本発明で用いられる固体状メタロセン触媒は、上記のような固体状メタロセン触媒に、オレフィンが予備重合されていてもよい。
上記のようなメタロセン触媒を用いてオレフィンの重合を行うに際しては、このメタロセン触媒とともに、下記のような有機アルミニウム化合物(b-2)を用いることもできる。
((b-2)有機アルミニウム化合物)
有機アルミニウム化合物(b-2)として用いられ、また上記のような有機アルミニウムオキシ化合物(b)の溶液を製造する際にも用いられる有機アルミニウム化合物(b-2)としては、具体的には、
トリメチルアルミニウム、トリエチルアルミニウム、トリプロピルアルミニウム、トリイソプロピルアルミニウム、トリn-ブチルアルミニウム、トリイソブチルアルミニウム、トリ sec-ブチルアルミニウム、トリ tert-ブチルアルミニウム、トリペンチルアルミニウム、トリヘキシルアルミニウム、トリオクチルアルミニウム、トリデシルアルミニウム、トリシクロヘキシルアルミニウム、トリシクロオクチルアルミニウムなどのトリアルキルアルミニウム;
ジメチルアルミニウムクロリド、ジエチルアルミニウムクロリド、ジエチルアルミニウムブロミド、ジイソブチルアルミニウムクロリドなどのジアルキルアルミニウムハライド;
ジエチルアルミニウムハイドライド、ジイソブチルアルミニウムハイドライドなどのジアルキルアルミニウムハイドライド;
ジメチルアルミニウムメトキシド、ジエチルアルミニウムエトキシドなどのジアルキルアルミニウムアルコキシド;
ジエチルアルミニウムフェノキシドなどのジアルキルアルミニウムアリーロキシドなどが挙げられる。
これらのうち、トリアルキルアルミニウムが好ましく、トリエチルアルミニウム、トリイソブチルアルミニウムが特に好ましい。
また有機アルミニウム化合物として、下記一般式で表されるイソプレニルアルミニウムを用いることもできる。
(i-C49)x Aly(C510)z
(式中、x、y、zは正の数であり、z≧2xである。)
これらは、2種以上の組み合わせであってもよい。
なお有機アルミニウム化合物(b-2)は、少量のアルミニウム以外の金属成分を含有していてもよい。
有機アルミニウム化合物(b-2)は、メタロセン化合物(a)および有機アルミニウムオキシ化合物(b)とともに粒子状担体(c)に担持させる場合には、固体状メタロセン触媒(遷移金属原子換算)1モルに対して、通常1〜300モル、好ましくは2〜200モルの量で用いられる。
(未変性ポリオレフィンの製造)
本発明では、上記のような触媒の存在下に上記炭素原子数2〜20のオレフィンを重合または共重合させて、未変性のポリオレフィンを製造する。
炭素原子数2〜20のオレフィンとしては、エチレン、プロピレン、1-ブテン、3-メチル-1-ブテン、3-メチル-1-ペンテン、4-メチル-1-ペンテンなどが好ましく用いられる。これらのモノマーは、単独でも2種以上組み合わせて用いてもよく、ジエンなどのオレフィン以外の重合性モノマーと共重合させてもよい。
これらのモノマーを単独で用いる場合は、特にプロピレンが好ましい。またこれらのモノマーを2種以上組み合わせて用いる場合は、特に、エチレンとプロピレン、エチレンとブテン、エチレンとオクテン、エチレンとプロピレンとブテン、エチレンとプロピレンとジエンの組合せが好ましい。
オレフィン重合は、溶液重合、懸濁重合などの液相重合法あるいは気相重合法のいずれにおいても実施することができる。重合形態としては、懸濁重合の反応形態を採ることが好ましく、この時の反応溶媒としては、不活性炭化水素溶媒を用いることもできるし、反応温度において液状のオレフィンを用いることもできる。
この際用いられる不活性炭化水素媒体としては、具体的には、プロパン、ブタン、ペンタン、ヘキサン、ヘプタン、オクタン、デカン、ドデカン、灯油などの脂肪族炭化水素;シクロペンタン、シクロヘキサン、メチルシクロペンタンなどの脂環族炭化水素;ベンゼン、トルエン、キシレンなどの芳香族炭化水素;エチレンクロリド、クロルベンゼンなどのハロゲン化炭化水素、あるいはこれらの組み合わせが挙げられる。これらのうち、特に脂肪族炭化水素を用いることが好ましい。
触媒としてマグネシウム担持型チタン触媒系を用いて未変成ポリオレフィンを製造する場合には、固体状チタン触媒成分(I)またはその予備重合触媒は、重合容積1リットル当たりチタン原子に換算して、通常は約0.001〜100ミリモル、好ましくは約0.005〜20ミリモルの量で用いられる。有機金属化合物触媒成分(II)は、該触媒成分(II)中の金属原子が、重合系中の固体状チタン触媒成分(I)中のチタン原子1モルに対し、通常約1〜2000モル、好ましくは約2〜500モルとなるような量で用いられる。電子供与体(III)は、有機金属化合物触媒成分(II)の金属原子1モルに対し、通常0.001モル〜10モル、好ましくは0.01モル〜5モルの量で用いられる。
重合工程における、水素濃度は通常モノマー1モルに対して0〜0.25モル、好ましくは0〜0.20モル、より好ましくは0〜0.15の量である。
マグネシウム担持型チタン触媒系を用いた場合の重合温度は、通常約20〜300℃、好ましくは約50〜150℃の範囲であり、重合圧力は、0.01〜10MPa、好ましくは0.05〜5MPaの範囲である。
触媒としてメタロセン系触媒を用いて未変成ポリオレフィンを製造する場合には、重合系内のメタロセン化合物(a)の濃度は、重合容積1リットル当たり、通常0.00005〜0.1ミリモル、好ましくは0.0001〜0.05ミリモルの量で用いられる。有機アルミニウムオキシ化合物(b)は、メタロセン化合物(a)中の遷移金属原子(M)に対するアルミニウム原子(Al)のモル比(Al/M)で、5〜1000、好ましくは10〜400となるような量で用いられる。また有機アルミニウム化合物(b-2)が用いられる場合には、メタロセン化合物(a)中の遷移金属原子1モルに対して、通常約1〜300モル、好ましくは約2〜200モルとなるような量で用いられる。
メタロセン系触媒を用いた場合の重合温度は、−20〜150℃、好ましくは0〜120℃、さらに好ましくは0〜100℃の範囲であり、重合圧力は0を超えて8MPa、好ましくは0を超えて5MPaの範囲である。
オレフィン重合は、バッチ式、半連続式、連続式のいずれの方法においても行うことができる。さらに重合を、反応条件を変えて2段以上に分けて行うこともできる。オレフィン重合では、オレフィンの単独重合体を製造してもよく、また2種以上のオレフィンからランダム共重合体を製造してもよい。
ここで製造する未変成ポリオレフィンとしては、オレフィン連鎖(A)とオレフィン連鎖(B)とが同一の組成を有する分岐型ポリオレフィンを製造する場合は、ポリプロピレンであることが好ましく、該ポリプロピレンは、密度が0.880〜0.960g/cm3、特に0.890〜0.950g/cm3の範囲にあることが好ましく、MFRが0.05〜1,000g/10分、特に0.1〜500g/10分の範囲にあることが好ましい。なおポリプロピレンが共重合体である場合には、共重合成分は、通常10モル%以下、特に5モル%以下の量であることが好ましい。
またここで製造する未変成ポリオレフィンとしては、オレフィン連鎖(A)とオレフィン連鎖(B)とが異なる組成を有する分岐型ポリオレフィンを製造する場合は、エチレンと炭素原子数3〜20のオレフィンとの共重合体であることも好ましく、この場合、該共重合体は密度が0.850〜0.900g/cm3、好ましくは0.858〜0.898g/cm3、より好ましくは0.855〜0.895g/cm3の範囲にあり、MFRが0.1〜50g/10分、好ましくは0.2〜40g/10分、より好ましくは0.3〜30g/10分の範囲にあり、X線による結晶化度が30%未満、好ましくは28%未満、より好ましくは25%未満である。
未変性ポリオレフィンの変性
官能基含有ポリオレフィンは、上記のような未変性ポリオレフィンの一部または全部を、不飽和カルボン酸またはその誘導体から選ばれるグラフトモノマーでグラフト変性することにより得られる。
この際用いられる不飽和カルボン酸またはその誘導体として具体的には、アクリル酸、マレイン酸、フマル酸、テトラヒドロフタル酸、イタコン酸、シトラコン酸、クロトン酸、イソクロトン酸、ナジック酸TM(エンドシス-ビシクロ[2,2,1]ヘプト-5-エン-2,3-ジカルボン酸)などの不飽和カルボン酸、またはこれらの誘導体、例えば酸ハライド、アミド、イミド、無水物、エステルなどが用いられ、具体的には、塩化マレニル、マレイミド、無水マレイン酸、無水シトラコン酸、マレイン酸モノメチル、マレイン酸ジメチル、グリシジルマレエートなどが用いられる。これらの中では、不飽和ジカルボン酸またはその酸無水物が好適であり、特にマレイン酸、ナジック酸TM、ハイミック酸またはこれらの酸無水物が好ましく用いられる。このような不飽和カルボン酸またはその誘導体から選ばれるグラフトモノマーを、未変性ポリオレフィンにグラフト共重合して官能基含有ポリオレフィンを製造するには、従来公知の種々の方法を採用することができる。
例えば未変性ポリオレフィンを溶融させグラフトモノマーを添加してグラフト共重合させる方法、未変性ポリオレフィンを溶媒に溶解させグラフトモノマーを添加してグラフト共重合させる方法などがある。いずれの場合にも、上記グラフトモノマーを効率よくグラフト共重合させるためには、ラジカル開始剤の存在下に反応を実施することが好ましい。
グラフト共重合は通常60〜350℃の温度で行われる。ラジカル開始剤の使用割合は、未変性ポリオレフィン100重量部に対して、通常0.001〜1重量部の範囲である。
ラジカル開始剤としては有機ペルオキシド、有機ペルエステル、例えばベンゾイルペルオキシド、ジクロルベンゾイルペルオキシド、ジクミルペルオキシド、ジ-tert-ブチルペルオキシド、2,5-ジメチル-2,5-ジ(ペルオキシドベンゾエート)ヘキシン-3、1,4-ビス(tert-ブチルペルオキシイソプロピル)ベンゼン、ラウロイルペルオキシド、tert-ブチルペルアセテート、2,5-ジメチル-2,5-ジ(tert-ブチルペルオキシ)ヘキシン-3、2,5-ジメチル-2,5-ジ(tert-ブチルペルオキシ)ヘキサン、tert-ブチルペルベンゾエート、tert-ブチルペルフェニルアセテート、tert-ブチルペルイソプチレート、tert-ブチルペル-sec-オクトエート、tert-ブチルペルピバレート、クミルペルピバレートおよびtert-ブチルペルジエチルアセテート、その他アゾ化合物、例えばアゾビスイソブチロニトリル、ジメチルアゾイソブチレートなどが用いられる。これらのうちではジクミルペルオキシド、ジ-tert-ブチルペルオキシド、2,5-ジメチル-2,5-ジ(tert-ブチルペルオキシ)ヘキシン-3、2,5-ジメチル-2,5-ジ(tert-ブチルペルオキシ)ヘキサン、1,4-ビス(tert-ブチルペルオキシイソプロピル)ベンゼンなどのジアルキルペルオキシドが好ましい。
このようにして得られた官能基含有ポリオレフィン(C)は、不飽和カルボン酸またはその誘導体のグラフト量(グラフト量は未変性ポリオレフィンに対するグラフト量である)が0.05〜15重量%、好ましくは0.08〜13重量%、さらに好ましくは0.1〜10重量%の範囲にある。
官能基含有ポリオレフィン(C)がエチレン(共)重合体を変性したものである場合は、MFRが、通常0.001〜1,000g/10分、好ましくは0.05〜500g/10分、さらに好ましくは0.01〜100g/10分の範囲にあり、密度が、通常0.70〜1.0g/cm3、好ましくは0.75〜0.98g/cm3、より好ましくは0.80〜0.96g/cm3の範囲にあることが望ましい。このような官能基含有ポリオレフィン(C)は、オレフィン連鎖(A)とオレフィン連鎖(B)とが異なる組成を有する分岐型ポリオレフィンを製造する場合に好適に用いられる。
また官能基含有ポリオレフィン(C)がプロピレン(共)重合体を変性したものである場合は、MFRが、通常0.05〜1,000g/10分、好ましくは0.1〜500g/10分、さらに好ましくは0.2〜300g/10分の範囲にあり、密度が、通常0.880〜0.960g/cm3、好ましくは0.890〜0.950g/cm3、より好ましくは0.900〜0.940g/cm3の範囲にあることが望ましい。このような官能基含有ポリオレフィン(C)は、オレフィン連鎖(A)とオレフィン連鎖(B)とが同一の組成を有する分岐型ポリオレフィンを製造する場合に好適に用いられる。
(D)末端修飾ポリオレフィン
末端修飾ポリオレフィン(D)は官能基含有オレフィン重合体(C)と同一または異なるオレフィン組成を有し、末端のみにカルボキシル基または酸無水基と反応しうる基を含有するポリオレフィンである。末端修飾ポリオレフィンは片末端のみにカルボキシル基または酸無水基と反応しうる基を含有するポリオレフィンであることが好ましい。末端修飾ポリオレフィン(D)は、上記オレフィン連鎖(B)となり、カルボキシル基または酸無水基と反応しうる基はオレフィン連鎖(A)およびオレフィン連鎖(B)を結合するカルボニル基を有する結合となる。
カルボキシル基または酸無水基と反応しうる基としては、水酸基、アルコキシ基、アミノ基、イミノ基、ハロゲンなどが挙げられる。これらのうち、水酸基およびアミノ基が好ましい。
末端修飾ポリオレフィン(D)は、例えば−AlR12で示されるような13族元素含有基を末端に有するポリオレフィン(以下「13族元素含有基含有ポリオレフィン」ということがある。)を製造し、次いで13族元素含有基含有ポリオレフィンの13族元素含有基と、官能基構造を有する化合物との置換反応を行うか、または、13族元素含有基含有ポリオレフィンの13族元素含有基を加溶媒分解により官能基を形成する構造を有する化合物との反応を行った後、加溶媒分解することにより製造することができる。なお、得られた末端官能基を後述するような反応によって、他の官能基に変換してもよい。
末端修飾ポリオレフィン(D)は、例えば上述したようなマグネシウム担持型チタン触媒系またはメタロセン触媒を用いて、上記炭素原子数2〜20のオレフィンを重合または共重合することにより製造することができる。
炭素原子数2〜20のオレフィンとしては、エチレン、プロピレン、1-ブテン、3-メチル-1-ブテン、3-メチル-1-ペンテン、4-メチル-1-ペンテンなどが好ましく用いられる。これらのなかでもエチレンおよび/またはプロピレンがより好ましく、特にプロピレンが最も好ましく用いられる。
マグネシウム担持型チタン触媒系を用いる場合、重合系内においては、固体状チタン触媒成分(I)またはその予備重合触媒は、重合容積1リットル当たりチタン原子に換算して、通常は約0.0001〜50ミリモル、好ましくは約0.001〜10ミリモルの量で用いられる。有機金属化合物触媒成分(II)は、該触媒成分(II)中の金属原子が、重合系中の固体状チタン触媒成分(I)中のチタン原子1モルに対し、通常1〜2000モル、好ましくは2〜1000モルの量で用いられる。電子供与体(III)を用いる場合は、有機金属化合物触媒成分(II)の金属原子1モルに対し、通常0.001モル〜10モル、好ましくは0.01モル〜5モルの量で用いられる。
触媒としてメタロセン触媒を用いる場合には、重合系内のメタロセン化合物(a)の濃度は、重合容積1リットル当たり、通常0.00005〜0.1ミリモル、好ましくは0.0001〜0.05ミリモルの量で用いられる。有機アルミニウムオキシ化合物(b)を用いる場合は、メタロセン化合物(a)中の遷移金属原子(M)に対するアルミニウム原子(Al)のモル比(Al/M)で、5〜1000、好ましくは10〜400となるような量で用いられる。また有機アルミニウム化合物(b-2)を用いる場合には、メタロセン化合物(a)中の遷移金属原子1モルに対して、通常約1〜300モル、好ましくは約2〜200モルとなるような量で用いられる。
オレフィン重合は、溶液重合、懸濁重合などの液相重合法あるいは気相重合法のいずれにおいても実施することができる。懸濁重合の反応溶媒としては、前述の不活性炭化水素溶媒を用いることもできるし、反応温度において液状のオレフィンを用いることもできる。反応温度は、通常−50℃〜200℃、好ましくは0℃〜150℃の範囲である。重合圧力は、通常0.01〜10MPa、好ましくは0.1〜5MPaである。オレフィン重合はバッチ式、半連続式、連続式のいずれにおいても行うことができ、2段以上に分けて行う場合は、反応条件は同じであっても異なっていてもよい。
この際、一般的な分子量調節剤である分子状水素を重合系に存在させないことが好ましく、分子量の調節は、上記有機金属触媒成分(II)の濃度、重合温度、オレフィンの濃度(重合圧力)のいずれか1種以上を制御することによって行うことが好ましい。分子量を調製する方法として具体的には、例えば分子状水素が実質的に存在しない懸濁重合において、上記有機金属触媒成分(II)の濃度を増大させると、得られるポリオレフィンの分子量を低下させることができ、また分子状水素が実質的に存在しない懸濁重合において、重合温度を高めると、得られるポリオレフィンの分子量を低下させることができる。
上記のようにして得られたポリオレフィンは、末端、好ましくは片末端が、13族元素含有基および/または不飽和結合である。ポリオレフィンの末端が、13族元素含有基であるか不飽和結合であるかは、用いられる触媒、有機金属触媒成分の種類および/または量、重合温度などの重合条件による。
ポリオレフィンの末端が不飽和結合である場合には、13族元素を含む化合物を反応させて、不飽和結合を13族元素含有基に変換することができる。末端に不飽和結合を有するポリオレフィンの製造には、メタロセン触媒を用いた前述の製造方法が好ましい。また、公知の製造方法で製造された末端に13族元素含有基も不飽和結合含有基も有さないポリオレフィンを熱分解することによって、末端に不飽和結合を有するポリオレフィンを製造し、好ましく使用することもできる。なお、得られたポリオレフィンが、末端に13族元素が結合したものと、末端が不飽和結合末端であるものとの混合物である場合にも、必要に応じて、末端が不飽和結合であるポリオレフィンの末端を13族元素が結合した末端に変換してもよい。
反応に用いられる13族元素を含む化合物は、前述の有機化合物触媒成分(II)として例示した化合物の中から選ばれ、有機アルミニウム化合物または有機ホウ素化合物として例示した化合物が好ましく用いられる。中でも、トリアルキルアルミニウム、ジアルキルアルミニウムハイドライドまたは1つ以上の水素−ホウ素結合を有するホウ素化合物であることがより好ましい。
末端が不飽和結合であるポリオレフィンと、13族元素を含む化合物との反応は、例えば以下のようにして行われる。
(1)末端がビニリデン基であるポリプロピレン0.1〜50gと、ジイソブチルアルミニウムハイドライドの0.01〜5モル/リットル−オクタン溶液を5〜1000ミリリットルとを混合し、0.5〜6時間還流させる。
(2)末端がビニリデン基であるポリプロピレン0.1〜50gと、5〜1000ミリリットルの無水テトラヒドロフランと、0.1〜50ミリリットルの9-ボラビシクロ[3.3.1]ノナンの0.05〜10モル/リットル−テトラヒドロフラン溶液とを混合し、20〜65℃で0.5〜24時間攪拌する。
以上のようにして、末端修飾ポリオレフィンが製造される。得られたポリオレフィンの末端、好ましくは片末端には13族元素が結合しており、該13族元素はアルミニウムであることが好ましい。
このようにして製造された13族元素含有基含有ポリオレフィンは通常スラリーとして得られる。
次に、(1)13族元素含有基含有ポリオレフィンの13族元素含有基と官能基構造を有する化合物との置換反応を行うか、または、(2)13族元素含有基含有ポリオレフィンの13族元素含有基を、加溶媒分解により官能基を形成する構造を有する化合物との反応を行った後加溶媒分解することにより末端修飾ポリオレフィンを製造する。なお、得られた末端官能基を後述するような反応によって、他の官能基に変換してもよい。
官能基構造を有する化合物としては、ハロゲン、メチルクロロホルミエート、フタル酸クロライドなどが挙げられる。
また、加溶媒分解により官能基を形成する構造を有する化合物としては、酸素、一酸化炭素、二酸化炭素などが挙げられる。
13族元素含有基含有ポリオレフィンの13族元素含有基と、官能基構造を有する化合物または加溶媒分解により官能基を形成する構造を有する化合物との置換反応は、通常0〜300℃、好ましくは10〜200℃の温度で、0〜100時間、好ましくは0.5〜50時間行われる。
加溶媒分解する際の温度は、通常0〜100℃、好ましくは10〜80℃の温度であり、加溶媒分解時間は、0〜100時間、好ましくは0.5〜50時間である。
加溶媒分解に用いられる溶媒としては、メタノール、エタノール、プロパノール、ブタノール、水などが挙げられる。
末端に修飾されるべき基は、カルボキシル基または酸無水基と反応し得る基である。このような基としては、水酸基、アルコキシ基、アミノ基、イミノ基、ハロゲンなどが挙げられ、中でも水酸基、アミノ基、ハロゲンが特に好ましい。
以下に末端が−AlR12基である13族元素含有基含有ポリオレフィンの末端を水酸基、ハロゲン、アミノ基に変換する例を挙げる。
(1)水酸基への変換
−AlR12基含有ポリオレフィンに、少量の塩酸を含むメタノールを大過剰に加えて、5分間〜12時間室温で攪拌する。
(2)ハロゲンへの変換
上記(1)で得られたポリマーに、水酸基の1〜10倍モルのチオニルクロライドを加えて、0〜100℃で5分間〜24時間反応させる。なおチオニルクロライドの代わりにチオニルブロマイドを用いることもできる。
(3)アミノ基への変換
上記(2)で得られたポリマーに、ハロゲンの1〜10倍モルのソディウムアジドを加え、50〜150℃で0.5〜24時間反応させる。得られた反応物に上記ソディウムアジドの0.1〜10倍モルのトリフェニルフォスフィンを加え、0〜100℃で0.5〜24時間反応させる。
13族元素以外の元素を含有する基を末端に有するポリオレフィンも13族元素含有基を末端に有するポリオレフィンと同様に使用することができる。これらの13族以外の元素含有基を末端に有するポリオレフィンは、従来公知のリビング重合または連鎖移動反応によって製造される。これらのなかではリビング重合によって製造された3、4、5、10族の元素を含有する基または連鎖移動反応によって製造された12族元素またはケイ素(Si)を有する基を末端に有するポリオレフィンが好ましい。
このようにして得られた末端修飾ポリオレフィン(D)は、MFRが、通常0.01〜5,000g/10分、好ましくは0.05〜3,000g/10分、さらに好ましくは0.1〜1,500g/10分の範囲にあり、密度が、通常0.7〜1.0g/cm3、好ましくは0.75〜0.98g/cm3、より好ましくは0.80〜0.96g/cm3の範囲にある。重量平均分子量(Mw)は、通常5,000以上、好ましくは5,000〜1,000,000、より好ましくは10,000〜500,000の範囲にあることが望ましい。
オレフィン連鎖(A)およびオレフィン連鎖(B)の組成が同一である分岐型ポリオレフィンを製造する場合は、末端修飾ポリオレフィン(D)は、MFRが、通常0.01〜3,000g/10分、好ましくは0.05〜1,000g/10分、さらに好ましくは0.1〜500g/10分の範囲にあり、密度が、通常0.880〜0.960g/cm3、好ましくは0.890〜0.950g/cm3、より好ましくは0.900〜0.940g/cm3の範囲にあることが望ましい。
オレフィン連鎖(A)およびオレフィン連鎖(B)の組成が異なる分岐型ポリオレフィンを製造する場合は、末端修飾ポリオレフィン(D)は、ポリプロピレンであることが好ましく、この場合、該ポリプロピレンは、密度が0.890〜0.920g/cm3、特に0.900〜0.915g/cm3の範囲にあることが好ましく、MFRが0.05〜1,000g/10分、特に0.1〜500g/10分の範囲にあることが好ましい。またポリプロピレンが共重合体である場合には、共重合成分は、通常10モル%以下、特に5モル%以下の量であることが好ましい。
分岐型ポリオレフィンの製造
官能基含有ポリオレフィン(C)と末端修飾ポリオレフィン(D)との反応は、例えば官能基含有ポリオレフィン(C)と末端修飾ポリオレフィン(D)とを攪拌下に接触させることによって行われる。この際、官能基含有ポリオレフィン(C)および末端修飾ポリオレフィン(D)が溶融した状態、または少なくとも一部の官能基含有ポリオレフィン(C)および少なくとも一部の末端修飾ポリオレフィン(D)が有機溶媒に溶解した状態で接触させることが好ましく、官能基含有ポリオレフィン(C)および末端修飾ポリオレフィン(D)が完全に有機溶媒に溶解した状態で行うことがより好ましい。
有機溶媒としては、ヘキサン、ヘプタン、デカンなどの脂肪族炭化水素、ベンゼン、トルエン、キシレンなどの芳香族炭化水素、塩化メチレン、ジクロロベンゼンなどのハロゲン含有炭化水素、ジメチルスルホキシド、ジメチルホルムアミドなどのヘテロ原子含有炭化水素が使用される。
この反応は、通常20〜250℃、好ましくは40〜200℃の温度で、1分間〜24時間、好ましくは5分間〜12時間行われる。
熱可塑性樹脂組成物
本発明に係る熱可塑性樹脂組成物は、上記分岐型ポリオレフィンと、該分岐型ポリオレフィン以外の熱可塑性樹脂とから形成され、分岐型ポリオレフィンを0.01〜50重量%、好ましくは0.1〜30重量%、より好ましくは1〜25重量%含有している。
(熱可塑性樹脂)
本発明では熱可塑性樹脂としてポリオレフィン、ポリアミド、ポリエステル、ポリアセタール、ポリスチレン、アクリロニトリル-ブタジエン-スチレン共重合体(ABS)、ポリメタクリレート、ポリカーボネート、ポリフェニレンオキサイド、ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン、ポリ酢酸ビニルおよびエチレン-(メタ)アクリル酸エステル共重合体、ジエン系ゴムから選ばれる1種以上の熱可塑性樹脂が好適に用いられる。
ポリオレフィンとしては、上記分岐型ポリオレフィン以外のポリエチレン、ポリプロピレン、ポリ-1-ブテン、ポリメチルペンテン、ポリメチルブテンなどのオレフィン単独重合体、エチレン-α-オレフィンランダム共重合体、エチレン-プロピレン-ジエン三元共重合体、プロピレン−エチレンランダム共重合体、プロピレン-α-オレフィンランダム共重合体、プロピレン-エチレン-α-オレフィン三元共重合体などのオレフィン共重合体などが挙げられ、この中でもポリエチレン、ポリプロピレン、エチレン-α-オレフィンランダム共重合体、エチレン-プロピレン-ジエン三元共重合体、プロピレン-エチレンランダム共重合体、プロピレン-α-オレフィンランダム共重合体が好ましい。なお、ポリオレフィンが炭素原子数3以上のオレフィンから得られるポリオレフィンである場合には、アイソタクティック重合体であってもよく、シンジオタクティック重合体であってもよい。
また、ポリオレフィンの製造に用いられる触媒としては、チーグラー・ナッタ型触媒またはメタロセン触媒など公知のいずれの触媒を用いてもよい。
ポリアミドとしては、ナイロン−6、ナイロン−66、ナイロン−10、ナイロン−12、ナイロン−46などの脂肪族ポリアミド、芳香族ジカルボン酸と脂肪族ジアミンより製造される芳香族ポリアミドなどが挙げられ、ナイロン−6が好ましい。
ポリエステルとしては、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート、ポリブチレンテレフタレートなどの芳香族系ポリエステル、ポリカプロラクトン、ポリヒドロキシブチレートなどが挙げられ、ポリエチレンテレフタレートが好ましい。
ポリアセタールとしては、ポリホルムアルデヒド(ポリオキシメチレン)、ポリアセトアルデヒド、ポリプロピオンアルデヒド、ポリブチルアルデヒドなどを挙げることができ、ポリホルムアルデヒドが特に好ましい。
ポリスチレンは、スチレンの単独重合体であってもよく、スチレンとアクリロニトリル、メタクリル酸メチル、α-メチルスチレンなどとの二元共重合体、例えばアクリロニトリル-スチレン共重合体であってもよい。
ABSとしては、アクリロニトリルから誘導される構成単位を20〜35モル%の量で含有し、ブタジエンから誘導される構成単位を20〜30モル%の量で含有し、スチレンから誘導される構成単位を40〜60モル%の量で含有するものが好ましく用いられる。
ポリメタクリレートとしては、ポリメチルメタクリレート(PMMA)が好ましい。
ポリカーボネートとしては、ビス(4-ヒドロキシフェニル)メタン、1,1-ビス(4-ヒドロキシフェニル)エタン、2,2-ビス(4-ヒドロキシフェニル)プロパン、2,2-ビス(4-ヒドロキシフェニル)ブタンなどから得られるものが挙げられ、2,2-ビス(4-ヒドロキシフェニル)プロパンから得られるポリカーボネートが好ましい。
ポリフェニレンオキシドとしては、ポリ(2,6-ジメチル-1,4-フェニレンオキシド)が好ましい。
ポリ塩化ビニルは、塩化ビニルの単独重合体であってもよく、塩化ビニリデン、アクリル酸エステル、アクリロニトリル、プロピレンなどとの共重合体であってもよい。
ポリ塩化ビニリデンは、通常塩化ビニリデン単位を85%以上含む、塩化ビニル、アクリロニトリル、(メタ)アクリル酸エステル、アリルエステル、不飽和エーテル、スチレンなどとの共重合体が用いられる。
ポリ酢酸ビニルは、酢酸ビニルの単独重合体であってもよく、エチレン、塩化ビニルとの共重合体であってもよい。これらのうち、エチレン-酢酸ビニル共重合体が好ましい。
エチレン-(メタ)アクリル酸エステル共重合体としては、エチレン-メチルアクリレート共重合体、エチレン-エチルアクリレート共重合体、エチレン-メチルメタクリレート共重合体、エチレン-エチルメタクリレート共重合体が好ましい。
ジエン系ゴムとしては、ポリブタジエン、ポリイソプレンまたはSBR(スチレン−ブタジエンゴム)としても知られるエラストマー型のスチレン-ブタジエンコポリマーなどの共役ポリジエンが挙げられる。これらは、分子中の二重結合の少なくとも一部が水素化されていてもよい。
上記のような熱可塑性樹脂は、1種単独でまたは2種以上組み合わせて用いることができる。
これらの熱可塑性樹脂の中では、ポリオレフィン、ポリエステル、ポリアミド、ポリスチレンを用いることが好ましく、ポリオレフィンを用いることがより好ましい。特に組成が異なる共重合体であるポリオレフィンまたは2種以上のポリオレフィンを組み合わせて用いる際に、上記分岐型ポリオレフィンを相溶化剤として利用することが最も好ましい。
本発明に係る熱可塑性樹脂組成物は、上記分岐型ポリオレフィンの溶融物性向上剤および/または組成が異なる共重合体もしくは2種以上のポリオレフィンの相溶化剤として機能させることを主たる目的として製造される。
具体的には、溶融張力やスウェル比の増大などの溶融物性向上および/または相構造においてドメインの大きさが小さくなるなどの相溶化の効果が期待できる。
(配合剤)
本発明に係る熱可塑性樹脂組成物は、無機フィラー、有機フィラー、結晶核剤、耐熱安定剤、耐候安定剤、帯電防止剤、着色剤、滑剤、難燃剤、ブルーミング防止剤などを本発明の目的を損なわない範囲で含んでいてもよい。
(製造方法)
本発明に係る熱可塑性樹脂組成物は、分岐型ポリオレフィンと熱可塑性樹脂とを、例えばリボンブレンダー、タンブラーブレンダー、ヘンシェルブレンダーなどで混合することにより製造することができる。
また本発明に係る熱可塑性樹脂組成物は、分岐型ポリオレフィンと熱可塑性樹脂とを、例えばコニーダー、バンバリーミキサー、ブラベンダー、単軸押出機、2軸押出機などの混練機、2軸表面更新機、2軸多円板装置などの横型攪拌機またはダブルヘリカルリボン攪拌機などの縦型攪拌機などの溶融混練装置を用いて溶融混練することによっても製造することができる。
以下、実施例に基づいて本発明をさらに具体的に説明するが、本発明はこれら実施例に限定されるものではない。
実施例1
[固体状チタン触媒成分の調製]
無水塩化マグネシウム 7.14g(75mmol)、デカン37.5mlおよび2-エチルヘキシルアルコール 35.1ml(225mmol)を130℃で2時間加熱反応を行い均一溶液とした後、この溶液に無水フタル酸1.67g(11.3mmol)を添加し、130℃にてさらに1時間攪拌混合を行い、無水フタル酸を該均一溶液に溶解させた。このようにして得られた均一溶液を室温に冷却した後、−20℃に保持された四塩化チタン 200ml(1.8mol)中に1時間にわたって全量滴下装入した。装入終了後、この混合液の温度を4時間かけて110℃に昇温し、110℃に達したところでジイソブチルフタレート(DIBP)5.03ml(18.8mmol)を添加し、これより2時間同温度にて攪拌保持した。次いで熱濾過にて固体部を採取し、この固体部を275mlの四塩化チタンにて再懸濁させた後、110℃で2時間、加熱反応を行った。反応終了後、再び熱濾過にて固体部を採取し、110℃デカンおよび室温ヘキサンにて、洗液中に遊離のチタン化合物が検出されなくなるまで充分洗浄した。
以上の方法にて合成された固体状チタン触媒成分はヘキサンスラリーとして保存したが、このうち一部を触媒組成を調べる目的で乾燥した。このようにして得られた固体状チタン触媒成分の組成は、Ti:2.1重量%、Cl:58重量%、Mg:18重量%、DIBP:10.9重量%であった。
[プロピレン重合]
500mlのガラス製オートクレーブを窒素で置換し、デカン 250mlを加えた後、プロピレン置換を行った。次いで、プロピレンを流通させながら、攪拌下に100℃に昇温し、トリエチルアルミニウム 5ミリモル、シクロヘキシルメチルジメトキシシラン 0.5ミリモル、および、チタン原子換算で0.1ミリモル−Tiの上記の固体状チタン触媒成分をこの順に加えた。パージラインに取り付けたバブラー管から未反応ガスがでないように、また、反応器内が減圧にならないように、プロピレンの流量を調節しながら100℃で1時間重合しポリプロピレンを得た。次いで、プロピレンを窒素に置換した。
[末端修飾ポリプロピレンの製造]
上記の重合スラリーを100℃に維持し、モレキュラーシーブを通して乾燥させた空気を200リットル/時の流量で流通させて、5時間、同温度で反応させた。反応終了後、スラリーをメタノール 2リットルとアセトン 2リットルの混合液中に投入し、一夜間静置した。なお、攪拌羽根に付着していたファイバー状のポリマーは廃棄した。
静置後のスラリーに塩酸を少量添加して濾過し、白色のポリマーを得た。 得られたポリマーをメタノールで洗浄した後、80℃で10時間減圧乾燥し、2.5gの末端修飾ポリプロピレンを得た。末端修飾ポリプロピレンが片方の末端のうち52モル%に水酸基を含んでいることを13C-NMRで確認した。GPCで測定した末端修飾ポリプロピレンのMwは17万であった。
[官能基含有ポリオレフィンと末端修飾ポリオレフィンとの反応]
500mlのガラス製反応器に無水マレイン酸変性ホモポリプロピレン(商品名:アドマー、三井化学(株)製、Mw:110,000、変性率:0.5%)0.061g(0.55マイクロモル;無水マレイン酸基は3.1マイクロモル)と、上記末端修飾ポリプロピレン 1.0g(5.9マイクロモル;水酸基は3.1マイクロモル)と、トルエン 250ミリリットルとを加え、70℃で30分間、次いで80℃で4.5時間攪拌した。
得られたスラリーの溶媒をエバポレーターで除去し、残ったポリマーを80℃で10時間減圧乾燥して1.02gのポリマーを回収した。
得られたポリマーを13C-NMR測定したところ、末端修飾ポリプロピレンの末端水酸基は全量エステル結合に変換されており、無水マレイン酸変性ホモポリプロピレンに由来するオレフィン連鎖1本当たりに、末端修飾ポリプロピレンに由来するオレフィン連鎖が5.6本結合していた。
実施例2
[官能基含有ポリオレフィンと末端修飾ポリプロピレンとの反応]
500mlのガラス製反応器にマレイン酸変性エチレン・プロピレン共重合体(商品名:タフマーMP−0610、三井化学(株)製、エチレン含有量80モル%のエチレン・プロピレン共重合体を無水マレイン酸で変性したもの、メルトフローレート:0.4g/10分、Mw:130,000、変性率:0.5%)0.099g(0.76マイクロモル)と実施例1で製造した末端修飾ポリプロピレン 1.0g(5.9マイクロモル;水酸基は3.1マイクロモル)とトルエン 250ミリリットルとを加え、70℃で30分間、次いで80℃で4.5時間攪拌した。
得られたスラリーの溶媒をエバポレーターで除去し、残ったポリマーを80℃で10時間減圧乾燥して1.02gのポリマーを回収した。回収したポリマーの23℃デカン可溶成分量は8.06重量%であった。23℃デカン不溶部をIR測定したところ720cm-1付近にエチレン連鎖のピークを検出した。また、23℃デカン不溶部を13C-NMR測定したところエステル結合のピークを検出した。
[側鎖数の測定]
反応前のマレイン酸変性エチレン・プロピレン共重合体と末端修飾ポリプロピレンの23℃デカン可溶成分量は、それぞれ97.01重量%、6.01重量%であった。
もし、上記のマレイン酸変性エチレン・プロピレン共重合体と末端修飾ポリプロピレンとが全く反応しなかったならば、23℃デカン可溶成分量は
(1.0×0.0601+0.099×0.9701)÷(1.0+0.099)×100
により14重量%になるはずである。
上記のようにマレイン酸変性エチレン・プロピレン共重合体と末端修飾ポリプロピレンとの反応生成物の23℃デカン可溶成分量は8.06重量%であったので
(1.0+0.099)×(14−8.06)÷100
により0.065g(0.50マイクロモル)のPO−Aが23℃デカン不溶のPO−Bに結合している。
したがって、マレイン酸変性エチレン・プロピレン共重合体に由来するオレフィン連鎖1本当たりの、末端修飾ポリプロピレンに由来するオレフィン連鎖は、
3.1×(100−6.01)÷100÷0.50
により5.8本と算出される。
実施例3
[末端ヨウ素化ポリエチレンの合成]
窒素置換を十分行った500mlガラス製容器に、脱水トルエン250mlを入れ、攪拌しながらエチレンガス(100リットル/h)を20分間流通させた。この容器にアルべマール社製メチルアルミノキサン(以下、「MAO」と略記する。)トルエン溶液から40℃でトルエンを減圧留去した後脱水トルエンを加えて再びトルエン溶液としたMAOをAl原子換算で2.5mmol−Al、および、ビス[7-{N-(2,4,6-トリフルオロフェニル)イミノメチル}インドリニル]チタニウム(IV)ジクロリド([7-(2,4,6-F−Ph−N=CH)C85N]2TiCl2)0.01mmolを順次加え、25℃に保ちながら5分間攪拌してリビング重合を行った後、窒素ガス(100リットル/h)に切り替え10分間攪拌した。このポリマー溶液に、ヨウ素のトルエン溶液(ヨウ素2.5mmol)を添加し、さらに25℃で1時間攪拌を続けた。ポリマーを、メタノール1.5リットル中で析出させ、濾過し乾燥することにより、0.80g(Mw;65,000、Mw/Mn;1.15)の末端ヨウ素化ポリエチレンを得た。
[末端アミノ化ポリエチレンの合成]
得られた末端ヨウ素化ポリエチレン0.5gを、脱水トルエン50mlにスラリー化させ、フタルイミドカリウム 27mg(0.15mmol)を添加した。80℃で12時間加熱攪拌した後、ヒドラジン・1水和物10mlを加え、さらに2時間加熱還流した。室温に冷却した反応溶液を、メタノール1.0リットルに加え、析出したポリマーを濾過乾燥し、末端アミノ化ポリエチレンを得た。1H-NMRおよびIR分析により片末端のうちの60モル%に一級アミンが存在することを確認した。
[官能基含有ポリオレフィンと末端修飾ポリオレフィンとの反応]
主鎖として三井化学株式会社製アドマー(無水マレイン酸で変性したホモポリプロピレン、Mw;110,000、変性率;0.5%)を使用した。
500mlのガラス製反応器に前記の主鎖 0.061g(0.55マイクロモル;無水マレイン酸基は3.1マイクロモル)と前記の側鎖 0.34g(5.2マイクロモル;アミノ基は3.1マイクロモル)とトルエン 250mlとを加え、70℃で30分間、次いで80℃で4.5時間攪拌した。
得られたスラリーの溶媒をエバポレーターで除去し、残ったポリマーを80℃で10時間減圧乾燥して0.36gのポリマーを回収した。
得られたポリマーを13C-NMR測定したところ、側鎖の末端アミノ基は全量アミド結合に変換されており、主鎖1本当たりに5.6本の側鎖が結合していた。

Claims (9)

  1. 炭素原子数2〜20のオレフィンから選ばれる少なくとも1種のオレフィンから得られる繰り返し単位を主たる構成単位とするオレフィン連鎖(A)と、炭素原子数2〜20のオレフィンから選ばれる少なくとも1種のオレフィンから得られる繰り返し単位を主たる構成単位とするオレフィン連鎖(B)とからなり、上記オレフィン連鎖(B)は上記オレフィン連鎖(A)の両末端以外の部位にカルボニル基を有する結合を介して結合され、かつオレフィン連鎖(B)は上記オレフィン連鎖(A)1本当たり1本以上存在し、
    前記オレフィン連鎖(A)となる、炭素原子数2〜20のオレフィンから選ばれる少なくとも1種のオレフィンから得られる繰り返し単位を主たる構成単位とし、両末端以外に1つ以上のカルボキシル基および/または酸無水基を有する官能基含有ポリオレフィン(C)と、
    前記オレフィン連鎖(B)となる、炭素原子数2〜20のオレフィンから選ばれる少なくとも1種のオレフィンから得られる繰り返し単位を主たる構成単位とし、上記官能基含有ポリオレフィン(C)と同一または異なるオレフィン組成を有し、末端のみにカルボキシル基または酸無水基と反応しうる基を有する末端修飾ポリオレフィン(D)
    とを反応させて得られることを特徴とする分岐型ポリオレフィン。
  2. 上記オレフィン連鎖(B)の重量平均分子量(Mw)が5,000以上であることを特徴とする請求の範囲第1項に記載の分岐型ポリオレフィン。
  3. 上記カルボニル基を有する結合が、エステル結合および/またはアミド結合である請求の範囲第1項に記載の分岐型ポリオレフィン。
  4. 上記オレフィン連鎖(A)および上記オレフィン連鎖(B)のうち、一方が結晶性ポリオレフィンであり、他方が非晶性ポリオレフィンである請求の範囲第1項〜第3項のいずれか1項に記載の分岐型ポリオレフィン。
  5. 上記オレフィン連鎖(A)および上記オレフィン連鎖(B)が、いずれもポリプロピレンである請求の範囲第1項〜第3項のいずれか1項に記載の分岐型ポリオレフィン。
  6. 炭素原子数2〜20のオレフィンから選ばれる少なくとも1種のオレフィンから得られる繰り返し単位を主たる構成単位とし、両末端以外に1つ以上のカルボキシル基および/または酸無水基を有する官能基含有ポリオレフィン(C)と、炭素原子数2〜20のオレフィンから選ばれる少なくとも1種のオレフィンから得られる繰り返し単位を主たる構成単位とし、上記官能基含有ポリオレフィン(C)と同一または異なっていてもよいオレフィン組成を有し、末端のみにカルボキシル基または酸無水基と反応しうる基を有する末端修飾ポリオレフィン(D)とを反応させて請求項1〜5のいずれか1項に記載の分岐型ポリオレフィンを製造することを特徴とする分岐型ポリオレフィンの製造方法。
  7. 上記官能基含有ポリオレフィン(C)が、マレイン化されたエチレンおよび/またはプロピレンの単独重合体または共重合体であることを特徴とする請求項6に記載の分岐型ポリオレフィンの製造方法。
  8. 上記末端修飾ポリオレフィン(D)が、片末端のみにカルボキシル基または酸無水基と反応しうる基を有する片末端修飾ポリオレフィンであることを特徴とする請求項6に記載の分岐型ポリオレフィンの製造方法。
  9. 請求項1に記載の分岐型ポリオレフィンを、0.01〜50重量%含有することを特徴とする熱可塑性樹脂組成物。
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