JPH11228626A - 変性ポリプロピレンの製造方法 - Google Patents

変性ポリプロピレンの製造方法

Info

Publication number
JPH11228626A
JPH11228626A JP4287098A JP4287098A JPH11228626A JP H11228626 A JPH11228626 A JP H11228626A JP 4287098 A JP4287098 A JP 4287098A JP 4287098 A JP4287098 A JP 4287098A JP H11228626 A JPH11228626 A JP H11228626A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
polypropylene
reaction
terminated
phase
terminal
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Ceased
Application number
JP4287098A
Other languages
English (en)
Inventor
Kenichiro Oda
健一郎 小田
Kazukiyo Aiba
一清 相場
Tadanao Obara
忠直 小原
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Tonen General Sekiyu KK
Original Assignee
Tonen Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Tonen Corp filed Critical Tonen Corp
Priority to JP4287098A priority Critical patent/JPH11228626A/ja
Publication of JPH11228626A publication Critical patent/JPH11228626A/ja
Ceased legal-status Critical Current

Links

Classifications

    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C08ORGANIC MACROMOLECULAR COMPOUNDS; THEIR PREPARATION OR CHEMICAL WORKING-UP; COMPOSITIONS BASED THEREON
    • C08FMACROMOLECULAR COMPOUNDS OBTAINED BY REACTIONS ONLY INVOLVING CARBON-TO-CARBON UNSATURATED BONDS
    • C08F8/00Chemical modification by after-treatment
    • C08F8/12Hydrolysis

Abstract

(57)【要約】 【課題】 ポリプロピレンの末端のほぼ100%にOH
基が導入されている変性ポリプロピレンを製造する方法
を提供する。 【解決手段】 二相系において相間移動触媒の存在下1
20℃以上で、末端ハロゲン化ポリプロピレンを有機酸
金属塩でエステル化を行った後、加水分解することによ
りポリプロピレンの末端にOH基を導入することを特徴
とする末端OH基化変性ポリプロピレンの製造方法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明はポリプロピレンの末
端機能化方法、特に末端OH基化変性ポリプロピレンの
製法に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、ポリオレフィンに極性基をもたせ
るために、官能基を有するモノマーをグラフト変性した
数多くの変性ポリプロピレンが開発されてきた。しかし
ながら、これらのグラフト変性方法においては、ポリマ
ーの末端のみに極性基をもたせることは困難であり、特
にOH基を有する変性ポリプロピレンの製造はプロセス
が複雑であった。末端にOH基を有する変性ポリプロピ
レンは、他のポリマーとのグラフト反応を容易に行うこ
とができ、そのポリマーへ新たな機能を付与する方法と
して、注目されてきており、高収率で製造する方法が待
たれていた。一方、ポリプロピレンの末端を変性する方
法としては、バナジウム錯体系触媒、特にβ−ジケトン
バナジウムキレートあるいはβ−ケトアルデヒドバナジ
ウムキレート化合物と有機アルミニウム化合物からなる
触媒を用いてプロピレンをリビング重合し、その重合系
に官能基含有モノマーを存在させると末端変性ポリプロ
ピレンが得られ、この末端変性ポリプロピレンから末端
OH基化ポリプロピレンを得る方法があった。
【0003】この末端OH基化ポリプロピレンを得る方
法としては、特公平6−86484号公報に記載されて
いるが、バナジウム錯体とアルキルアルミニウム化合物
とからなる触媒を用いて、プロピレンのリビング重合を
行い、その重合系にエチレンオキシドやプロピレンオキ
シド等を添加して末端変性ポリプロピレンを得た後、加
水分解して末端OH基化ポリプロピレンを得る方法であ
り、ポリプロピレンの末端へのOH基導入率は、1分子
鎖当たり約0.8個程度であり、OH基の導入されてい
ない分子は不活性な分子として存在するため、機能化ポ
リプロピレンとしての効率化が低下し、ポリプロピレン
を効率良く他のポリマーにグラフトすることはできなか
った。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、ポリプロピ
レンの末端のほぼ100%にOH基が導入されている変
性ポリプロピレンを製造する方法を提供することを目的
とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、鋭意研究
を行った結果、バナジウム錯体触媒を用いるリビング重
合反応系によって得た末端ハロゲン化ポリプロピレン
を、相間移動触媒の存在下、特定の条件下でエステル化
を行った後、加水分解を行うとポリプロピレン分子鎖の
末端の位置に、ほぼ100%OH基が導入されることを
見出し、本発明に到達した。
【0006】すなわち、本発明は、二相系において相間
移動触媒の存在下120℃以上で、末端ハロゲン化ポリ
プロピレンを有機酸金属塩でエステル化を行った後、加
水分解することによりポリプロピレンの末端にOH基を
導入することを特徴とする末端OH基化変性ポリプロピ
レンの製造方法である。
【0007】本発明の好ましい態様は以下の通りであ
る。 末端ハロゲン化ポリプロピレンが、バナジウム錯体触
媒によるリビング重合によって製造された末端ヨウ素化
ポリプロピレンまたは末端臭素化ポリプロピレンである
前記変性ポリプロピレンの製造方法。 有機金属塩がギ酸ナトリウムまたはギ酸カリウムであ
る前記変性ポリプロピレンの製造方法。 相間移動触媒が、臭化テトラ−n−ブチルアンモニウ
ムまたは硝酸テトラ−n−ブチルアンモニウムである前
記変性ポリプロピレンの製造方法。 前記二相系が非極性溶媒と極性溶媒の組み合わせから
なり、その混合比が非極性溶媒10〜95容量%、極性
溶媒5〜90容量%である前記変性ポリプロピレンの製
造方法。
【0008】
【発明の実施の形態】本発明の末端OH基化ポリプロピ
レンの製造方法は、プロピレンをバナジウム錯体触媒を
用いるリビング重合反応によって得た重合系より得た末
端ハロゲン化ポリプロピレンを、相間移動触媒の存在
下、特定の条件下に有機金酸属塩でエステル化を行った
後、加水分解を行うことにより製造される。その詳細に
ついて以下項目ごとに説明する。
【0009】1.末端ハロゲン化ポリプロピレン (1)リビング重合 本発明で用いる末端ハロゲン化ポリプロピレンはプロピ
レンのバナジウム錯体と有機アルミニウム触媒によるリ
ビング重合によって得られる。リビング重合は次のよう
にして行う。 (a)バナジウム錯体 バナジウム錯体触媒は、一般式
【0010】
【化1】 (式中、R1〜R3は水素原子又は炭素数1〜8個の炭化
水素を示し、R1〜R3の少なくとも一つは水素原子であ
るが、R1〜R3の全部が水素原子であってはならな
い。)で表される。
【0011】上記式に含まれる化合物の具体例をR1
3として以下に例示すると、 R2が水素原子であり、R1とR3が炭化水素基であ
る場合、 R1/R3: CH3/CH3、CH3/C25,CH3/C
65、CH3/C65CH2、C25/C25、C25
65、C25/C65CH2、C65/C65、C6
5/C65CH2、C65CH2/C65CH2、 R2が炭化水素基であり、R1、R3のいずれかが水
素原子で多が炭化水素基である場合、 R2/R1又はR3: CH3/CH3、C25/CH3、C
65/CH3、C65CH2/CH3、CH3/C25、C
65/C25、C65CH2/C25、CH3/C65
25/C65、C65/C65、C65CH2/C6
5、CH3/C65CH2、C25/C65CH2、C65
/C65CH2、C65CH2/C65CH2、 R2が水素であり、R1、R3のいずれかが水素原子
であり多が炭化水素基である場合、 R1又はR3: CH3、C25、C65、C65CH2、 等が挙げられ、これらの内でも特に下記の化合物が望ま
しい。
【0012】
【化2】
【0013】(b)有機アルミニウム化合物 有機アルミニウム化合物は、一般式:R4 3-nAlX
n(式中、R4は炭素数1〜18個のアルキル基を示し、
Xはハロゲン原子又は水素原子を示し、nは0≦n≦3
の範囲の任意の数を示す。)で表わされる。
【0014】上記式に含まれる化合物としては、例え
ば、炭素数1ないし8個、好ましくは炭素数2ないし6
個のアルキル基を有する有機アルミニウム化合物であ
る。具体的には、ジメチルアルミニウムクロリド、ジエ
チルアルミニウムクロリド、ジエチルアルミニウムブロ
ミド、ジエチルアルミニウムアイオダイド、ジイソブチ
ルアルミニウムクロリド等のジアルキルアルミニウムモ
ノハライド、、メチルアルミニウムジクロリド、エチル
アルミニウムジクロリド、イソブチルアルミニウムジク
ロリド、メチルアルミニウムジブロミド、エチルアルミ
ニウムジブロミド、イソブチルアルミニウムジブロミ
ド、エチルアルミニウムジアイオダイド等のモノアルキ
ルジハライド、エチルアルミニウムセスキクロリド、イ
ソブチルアルミニウムセスキクロリド等のアルキルアル
ミニウムセスキハライド等が挙げられる。
【0015】本発明のポリプロピレンは、プロピレンの
単独重合体以外に、プロピレンに少量のエチレン又は1
−ブテン、1−ヘキセン、4−メチル−1−ペンテン等
のα−オレフィンとの共重合体を用いることも可能で、
リビング重合触媒の存在下にプロピレンとエチレン、1
−ブテン、1−ペンテン、1−ヘキセン、4−メチル−
1−ペンテン等のα−オレフィンとのリビング重合によ
って得られる。
【0016】プロピレンのリビング重合反応は、重合反
応に対して不活性で、かつ重合時に液状である溶媒中で
行うのが望ましく、該溶媒としては、プロパン、ブタ
ン、ペンタン、ヘキサン、ヘプタン等の飽和脂肪族炭化
水素、シクロプロパン、シクロヘキサン等の飽和脂環式
炭化水素、ベンゼン、トルエン、キシレン等の芳香族炭
化水素等が挙げられる。
【0017】プロピレンの重合時の重合触媒の使用量
は、プロピレン又はプロピレンと少量のコモノマー1モ
ル当り、バナジウム化合物が(a)1×10-4〜0.1
モル、望ましくは5×10-4〜5×10-2モル、有機ア
ルミニウム化合物(b)が1×10-4〜0.5モル、望
ましくは1×10-3〜0.1モルである。なお、バナジ
ウム化合物(a)1モル当り、有機アルミニウム化合物
(b)は、望ましくは4〜100モル用いられる。
【0018】本発明におけるリビング重合は、通常−1
00℃〜0℃で0.5〜50時間行われる。得られるリ
ビングポリプロピレンの分子量及び収量は、反応温度及
び反応時間を変えることにより調節でき、温度を低温、
特に−30℃以下にすることにより、単分散に近い分子
量分布を持つポリマーとすることができる。−40℃以
下では、分子量分布Mw(重量平均分子量)/Mn(数
平均分子量)が1.05〜1.40のリビング重合体と
することができる。
【0019】また、重合反応前又は重合反応時に、反応
促進剤を用いることができる。反応促進剤としては、ア
ニソール、水、酸素、アルコール(メタノール、エタノ
ール、イソプロパノール等)、エステル(安息香酸エチ
ル、酢酸エチル等)、不飽和脂環式炭化水素(シクロペ
ンテン、シクロヘキセン等)、不飽和脂肪族炭化水素
(2−ペンテン、2−ヘキセン等)、ケトン(アセト
ン、アセチルアセトン、メチルエチルケトン、シクロヘ
キサノン等)、エーテル(ジメチルエーテル、ジエチル
エーテル、アセタール、ジオキサン等)が挙げられる。
促進剤の使用量は、バナジウム化合物1モル当り、通常
0.001〜2モルである。上記の方法により、約80
0〜約400,000の数平均分子量を持ち、単分散に
近いリビングポリプロピレンを製造することができる。
【0020】(2)末端ハロゲン化 次いで、本発明に用いる末端ハロゲン化ポリプロピレン
は、上記のリビングポリプロピレンを、ハロゲンと接触
させるものであるが、この接触により、プロピレンの重
合は直ちに停止し、上記のリビングポリプロピレンの骨
格をそのまま持ち、末端がハロゲン化したハロゲン化ポ
リプロピレンとなる。ハロゲンとしては、ヨウ素、塩
素、臭素が用いられ、特にヨウ素及び臭素が好ましい。
ハロゲンの使用量は、用いたアルミニウム化合物1モル
当たり、2モル以上、望ましくは2〜5モルである。ハ
ロゲンはそのまま用いてもよいが、前記のプロピレンの
重合の際に用いた溶媒に溶解した上で用いるのが望まし
く、その濃度は通常該溶媒1l当たり0.1〜5モルで
ある。ハロゲン化は、通常−50〜−100℃の温度で
5分間〜6時間行われる。
【0021】2.エステル化反応 エステル化反応は、上記によって得られた末端ハロゲン
化ポリプロピレンを溶解した溶液と、有機酸金属塩を溶
解した溶液を混合して相間移動触媒の存在化に行う。
【0022】(1)有機酸金属塩 有機酸金属塩としては、カルボン酸のアルカリ金属塩が
用いられるが、特にギ酸ナトリウム、ギ酸カリウムが好
ましい。
【0023】(2)溶媒 末端ハロゲン化ポリプロピレンを溶解する溶媒として
は、非極性溶媒を用い、その具体例としては、n−ヘプ
タン、n−オクタン等のパラフィン系炭化水素、トルエ
ン、キシレン等の芳香族系炭化水素、パラフィン系炭化
水素、クロロホルム、ジイソプロピルエーテル等が挙げ
られ、芳香族系炭化水素、パラフィン系炭化水素が好ま
しい。有機酸金属塩を溶解する溶媒としては、極性の溶
媒を用い、その具体例としては、水、イソプロピルアル
コール、ペンタノール等のアルコールやジメチルホルム
アミド(DMF)、メチルエチルケトン(MEK)、テ
トラヒドロフラン(THF)等が挙げられる。ただし、
有機酸金属塩は必ずしも完全に溶解する必要はない。
【0024】また、上記の非極性溶媒と極性溶媒とを単
に混合しただけで均一相になる組み合わせがあるが、ポ
リマー及び有機酸金属塩を溶解した場合には相分離して
2相になる組み合わせが好ましく、特に、非極性溶媒と
極性溶媒の組合わせとしては、特に下記の組み合わせの
ものが好ましい。 ・パラフィン系炭化水素 − 水、アルコール、DM
F、THF ・芳香族系炭化水素 − 水、アルコール、DMF ・クロロホルム、ジイソプロピルエーテル − 水 上記非極性溶媒と極性溶媒の混合比は、非極性溶媒10
〜95容量%が好ましく、特に50〜90容量%が望ま
しい。極性溶媒は5〜90容量%が好ましく、特に10
〜50容量%が望ましい。
【0025】(2)相間移動触媒 相間移動触媒としては、上記の非極性溶媒と極性溶媒の
2相溶媒系に加えることにより、水等の極性溶媒に溶解
した有機酸金属塩の無機塩等が有機相に移って有機相中
で均一相反応を促進し、エステル化反応を著しく増大さ
せる触媒で、4級アンモニウム塩(例えば、テトラブチ
ルアンモニウムの臭化物又は塩化物)、4級ホスホニウ
ム塩(例えば、テトラブチルホスホニウム臭化物)、大
環状ポリエーテル(例えば、ジベンゾ−18−クラウン
−6)、グライム(例えば、テトラグライム)等が用い
られる。
【0026】(3)反応条件 本発明における末端ハロゲン化ポリプロピレンと有機酸
金属塩のエステル化反応の反応温度は、120℃以上、
好ましくは130℃以上である。エステル化反応温度
が、120℃未満ではエステル化が十分行われない。
【0027】3.加水分解 上記で得られたエステル化ポリプロピレンを加水分解し
て、末端OH基化ポリプロピレンが得られる。加水分解
は、エステル化で得られた反応溶液に、さらに水酸化ナ
トリウム、水酸化カリウム等のアルカリ触媒の水溶液を
添加して行う。反応条件は、通常の加水分解条件で行
い、好ましくは溶媒の還流条件下で行う。
【0028】
【実施例】以下、本発明を実施例により詳細に説明す
る。なお、実施例における分析方法は、次の方法で行っ
た。 (1)重合体のキャラクタリゼーション:分子量及び分
子量分布はWaters社製GPC(ゲルパーミエーシ
ョンクロマトグラフィー)モデル150を用いた。溶媒
はo−ジクロルベンゼンを用い、測定条件は135℃、
溶媒流速1.0ml/分、カラムは東ソー社製の単分散
ポリスチレン標準試料を用い、ポリスチレンの検量線を
求め、これによりユニバーサル法によってポリプロピレ
ンの検量線を作成した。 (2)ヨウ素化率:燃焼管式酸素法にて燃焼後、イオン
クロマト法により測定した。 (3)エステル化率:赤外分光光度計FT−IR(PE
RKIN ELMER1600)によりギ酸エステル基
ピーク(1730cm-1)の強度より定量した。 (4)OH基の確認:日本電子製GX−500NMRス
ペクトル(500MHz、室温、パルス間隔0.5s)
1H−NMRスペクトルのピーク強度より定量した。
ただし、下記の化学シフト値によった。
【0029】
【化3】 帰属 化学シフト値 (δ ppm) (a) 3.5 (b) 3.9 ポリプロピレン部分 0.7〜1.7
【0030】実施例1 V(2−メチル−1,3−ブタンジオナート)3/ジエ
チルアルミニウムクロリド触媒により−60℃でプロピ
レン重合を行った後、ヨウ素を添加して得た末端ヨウ素
化ポリプロピレン(数平均分子量Mn=34,000、
分子量分布=1.24、末端ヨウ素化率=99.2%)
2.4gをパラキシレン150mlに溶解し、500m
lのガラス製反応器に導入した。臭化テトラ−n−ブチ
ルアンモニウム0.26gおよびギ酸ナトリウム3.0
gをジメチルホルムアミド(DMF)50mに可能な限
り溶解させた後、未溶解のギ酸ナトリウムとともにガラ
ス製反応器に注いだ。反応器を加熱し、パラキシレン/
DMF混合溶媒の還流条件下(138℃)で反応を36
時間行った。反応後パラキシレン相の一部よりポリマー
を精製分離して分析した結果、エステル化率は96%で
あった。
【0031】次に、上記の反応溶液に水酸化カリウム1
9gを水50mlに溶解したものを添加し、混合溶媒の
還流条件下(106℃)で反応を24時間行った。反応
後パラキシレン相からポリマーを精製分離した。ポリマ
ー中のエステル残存率は2%であった。したがって、ポ
リプロピレンの末端OH基導入量は1分子鎖あたり0.
94個となる。
【0032】実施例2 実施例1で用いた末端ヨウ素化ポリプロピレン3.0g
をn−ヘプタン200mlに溶解し、500mlの金属
製耐圧容器に導入した。臭化テトラ−n−ブチルアンモ
ニウム0.20gおよびギ酸ナトリウム2.5gを水5
0mlに溶解させた後、金属製反応器に注いだ。反応器
を加熱し、142℃で反応を28時間行った。反応後n
−ヘプタン相の一部よりポリマーを精製分離して分析し
た結果、エステル化率は94%であった。次に、上記の
反応溶液に水酸化カリウム19gを水50mlに溶解し
たものを添加し、混合溶媒の還流条件下(105℃)で
反応を24時間行った。反応後n−ヘプタン相からポリ
マーを精製分離した。ポリマー中のエステル残存率は2
%であった。したがって、ポリプロピレンの末端OH基
導入量は1分子鎖あたり0.92個となる。
【0033】実施例3 実施例1で用いた末端ヨウ素化ポリプロピレン3.0g
をn−オクタン200mlに溶解し、500mlの金属
製耐圧容器に導入した。硝酸テトラ−n−ブチルアンモ
ニウム0.25gおよびギ酸ナトリウム3.2gを水5
0mlに溶解させた後、金属製反応器に注いだ。反応器
を加熱し、130℃で反応を30時間行った。反応後n
−オクタン相の一部よりポリマーを精製分離して分析し
た結果、エステル化率は93%であった。次に、上記の
反応溶液に水酸化カリウム19gを水50mlに溶解し
たものを添加し、混合溶媒の還流条件下(106℃)で
反応を24時間行った。反応後n−オクタン相からポリ
マーを精製分離した。ポリマー中のエステル残存率は2
%であった。したがって、ポリプロピレンの末端OH基
導入量は1分子鎖あたり0.91個となる。
【0034】比較例1 実施例1で用いた末端ヨウ素化ポリプロピレン2.5g
をトルエン200mlに溶解し、500mlの金属製耐
圧容器に導入した。臭化テトラ−n−ブチルアンモニウ
ム0.26gおよびギ酸ナトリウム3.0gを水50m
lに溶解させた後、溶液をガラス製反応器に注いだ。反
応器を加熱し、100℃で反応を48時間行った。反応
後トルエン相の一部よりポリマーを精製分離して分析し
た結果、エステル化率は46%であった。次に、上記の
反応溶液に水酸化カリウム19gを水50mlに溶解し
たものを添加し、混合溶媒の還流条件下(105℃)で
反応を24時間行った。反応後トルエン相からポリマー
を精製分離した。ポリマー中のエステル残存率は3%で
あった。したがって、ポリプロピレンの末端OH基導入
量は1分子鎖あたり0.43個となる。エステル化温度
が120℃未満では、十分なエステル化率が得られなか
った。
【0035】比較例2 実施例1で用いた末端ヨウ素化ポリプロピレン2.5g
をパラキシレン200mlに溶解し、500mlのガラ
ス製容器に導入した。臭化テトラ−n−ブチルアンモニ
ウム0.24gおよびギ酸ナトリウム2.5gをガラス
製反応器に添加した。パラキシレンの還流条件下(13
8℃)で反応を48時間行った。反応後ポリマーを精製
分離して分析した結果、エステル化率は0%であった。
エステル化反応は、極性溶媒と非極性溶媒の二相系でお
こなわないと、反応が進行しなかった。
【0036】比較例3 相間移動触媒の臭化テトラ−n−ブチルアンモニウム以
外は、実施例1と同様にしてエステル化反応を行った。
ポリマーを精製分離して分析した結果、エステル化率は
12%であった。二相系のエステル化反応は、相間移動
触媒の非存在下では、反応が十分に進行しなかった。
【0037】
【発明の効果】本発明の方法によると、従来より高収率
で、ポリプロピレンの末端のほぼ100%にOH基が導
入されている変性ポリプロピレンを製造することができ
る。これによりポリプロピレンを効率良く他のポリマー
にグラフトすることができる。

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 二相系において相間移動触媒の存在下1
    20℃以上で、末端ハロゲン化ポリプロピレンを有機酸
    金属塩でエステル化を行った後、加水分解することによ
    りポリプロピレンの末端にOH基を導入することを特徴
    とする末端OH基化変性ポリプロピレンの製造方法。
  2. 【請求項2】 バナジウム錯体触媒を用いたリビング重
    合によって得られる末端ハロゲン化ポリプロピレンを用
    いる請求項1に記載の変性ポリプロピレンの製造方法。
JP4287098A 1998-02-09 1998-02-09 変性ポリプロピレンの製造方法 Ceased JPH11228626A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP4287098A JPH11228626A (ja) 1998-02-09 1998-02-09 変性ポリプロピレンの製造方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP4287098A JPH11228626A (ja) 1998-02-09 1998-02-09 変性ポリプロピレンの製造方法

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JPH11228626A true JPH11228626A (ja) 1999-08-24

Family

ID=12648081

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP4287098A Ceased JPH11228626A (ja) 1998-02-09 1998-02-09 変性ポリプロピレンの製造方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JPH11228626A (ja)

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN100338107C (zh) * 2004-11-29 2007-09-19 中国科学院化学研究所 端羟基聚丙烯及其制备方法
JP4794807B2 (ja) * 2000-09-12 2011-10-19 三井化学株式会社 分岐型ポリオレフィン、その製造方法および分岐型ポリオレフィンを含む熱可塑性樹脂組成物

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP4794807B2 (ja) * 2000-09-12 2011-10-19 三井化学株式会社 分岐型ポリオレフィン、その製造方法および分岐型ポリオレフィンを含む熱可塑性樹脂組成物
CN100338107C (zh) * 2004-11-29 2007-09-19 中国科学院化学研究所 端羟基聚丙烯及其制备方法

Similar Documents

Publication Publication Date Title
FI71325C (fi) Foerfarande foer produktion av alfa-olefinpolymerer eller -kopolymerer och daeri anvaend fast titankatalysatorkomponent
US20150057419A1 (en) Free radical and controlled radical polymerization processes using azide radical initiators
WO2001023441A1 (en) Process for the preparation of a catalyst component for the polymerization of an olefin
AU2005276998A1 (en) Method for preparation of polyolefins containing exo-olefin chain ends
KR20150113107A (ko) 올레핀 중합용 촉매 조성물
JPH11322942A (ja) 重合体の製造方法
JP2001501237A (ja) スチレン重合体の臭素化方法
CN113354593B (zh) 含氟接枝共聚物及其制备方法和应用
EP2039709B1 (en) Aqueous fluorine-containing polymer dispersion
CN112778444B (zh) 一种光诱导有机催化制备聚烯烃的方法
JPH11228626A (ja) 変性ポリプロピレンの製造方法
JPH02105802A (ja) モリブデン触媒系を用いる高ビニルポリブタジエンの合成
US9193810B2 (en) Free radical and controlled radical polymerization processes using hypervalent iodide radical initiators
CN1181092A (zh) 用于烯烃聚合的组分和催化剂
KR101976783B1 (ko) 폴리아세틸렌 및 염소화 폴리아세틸렌 및 이의 생산방법
US2964517A (en) Process for chlorinating oxidized polyethylene waxes and resinous oxidized chlorinated product
Wu et al. Miniemulsion and macroemulsion copolymerization of vinyl acetate with vinyl versatate
WO2005123785A1 (ja) イソブチレン系重合体の製造方法
CA2033328C (en) Process for preparation of a polymer having reactive terminal group
JP2775056B2 (ja) 官能性末端を有するイソブチレン系ポリマーの製造法
JP2936414B2 (ja) 官能性末端を有するイソブチレン系ポリマー
JP2723426B2 (ja) 含フッ素ビニルエーテルの製造方法
JPH0372094B2 (ja)
RU2096420C1 (ru) Способ очистки полиизобутилена от остатков катализатора
JPH0687914A (ja) 不飽和基を有するイソブチレン系重合体及びその製造法

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20050124

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20061215

A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20070116

A045 Written measure of dismissal of application

Effective date: 20070612

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A045