JP2723426B2 - 含フッ素ビニルエーテルの製造方法 - Google Patents

含フッ素ビニルエーテルの製造方法

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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、含フッ素ビニルエーテ
ルの製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】ポリテトラフルオロエチレンは耐薬品
性、耐熱性、表面特性、電気特性等の優れた物性を有し
ている半面、加工性等に問題点を有している。それ故、
種々のコモノマーとテトラフルオロエチレンとの共重合
体が製造されている。こういった共重合体のうち、側鎖
にアルコキシル基を有する樹脂が溶融特性の優れたフッ
素樹脂として知られており、例えば、特開平2−276
808号公報には広いモノマー組成で製造できる樹脂と
して、テトラフルオロエチレンと含フッ素ビニルエ−テ
ルとの共重合体が提案されている。該共重合体に用いら
れる含フッ素ビニルエ−テルは、対応するアルコキシド
とテトラフルオロエチレンとの反応によって製造される
ことが知られている。(米国特許第2917548号明
細書)
【0003】
【発明が解決しようとする課題】米国特許第29175
48号明細書によれば、アルコキシドとテトラフルオロ
エチレンとの反応は、80〜110℃といった比較的高
い反応温度、及び21kg/cm2程度といった比較的
高い反応圧力が採用されているにもかかわらず、目的物
である含フッ素ビニルエーテルの収率は高々40%程度
で低い。また、該特許明細書には、反応時間に関する記
述はほとんど無いが、本発明者らがこの反応を試みたと
ころ、反応に長時間を要するという問題があることが明
らかとなった。
【0004】そこで、本発明の目的は、反応時間の短
縮、且つ高収率で含フッ素ビニルエーテルを得ることが
できる改良された製造方法を提供することにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、アルコキ
シドとテトラフルオロエチレンとの反応について鋭意研
究を重ねた結果、特定の条件下で反応させることによ
り、アルコキシドとテトラフルオロエチレンが容易に反
応し、極めて短時間で含フッ素ビニルエーテルが高収率
で得られることを見出し、本発明を完成するに至った。
【0006】即ち、本発明は、下記一般式〔I〕 RfCH2OM 〔I〕 (但し、Rfは、水素原子、ハロゲン原子、またはハロ
ゲン化炭化水素基であり、Mはアルカリ金属である。)
で示されるアルコキシドとテトラフルオロエチレンとを
反応活性限界攪拌より激しい攪拌下に反応させることを
特徴とする、下記一般式〔II〕 RfCH2OCF=CF2 〔II〕 (但し、Rfは、水素原子、ハロゲン原子、またはハロ
ゲン化炭化水素基である。)で示される含フッ素ビニル
エーテルの製造方法である。
【0007】本発明において、原料の一方は前記一般式
〔I〕で示されるアルコキシドである。前記一般式
〔I〕中、Rfは、水素原子、ハロゲン原子、またはハ
ロゲン化炭化水素基であればよいが、本発明において
は、下記一般式 −Cabc(2a+1-b-c) (但し、Xは塩素原子または臭素原子であり、aは0以
上の整数であり、bは0〜2a+1の整数であり、cは
0または1であり、且つb+c≦2a+1の関係を有す
る。)で示される原子またはハロゲン化アルキル基が好
適である。上記式中のaは0以上であればよいが、原料
のアルコールの入手の容易さから、aは0〜10の整数
であることが好ましい。また、前記一般式〔I〕中、M
で示されるアルカリ金属はLi、Ka、Na、Csが好
適に採用される。
【0008】前記一般式〔I〕で示されるアルコキシド
は、市販品をそのまま用いてもよいし、下記一般式〔II
I〕 RfCH2OH 〔III〕 (但し、Rfは、水素原子、ハロゲン原子、またはハロ
ゲン化炭化水素基である。)で示されるアルコールとア
ルカリ金属、またはアルカリ金属水素化物との反応によ
って得たものを用いてもよい。なお、前記一般式〔II
I〕中のRfは、前記一般式〔I〕と同様である。
【0009】上記のようにアルコールとアルカリ金属ま
たはアルカリ金属水素化物とを反応させてアルコキシド
を製造する場合は、本発明の反応に先だって同一の反応
系中でアルコキシドを製造しておき、そのまま本発明を
実施してもなんら差し支え無い。
【0010】本発明において好適に用いうるアルコキシ
ドを具体的に例示すると次のとおりである。ナトリウム
-1,1,1-トリフルオロエトキシド、ナトリウム-1,1,1,2,
2-ペンタフルオロプロポキシド、ナトリウム-1,1,1,2,
2,3,3-ヘプタフルオロブトキシド、ナトリウム-1,1,1,
2,2,3,3,4,4-ノナフルオロペントキシド、ナトリウム-
1,1,1,2,2,3,3,4,4,5,5-ウンデカフルオロヘキソキシ
ド、ナトリウム-1,1,2,2-テトラフルオロプロポキシド
等を例示することができる。
【0011】本発明においては、一般に溶媒が使用され
る。用いられる溶媒は、本発明の反応に関して実質的に
不活性である化合物が採用される。反応系内の水分の存
在は、前記一般式〔I〕で示されるアルコキシドの分解
を起こすのみならず、副生物の増加を招くために目的物
の収率低下を引き起こす恐れがある。従って、溶媒は予
め脱水、乾燥しておくことが好ましい。本発明において
好適に採用される溶媒を例示すると、ジエチルエーテ
ル、グライム類等の直鎖状エーテル;ジオキサン、テト
ラヒドロフラン等の環状エーテル;更にはベンゼン、ト
ルエン、キシレン等の芳香族炭化水素化合物を挙げるこ
とができ、このうち特にジオキサン、テトラヒドロフラ
ンを好適に用いることができる。
【0012】本発明におけるテトラフルオロエチレンの
反応圧力は特に限定されるものではないが、あまり高圧
の場合、装置的にかなり高価となる欠点が生じてくる。
したがってテトラフルオロエチレンの圧力は1〜30k
g/cm2−Gが実際的であり、特に好ましくは5〜2
0kg/cm2−Gである。また、テトラフルオロエチ
レンは、反応前に反応器中に封じ込んでおき、反応中に
は供給しない方法を採用することもでき、また、反応中
に連続的、または、間欠的に供給することもできる。
【0013】次に、反応温度は特に制限されるものでは
なく、反応速度に応じて反応温度を選べば良いが、一般
には0〜120℃の範囲から、特に0〜80℃の範囲で
あることが好適である。
【0014】本発明の反応において、テトラフルオロエ
チレンに比較的高い圧力をかけた場合にその重合反応が
起こるおそれがあるが、このような場合には重合を防止
するために重合禁止剤を反応系に添加することが好まし
い。重合禁止剤の添加は反応に先だって反応器に入れて
おいても良いし、導入するテトラフルオロエチレンに含
ませておいても良い。重合禁止剤としてはテトラフルオ
ロエチレンの重合を防止するための化合物であれば何等
制限無く採用できる。本発明において好適に用いられる
重合禁止剤を例示すると、リモネン、ピネン、シメン、
テルピネン等を挙げることができる。
【0015】本発明における最大の特徴は特定された攪
拌強度、即ち反応活性限界攪拌より激しい攪拌の下に前
記一般式〔I〕で示されるアルコキシドとテトラフルオ
ロエチレンとの反応を行う点にある。なお、本発明にお
ける反応活性限界攪拌とは、前記一般式〔I〕で示され
るアルコキシドとテトラフルオロエチレンとの反応にお
いて、図1に示すように、攪拌強度を横軸に、テトラフ
ルオロエチレンの反応液中への吸収速度を縦軸にプロッ
トしたとき、攪伴強度の増加に伴ってテトラフルオロエ
チレン吸収速度が急激に増加する点における攪拌強度を
言う。
【0016】反応系におけるテトラフルオロエチレンの
吸収速度は一般には次のようにプロットすれば良い。即
ち、前記一般式〔I〕で示されるアルコキシドおよび反
応溶媒の入っている耐圧反応器とテトラフルオロエチレ
ンのタンクを接続し、所定の圧力および温度とした後、
回転数を所定の値にする。このとき反応器に導入される
テトラフルオロエチレンの量を、例えば、マスフローメ
ータ等の流量計で測定するか、テトラフルオロエチレン
タンクの容量と圧力減少量からテトラフルオロエチレン
の吸収速度を算出できる。この操作を各回転数において
実施することにより、前記した横軸に反応系の攪拌強
度、例えば、回転数を、縦軸にテトラフルオロエチレン
吸収速度をプロットしたグラフを作成できる。また、反
応の進行に伴って反応系に存在するアルコキシドの量が
減少するため、テトラフルオロエチレンの吸収速度は徐
々に減少するが、実質的な反応速度の低下が少ない反応
の初期段階において、同一反応中に回転数を変化させそ
の回転数でのテトラフルオロエチレン吸収速度を測定し
ても良い。更に簡便には、該反応の初期から攪拌強度、
例えば、回転数を連続的に上昇させ、テトラフルオロエ
チレン吸収速度が急激に上昇する攪拌強度を求める方法
も採用できる。
【0017】このような攪伴強度によって反応活性限界
がどのような作用機構によって生ずるのか明確ではない
が、前記一般式〔I〕で示されるアルコキシドが入って
いる反応器にテトラフルオロエチレンを導入するだけ、
或いは攪拌強度が弱い状態では、全く反応しないか反応
速度が非常に遅いが、ある攪拌強度を越えると急激に反
応速度の上昇が観測される。
【0018】該反応活性限界攪拌は、攪拌機の形状、構
造、形式、或いは攪拌翼、回転子の差異によって多少異
なるが前記現象を呈する攪拌強度が存在する。
【0019】本発明における反応活性限界攪伴よりも攪
伴強度の強い攪伴は特に限定されず、モーターを用いる
機械的な方法、電磁的な攪拌方法等公知の方法が採用で
き、攪拌翼、回転子等についても反応液全体を攪拌する
ものであれば特に制限されるものではない。更には、反
応器そのものを回転、振動することによって反応液を攪
拌する形式であってもなんら差し支えない。
【0020】
【発明の効果】本発明によれば、反応活性限界攪拌より
激しい攪拌下に反応を行うことによって、テトラフルオ
ロエチレンの反応液中への吸収速度および吸収時間を著
しく向上させることができ、その結果、反応時間を短縮
させることができる。さらに、目的とする含フッ素ビニ
ルエーテルの収率も従来技術に較べ大幅に向上してい
る。この点からも本発明は工業的に有用な製造方法と言
える。
【0021】
【実施例】本発明を更に詳細に説明するために以下実施
例を示すが、本発明はこれら実施例によって何等制限を
うけるものではない。
【0022】実施例1 0.4kWの攪拌モーターとアンカー型の攪拌翼を有し
た26Lのジャケット付きステンレス製の反応器にCF
3CF2CH2ONaを5.5kg、1,4−ジオキサン
12L、及びリモネン150mLを入れた後、内部を充
分窒素置換した。反応器にテトラフルオロエチレンを導
入し15kg/cm2−Gにした後、反応器ジャケット
に温水を循環し、反応器内部を60℃にしたところ反応
器圧力は18kg/cm2−G になった。マスフローメ
ーターを通してテトラフルオロエチレンを18kg/c
2−Gで供給しつつ攪拌モーターの回転数を500回
転/分に設定した。攪拌モーター回転開始後20分間の
テトラフルオロエチレンの平均吸収速度は27L/分で
あった。テトラフルオロエチレンの吸収速度は反応の進
行と共に低下してゆき、2時間後テトラフルオロエチレ
ンの吸収が止まった。その後、反応器内のテトラフルオ
ロエチレンを放出した後、反応混合物を蒸留してCF3
CF2CH2OCF=CF2を4.8kg(収率65%)
得た。
【0023】攪拌モーターの回転数を120、250、
350、650回転/分とした他は上記と同様にして反
応を行った。攪拌モーター回転開始後20分間のテトラ
フルオロエチレンの平均吸収速度、吸収時間および収率
を表1に示し、その結果を図1にプロットした。
【0024】
【表1】
【0025】実施例2 反応温度を30℃とし、攪拌モーターの回転数を500
回転/分としたたほかは、実施例1と同様にして反応を
行った。テトラフルオロエチレンの平均吸収速度は20
L/分であり、吸収は210分後に終わった。この後蒸
留によってCF3CF2CH2OCF=CF2を4.9kg
得た。
【図面の簡単な説明】
【図1】 実施例1における攪拌強度(攪拌器の回転
数)と、攪拌モーター回転開始後20分間のテトラフル
オロエチレンの平均吸収速度との関係を示すグラフであ
る。

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 下記一般式 RfCH2OM (但し、Rfは、水素原子、ハロゲン原子、またはハロ
    ゲン化炭化水素基であり、Mはアルカリ金属である。)
    で示されるアルコキシドとテトラフルオロエチレンとを
    反応活性限界攪拌より激しい攪拌下に反応させることを
    特徴とする下記一般式 RfCH2OCF=CF2 (但し、Rfは、水素原子、ハロゲン原子、またはハロ
    ゲン化炭化水素基である。)で示される含フッ素ビニル
    エーテルの製造方法。
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