JPS6015203Y2 - 車輌用灯具 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は車輌用灯具に関し、特にアウターレンズとイン
ナーレンズとを備えた車輌用灯具に関するものである。

この種の車輌用灯具は、通常ランプボディとその前面に
配設したアウターレンズとインナーレンズとにより自戒
された灯室内に光源バルブが配置されている。

即ち、従来の二重レンズ構造の車輌用灯具は、第１図イ
及び口に示する如く、ランプボディａの開口周縁に溝部
ｄを設け、その溝部ｄの更に内側に凹部ｅを設けると共
に、該凹部ｅと前記溝部ｄとにそれぞれホットメルト等
の接着剤りを塗布し、しかる後インナーレンズＣに設け
た固定脚ｇを前記凹部εに圧入して接着し、次に、アウ
ターレンズｂの脚部ｆを前記溝部ｄに圧入して接着させ
ている。

しかしながら、上記の如き従来の車輌用灯具においては
、アウターレンズｂの脚部ｆを接着固定するための溝部
ｄとは別にインナーレンズＣに設けた固定脚ｇを接着固
定するための凹部ｅを前記溝部ｄの内側に設ける必要が
あるから、凹部ｅの分だけ灯具のスペースが小さくなり
、従って、レンズの発光面が小さくなる点がある。

また、インナーレンズＣの固定脚ｇを凹部ｅに位置合せ
して接着し、さらにアウターレンズｂの脚部ｆを溝部ｄ
に接着してランプボディａにインナーレンズＣとアウタ
ーレンズｂとを固着するものであるから、組付工数が多
くなるとともに組立が容易でないなどの欠点がある。

また、アウターレンズとインナーレンズとを備えた二重
レンズ構造の他の従来構造（図示しない）として、アウ
ターレンズの発光面である内面にインナーレンズを溶着
するための溶着ピンを突設し、その溶着ピンにインナー
レンズを超音波溶着するものが提案されているが、かか
る例の車輌用灯具の構造にあっては、溶着するための治
工具が必要であり、かつ溶着に工数がかかるばかりか、
二次加工を加えなければならず、またアウターレンズの
発光面にインナーレンズを溶着固定するため、レンズ表
面から見るとその溶着部が陰の部分（ダーク部）に見え
、外観上好ましくないなどの欠点がある。

本考案は、上述の事情に鑑みてなされたもので、アウタ
ーレンズとインナーレンズとをランプボディに迅速かつ
容易にしかも確実に接着固定することができ、かつ、灯
具の発光面積を大きく構成することができる車輌用灯具
を提供することを目的とする。

以下、本考案に係る車輌用灯具の実施の一例を第２図乃
至第６図について説明する。

第２図乃至第５図は本考案の第１の実施例であって、１
は合成樹脂製のランプボディを示し、このランプボディ
１の前面に配設されたアウターレンズ２とインナーレン
ズ３とにより自戒された灯室５内に光源６がソケット（
図示しない）に保持されて配置されている。

前記ランプボディ１の開口１１の周縁には溝部１２が設
けられている。

該溝部１２は内壁１２ａと外壁１２ｂと底壁１２ｃとに
より構成されており、その溝部１２の内壁１２ａの一部
を略ハの字状に切欠いて切欠部１３を形威し、さらに該
切欠部１３と連通ずる底壁１２ｃの内面に凹部１４が形
威されている。

そして、前記インナーレンズ３の周辺の前記切欠部１３
と凹部１４とに適合する位置に略り字状に形成した舌片
３２を有する固定脚３１が一体に成形されている。

また、前記アウターレンズ２にはその周縁に前記溝部１
２に挿入して接着される接合脚部２１が設けられている
。

更に詳しく云うと、前記固定脚３１は、その両側壁３１
．３１ｂを内側が巾狭で外側が拡開されている略台形と
し、他方、溝部１２の内壁１２ａに設けた切欠部１３は
、インナーレンズ３の固定脚３１が丁度はまり込むよう
に、前記溝部１２の、内側が拡開したハの字状をなす側
壁１３ａ、１３ｂとすると共に、その切欠部１３と連通
するように前記溝部１２の底壁１２ｃの内面に前記イン
ナーレンズ３の固定脚３１の端縁に設けた舌片部３２が
嵌合する凹部１４が形成されている。

“しかして、前記の如くして、溝部１２の内壁１２ａを
切欠いた切欠部１３にインナーレンズ３の略台形の固定
脚３１を第５図に示す如く矢印Ｐ方向に嵌挿すると、前
記インナーレンズ３の固定脚３１の端縁に設けた舌片部
３２が前記溝部１２の底壁１２ｃに形威した凹部１４内
に嵌合すると共に、前記切欠部１３の両側縁１３ａ、１
３ｂが前記固定脚３１の両側壁３１ａ、３１ｂに確りと
嵌合して、前記切欠部１３を前記固定脚３１により遮蔽
する。

このようにしてインナーレンズ３の固定脚３１と舌片部
３２とをそれぞれランプボディ１の溝部１２の切欠部１
３を遮蔽すると共に凹部１４内に嵌合された組付状態で
、前記溝部１２内にホットメルト等の接着剤４を塗布し
、その溝部１２に前記アウターレンズ２の接合脚部２１
を挿入して接着する。

このようにすると、前記接合脚部２１の下端縁によりイ
ンナーレンズ３の舌片部３２の上面を押え付けるので、
インナーレンズ３は上方に抜は出ることなく、しかも接
着剤４により強固に接着され、よって、前記ランプボデ
ィ１の溝部１２に接着剤４を介してアウターレンズ２の
接合脚部２１とインナーレンズ３の舌片部３２を有する
固定脚３１とが接着固定される。

なお、符号７は、シートバッキング８を介して車体パネ
ル９に締結固定するためにランプボディ１の背面に埋設
されたボルトである。

本考案の車輌用灯具は、上記のように、ランプボディ１
の開口１１周縁の溝部１２の内壁１２ａと底壁１２ｃと
に切欠部１３と凹部１４とを形威し、その切欠部１３と
凹部１４とにぴったり嵌合する如くインナーレンズ３に
略り字状に形威した舌片部３２を有する固定脚３１を形
威し、その固定脚３１と舌片部３２とを切欠部１３と凹
部１４とに嵌挿し、その状態で溝部１２に接着剤４を塗
布してアウターレンズ２の接合脚部２１を装着するだけ
でアウターレンズとインナーレンズとを同時に接着固定
することができるので、従来のようにアウターレンズの
脚部を接着するための溝部とは別にインナーレンズの固
定脚を接着するための凹部を設ける必要がなく、また、
溶着するための治具や設備を必要とせず、二次加工を加
えることなくアウターレンズとインナーレンズとを迅速
かつ容易に組付けることができ、しかもインナーレンズ
３の固定脚３１に設けた舌片部３２が溝部１２の底壁１
２ｃの凹部１４内に嵌合した状態で接着剤４を介して前
記舌片部３２の上面がアウターレンズ２の接合脚部２１
の下端縁で押え付けられるので、インナーレンズ３は強
固に接着固定される。

また組立工数が低減し、灯室のスペースが大きく構成で
き、したがってレンズ発光面積を拡大化できると共に構
造が簡単でコストを低減させることができる。

第６図に示す実施例は、ランプボディ１の溝部１２の内
壁１２ａに設けた切欠部１３の変形例であって、前述の
実施例の切欠部１３は略ハの字状に切欠いたものである
が、この実施例の切欠部１３′は両側縁１３ａ、１３ｂ
を略■字状に切欠いて構成されている。

従って、この実施例の場合は、図示しないが、インナー
レンズ３の固定脚３１の両側壁３１ａ、３１ｂも略■字
状に形成する。

なお、前記においては、インナーレンズ３の周辺に設け
た舌片部３２を有する固定脚３１を１個設けたものにつ
いて説明したが、１個に限定されるものではないこと勿
論である。

【図面の簡単な説明】

第１図イ及び唄ま従来例を示し、イは要部断面図、口は
ランプボディの溝部を示す一部破断した斜視図である。 第２図乃至第５図は本考案の車輌用灯具の実施例を示し
、第２図は灯具の正面図、第３図は第２図のＡ−Ａ線断
面図、第４図はランプボディを一部破断した平面図、第
５図はランプボディにインナーレンズを組付ける前の状
態を示す要部の斜視図、第６図はランプボディの溝部の
変形例を示す一部破断した平面図である。 １・・・・・・ランプボディ、１２・・・・・・溝部、
１２ａ・・・・・・内壁、１２ｃ・・・・・・底壁、１
３・・・・・・切欠部、１４・・・・・・凹部、２・・
・・・・アウターレンズ、２１・・・・・・接合脚部、
３・・・・・・インナーレンズ、３１・・・・・・固定
脚、３２・・・・・・舌片部、４・・・・・・接着剤。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. ランプボディと、その前面に配設されたアウターレンズ
   とインナーレンズとを備えた灯具であって、前記ランプ
   ボディの開口周縁に溝部を設け、該溝部の内壁を切欠い
   て切欠部を形威すると共に該切欠部と連通ずる溝部の底
   壁内面に凹部を設け、該凹部と前記切欠部とに適合する
   舌片部を有する固定脚をインナーレンズの周辺に形威し
   、その舌片部を前記溝部底壁の凹部に嵌合すると共に前
   記固定脚により前記溝部内壁の切欠部を遮蔽した状態で
   インナーレンズを溝部に組付け、かつ、該溝部に接着剤
   を塗布して前記アウターレンズの接合脚部を接着固定し
   たことを特徴とする車輌用灯具。