JPS644161Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は車輛用灯具に関し、特にアウターレン
ズとインナーレンズとを備えた車輛用灯具に関す
るものである。

この種の車輛用灯具は、通常ランプボデイとそ
の前面にアウターレンズとインナーレンズとを配
設してそれにより画成された灯室内に光源バルブ
が配置されているものである。即ち、上述の二重
レンズ構造の車輛用灯具は従来第１図及び第２図
に例示する如く、合成樹脂製のランプボデイ１ａ
の開口周縁に溝部１ｄを設け、この溝部１ｄにホ
ツトメルト等の接着剤２ｅを充填してアウターレ
ンズ２ａの脚部２ｂを接着固定し、一方、インナ
ーレンズ３ａはその脚部３ｂに爪片３ｃを形成
し、ランプボデイ１ａの開口周縁内側に取付部１
ｂを延設して前記インナーレンズ３ａの爪片３ｃ
を挟持する突片１ｃと１ｅとを形成し、かかる突
片１ｃと１ｅとの間に前記爪片３ｃを挟み込むも
のである。即ち、インナーレンズ３ａをランプボ
デイ１ａに所謂ゆるワンタツチで挟着するもので
ある。なお、図中４ａは光源バルブである。

しかしながら、かかる従来の車輛用灯具の構造
にあつては、第２図に示すようにインナーレンズ
３ａの脚部３ｂに爪片３ｃを形成し、一方ランプ
ボデイ側の取付部１ｂに下側の突片１ｅと上側の
突片１ｃとを形成しており、かつかかる取付構造
を図示していないランプボデイ１ａの開口周縁側
に対向させている。そして、インナーレンズ３ａ
をランプボデイ１ａに取付けるには、インナーレ
ンズ３ａの脚部３ｂを内方にたわませて爪片３ｃ
を突片１ｃと１ｅとの間に嵌め込むのであるか
ら、インナーレンズ３ａはランプボデイ１ａに対
して上下方向にl₂のクリアランスと左右方向にl₁
のクリアランスが生じてしまう。更に図示しない
が前後のクリアランスも生じることになり、これ
らのクリアランスはインナーレンズ３ａのガタツ
キとなつて現われてしまう。従つて、走行中の振
動によりインナーレンズ３ａが動き、光源バルブ
４ａに対する光軸がずれて配光性能上著しく低下
するという重大な欠点を有していた。又、インナ
ーレンズを確実に固定するための構造（図示しな
い）として、ランプボデイ側にインナーレンズを
溶着するための溶着ピンを突設し、その溶着ピン
にインナーレンズを超音波溶着してカシメ固定し
たものが提案されているが、かかる例の構造にあ
つては溶着するための設備が必要であり、かつそ
の溶着に工数がかかるばかりか二次加工を加えな
ければならず、またアウターレンズ表面から見る
と溶着ピンが陰の部分として見えてしまい外観的
に好なしくないなどの欠点があるものである。

本考案は、上述の事情に鑑みてなされてもの
で、構造が簡明でインナーレンズがガタなく確実
にランプボデイに取付けることができ、しかも組
立作業が極めて迅速かつ容易であり、安価な車輛
用灯具を提供することを目的とする。

以下、本考案に係る車輛用灯具の実施例の一例
について添付図面を参照して説明する。

第３図は本考案を適用した車輛用灯具の正面図
であり、第４図は第３図の−線断面図であ
り、第５図は第４図でのＢ部拡大断面図であり、
第６図はランプボデイの要部斜視図であり、第７
図は第３図に示す灯具に裏面図である。

本考案は、合成樹脂製のランプボデイ１とその
前面に配設されたアウターレンズ２とインナーレ
ンズ３とを有する二重レンズ構造の灯具である。
そして、ランプボデイ１の前面開口のフランジ１
１を周設し、このフランジ１１に適宜数の弾性突
起状の舌片１２を設ける。かはるフランジ１１上
に載置してフランジ１１の裏側からスクリユー６
にて固着されるリム４は、アウターレンズ２を固
着すると共に、インナーレンズ３を前記舌片１２
の弾性圧力が加わつた状態でフランジ１１とによ
り挟持して、インナーレンズ３を確りと固定せし
めてなるものである。

更に詳しく説明すると、本例は自動車用のリヤ
ーコンビネーシヨンランプを示すもので、アウタ
ーレンズ２は透光性アクセル樹脂材で成形され、
ストツプ及びテールランプ用の赤色レンズ２１
と、ターンシグナル用の橙色レンズ２２と、バツ
クランプ用の白色レンズ２３とからな成り、各レ
ンズを１体成形している。そして、このアウター
レンズ２はその脚部をリム４の接合突部４２に溶
着固定する。リム４はABS樹脂材等により形成
されるもので、ランプボデイ１の開口周縁に周設
したフランジ１１上に載置固定する。このリム４
は前記接合突部４２の他に、開口縁４１の内側で
かつフランジ１１方向に延出したストツパー４３
を形成する。ランプボデイはポリプロピレン樹脂
材等により形成され、上記灯室数に応じて回転放
物面形状のボデイを形成すると共に光源バルブ５
を内蔵している。そして、ランプボデイの前面開
口にインナーレンズ３を配設する。このインナー
レンズ３はアウターレンズ２と同様にアクリル樹
脂材にて成形され、光源バルブ５側に図示してい
ないがフレネルプリズムを施して、光源バルブ５
からの直射光を平行出射光に屈接させる。このイ
ンナーレンズの形状は、周縁に脚部３１を形成す
ると共に脚部３１から折曲した脚片３２を延設す
る。

かかる構成であるから両レンズ２，３のランプ
ボデイ１への組付けは、インナーレンズ３の脚片
をランプボデイ１のフランジ１１上の所定位置に
載置し、次に予めアウターレンズ２を溶着固定し
たリム４をフランジ上に載置する。この場合、第
５図に示すように、実際にはリム４の開口縁４１
をインナーレンズ３の脚片３２上に載置すること
になる。そして、ランプボデイ１の裏面からスク
リユー６を挿入してリム４を固着するために締め
付ける。この際に、スクリユー６の締め付けによ
りリム４はフランジ１１方向、即ち矢印Ｐ方向に
移動すると共に、インナーレンズ３の脚片３２の
下面に当接していた弾性突起状の舌片１２の先端
部分は徐々にたわむことになる。そのために、舌
片１２の弾揆力Ｔが矢印方向に作用して脚片３２
を確実に圧接挟持させる。また、リム４に形成し
たストツパー４３は、フランジ１１に当接するこ
とによりスクリユー６の適正な締め付けを得るよ
うにするものであると共に、インナーレンズ３の
右左方向への位置決めとなるものである。このよ
うに、スクリユー６の締め付けによつて生じる舌
片１２の弾揆力Ｔは、インナーレンズ３の脚片３
２を徐々に圧接挟持することになるので、インナ
ーレンズ３の割れを防止できるものであり、かつ
インナーレンズ３がガタつくことなく確りとラン
プボデイ１に固定できるものである。また、スク
リユー６は舌片１２の近傍に配置した方が弾揆力
Ｔが得易い。

尚、前述した実施例では舌片１２を各灯室毎に
４ケ所（第７図に示す）に離間して設けたものに
ついて説明したが、これに限定することなくイン
ナーレンズ３の大きさにより適宜数設けても良い
ものである。

上述の実施例から明らかなように、本考案の車
輛用灯具は合成樹脂製のランプボデイとその前面
に配設されたアウターレンズとインナーレンズと
を有する二重レンズ構造の灯具であつて、前記ラ
ンプボデイの前面開口にフランジを周設すると共
に該フランジに適宜数の弾性突起状の舌片を設
け、前記アウターレンズをリムに固着し、前記イ
ンナーレンズに形成した脚片を前記フランジとリ
ムとの間に配置してスクリユーにて締付けること
により、前記舌片を前記脚片に圧接して挟持した
ことを特徴とするものであるから、構造が簡単で
インナーレンズをガタなく確実にランプボデイに
取付けることができ、しかもインナーレンズを破
損することなくきわめて迅速かつ容易に組立作業
ができ、また従来のように何ら二次加工等を加え
る必要がないから組立工数が低減でき、さらにイ
ンナーレンズの取付部がランプボデイの前面開口
部の外側なので配光上支障を来たすことがない等
の効果を奏するものである。

【図面の簡単な説明】

第１図及び第２図は従来の車輛用灯具を示し、
第１図は要部断面図、第２図は第１図のＡ部拡大
説明図である。第３図乃至第７図は本考案の車輛
用灯具の一実施例を示し、第３図は車輛用灯具の
正面図、第４図は第３図の−線断面図、第５
図は第４図のＢ部拡大図、第６図はランプボデイ
の舌片を示す要部斜視図、第７図は第３図の裏面
図である。 １……ランプボデイ、１１……フランジ、１２
……舌片、２……アウターレンズ、３……インナ
ーレンズ、３２……脚片、４……リム、４１……
開口縁、５……光源バルブ。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 合成樹脂製のランプボデイとその前面に配設さ
   れたアウターレンズとインナーレンズとを有する
   二重レンズ構造の灯具において、前記ランプボデ
   イに前面開口に周設されたフランジと、該フラン
   ジの前面側に形成された適宜数の弾性突起状の舌
   片と、前記アウターレンズに固着されたリムと、
   前記インナーレンズに形成されて前記フランジの
   舌片とリムとの間に挾持される脚片とを備えたこ
   とを特徴とする車輛用灯具。