JPS601149Y2 - 改装された建物 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は、既存の建物の外壁＃杢改装するにあたって旧
設の古い外壁材の外側：：に新しい外壁材を展装するよ
うに：しだ改装された建物に関、する≧かなり以前ｉ’
−＠ｌ築：さ：れた建物では、長い年月と共にその外壁
材が風雨や振動およｉｌＪ”ｍ気汚染て風化、腐蝕、割
れおよび汚損して建物外観の体裁が劣悪になると共に、
外壁材が剥がれ落ちる等の甚々危険な事態を生じること
になるため、古い外壁材を新しく貼りかえる必要が生じ
るが、この改装にあたってまず古い外壁材を建物全面に
わたり剥ぎ落とし、その上に新しい外壁材を取りっける
ようにすると、古い外壁材を剥ぎ落とす際に大きな騒音
を発したり、塵埃を周囲にまき散らす等の公害を生じせ
しめ、又改装に長期の日数を必要とする等の難点がある
ため、最近ては古い外壁材を建造物躯体より除去するこ
となく残存せしめ、この上に適当な支持金物を介して新
しい外壁材を取付けるようにした施工例が提案されてい
る。

ところで、新築建物と違って改装建物の場合には、室内
で居住したり、営業しており、人の出入りが多い中で改
装作業を行わなければならないため、できるだけ迅速容
易に改装できる構造でなければならない。

また新しい外壁材を古い外壁材に展開するために、まず
古い外壁材に適当間隔に支持金具を固着腰これら支持金
具間に多数の長尺な支持骨枠を横縦にわたって固定し、
これら支持骨枠を取付基準として、これに新しい外壁材
を展装するようにしている。

したがって新しい外壁材を迅速容易に展装するためには
、その取付基準となる多数の支持骨枠を支持金具に簡易
にかっ強固に取付けるようにしなければならない。

しかるに従来にあっては、適当間隔に設けられた支持金
具間に長尺な支持骨枠を取付けるに当たって、両者をホ
ルト・ナツトで固定するようにしていたため、その固定
時に支持骨枠を挟んで、一方てボルトを、他方の手でナ
ツトを掴んだ状態で作業しなければならず、その固定作
業が面倒であり、特に高所作業において両手とも作業の
ために塞ぐことははなはだ危険でもある。

さらにまた、古い外壁材は、長期間の使用によりその表
面に凹凸や歪みが発生しており、あるいは古い外壁材の
内側にこれを建造物躯体に取付けるための古い支持骨枠
や支持金物が固着されており、したがって新しい外壁材
をこの古い外装材に展装するためには、当然に上述の凹
凸や歪みを吸収し、古い支持骨枠や取付金具などの障害
物を避けて新しい支持金具を古い外装材から建造物躯体
にかけて取付けなければならなかった。

このため従来にあっては支持金具または支持骨枠として
一対のＬ状金具（アングル金具）またはコ状金具（チャ
ンネル金物）を用いると共に、Ｌ状またはコ状支持金具
あるいは支持骨枠に長孔を設けておき、支持金具に支持
骨枠をボルト止めする際に前記長孔によって見付は方向
（建物正面視上下または左右方向）の調整を行うように
しているが、見込み方向（室内外方向）の調整を行う場
合には、古い外壁材の一部を研（はつ）つて凹陥部を設
け、この凹陥部においてＬ状の支持金物をアンカーボル
トによって古い外装材に固着し、これら両調整作業によ
って古い外壁材の凹凸や歪みを吸収すると共に、上述の
障害物を避けて新しい外壁材を整正状態に展装するよう
にしていた。

しかしながらこの従来構造では、上述のように特に見込
み方向の調整のために古い外壁材の一部を研るようにし
ており、これでは古い外壁材をそのまま新しい外壁材の
取付基台とするメリット、即ち古い外壁材をなんら研る
ことなく、この上に新しい外壁材の展装することによっ
て工期の短縮と作業公害の発生を防止するという本来の
目的に反することになる。

したがって、本考案は、上述の難点に注目し、支持金具
から支持骨枠に挿入したボルトをねじ込むだけで両者を
互いに固定することができ、所謂ナツトの回り止め作業
をなんら必要としない取付装置を提供しようとするもの
である。

さらにまた、本考案は、古い外壁材をなんら研ることな
く、新しい外壁材の取付基準となる支持骨枠の見付けお
よび見込み方向の取付位置に合わせて支持金物とボルト
止めするだけで支持骨枠を定位置に取付けることができ
、しかして外壁改装作業を容易に行うことができるよう
にしたものである。

以下その一実施例を図面に基づき説明すると、第１図の
ように例えば外壁をタイル張りとした既存の建造物躯体
Ａの外壁材１を第２図のように新しい外壁材２、例えば
カーテンウオール、スパントレール（商品名）の如き外
壁材２に取りかえるにあたり、本考案は第３図の如く建
造物躯体Ａにおける古い外壁材１の頂壁部３に比較的長
尺な支持金物である笠木取付部材４を頂壁部幅方向に所
要間隔おいて配設して基礎植込み杵（例えば商品名ホー
ルインアンカー）５にて固着する。

この際、笠木取付部材４には予め長孔４ａが穿設されて
おり、基礎植込み杵５にて固着する・時に、該取付部材
４を長孔４ａに沿って頂壁部幅方向に移動させて各取付
部材４の両端に設けた取付部片４ｂ、４ｃの突出量を整
正調整し、後述の笠木ユニット６を取付ける時の位置決
めを兼ねる。

次に予め笠木板７に笠木受板８を一体固着すると共に笠
木受板８の幅方向両端をＬ字状に折曲して連結部片８ａ
、８ｂを形成し、且つ連結部片８ｂには継手金具９を固
定し、又笠木受板８の裏面長手方向に取付金具１０と補
強リブ１１を一体溶着したものを笠木ユニット６として
製作しておき、この笠木ユニット６を前記笠木取付部材
４に被冠し、笠木ユニット６の取付金具１０と継手金具
９とを、笠木取付部材４の取付部片４ｂ、４ｃにそれぞ
れボルト１２，１・３によって固定する。

、なお適宜補強リブ１１と笠木取付部材４との間にモル
タル１４を充填し、笠木ユニット６の古い外壁材１に対
する支持を強固にする。

次に古い外壁材１に新しい外壁材２を展装するには、ま
ず建造物躯体Ａの外側面において古い外壁材１に基礎植
込み杵１５を打込んでアングル状の支持金具１６を適当
間隔に取付け、各支持金具１６の突壁部１６ａに古い外
壁材１に対し直角な方向（室内外方向）に横長孔１７を
開設すると共に、これら支持金具１６間にわたって縦支
持骨枠１８はを配装する。

この縦支持骨枠１８は、第４図に示されるように断面略
コ字状のチャンネル材をもって形成され、その−側長手
方向に条溝１８ａを挟んで互いに対向するようにＬ字状
に折曲された係合リブ１９，１９を有する。

一方縦支持骨枠１８の内部に嵌合され、前記一対の係合
リブ１９．１９に係合可能な座板２１と、この中央部に
溶接によって一体に固着されたナツト２０に、支持金具
１６の横長孔１７に挿通したボルト２２を螺合した状態
にしておく。

この場合座板２１は第７図に示すように長方形状を呈し
、その長辺の長さが縦支持骨枠１８の内部幅寸法１に略
一致しており、又一対の対角部外側縁２１ａ、２１ａを
曲面に形成している。

このため支持金具１６に縦支持骨枠１８を固定するにあ
たっては、支持金具１６の横長孔１７を通してボルト２
２に螺合された座板２１を第７図の実線の如く上下方向
に立てて縦支持骨枠１８の係合リブ１９間の開口部たる
条溝１８ａを通して該骨枠１８内に座板２１を挿入し、
し・かるのちボルト２２を回転すれば、このボルト２２
とナツト２０との摩擦力で座板２１およびナツト２０が
一体回転し、この座板２１の両端が破線の如く支持骨枠
の内壁面に接当する時点で該回転が阻止され、ナツト２
０の廻り止めがなされるため、更にボルト２２を回転さ
せれば該ボルト２２は自動的にナツト２０に締付けられ
、係合リブ１９，１９が支持金具１６と座板２１との間
に挟着される。

従って支持金具１６に対する縦支持骨枠１８の固定作業
を支持金具１６側からボルト２２を片手作業によって回
転させるだけでよいことになる。

又、縦支持骨枠１８の所要部箇所においては該縦支持骨
枠１８の係合リブ１９を挟んで外部側にＬ字形状を有し
た横支持骨枠取付は用のブラケット２３が当てつけられ
ると共に、この取付ブラケット２３にはホルト２６が挿
通され、その先端部に別の座板２５とこれに溶着された
ナツト２４とか前述の取付構造と同じように螺合され、
取付ブラケット２３側から縦支持骨枠１８の条Ｒ１８ａ
を通って骨枠内部に座板２５を挿入し、ボルト２６を回
転させれは座板２５が縦支持骨枠１８の一対の係合リブ
１９，１９に係合して、該縦支持骨枠１８に取付ブラケ
ット２３を固定する。

この取付ブラケット２３の一端部は第３図および第５図
に見られるように縦支持骨枠１８よりも外側に突出され
ており、この突出部分においてブラケット２３の横壁部
２３ａに下方に向かって切起こした一対の挟持用舌片２
７，２７を形成し、該舌片２７．２７を縦支持骨枠１８
間にわたって架設した横支持骨枠２８の係合リブ２９，
２９に係合することによって、縦支持骨枠１８に取付ブ
ラケット２３によって横支持枠２８を固定している。

又、ブラケット２３に横支持骨枠２８を固定する手段と
して、第６図に示すように横支持骨枠２８内に、前述と
同じようにナツト３０を一体溶着してなる座板３１を嵌
装し、この座板３１とブラケット横壁部２３ａとの間に
係合リブ２９を挟着するようにブラケット横壁部２３ａ
および座板３１を通しナツト３０にボルト３２を捻じこ
んでも良い。

以上によって古い外壁材１の外側に格子状に縦横の支持
骨枠１８，２８を配設固定腰横支持骨枠２８の外側に新
しい外壁材２を当てっけ、この外壁材２の所要部を横支
持骨枠２８にビス３３によって固定し、これによって古
い外壁材１の外側に支持金具１６、縦横の支持骨枠１８
，２８を介在させた空間をおいて新しい外壁材２を展装
することになる。

又、この新設外壁材２の上端は建造物躯体Ａの頂壁部３
におりて、前述の笠木板７の外壁側先端部を凹凸状に連
続折曲して形成した凹部３４に突入させ、両者間にシー
ル材を介入させて水密結合するようになっている。

なお、実施例においては、アングル状の支持金具１６を
平面視り字状に位置するよう建造物躯体Ａに取付けてお
り、これがために図示のように縦支持骨枠１８が内側に
横支持骨枠２８が外側にそれぞれ架設されているが、本
考案においてはこの実施例に限定されないのは勿論であ
って、たとえばアングル状の支持金物を縦断面り字状に
位置するよう建造物躯体Ａに取付け、この支持金物に横
支持骨枠を固定し、その外側に縦支持骨枠を架設しても
よい。

以上のように本考案によれば、建造物躯体より除去する
ことなく残存せしめた古い外壁材に適当間隔に支持金具
を固着し、これら支持金具間にわたって断面略コ字状を
呈すると共にその一側長手方向に条溝を挟んで一対の係
合リブを有する長尺な支持骨枠を配装味一方各支持金具
にホルト挿通用の長孔を貫設味この長孔に挿通したポル
トに座板を溶着したナツトを螺合すると共に、上記座板
を条溝より支持骨枠内に挿入させ、かつ前記一対の係合
リブに係合させて、前記支持金具に支持骨枠を固定する
ようにしたため、たとえ古い外壁材が経年疲労によりそ
の表面に凹凸や歪みが発生していても、支持骨枠に貫設
したボルト挿通用の長孔と支持骨枠の条溝に沿って、支
持骨枠固定用のボルトと座板を移動させることによって
支持骨枠を見込み方向および見付は方向の定位置に正確
に固定することができ、特にこの固定作業において支持
金具の長孔に挿通したボルトに座板を溶着したデッドを
螺合した状態で、上記座板を支持骨枠の条溝より骨枠内
部に挿入させ、かつ条溝を挟んで形成した一対の係合リ
ブに係合させるようにボルトを螺合させるだけてよいか
ら、予め支持金具の長孔＆とボルトを挿通さえしておけ
ば、後はナツトめ回り作業をなんら必要とせナボルトを
絞付けるだけそ支持金具に支持骨枠を固定することがで
き、その固定作業を極めて容易に、かつ高所作業におい
て安全に行うことができ名。

さらにまた前記支持骨枠の条溝より・支持骨枠内に挿入
され、かつ前記一対の係合リブに係合される別の座板と
これに溶着されたナツトに螺合するホルトとによってＬ
字状の取付ブラケットを支持骨枠に固定腰このＬ字状の
取付ブラケットによって支持骨枠の外側に、これに直交
する別の長尺な支持骨枠を架設するようにしたため、前
記と同じように外側の支持骨枠取付用のブラケットを内
側の支持骨枠に取付ける際に、ナツトの回り止めを配慮
することなくボルトを締付けるだけでよいから、これら
内外の支持骨枠の枠組作業をも極めて容易に行うことが
できる。

しかしてこの外側の支持骨枠に新しい外壁材を展装する
ことによって、新しい外壁材を整正形成することができ
る。

【図面の簡単な説明】

第１図は改装される前の建物の外観を示す正面図、第２
図は改装された建物の外観を示す正面図、第３図は改装
された建物の頂壁部部分を示す拡大縦断側面図、第４図
は要部平面図、第５図は他の要部平面図、第６図は他の
実施例を示す要部側面図、第７図は支持金具と縦支持骨
枠との固定動作説明図である。 Ａ・・・・・・建造物躯体、１・・・・・・古い外壁材
、２・・・・・・新しい外壁材、１６・・・・・・支持
金具、１８・・・・・・縦支持骨枠、１８ａ・・・・・
・条溝、１９・・・・・・係合リブ、２３・・・・・・
取付ブラケット、２４・・・・・・ボルト、２５・・・
・・・座板、２６・・・・・・ナツト、２８・・・・・
・横支持骨枠。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 建造物躯体より除去することなく残存せしめた古い外壁
   材に適当間隔に支持金具を固着し、これら支持金具間に
   わたって断面略コ字状を呈すると共にその一側長手方向
   に条溝を挟んで一対の係合リブを有する長尺な支持骨枠
   を配装し、一方各支持金具にボルト挿通用の長孔を貫設
   し、この長孔に挿通したボルトに座板を溶着したナツト
   を螺合すると共に、上記座板を条溝より支持骨枠内に挿
   入させ、かつ・前記一対の係合リブに係合させて、前記
   支持金具に支持骨枠を固定し、更にこの支持骨枠の条溝
   より：：支持骨枠内に挿入され、かっ前記一対の係合リ
   ブば：係合される別の座板とこれに溶着されたナラ］・
   ：□に螺合するボルトとによ：１うでＬ状の取付ブラケ
   ヅトを支持骨枠に固定し、１このＬ状の取付ブラケ゛ン
   トによって支持骨枠の外側に、これに直交する別の長尺
   な支持骨枠を架設し、この外側の支持骨枠に新しい外壁
   材を展装してなることを特徴とする改装された建物。