JPS601151Y2 - 改装された建物 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は、既存の建物の外壁材令改装するにあたって旧
設の古い外壁材の外側に新しい外壁材を展装するように
した改装された建物に関する。

かなり以前に建築された建物では、長い年月と共にその
外壁材が風雨や振動および空気汚染で風化、腐蝕、割れ
および汚損して建物外観の体裁が劣悪になると共に、外
壁材が剥がれ落ちる等の甚々危険な事態を生じることに
なるため、古い外壁材を新しく貼りかえる必要が生じる
が、従来てはこの改装にあたってます古い外壁材を建物
全体にわたり剥ぎ落とし、その上に新しい外壁材を取り
つける工法を用ト）ていたため、古い外壁材を剥ぎ落と
す際に大きな騒音を発したり、塵埃を周囲にまき散らす
等の公害を生じせしめ、又改装に長期の日数を必要とす
る等の難点があるため、最近では古い外壁材を建造物躯
体より除去することなく残存せしめ、こρ上に適当な支
紳金物を介して新しい外壁材を取付けるようにした施工
例が提案されている。

ところで、新築建物と違って改装建物の場合には、室内
て居住したり、営業しており、人の出入りが多い中で改
装作業を行わなければならないため、できるだけ迅速容
易に改装できる構造でなければならない。

また新しい外壁材を古い外壁材に展装するために、まず
古い外壁材に適当間隔に支持金具を固着し、これら支持
金具間に多数の長尺な支持骨枠を横縦にわたって固定し
、これら支持骨枠を取付基準として、これに新しい外壁
材を展装するようにしている。

したがって新しい外壁材を迅速容易に展装するためには
、その取付基準となる多数の支持骨枠を支持金具に簡易
にかっ強固に取付けるようにしなければならない。

しかるに従来にあっては、適当間隔に設けられた支持金
具間に長尺な支持骨枠を取付けるに当たって、両者をボ
ルト・ナツトで固定するようにしていたため、その固定
時に支持骨枠を挟んで、一方でボルトを、他方の手でナ
ツトを掴んだ状態で作業しなければならず、その固定作
業が面倒であり、特に高所作業において両手とも作業の
ために塞ぐことははなはだ危険でもある。

さらにまた、古い外壁材は、長期間の使用によりその表
面に凹凸や歪みが発生しており、あるいは古い外壁材の
内側にこれを建造物躯体に取付けるための古い支持骨枠
や支持金物が固着されており、したがって新しい外壁材
をこの古い外装材に展装するためには、当然に上述の凹
凸や歪みを吸収し、古い支持骨枠や取付金具などの障害
物を避けて新しい支持金具を古い外装材から建造物躯体
にかけて取付けなければならなかった。

このため従来にあっては支持金具または支持骨枠として
一対のＬ字状金具（アングル金具）またはコ字状金具（
チャンネル金物）を用いると共に、Ｌ字状またはコ字状
支持金具あるいは支持骨枠に長孔を設けておき、支持金
具に支持骨枠をボルト止めする際に前記長孔によって見
付は方向（建物正面視上下または左右方向）の調整を行
うようにしているが、見込み方向（室内外方向）の調整
を行う場合には、□古い外壁材の一部を訴（はつ）つて
凹陥部を設け、この凹陥部においてＬ字状の支持金物を
アンカーホルトによって古い外装材に固着し、これら両
調整作業によって古い外壁材の凹凸や歪みを吸収すると
共に、上述の障害物を赳けて新しい外壁材を整正状態に
展装するようにしていた。

しかしながらこの従来構造では、上述のように特に見込
み方向の調整のために古い外壁材の一部を析るようにし
ており、これでは古い外壁材をそのまま新しい外壁材の
取付基台とするメリット、即ち古い外壁材をなんら訴る
ことなく、この上に新しい外壁材の展装することによっ
て工期の短縮と作業公害の発生を防止するという本来め
目的に反することになる。

したがって、本考案は、上述の難点に注目し、支持金具
から支持骨枠に挿入したビスをねじ込むだけ両者を互い
に固定することがてき、所謂片手作業を可能にした取付
装置を提供しようとするものである。

さらにまた、本考案は、古い外壁材を何ら折ることなく
、新しい外壁材の取付基準となる支持骨枠の見付けおよ
び見込み方向の取付位置に合わせて支持金物とビス止め
するだけで支持骨枠を定位置に取付けることができ、し
かして外壁改装作業を容易に行うことができるようにし
たものである。

以下その一実施例を図面に基づき説明すると、第１図の
ように例えば外壁をタイル張りとした既存の建造物躯体
Ａの外壁材１を第２図のように新しい外壁材２、例えば
カーテンウオール、スパントレール（商品名）の如き外
壁材２に取りかえるにあたり、本考案は第３図の如く建
造物躯体Ａにおける古い外壁材１の頂壁部３に比較的長
尺な支持金物である笠木取付部材４を頂壁部幅方向に所
要間隔おいて配設して基礎植込み杵（例えば商品名ホー
ルインアンカー）５にて固着する。

この際、笠木取付部材４には予め長孔４ａが穿設されて
おり、基礎植込み杵５にて固着する時に、該取付部材４
を長孔４ａに沿って頂壁部幅方向に移動させて各取付部
材４の両端に設けた取付部片４ｂ、４ｃの突出量を整正
調整し、後述の笠木ユニット６を取付けろ時の位置決め
を兼ねる。

次に予め笠木板７に笠木受板８を一体固着すると共に笠
木受板８の幅方向両端をＬ字状に折曲して連結部片８ａ
、８ｂを形成し、且つ連結部片８ｂには継手金具９を固
定腰又笠木受板８の裏面長手方向に取付金具１０と補強
リブ１１を一体溶着したものを笠木ユニット６として製
作しておき、この笠木ユニット６を前記笠木取付部材４
に被冠腰笠木ユニット６の取付金具１０と継手金具９と
を、笠木取付部材４の取付部片４ｂ、４ｃにそれぞれボ
ルト１２，１３によつで固定する。

なお適宜補強リブ１１と笠木取付部材４との間にモルタ
ル１４を充填し、笠木ユニット６の古い外壁材１に対す
る支持を強固にする。

次に古い外壁材１に新しい外壁材２を展装するには、ま
ず建造物躯体Ａめ外側面において古い外壁材１に基礎植
込み杵１５を打込んでアングル状の支持金具１６を適当
間隔に取付け、この支持金具１６間にわたって縦支持骨
枠１７を配装する。

この支持金具１６には縦支持骨枠１７が当てつけられる
突壁部１６ａに上記古い外壁材１に対し直角な方向（室
内外方向、即ち室内外方向）に一対の横長孔１８，１８
が開設されており、他方横支持骨枠１７は路上向きコ字
状断面を呈するチャンネル枠材をもって形成され、かつ
その枠辺部底面と枠辺部両側面とには断面略Ｕ字状のビ
スポケット１９，２０を長手方向全域にわたって形成し
、古い外壁材１に対し室外側の定位置に取付けられる縦
支持骨枠１７に合わせて、支持金具１６の横長孔１８に
ビス２１を挿通し、さらに見付は面上下方向の所定位置
に合わせた位置のビスポケット１９にビス２１を捻じ込
むことによって支持金具１６に対し見付は面および見込
み面の所望の定位置に縦支持骨枠１７を固定することが
できる。

また縦支持骨枠１７の外側枠辺部に略り字状の受金具２
２を当てつけ、この受金具２２を貫通するビス２３を、
これに対接する枠辺部のビスポケット２０に捻じこんて
該受金具２２を縦支持骨枠１７に固定する。

この１字状受金具２２の縦壁部２２ａにはその両側部か
ら略Ｃ字状ないしは鉤状の係合部２６が一体に折曲形成
され、縦支持骨枠１７の外側に配置された路上向きコ字
形状を呈する横支持骨枠２４を受金具２２の横壁部２２
ｂ上に載置した状態において上記鉤状係合部２６を横支
持骨枠２４の係合リブ２７に係合させ、かつビス２５を
横壁部２２ｂから横支持骨枠２４に螺合することによっ
て縦支持骨枠１７に直交して横支持骨枠２４を格子状に
取付ける。

また他の実施例として第５図に示すように受金具２８の
横壁部２８ａに下方に向かつて切起こした一対の挟持用
舌片２９．２９を形成し、該舌片２９，２９を横支持骨
枠２４の係合リブ２７，２７に係合させることによって
、縦支持骨枠１７に受金具２８を介して横支持骨枠２４
を固定している。

次に横支持骨枠２４の外側に新しい外壁材２を当てつけ
、この外壁材２の目地部分を横支持骨枠２４にビス３０
によって固定し、これによって古い外壁材１の外側に支
持金具１６、縦横の支持骨枠１７，２４を介在させた空
間をおいて新しい外壁材１を展装することになる。

また、この新設外壁材２の上端は建造物躯体Ａの頂壁部
３において、前述の笠木板７の外壁側先端部を凸凹状に
連続折曲して形成した凹部３１に突入させ、両者間にシ
ール材を介在させて水密結合するようになっている。

尚、支持金具１６に縦支持骨枠１７を固定するために用
いたビス２１、および受金具２２を縦支持骨枠１７に固
定するために用いたビス２３は先端に錐の付いたビスで
（−例としてテックスビス（商品名））、ビスポケット
１９，２０にタップねじを形成し乍らビス止めされるも
のである。

なお、実施例においては、アングル状の支持金具１６を
平面視り字状に位置するよう建造物躯体Ａに取付けてお
り、これがために図示のように縦支持骨枠１７が内側に
横支持骨枠２４が外側にそれぞれ架設されているが、本
考案においてはこの実施例に限定されないのは勿論であ
って、たとえばアングル状の支持金物を縦断面り字状に
位置するよう建造物躯体Ａに取付け、この支持金物に横
支持骨枠を固定し、その外側に縦支持骨枠を架設しても
よい。

以上のように本考案によれば、建造物躯体より除去する
ことなく残存せしめた古い外壁材に適当間隔に支持金具
を固着すると共に、各支持金具にビス挿通用の長孔を見
込み方向に開設し、これら支持金具間にわたって、断面
略コ字状枠材からなると共に各枠辺部に断面略Ｕ字状の
ビスポケットをその長手方向全域に形成してなる支持骨
枠を配装し、前記ビス挿通用の長孔からこれに対接する
枠辺部のビスポケットにビスを螺合することにょって支
持金具に支持骨枠を固定してなるため、たとえ古い外壁
材が経年疲労によりその表面に凹凸や歪みが発生してい
ても、支持金具に開設したビス挿通用の長孔と、支持骨
枠に形成したビスポケットに沿って支持骨枠固定用のビ
スを移動させることによって支持骨枠を見込み方向およ
び見付は方向の定位置に正確に固定することがてきると
共に、支持金具の長孔から支持骨枠のビスポケットにビ
スを挿通しておけは、後は片手作業にょってビスを締付
けるだけで支持金具に支持骨枠を固定することができ、
その固定作業を極めて容易に、かつ高所作業において安
全に行うことがてきる。

また上述のように支持骨枠を断面略コ字状枠材で形成し
、かつコ字状枠材の各枠辺部に断面略Ｕ字状のビスポケ
ットをその長手方向全域に形成してなるため、支持骨枠
の長手方向のいずれの個所においても支持金具と外側の
支持骨枠とをビス止めすることができ、この取付作業が
容易である。

さらにまた本考案によれば、支持骨枠の外側枠辺部に受
金具を、該受金具から該枠辺部のビスポケットにビスを
螺合することによって支持骨枠に受金具を固定し、この
受金具を介して支持骨枠の外側に、これに直交する別の
長尺な支持骨枠を架設してなるため、前記と同じように
外側の支持骨枠取付用の受金具を内側の支持骨枠に取付
ける際に、ナツトの回り止めを配慮することなくビスを
締付けるだけてよいから、これら内外の支持骨枠の枠組
作業をも極めて容易に行うことができる。

しかしてこの外側の支持骨枠に新しい外壁材を展装する
ことによって、新しい外壁材を整正形成することができ
る。

【図面の簡単な説明】

第１図は改装される前の建物の外観を示す正面図、第２
図は改装された建物の外観を示す正面図、第３図は改装
された建物の頂壁部分を示す拡大縦断側面図、第４図は
第３図の要部平面図、第５図は他の実施例を示す要部側
面図である。 Ａ・・・・・・建造物躯体、１・・・・・・古い外壁材
、２・・・・・・新しい外壁材、１６・・・・・・支持
金具、１７・・・・・・縦支持骨枠、１８・・・・・・
横長孔、１９，２０・・・・・・ビスポケット、２１，
２３・・・・・・ビス、２２，２８・・・・・・受金具
、２４・・・・・・横支持骨枠。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 建造物躯体より除去することな１残存せしめた古い外壁
   材に適当間隔に支持金具全固着すると共に、各支持金具
   にビス挿通用の長孔を見込み方向に開設し、これら支持
   金具間にわたって、断面略コ字状枠材からなると共に各
   枠辺部に断面略Ｕ字状のビスポケットをその長手方向全
   域に形成してなる支持骨枠を配装腰前記ビス挿通用の長
   孔からこれに対接する枠辺部のビスポケットにビスを螺
   合することによって支持金具に支持骨枠を固定し、支持
   骨枠の外側枠辺部に受金具を、該受金具から該外側枠辺
   部のビスポケットにビ子を螺合することによって支持骨
   枠に受金具奢固寓し、この受金具を介し、て支持骨枠の
   外側に、：１こＩに直交する別の長尺な支持骨枠を架設
   し、この外側の支持骨枠に新しい外壁材を展装してなる
   ことを特徴とする改装された建物。