JPS6210396Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は、新窓枠の取付に際し、建造物基台に
既に取付けられている旧窓枠を除去することな
く、この旧窓枠を利用して新窓枠を取付ける装置
に関する。

従来、老朽化等により旧窓枠を新窓枠に換装す
る際には、旧窓枠を建造物からコンクリートのハ
ツリ作業等により一旦除去し、該建造物に既設さ
れている鉄筋等骨組体に新窓枠を取付けていた。

然し乍ら、上記従前工法にあつては、重筋労働
を強いられ、高所作業が多いため該重筋労働は危
険でもあり、又作業中騒音、埃りが発生し公害上
等で多くの幣害を生じていた。

本考案はかかる従来の問題点に鑑みて案出され
たものであり、建造物基台に既に取付けられてい
る旧窓枠を除去することなく、該旧窓枠の中へ新
窓枠を取付けることによつて労力の軽減を図る装
置であり、しかも新窓枠の取付けが堅牢且つ容易
になされると共に構造簡単で製造容易な取付装置
の提供を目的とし、その特徴とする処は、既設の
旧窓枠を建造物の基台より除去することなく残存
せしめ、旧窓枠の中に、額縁を備える新窓枠を室
の内部又は外部から挿入して取付ける装置であつ
て、旧窓枠における新窓枠の背面との対向面に、
室の内外方向に関して略直角な面状を呈する固着
板と、同じく室の内外方向に関して略直角な面状
を呈し且つ額縁が挿入方向側から接当する側板と
が固着され、新窓枠の背面に基板が備えられ、基
板に、その一部が旧窓枠側に突出状とされること
で上記挿入方向側に対して開口する係合溝が新・
旧両窓枠の長手方向に形成され、新・旧両窓枠間
に連結体が配設され、連結体は、係合溝内に挿入
係合されて先端部が係合溝内の底面と室の内外方
向に関して対向する係合突起と、室の内外方向に
関して略直角な面状を呈し且つ係合突起が係合溝
に係合した状態で固着板に上記挿入方向とは反対
方向側から重合状に固着されることで側板と協働
して新窓枠及び額縁を室の内外方向に関して所定
位置に位置決めする平板部とを有する点にある。

以下、本考案の一実施例を第１図乃至第３図に
従い詳述すると、１は建造物基台であつて、２は
基台１に残存された旧窓枠である。３は新窓枠で
あつて上枠４、下枠５及び一対の竪枠６，６で構
成され予じめ窓本体７に応じた規格で四角形に枠
組みされ、旧窓枠２の中に取付けられている。該
上・下枠４，５と竪枠６，６とはその断面構成が
ほとんど同じであるため、以下に説明は専ら上枠
４を旧窓枠２の旧上枠８へ取付ける取付装置につ
いて記述する。

上枠４背面にはその室の内外方向両端で開口部
が相互に対向する溝部９，９が長手方向に沿つて
形成され案内レール１０，１０とされている。

１１はアンカ金具であり、矩形状の基板１２
と、該基板１２の対向辺の中間部を切起して形成
した一対の翼片１３，１３を具備し、上記翼片１
３，１３と基板１２間に案内レール１０，１０が
夫々挟挿され、アンカ金具１１は該案内レール１
０の長手方向に摺動自在とされている。そして、
アンカ金具１１の摺動方向対向辺には夫々室の内
外方向双方に開口し、その開口方向が対向状とさ
れる一対の係合溝１４，１４が形成され、該係合
溝１４，１４は基板１２を切起すことによつて形
成されたものである。

１５は取付台であり、旧上枠８に外部から打設
可能の基礎ボルト１６で固着された固着片１７
と、該固着片１７の内端から該片１７に直角方向
に折曲形成され、室の内外方向に略直角面とされ
る固着板１８とで形成され、固着片１７の外端は
旧上枠８から離反方向へ直角に折曲されて外側板
１９とされている。該取付台１５は旧上枠８の長
手方向に連続した通し材であつても良く、長手方
向所定間隔おきに固着される複数の短片材であつ
ても良い。

２０は連結体であつて矩形状平板体をなし、そ
の一端が直角方向に折曲されて係合突起２１とさ
れ、該係合突起２１は前記係合溝１４内に挿入係
合されて、その先端部が係合溝１４内の底面と室
の内外方向に関して対向すると共に連結体２０の
平板部２２は固着板１８にタツピングネジ２３を
介して重合螺着せしめられている。この場合、係
合突起２１は室外方向に開口した係合溝１４に係
合せしめられており、平板部２２は固着板１８の
室内方向面に螺着せしめられている。

２４は外額縁であり、旧上枠８と上枠４の間隙
を室外方向から覆う立設板２５と、該板２５の
上・下端で室内方向に開口する断面コの字状のパ
ツキン保持部２６，２６と、立設板２５の室内方
向面中間部から室内方向に突設された保持板２７
とで一体構成され、上方の保持部２６は外側板１
９の室外方向面に当接せしめられ、下方の保持部
２６は上枠４の室外方向面に対向せしめられ、保
持板２７はアンカ金具１１の翼片１３上面に螺着
されている。而して、外額縁２４がアンカ金具１
１に固着されると共に旧窓枠２に外側板１９を介
して当接せしめられていることから、係合突起２
１と係合溝１４の係合状態は保持されている。こ
の外額縁２４を構成する部材はいずれも新窓枠３
の夫々全長に渡つて設けられる通し材とされてい
る。尚、係合突起２１はアンカ金具１１の対向辺
に夫々形成された係合溝１４に同時に係合しても
良く、一方のみに係合しても良い。

２８は内額縁であり、上枠４室内方向面と旧上
枠８下面にタツピングネジ等で固着された上枠４
と旧上枠８に架設された第１アングル材２９と、
このアングル材２９の断面両端に夫々固着される
と共に上端が旧上枠８に固着された第２アングル
材３０とで構成され、双方のアングル材２９，３
０は通し材としても良いが、第１アングル材２９
は通常短片材とされている。そして、該内額縁２
８は旧上枠８と上枠４の間隙を室内方向から覆つ
ている。尚、第１アングル材２９は上下移動調整
固着自在とされている。

次に上記構成に基づく新窓枠３取付の手順の一
例を示すと、先ず、旧窓枠２から旧窓本体を除去
し、取付台１５を旧窓枠２に固着する。そして、
アンカ金具１１及び外額縁２４を具備した新窓枠
３を、室外方向から上方の保持部２６が、外側板
１９に当接するまで旧窓枠２の中に挿入した後、
連結体２０の係合突起２１を係合溝１４に係合せ
しめると共にその平板部２２を固着板１８に螺着
せしめる。このとき、新窓枠３が旧窓枠２に対し
所定位置よりも室外方向にあれば、連結体２０は
第２図に二点鎖線で示す如く、その取付初期状態
で平板部２２が固着板１８下端縁に当接して傾斜
姿勢となる。該状態でタツピングネジ２３の捻回
により平板部２２を固着板１８に重合螺着せしめ
れば、新窓枠３は強制的に所定位置に移行せしめ
られ、且つ外額縁２４は旧窓枠２に取付台１５を
介して押接せしめられ、新窓枠３は旧窓枠２へが
たつき無く取付けられることとなる。そして、内
額縁２８を取着すれば新窓枠３の取付は完了す
る。

尚、旧窓枠２は金属の他木製であつても適用で
き、新窓枠３は押出成形、板金成形等の工作過程
を経て製造されるアルミ材等の金属や樹脂材であ
つても良い。更に、外額縁２４は内額縁２８であ
つても良く要するに係合突起２１と係合溝１４の
係合状態を保持すれば良いのである。又、各部材
の固着はボルト・ナツト等を介して着脱自在であ
ることや溶着すること等は自由である。

本考案によれば、旧窓枠を除去することなく残
存せしめて新窓枠を取付けることができたため、
旧窓枠を除去することの労力が軽減されたのであ
り、又、連結体を介して旧窓枠と新窓枠が容易に
連結されたのであり、しかも額縁部材を利用して
係合突起と係合溝の係合状態が保持され、連結体
と額縁部材との協働作用で新窓枠は旧窓枠に堅牢
に取付けられることとなり、構成簡単なことから
も実用的効果の大なる考案である。又、本考案で
は、額縁を備える新窓枠の旧窓枠への取付時にお
いて、新窓枠及び額縁が室の内外方向に関して所
定位置からずれていても、連結体の係合突起を係
合溝に係合して、連結体の平板部を固着板に、新
窓枠の旧窓枠への挿入方向とは反対方向側から重
合状に固着することで、側板との協働作用によ
り、新窓枠及び額縁が室の内外方向に関して所定
位置に強制的に移行せしめられるのであり、新窓
枠及び額縁を室の内外方向に関して所定位置に確
実に取付けることができる。

【図面の簡単な説明】

図面は本考案の一実施例を示し、第１図は改装
された窓を室内側から見た全体正面図、第２図は
第１図のＡ−Ａ線矢視側面断面図、第３図は第２
図のＢ−Ｂ線矢視図である。 １……基台、２……旧窓枠、３……新窓枠、１
４……係合溝、１８……固着板、２０……連結
体、２１……係合突起、２２……平板部、２４…
…外額縁、２８……内額縁。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 既設の旧窓枠を建造物の基台より除去すること
   なく残存せしめ、旧窓枠の中に、額縁を備える新
   窓枠を室の内部又は外部から挿入して取付ける装
   置であつて、旧窓枠における新窓枠の背面との対
   向面に、室の内外方向に関して略直角な面状を呈
   する固着板と、同じく室の内外方向に関して略直
   角な面状を呈し且つ額縁が挿入方向側から接当す
   る側板とが固着され、新窓枠の背面に基板が備え
   られ、基板に、その一部が旧窓枠側に突出状とさ
   れることで上記挿入方向側に対して開口する係合
   溝が新・旧両窓枠の長手方向に形成され、新・旧
   両窓枠間に連結体が配設され、連結体は、係合溝
   内に挿入係合されて先端部が係合溝内の底面と室
   の内外方向に関して対向する係合突起と、室の内
   外方向に関して略直角な面状を呈し且つ係合突起
   が係合溝に係合した状態で固着板に上記挿入方向
   とは反対方向側から重合状に固着されることで側
   板と協働して新窓枠及び額縁を室の内外方向に関
   して所定位置に位置決めする平板部とを有するこ
   とを特徴とする残存せしめた旧窓枠への新窓枠取
   付装置。