JPS6011407Y2 - 太陽熱集熱器 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は太陽熱集熱器に関し、特に透明板をケース側板
に取り付ける部分の防水構造に関する。

一般の太陽熱集熱器におて、集熱器ケース内に水が浸入
すると、該水が結露となって透明板に付着し、そのため
に透明板が雲り、集熱量が減少するという不具合が生じ
る。

又ケース内に浸入した水は、集熱効率を高めるために集
熱板の表面に形威されている選択吸収膜を腐食させ、集
熱効率を低下させる。

従ってケース内への水の浸入は確実に防止しなければな
らない。

従来品においては、透明板をケース側板に取り付けた部
分から水がケース内へ浸入する恐れがあり、そのために
確実な防水構造の開発が従来から望まれている。

本考案は押縁により透明板を側板に取り付けるようにし
た透明板取付部分に、透明板の周縁に沿って延びる構と
、該溝を外部に連通させる水抜き孔とを設け、水が透明
板と側板の間からケース内へ浸入することを確実に防止
するようにしたもので、次のように構成されている。

すなわち本考案は側板の上縁近傍に全長にわたって内向
きフランジを設け、側板の上記内向きフランジよりも上
方の位置に外向きフランジを設け、内向きフランジ上に
帯状シールを介して透明板の周縁部を載せ、透明板周縁
部の上面を帯状シールを介して押縁の内側部分により押
圧し、押縁の外側部分を上記外向きフランジに固定し、
側板上縁部と透明板の端面の間に上記内向きフランジを
底壁とする溝を形威し、溝と外部空間をつなぐ水抜き孔
を側壁上縁部に設け、押縁の外側の縁に下向きに突出し
た部分を設け、該下向き部分により上記外向きフランジ
と押縁本体との間の接合部を外側から覆うとともに、上
記下向き部分により側壁上縁部の水抜き孔を外側から覆
ったことを特徴としている。

次に図面により実施例を説明する。

平面略図である第１図において、例えばアルミニウムの
押出形材により形成された４個の側板１が矩形に枠組み
されている。

第１図中左右に延びる１対の平行な側板１，１の各端面
ば他の１対の側板の端部側面に突き合わされており、各
突き合せ部分はビスにより固定されている。

第１図の■−■断面部分図である第２図中、２は上記ビ
ス用の溝であり、側板１の外側に設けである。

第２図において各側板１にはその全長にわたって内向き
フランジ３が上縁近傍に設けてあり、又上縁には外向き
フランジ５が設けである。

フランジ３上には帯状シール６を介して透明板７（例え
は強化ガラス）の周縁部が載せてあり、透明板７の周縁
部上面は帯状シール９を介して押縁１０の内側部分（第
２図中右側部分）により下向きに押圧されている。

押縁１０は例えばアルミニウムの押出形材により形成さ
れた部材で、側板１の全長に沿って延びており、外側部
分が複数のビス１１により外向きフランジ５に上側から
固定されている。

押縁１０は外縁に庇状の下向き部分１２を備え、部分１
２はフランジ５の先端面に当接すると共に、フランジ５
よりも下方へ延びており、この部分１２により、押縁１
０とフランジ５の間の隙間１３に外側（第２図の左側）
から雨水等が浸入することが防止されている。

側板１の上縁部１５、すなわち周フランジ３，５間の側
板部分は透明板７及び両シール６．９の各端面に対して
隙間を隔てており、該隙間によりフランジ３を底壁とす
る溝１６が形成されている。

第２図の拡大部分図である第３図の如く、上縁部１５に
は水抜き孔１７が設けてあり、孔１７を介して溝１６は
外部に連通している。

図示の孔１７はバーリング加工により形成されており、
該加工は溝１６側から施されている。

第１図の如く孔１７は各側板１の両端部に設けである。

なお、第２図の如く、底板２０はウレタン等の断熱材ボ
ード２１の下面に貼り付けてあり、底板２０とボード２
１の周縁部は、側板１の下部内面に上下に間隔を隔てて
設けた２個のフランジ２２．２３の間に圧縮状態で嵌合
している。

ボード２１上には集熱板２５、集熱管２６、ヘッダー管
２７からなる集熱器ユニットが載せてあり、又集熱板２
５及び集熱管２６とボード２１の間にはグラスウール等
の断熱材２８が敷いである。

以上説明した構造によると、雨水がシール９と透明板７
の間を通って溝１６へ流入した場合でも、溝１６内の水
は第３図の水抜き孔１７を通って外部へ流出する。

このように本考案によると溝１６内の水がシール６と透
明板７の間から集熱器の内部へ浸入することを防止でき
るので、透明板７が結露により雲ったり、集熱板２５の
表面に形成した選択吸収膜が腐食したりすることはなく
、常に高い集熱効果を維持することができる。

更に、本考案によると、押縁１０の外側の縁に下向きに
突出した部分１２を設け、この部分１２により外向きフ
ランジ５と押縁１０本体との接合部を外側から覆い、両
者の間に側方から雨水等が浸入することを防止している
。

このようにフランジ５の上面を通って溝１６に水が浸入
することを防止しているので、溝１６へ流入する水の量
を極力少なくし、溝１６内の水を水抜き孔１７から速や
かに排出して、集熱器内部への水の浸入を防止できる。

又押縁１０の下向き部分１２により水抜き孔１７を外側
から覆っているので、雨水等が外部から水抜き孔１７を
通って溝１６に流入することをも防止できる。

従ってこの点においても、溝１６内の水量を極力少なく
し、溝１６内の水を水抜き孔１７から速やかに排出して
、集熱器内部への水の浸入を防止できる。

更に側板１の内側のフランジ３で透明板７を支持し、外
側のフランジ５に押縁１０を固定している。

このように側板１の本体に近い位置において、透明板７
を支持し、かつ押縁１０を固定することにより、フラン
ジ３，５の突出長さを短くして曲げモーメントに対する
剛性を高めることができる。

従って側板１に対する押縁１０の取付は強度を高め、押
縁１０のシール機能を高めることができる。

なお本考案を具体化する場合、水抜き孔１７を各側板１
に１個ずつ又は３個以上設けることもできる。

但し集熱器は第４図の如く傾斜姿勢で設置されるので、
各側板１に１個の水抜き孔１７を設ける場合、傾斜した
２個の側板１，１については、それぞれ下端に水抜き孔
１７を設ける必要がある。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案実施例の平面略図、第２図は第１図の■
−■断面図、第３図は第２図の拡大部分図、第４図は設
置姿勢における斜視略図である。 １・・・・・・側板、３・・・・・・内向きフランジ、
５・・・・・・外向きフランジ、６，９・・・・・・帯
状シール、７・・・・・・透明板、１０・・・・・・押
縁、１２・・・・・・下向き部分、１５・・・・・・側
板上縁部、１６・・・・・・溝、１７・・・・・・水抜
き孔。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 側板の上縁近傍に全長にわたって内向きフランジを設け
   、側板の上記内向きフランジよりも上方の位置に外向き
   フランジを設け、内向きフランジ上に帯状シールを介し
   て透明板の周縁部を載せ、透明板周縁部の上面を帯状シ
   ールを介して押縁の内側部分により押圧し、押縁の外側
   部分を上記外向きフランジに固定し、側板上縁部と透明
   板の端の間に上記内向きフランジを底壁とする溝を形威
   し、溝と外部空間をつなぐ水抜き孔を側壁上縁部に設け
   、押縁の外側の縁に下向きに突出した部分を設け、該下
   向き部分により上記外向きフランジと押縁本体との間の
   接合部を外側から覆うとともに、上記下向き部分により
   側壁上縁部の水抜き孔を外側から覆ったことを特徴とす
   る太陽熱集熱器。