JPS6010887Y2 - 自動車用空気調和装置のドア - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は、自動車用空気調和装置に用いられるインテー
クドア、ミックスドアなどの改良に関する。

前述したインテークドアは、内気流入口および外気流入
口のいずれか一方を閉鎖する位置および両流入口からの
空気を導入する位置を取るように回動し得るようにされ
ており、またミックスドアは、クーラーユニットを通過
した空気をヒーターコアを通したり通さないで配風室に
送るように回動し得るようにされている。

ところが、このようなドアは、その表面に対する風圧に
よりシール部分に対する接離を繰返し、振動音を発生さ
せることがある。

このように振動音が発生すると騒音の原因になるばかり
でなく、ドアの寿命を縮めるということにもなる。

本考案は、このような点に鑑み、振動音を発することな
く寿命も長くなるようにした自動車用空気調和装置のド
アを提供することを目的としてなされたもので、内気流
入口と外気流入口とが形成され、これらの流入口を開閉
するインテークドアが設けられたインテークユニットと
、車室内に供給される空気の温度を制御するミックスド
アが設けられ、かつ車室内への空気の吹き出し口を制御
する配風制御用ドアが設けられたヒータユニットとを有
する自動車用空気調和装置において、前記各種ドアのう
ち少なくともいずれか１つのドアを、前記ユニットを構
成するケースの内面に所定の角度を以って先端が接触す
るように前記ケース内に回動自在に取付け、前記１つの
ドアの少なくとも一方の表面に前方に突出する弾性部材
を突設し、前記１つのドアの先端が前記ケースの内面に
接触する直前に前記弾性部材が前記ケースの内面にすべ
り接触するようにしたことを特徴とする。

以下、本考案を図面に示す実施例により説明する。

第１図は、本考案に係るドアの配設された自動車用空気
調和装置の概略を示すものであり、自動車用空気調和装
置はインテークユニット１と、クーラーユニット２と、
ヒーターユニット３とを有する。

インテークユニット１にはモータ４により駆動されるフ
ァン５が内蔵され、さらに車室内循環流が流入する内気
流入口６と、外気が流入する外気取入ロアと、内気流入
口６からの空気、若しくは外気取入ロアからの空気、ま
たは内気流入口６および外気取入ロアの両方からの空気
をファン５によって送り出すための流出口８とがインテ
ークユニット１には設けられている。

インテークユニット１内へ内気流入口６を通って流入す
る空気と、外気取入ロアを通って流入する空気とを切換
制御するため、インテークユニット１内にはインテーク
ドア９が取付けられている。

このインテークドア９は内気流入口６を閉じるＡ位置、
外気取入ロアを閉じるＣ位置、そしてこれらの中間のＢ
位置に移動する。

インテークユニット１からの空気が流入するクーラーユ
ニット２には、流出口８に接続される流入口１０が形成
されると共に、冷媒導管１１からの冷媒が循環するエバ
ポレータ１２が内蔵されており、このクーラーユニット
２内でインテークユニット１からの導入空気と冷媒との
間で熱交換される。

クーラーユニット２の流出口１３はヒーターユニット３
の流入口１４と接続されており、クーラーユニット２内
での冷却された空気はヒーターユニット３内に流入する
。

このヒーターユニット３内には、クーラーユニット２を
通過した空気を加熱するために、導管１５によってエン
ジン冷却水が循環するヒーターコア１６が組み付けられ
ている。

ヒーターコア１６の前面にはミックスドア１７が取付け
られており、ミックスドア１７を第１図中実線で示す閉
位置（Ｄ位置）、同図中仮想線で示す閉位置（Ｆ位置）
の間の任意の位置（例えば位置Ｅ）に回動させることに
より、クーラーユニット２を通過した空気をヒーターコ
ア１６を避けて全てヒーターユニット３の後部に形成さ
れた配風室１８内に送ったり、或いはクーラーユニット
２からの空気を一部ヒーターコア１６を通し、他の空気
をヒーターコア１６を通さずに直接配風室１８内に両者
をミックスして空気の温度を調整し車室内に配風してい
る。

そして、前記ミックスドア１７には本考案の要旨をなす
板ばね２６が突設されているがこれについては後述する
。

ヒーターユニット３にはこのヒーターユニット３内の配
風室１８を経た空気をフロントガラスの内面に沿って吹
き出させフロントガラスの曇りを除去するためのデフロ
ストダクト１９と、自動車の前席の足元に向って配風室
１８を経た空気を吹き出させるためのフロアダクト２０
と、後席の足元に向って配風室１８を経た空気を吹き出
させるためのリアフロアダクト２１ （一部のみ図示）
と、インストルメントパネルから車室内に向けて空気を
吹き出させるためのインストダクト２２が設けられてい
る。

さらに、フロアダクト２０およびリアフロアダクト２１
へ流れる空気の風量調整をするためのルームドア２４と
、インストダクト２２へ流れる空気の風量調整をするた
めのベントドア２５とデフロストダクトへ流れる空気の
風量を調整するためのデフトドア２３とが第１図Ｂに示
すようにヒーターユニット３の配風室１８内に取付けら
れている。

これらのルームドア２４、ベントドア２５、デフドア２
３は配風制御用ドアをなす。

第３図は上述したインテークドア９、ミックスドア１７
、ルームドア２４、ベントドア２５、デフドア２３のう
ち、ミックスドア１７に本考案を具体化した場合を示す
図であり、ヒーターユニット３を構成するケース３０の
内面に所定の角度を以て接触するように、ケース３０内
に回転軸２７を中心に回動自在に設けられている。

ミックスドア１７に取付けられた弾性部材としての板ば
ね２６は、第２図および第３図に詳示するように、ミッ
クスドア１７の回転軸２７から遠方に離間しているドア
１７の先端側の表面にねじ２８などにより突設されてお
り、この板ばね２６の中間部２６Ｂは固定部２６Ａから
回転軸２７方向に向いて斜めにドア１７の表面から離間
するように突出し、また先端部２６Ｃは再びドア１７の
表面と平行に近くなるように彎曲している。

そして、ミックスドア１７の周囲はシール材２９により
被覆されている。

なお、前記板ばね２６を、ミックスドア１７の表面に２
つ以上連設しても良いし、また裏面にも突設しても良い
。

また弾性部材をドアと一体に成形してもよい。

例えばミックスドア１７を金属板で作る場合プレス加工
により、板ばね２６状に成形できる。

そのため出来た穴はシール材２９によって閉じ風洩れを
防止する。

さらにミックスドア１７を樹脂で成形する場合も一体に
成形出来る。

前述した構成によれば、ミックスドア１７を前述したＦ
位置に位置せしめるために第３図に示す矢印方向に回動
せしめると、ドア１７の最終到達位置の直前に、ドア１
７の表面から突出している板はね２６がケース３０に当
接する。

そして、さらにドア１７を矢印方向に回動せしめると、
板ばね２６が撓みながらケース３０の内面を摺動し、最
終的にドア１７のシール材２９がケース３０に当接して
ドア１７は停止する。

したがって、ミックスドア１７をさらに矢印方向へ回動
させようとする風力がドア１７の表面に作用したとして
も、ドア１７は背部から板ばね２６により支持されてお
り、また板ばね２６とケース３０との間に摩擦抵抗も生
じるので、ドア１７が風力により撓んでケース３０に当
接することがなくなる。

これにより不快な振動音も生じることはない。

また、ミックスドア１７をＦ位置からＤ位置へ回動させ
ようとする場合ケース３０と隙間が生じるとここを流れ
る空気流によりミックスドア１７が振動しようとするが
板ばね２６によりこれが防止され振動音の発生はなくな
る。

なお、前述した実施例においては、説明を簡略するため
にミックスドア１７のみに板ばね２６を突設したが、他
のインテークドア９、デフドア２３、ルームドア２４、
ベントドア２５にも板ばね２６を突設してドアの振動を
防止するようにしても良い。

以上、説明したように、本考案に係る空気調和装置のド
アは、自動車用空気調和装置における各種ドアのうち少
なくともいずれか１つのドアを、ユニットを構成するケ
ースの内面に所定の角度を以って先端が接触するように
前記ケース内に回動自在に取付け、前記１つのドアの少
なくとも一方の表面に前方に突出する弾性部材を突接し
、前記１つのドアの先端が前記ケースの内面に接触する
直前に前記弾性部材が前記ケースの内面にすべり接触す
るようにしたので、振動音が発生することもなく、また
ドアの寿命も延びるという優れた効果を奏する。

【図面の簡単な説明】

第１図Ａは本考案に係るドアを配設した自動車用空気調
和装置の概略側面図、第１図Ｂは同図Ａに示す配風室の
断面図、第２図は第１図のミックスドアの要部の斜視図
、第３図は第１図の要部の詳細図である。 １・・・・・・インテークユニット、２・・・・・・ク
ーラーユニット、３・・・・・・ヒーターユニット、９
・・・・・・インテークユニット、１２・・・・・・エ
バポレータ、１６・・・・・・ヒーターコア、１７・・
・・・・ミックスドア、２３・・・・・・デフドア、２
４・・・・・・ルームドア、２５・・・・・・ベントド
ア、２６板ばね。

Claims (4)

【実用新案登録請求の範囲】
1. （１）内気流入口と外気流入口とが形成され、これらの
   流入口を開閉するインテークドアが設けられたインテー
   クユニットと、車室内に供給される空気の温度を制御す
   るミックスドアが設けられ、かつ車室内への空気の吹き
   出し口を制御する配風制御用ドアが設けられたヒータユ
   ニットとを有する自動車用空気調和装置において、前記
   各種ドアのうち少なくともいずれか１つのドアを、前記
   ユニットを構成するケースの内面に所定の角度を以って
   先端が接触するように前記ケース内に回動自在に取付け
   、前記１つのドアの少なくとも一方の表面に前方に突出
   する弾性部材を突設し、前記１つのドアの先端が前記ケ
   ースの内面に接触する直前に前記弾性部材が前記ケース
   の内面にすべり接触するようにしたことを特徴とする自
   動車用空気調和装置のドア。
2. （２）前記弾性部材を前記ドアの先端側に突設してなる
   実用新案登録請求の範囲第１項に記載の自動車用空気調
   和装置のドア。
3. （３）前記弾性部材を板ばねで製作してなる実用新案登
   録請求の範囲第１項に記載の自動車用空気調和装置のド
   ア。
4. （４） 前記弾性部材と前記ドアとを一体成形してな
   る実用新案登録請求の範囲第１項に記載の自動車用空気
   調和装置のドア。