JPS6237768Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は自動車用空気調和装置、特にインテー
クユニツトに設けられたインテークドア機構の改
良に関する。

自動車用空気調和装置は第１図に示すようにイ
ンテークユニツト１とクーラユニツト２と、ヒー
タユニツト３とを有する。インテークユニツト１
はモータ４により駆動されるフアン５と車室内循
環流が流入する内気循環口６と、外気が流入する
外気流入口７と、内気循環口６からの空気若しく
は外気流入口７からの空気の一方または内気循環
口６および外気流入口７の両方からの空気をフア
ン５によつて送り出すための流出口８とを備えて
おり、内気循環口６を通つて流入する空気と、外
気流入口７を通つて流入する空気とはインテーク
ドア９によつて切換制御される。

インテークユニツト１からの空気が流入するク
ーラユニツト２は、冷凍サイクルを構成する冷媒
導管により冷媒が循環するエバポレータ１１を有
し、インテークユニツトから流下してきた空気と
熱交換して前記空気を冷却するものである。

ヒータユニツト３はクーラユニツト２を通過し
た冷気を加熱するためにエンジン冷却水が循環す
るヒータコア１２と、ヒータコア１２の前面に設
けたミツクスドア１３とを備え、このミツクスド
ア１３の開度調整により冷気を適宜加熱し、又加
熱しないでバイパスさせた冷気とミツクスし、所
定の温度にした後決められたモードに従つて各種
吹出口を選択し車室内に向けて配風するものであ
る。

このダクトにはデフロストダクト１４、フロア
ダクト１５、ベントダクト１６とがあり、各ダク
トにはフロアドア１７、ベントドア１８を取付
け、風量制御を行う。

しかして、寒冷地において暖房を行う場合、冷
い外気を外気流入口７から取り入れ、これをヒー
タユニツト３において加熱することは十分な暖房
効果を得られない恐れがあるため、最近ではすで
に暖房された暖かい内気を寒冷な外気とミツクス
して取り入れるようにし、暖房効果を高めてい
る。また外気を冷房する場合にはすでに冷房され
た内気をミツクスし、再度冷却することにより一
層高い冷房効果を得るようにしている。

このように冷暖房効果を上げる手段として、イ
ンテークドア９に通孔を開設し、この通孔の一端
に蝶着したリサークドアの開閉により内気の一部
を導入し外気とミツクスさせる方法がとられてい
る。

しかしながら、このリサークドアは空気を吸引
するインテークユニツトの吸引空気の圧力差、つ
まり、前記インテークドアの両端面に生じる風圧
差により通孔を開閉するものであるため、完全に
外気を遮断し、内気のみを循環するモードの場合
にも多少外気がリサークドアの隙間より侵入して
くることになる。すなわち内気循環で急速冷房を
行つている場合に暖い外気がリサークドアの隙間
より通孔を通り、侵入すれば十分な冷房効果を発
揮することはできないことになる。

また、このリサークドアはインテークドアの開
閉すなわち内外気の切り替えに付随して開閉する
場合、空気の乱れと相俟つてパタパタという音を
発生し又外気流入口を閉じ、フアンを停止してい
るときでも乗降用ドアを閉めると車室内の圧力が
高まりリサークドアの開閉音が発生する。特に静
かな車室内環境が望まれる自動車用空気調和装置
においてはこのような現象は好ましくないもので
ある。

そこで本考案は、上述の点に鑑みてなされたも
のでインテークドアが外気流入口を閉塞したと
き、このインテークユニツトのケーシング側に設
けたインテークドア停止部とインテークドアとの
間で挾持する突片部をリサークドアに形成し、シ
ール性の向上とともに、不必要にリサークドアが
開閉しないようにした自動車用空気調和装置を提
供することを目的とする。

以下本考案の一実施例を図面につき説明する。

第２図は本考案に係る自動車用空気調和装置の
インテークユニツトの部分を示す断面図であり、
第１図と同一部材には同一符号を付してある。

このインテークユニツト２０はケーシング２１
に回動自在に蝶着したインテークドア２２を有
し、インストルメントパネルに設けられたコント
ロールレバの操作によりケーシングを介し又は、
負圧により膜動するアクチユエータ（図示せず）
を用いて外気流入口７と内気循環口６とを選択的
に開閉するようにしている。

しかも、このインテークドア２２には、リサー
クドア２３を蝶着してある。すなわち、このリサ
ークドア２３は、本体ドア２４が内気循環口６を
閉塞している場合であつても、前記インテークド
ア２３の両端面に生じる風圧差により開放され、
前記本体ドア２４に開設した通孔２５より車室内
の暖気を取込み、この暖気と寒冷な外気とをミツ
クスし、導入空気温度を多少高めた後に、これを
加熱して暖房を行なうためのものである。

このリサークドア２３は第３図に示すように本
体ドア２４の盤上に立設したブラケツト２６に回
動軸２７を取付け、この回動軸２７に樹脂製のド
アプレートを固着したものである。

このリサークドア２３は、インテークドア２２
が内気循環口６を閉塞しても、フアン５が回転す
るとインテークユニツト内部と内気循環口６との
間で圧力差が生じ、この圧力差により開放される
ことになり、この開放により通孔２５から内気を
インテークユニツト内に取り込むことができ、ま
た、フアン５が回転しないときは外気流入口７か
ら流入した空気の圧力で閉鎖され、内気循環口６
から車室内へ外気が流出しない構成となつてい
る。

本実施例においては、リサークドア２３の先端
に突片部２８を形成しており、この突片部２８は
インテークドア２２が外気流入口７を閉塞したと
きにケーシング２１側に設けたインテークドア停
止部としての段部２９とインテークドア２２との
間で挾持されるようになつている。したがつてイ
ンテークドア２２が外気流入口７を閉塞したとき
リサークドアが不必要に開閉せず異音を発するこ
とはなく、またリサークドア２３とインテークド
ア２２とのシール性も向上することになる。

さらにリサークドア２３の突片部２８の反対端
にはストツパー３５が設けられリサークドアの開
度を制御するようになつている。

特にこのインテークドア２２の表面にポリウレ
ン等の弾性発泡材３０を貼着すれば、シール性は
一層向上するとともにリサークドア２３の開閉音
も小さくなるが、さらにリサークドア２３自体を
ポリカーボネートの如き硬質の樹脂とせず、軟質
のPPナチユラル材とすれば一層リサークドアの
開閉時の音が静かなものとなる。

かかるリサークドア２３は平担な板材により構
成してもよいがこのドアの外周縁にビード３２を
設けておけば前記突片部２８を挾持されたときに
このビード３２が弾性発泡材３０の表面に喰い込
むことになるため、そのシール性はさらに向上す
ることになる。

このように構成すれば、インテークドア２２に
通孔２５を開設し、リサークドア２３を設けたこ
とにより外気流入口７を閉塞したときに生じる漏
れ等の不都合を一掃することができるのみでな
く、外気流入時に発揮されるリサークドア２３の
有効性を一層顕著なものとすることができる。

すなわち、インテークドア２２により内気循環
口６を閉塞し、外気を取り込みつつ冷房又は暖房
を行う場合にも、すでに冷房又は暖房した内気の
一部を吸引空気の吸引圧力により外気とともに取
り込み、新鮮空気の取り込みと同時に冷房暖房効
果を上げることができる。

また、外気が高温のため車室内を冷房する場合
には、インテークドア２２により外気流入口７を
閉塞し内気を吸込むがこの閉塞時にはリサークド
ア２３の突片部２８がケーシング２１の停止部に
より加圧され、外気が通孔２５を通つて流入する
ことはなく、確実に内気の循環を行い、冷房効率
を高めることになる。

さらにリサークドア２３の開閉音に関しても弾
性発泡材を用いればリサークドア２３は弾性発泡
材３０を叩くことになるため、小さな音が生ずる
のみで、従来のもののような大きな音は生じな
い。

上述した実施例はケーシング２１自体に段部２
９を設け、これにより突片部２８を挾持するよう
にしたものあるが、このケーシング側にインテー
クドア停止部としての突起（図示せず）を形成
し、この突起とインテークドア２２との間で前記
突片部２８を挾持するようにしてもよく、このよ
うにすれば従来から使用している自動車用空気調
和装置に対しても容易に本考案を適用することが
可能である。

以上の説明より明らかなように本考案によれば
リサークドアを備えたインテークドアが外気流入
口を閉塞すれば、リサークドアに設けた突片部も
一緒にケーシング側との間で挾持することにな
り、通孔をリサークドアが閉塞するシール性は一
層向上することになり、またこのリサークドアを
軟質の樹脂により構成するとともに外周縁にビー
ドを設けしかもこのインテークドアの表面に弾性
発泡材等を貼着すれば一層静かでシール性のよい
ものとすることができる。さらに外気による暖冷
房を行う場合、内気を一部吸込むことにより暖冷
房効果を高めることができる。

【図面の簡単な説明】

第１図は一般的な自動車用空気調和装置の全体
概略説明図、第２図は本考案に係る自動車用空気
調和装置のインテークユニツト部分の縦断面図、
第３図はインテークドアの斜視図、第４図は本考
案の他の実施例を示す要部斜視図である。 ６……内気循環口、７……外気流入口、２０…
…インテークユニツト、２１……ケーシング、２
２……インテークドア、２３……リサークドア、
２５……通孔、２８……突片部、２９……段部、
３０……弾性発泡材、３２……ビード。

Claims (1)

1. 【実用新案登録請求の範囲】 １ 内気循環口６と外気流入口７とを有するイン
   テークユニツト２０のケーシング２１内に前記
   内気循環口６と外気流入口７を開閉するインテ
   ークドア２２を蝶着し、このインテークドア２
   ２に通孔２５を設けるとともに該インテークド
   ア２２の両端面に生じる風圧差により前記通孔
   ２５を開閉するリサークドア２３を蝶着してな
   る自動車用空気調和装置において、前記リサー
   クドア２３の端縁に突片部２８を形成し、前記
   インテークドア２２が外気流入口７を閉塞した
   とき、前記ケーシング側に設けたインテークド
   ア停止部２９と、前記インテークドア２２との
   間で前記突片部２８を挟持してなる自動車用空
   気調和装置。 ２ 前記インテークドア２２は、表面を弾性発泡
   材３０により覆つてなる実用新案登録請求の範
   囲第１項に記載の自動車用空気調和装置。 ３ 前記リサークドア２３は、外周縁部にビード
   部３２を有してなる実用新案登録請求の範囲第
   １項又は第２項に記載の自動車用空気調和装
   置。