JPS6146002Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は自動車用空気調和装置における空気の
流通を制御するドア装置に関する。

一般に自動車用空気調和装置は、第１図にその
１例を示すように、インテークユニツト１、クー
ラユニツト２、ヒータユニツト３を有し、インテ
ークユニツト１には、モータ４により駆動される
フアン５が内蔵され、さらに車室内循環流が流入
する内気循環口６と、外気が流入する外気流入口
７と、内気循環口６からの空気、または外気流入
口７からの空気、若しくは内気流入口６および外
気流入口７の双方からの空気をフアン５によつて
送り出すための流出口８とが設けられており、イ
ンテークユニツト１内へ内気循環口６を通つて流
入する空気と、外気流入口７を通つて流入する空
気とを切換制御するため、インテークユニツト１
内にインテークドア９が取付けられ、このインテ
ークドア９は内気循環口６を閉じるＡ位置、外気
流入口７を閉じるＣ位置、そしてこれらの中間位
置Ｂに移動する。

前記インテークユニツト１からの空気が流入す
るクーラユニツト２には、流出口８に接続される
流入口１０が形成されるとともに冷凍サイクルの
冷媒導管１１からの冷媒が循環するエバポレータ
１２が内蔵されており、このクーラユニツト２内
でインテークユニツト１から導入された空気と冷
媒との間で熱交換される。クーラユニツト２の流
出口１３は、ヒータユニツト３の流入口１４と接
続されており、クーラユニツト２内で冷却された
空気はヒータユニツト３内に流入する。

このヒータユニツト３内には、クーラユニツト
２を通過した空気を加熱するために、導管１５に
よりエンジン冷却水が循環するヒータコア１６が
組み付けられている。ヒータコア１６の前面には
ミツクスドア１７が取付けられており、このミツ
クスドア１７を第１図２点鎖線で示す閉位置Ｄか
ら点線で示す開位置Ｆの間の任意の位置（例えば
Ｅ）に作動することにより、クーラユニツト２を
通過した空気をヒータコア１６を避けてすべてヒ
ータユニツト３の選択されたダクトの吹出口から
車室内に配風したり、すべてヒータコア１６を通
過させてから車室内に配風したり、あるいはクー
ラユニツト２からの空気を一部ヒータコア１６を
通し、他の空気をヒータコア１６を通さずその冷
風と温風とをミツクスして車室内に配風し、室内
の温度を制御する。

ヒータユニツト３には、このヒータユニツト３
内で調和された空気をフロントガラスの内面に沿
つて吹き出させ、フロントガラスの曇りを除去
し、また防止するためのデフロストダクト１９
と、自動車の乗員の足元に向つて空気を吹き出さ
せるためのフロアダクト２０とインストルメント
パネルに設けた吹出口（図示せず）から車室内に
向けて空気を吹き出させるためのインストダクト
２２とが設けられている。さらにデフロストダク
ト１９へ流れる空気の風量調整をするための図示
しないデフドアと、フロアダクトへ、およびリア
フロアダクトへ流れる空気の風量調整をするため
のフロアドア２４と、インストダクト２２に流れ
る空気の風量調整をするためのベントドア２５と
がヒータユニツト３に取付けられている。

このように自動車用空気調和装置における各種
ドアは、それぞれ流路変更、流量調整用として設
けられるものであるが、従来のこの種のドア構造
は、第２図に略示するように、金属板または合成
樹脂により形成されたドア２６の基部両端に軸２
７が突出され、この軸２７をケーシングの軸受に
支承して開閉動自在に取付けられるものであつ
た。

そのため、前記軸２７の取付位置に若干の狂い
があると、第３図Ａ，Ｂに示すように開口部のド
ア接合面２８とドア２６のドア面２６ａとの間の
軸２７側またはドア２６の先端側のいずれかに隙
間が生じ、閉扉時における密閉性が不完全とな
り、確実な流路変更、流量調整がなされないとい
う問題があつた。

本考案は、上記従来の問題点に着目してなされ
たもので、ドアの基部に設けられる軸孔をドア面
に対し直交する方向に延びる長孔状に形成し、こ
の軸孔に挿通する軸アームの基部を固着し、この
アームの先端に形成した係合突部を前記ドアのド
ア面に平行する方向に延びる係合孔に係合した構
成とし、軸を回動してドアを閉じたとき前記アー
ムの係合突部を介してドアのドア面を開口部のド
ア接合面に当接させ、その際のドアの傾きは軸孔
の遊びによつて吸収することによりドアの密閉性
を確保するようにした自動車用空気調和装置にお
けるドア装置を提供するものである。

つぎに本考案を図面に示す実施例を参照して説
明する。

第４図は本考案の第１実施例を示すもので、ド
ア３０の基部に、ドア面３０ａに対し直交する方
向に延びる長孔状の軸孔３１が形成され、この軸
孔３１に軸３２が上下に遊動的に挿通されてい
る。

前記軸３２の一端にはアーム３３の基部が固着
され、このアーム３３の先端側部にピンからなる
係合突部３４がドア３０側に向つて突設されてい
る。この係合突部３４は、前記ドア３０の側面に
ドア面３０ａと平行する方向に延びる長孔状の係
合孔３５に挿入される。

したがつて軸３２を第４図矢印方向に回動して
ドア３０を閉じると、軸３２と一体となつている
アーム３３、このアーム３３の先端の係合突部３
４、およびこれが嵌入する係合孔３５を介してド
ア３０が前記矢印と同方向に回動され、第６図の
ように開口部のドア接合面２８に当接される。こ
の際、ドア３０とドア接合面２８との密着性は、
ドア３０の基部の軸孔３１が軸３２に対してその
軸孔３１の長さ範囲で自由に動き得るので、ドア
３０自体が前記アーム３３の係合突部３４を支点
としてドア接合面にならつて揺動し、密接状態と
なつて閉合する。

第５図は本考案の他の実施例を示すもので、ド
ア３０の基部の軸孔３１を後端が開放されたスリ
ツト状に形成するとともに、ドア３０の基部にア
ーム３３が進入し得るスリツト３６を形成し、ま
たアーム３３の係合突部３４をこれと一体に折曲
形成し、さらにこの係合突部３４が嵌合する係合
孔３５をドア３０の上面に隆起して形成したもの
である。

この実施例においても、前記第４図の実施例と
同様の作用効果が得られる。そしてこれら各実施
例の各部の構成部分をそれぞれ相互に組替えて構
成することもできる。

このように本考案は、自動車用空気調和装置に
おいて、その各ドアの構造を、ドアの基部に設け
られる軸孔をドア面に対し直交する方向に延びる
長孔状に形成し、この軸孔に挿通する軸にアーム
の基部を固着し、このアームの先端に形成した係
合突部を前記ドア面に平行する方向に延びるドア
の係合孔に係合した構成とし、軸を回動してドア
を閉じたとき前記アームの係合突部を介してドア
のドア面を開口部のドア接合面に当接させ、その
際のドアの傾きを軸孔の遊びによつて吸収するこ
とによりドアの密閉性を確保するようにしたの
で、きわめて簡単な構成により所期の目的を達成
することができ、これにより正確な空気の流路変
更および流量制御をなさしめ得る自動車用空気調
和装置とすることができる。

【図面の簡単な説明】

第１図は自動車用空気調和装置の一例を示す断
面図、第２図は従来のドア構造を示す斜視図、第
３図Ａ，Ｂは第２図のドアによる不具合を示す説
明図、第４図は本考案によるドア装置の第１実施
例を示す分解斜視図、第５図は同第２実施例を示
す分解斜視図、第６図はドアの閉合状態図であ
る。 １……インテークユニツト、２……クーラユニ
ツト、３……ヒータユニツト、３０……ドア、３
０ａ……ドア面、３１……軸孔、３２……軸、３
３……アーム、３４……係合突部、３５……係合
孔。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. ドアの基部に該ドアのドア面に対し直交する方
   向に延びる軸孔を形成し、この軸孔に挿通する軸
   にアームの基部を固着し、このアームの先端に形
   成した係合突部を前記ドアのドア面に平行する方
   向に延びる係合孔に係合してなる自動車用空気調
   和装置におけるドア装置。