JPS5950648B2 - イソプレン誘導体の精製法 - Google Patents

イソプレン誘導体の精製法

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JPS5950648B2
JPS5950648B2 JP17588380A JP17588380A JPS5950648B2 JP S5950648 B2 JPS5950648 B2 JP S5950648B2 JP 17588380 A JP17588380 A JP 17588380A JP 17588380 A JP17588380 A JP 17588380A JP S5950648 B2 JPS5950648 B2 JP S5950648B2
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methanol
acetone
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resin
solvent
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JP17588380A
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隆夫 鈴木
吉幸 田原
孝 鈴木
仁 豊田
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Nisshin Seifun Group Inc
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Description

【発明の詳細な説明】 本発明はイソプレン誘導体の精製方法に係り、さらに詳
しくは非極性の多孔性合成樹脂(以下単に多孔性合成樹
脂と称す)を用い、極性溶媒を含む展開、溶出剤により
少なくともイソプレン単位4以上の鎖状イソプレン骨格
を有する化合物をクロマトグラフィーにより精製分離す
る方法に関する。
工業的に有用なイソプレン単位4以上の鎖状イソプレン
骨格を有する化合物としては、ビタミンに)ビタミンに
2、コエンチームQ)イソプレニルアルコール類、カロ
チノイドなどが知られており、それらは医薬品、香料、
色素、工業原料として有用であるが、不安定なものが多
く、また、各々類似した夾雑物を含むため精製が困難で
あつた。
従来、これら化合物に共通した精製法は知られておらず
、各々減圧蒸留、分子蒸留、結晶化、吸着剤を用いたカ
ラムクロマトグラフィーなどの組合せにより精製を行な
つていたが、操作が繁雑であるばかりでなく、収量も減
少するので商業的には有利な方法とは云い難い。
例えば、吸着剤を用いたクロマトグラフィーは類似した
夾雑物を含む目的物に対して効果の大きい精製手段であ
るが従来の吸着剤の多くはシリカゲル、アルミナ、フロ
リジルなどの無機物であり、吸着剤の反復使用が不可能
であつた。またポリエチレン粉末、イオン交換樹脂を吸
着剤とする方法も知られていたが、それらは表面積が小
さくしかも吸着剤の再生の点で問題があり、工業的精製
手段とは成り得なかつた。本発明者らは、商業的に実施
し得るカラムクロマトグラフィーにつき種々検討の結果
、本発明を完成するに至つたものである。
本発明で用いることのできる多孔性合成樹脂としては、
樹脂の単位当り表面積が大きいほど好ましく、400m
2/gの樹脂で行なえば好都合であるが100m2/g
以上の樹脂であれば分離は可能である。
この際の孔径は精製目的物質の約3倍以上、通常50Å
以上が好適であり、一般に樹脂の平均孔径が大きいほど
好ましい結果が得られる。本発明に用いられる非極性の
多孔性合成樹脂の素材としては例えばスチレンージビニ
ルベンゼン共重合体〔アンバーライトXAD−2(ロー
ム・アンド・ハース社製)、アンバーライトXAD−4
(ローム・アンド・ハース杜製)、ハイポーラスポリマ
ーHP(三菱化成工業株式会社製)〕のような非極性合
成樹脂が挙げられる。
本発明において使用される展出・溶出溶媒としてはメタ
ノール、エタノール、イソプロパノール、n−プロパノ
ール、アセトン、メチルエチルケトン、イソプロピルエ
ーテル、テトラヒドロフラン、ジオキサン、メチルセロ
ソルブ、ジメチルホルムアミド、アセトニトリル、水等
工業的に安価な極性の溶媒を単独であるいは種々の割合
に混合した混合溶媒として使用される。
この場合用いられる極性溶媒は一般には炭素数1〜5の
アルコール類、炭素数3〜6のケトン類を基本とする混
合溶媒、例えばメタノールと水、メタノールとアセトン
、メタノールとn−ヘキサン、アセトンと水などの組合
せが工業的に有利である。またそのJ他種々の組合せま
たは単一溶媒の使用が可能なことは勿論である。例えば
スチレンージビニルベンゼン共重合体のような非極性合
成樹脂はメタノールのような極性溶媒から比較的非極性
の夾雑物を吸着させ、次にメタノールにアセトンを加え
て極2性を弱めた混合溶媒で夾雑物、目的物質の順に溶
出させる。溶出操作が終了した樹脂は夾雑物が全く吸着
しない溶媒で洗浄すれば再使用が可能である。洗浄溶媒
はアセトン、イソプロピルエーテル、ベンゼン等の比較
的非極性の有機溶媒が効果5的である。本発明方法によ
り分離精製ができる物質としてはビタミンK1、ビタミ
ンK2、コエンチームQ、およびイソプレン単位4以上
の鎖状アルコール、カロチノイドなどが挙げられ少なく
ともイソプレ5ン単位4以上の鎖状イソプレン骨格を有
するものが分離が容易である。
すなわち、類似構造を有する夾雑物を含む場合には、イ
ソプレン単位4以上の鎖状イソプレン骨格が存在しない
と目的物と夾雑物の分離が不完全となる。例えば、不純
物とし々てリナロールを含むゲラニオールを精製する場
合、クロマトグラフイ一の溶剤を検討したがゲラニオー
ルの回収率は65%であつた。また、環状のイソプレン
誘導体、例えばステロイド等に対しても十分な分離がで
きないことが示された。本発明方法は一般に次の順序に
よつて実施される。
塔長径比1.0以上のカラムに水を満たし、自然沈降に
よつて目的物の3倍〔多孔性合成樹脂容積(ml)/夾
雑物を含む鎖状インプレン骨格を有する化合物重量(g
))以上の樹脂をつめる。
次に精製目的物質が溶出しない極性溶媒囚でカラムを置
換したのち、目的物をカラム上部に加える。クロ”マト
グラフイ一は常圧で行う常法と同様に行ない、流出液を
区分して採取し目的物質を含む溶出区分を濃縮すれば目
的物質が得られる。次にアセトン、ベンゼン、エーテル
、エステル類などの溶出力の大きい溶剤によりカラムを
洗浄し、吸着物質を除き、前記溶剤囚でカラムを置換す
ることにより再び精製タロマトグラフイ一を実施するこ
とができる。また本発明方法は前記したように一種の極
性溶媒を用いて行う以外に各々異なる溶媒を用いて複数
回樹脂を通すことによつても工業的有利に精製を行うこ
とができる。イソプレン単位4以上の鎖状イソプレン骨
格を有する化合物では、樹脂とその化合物との間に適度
の親和力が生じるため、類似構造を有する夾雑物との分
離も容易に選択的に行なわれるが、その親和力はイソプ
レン鎖だけに由来するものではなく、分子を構成してい
る置換基の極性、立体構造等によつても左右される。
従つて、従来の吸着剤による精製方法すなわち吸着剤と
分子の活性点同志による吸着・脱離の方式による精製で
は得られなかつた大きな選択性が本発明方法の特徴であ
る。本発明方法は合成品および天然からの抽出物に単独
で実施することができるが、他の精製手段と組合せて実
施することももちろん可能である。
これらの合成樹脂は無機吸着剤、イオン交換樹脂などと
異なり化学的に不活性であり、従つて溶出力の大きい溶
剤例えばアセトンなどにより吸着物を溶出させることに
より容易にしかも完全に元の状態に再生されるので工業
的にきわめて有利である。本発明は従来法と比較し次の
ごとく著しく優れた特徴を有する。
すなわち樹脂に対する夾雑物の吸着量が極めて大きいこ
と、無機吸着剤と異なり、吸着点がないため分解が起ら
ず、また樹脂処理操作中における損失が全くないため、
回収率が著しく高いこと、樹脂を繰り返し使用すること
ができること、無機物の吸着剤と炭化水素類、工ーテル
類などの疎水性溶媒を用いる従来方法と異なり、静電気
等による火災の危険性の少ないより安全な溶媒の選択が
可能となつたこと等経済性および実用性の点において先
に満足し得るものである。次に本発明の実施例を示すが
これらは精製法の一例であつてこれに限定するものでは
ない。
実施例 1ハイポーラスポリマーHP−20(比表面積
718.0m2/g、細孔容積1.077m1/g、4
0メツシユ、三菱化成工業株式会社製)60m1を40
mmφのカラムにつめアセトン・メタノール(1:9)
で満たしlた。
次にフイトールとメナジオール一1−アセテートを三弗
化ホウ素エーテル錯体を触媒として縮合させたのち、ク
ライゼンアルカリに転溶させ、さらに抽出、酸化を行な
つて得たビタミンK,(。。)粗製物5g(純度83.
8%)をアセトン・メタ2ノール(1:9) 5m1に
分散させながらカラムに流し、樹脂層に吸着させた。更
にアセトン・メタノール(1:9)300m1で樹脂を
洗つたのち、アセトンリメタノール(3:7)300m
1を流すと精製ビタミンK,を含有する黄色の流出液が
得られノた。アセトン・メタノール(3:7)区分の溶
剤を減圧留去して精製ビタミンK,(。。)を得た。収
量4.15g、純度97.6%、nι51.5245E
1%321(248nm)、回収率96.5%1儂実施
例 2 アンバーライトXAD− 4(表面積784m2/g、
平均孔径50Λ、40メツシユ、ローム・アンド・ハー
ス社製)100m1を40mmφのカラムにつめ、イソ
プロピルエーテル・メタノール(5 :95)で満たし
た。
ゲラニルリナロールとメナジオール一1−.アセテート
を三弗化ホウ素エーテル錯体を触媒として縮合させ、さ
らにクライゼンアルカリに転溶したのち、抽出酸化して
得た合成ビタミンK2(2。)粗製物5g(純度80.
2%)をイソプロピルエーテル・メタノール(5:95
) 5m1に分散させ、カラムに入れ樹脂層に吸着させ
た。次にイソプロピルエーテル・メタノール(5 :9
5)350m1で樹脂を洗つたのち、イソプロピルエー
テル・メタノール(15:85)400m1を流したと
ころ、精製ビタミンK。(。。)を含有する黄色の流出
液が得られた。この黄色区分の溶剤を減圧留去して油状
のビタミンK2(。。)4.15g(純度96.2%)
を得た。このものをアセトン30m1に溶媒し−20℃
に冷却したところ結晶のビタミンK。(。。)(純度9
8.0%、融点35℃)が得られた。実施例 3 天然物から不けん化物を得る一般方法に従つて、タバコ
葉をn−ヘキサンで抽出し、得られたペーストを苛性カ
リ・メタノールで加熱けん化し、不けん化物を得た。
不けん化物を20倍容量のアセトンに溶解し−20℃に
冷却して析出した沈殿物を除き、アセトンを減圧留去し
油状物を得たが、この油状物を10−3T0汀で分子蒸
留を行なつたところ、240℃の留分からソラネソール
66%を含む油状物が得られた。
ハイポーラスポリマーHP−20(40メツシユ、三菱
化成工業株式会社製)60m1を40mmφのカラムに
つめ、イソプロピルエーテル・メタノール(3 :97
)で満たした。
前記の油状物(ソラネソール66%)5gをイソプロピ
ルエーテル・メタノール(3:97) 5m1に分散さ
せながらカラムに流し樹脂層に吸着させた。次にイソプ
ロピルエーテル・メタノール(3:97)300m1で
樹脂を洗つたのち、イソプロピルエーテル・メタノール
(10:90)300m1を流し、イソプロピルエーテ
ル・メタノール(10:90)区分の流出液を減圧で濃
縮し、精製ソラネソールを得た。収量3.21g、ガス
クロマトグラフイ一による純度93.3%、回収率90
.8%更にこのものを20倍容量のn−ヘキサンに溶解
し−20℃で結晶化したものについて検討した結果、核
磁気吸収スペクトル、赤外吸収スペクトルが標準品に一
致した。
融点42℃。実施例 4 ハイポーラスポリマーHP−20(40メツシユ、三菱
化成工業株式会社製)60m1を40mmφのカラムに
つめ、アセトン・メタノール(4:6)で満たした。
次にイソデカプレノールと2・ 3−ジメトキシ−5−
メチルハイドロキノンとを塩化亜鉛・酢酸触媒により縮
合したのち、抽出、酸化を行ない、さらにフロリジノレ
カラムクロマトグラフイ一によつてコエンチームQlO
66.l%を含む油状物を得た。
次にコエンチームQlO粗製物(純度66.1%)5g
をアセトン・メタノール(4:6)5m1に分散させな
がらカラムに流し、樹脂層に吸着させた。更にアセトン
・メタノール(4:6)280m1で樹脂で洗つたのち
、アセトン・メタノール(5:5)320m1を流し、
橙黄色の流出区分を集め、減圧下で溶媒を留去し、回収
率94%で精製コエンチームQlO(純度98.8%)
3.14gを得た。このものをアセトン15m1に溶解
しO℃で結晶化したどころ、コエンチームQlO(純度
99.9%、融点49.0℃)2.51gが得られた。
実施例 5 ハイポーラスポリマーHP−20200m1をガラス製
円柱(φ45mm×300mm)に流入しイソプロピル
エーテル・メタノール(1:9)の混合液にて逆洗、静
置した。
次に充填カラム上にエル・ルチカおよびエノレ・カスト
ロ法(L.RuzickaandL.CastrO)
Helv.chim.−ActaVOl.28,59O
(1945年)により、ソラネソールから合成したイ?
ソデカプレノールを含む油脂20g(純度75%)を同
一混合液10m1で攪拌乳濁させた後に仕込む。次いで
同一混合液約1.51にて流出させる。流出液を減圧濃
縮するとイソデカプレノールのほぼ純製品(シリカゲル
薄層クロマトグラフイー:展開剤2ベンゼン、クロロホ
ルム2:1、発色剤4ヨードで確認)16g(純度94
%)を得る。溶出操作終了後、イソプロピルエーテル3
00m1で洗浄後再びイソプロピルエーテル・メタノー
ル(1:9)混合液で置換した後、前記操作を繰り返す
と同製品が5同収率で得られる。実施例 6 ハイポーラスポリマーHP−30200m1をガラス製
円柱(φ45mm×300mm)に流入し、アセトン・
メタノール(2:8)の混合液にて逆洗、静置し5た。
次に充填カラム上に実施例6で用いたイソデカプレノー
ルを含む油脂20gをアセトン・メタノール(2:8)
の混合液10m1で乳濁させた後に仕込む。次いで同一
混合液11にて流出させる。流出液を減圧濃縮すると、
イソデカプレノールのほ4ぼ純製品16gを得る。実施
例 7 ハイポーラスポリマ一HP−20200m1をガラス製
円柱(φ45mm×300mm)に流入し、アセトン・
メタノール(3:7)混合液にて逆洗、静置した。
次に充填カラム上にイソデカプレノールと2・3−ジメ
トキシ−5−メチル−ハイドロキノンとを縮合すること
によつて製造した2・3−ジメトキシ−5−メチノレ一
6−デカプレニノレハイドロキノンを含む油脂9g(純
度58%)を前記混合液5m1で攪拌乳濁させてから仕
込む。次いで洞一混合液約11で流出させる。流出液は
約100m1ずつ区分し、それぞれの区分液の極微小量
についてシリカゲル薄層クロマトグラフイ一を行つて、
2・3−ジメトキシ−5−メチノレ一6−デカプレニル
ハイドロキノン(コエンチームQlOの環元体)を含む
区分を集合させる。減圧濃縮によつて溶媒を留去すると
ほぼ純製品(シリカゲル薄層クロマトグラフイ一で確認
)の2・3−ジメトキシ−5−メチノレ一6−デカプレ
ニノレハイドロキノン5.6g(純度93%)を得る。
実施例 8 イソデカプレノーノレと2・3−ジメトキシ−5−メチ
ル−ハイドロキノンとを縮合酸化して得られた粗コエン
チームQlO3Og(純度48%)をn−ヘキサン50
m1に溶解する。
このものを90gのシリカゲルをn−ヘキサンで充填し
たカラム上(φ45mm)に入れ、n−ヘキサンで洗浄
し、不純物を除去したのち、n−ヘキサンリエチルエー
テル(9:1)で橙色の帯の区分を溶出し、蒸発留去し
て油状物19.8g(純度67%)を得る。カラム(4
5mmφ×300mm)にハイポーラスポリマーHP2
O2OOmlを充填してアセトンリメタノール(1:1
)の混合溶剤で逆洗し、静置したのち同溶液30m1に
乳濁させた前記油状物質を仕込む。同溶液で展開分割し
たのち薄層クロマトグラフイ一で単一スポツトのコエン
チームQlO区分を濃縮留去し、コエンチームQl3.
2g(純度96%)を得る。さらにアセトンで再結して
コエンチームQlOlO.5g(純度99.8%、M.
p.49℃)を得た。実施例 9実施例8で用いた粗コ
エンチームQlO3Og(純度48%)をジメチルホル
ムアミドで逆洗、静置したハイポーラスポリマーHP−
20(200m1)充填カラムを用い、同一溶媒を十分
流してコエンチームQlO区分を溶出し減圧濃縮油状物
を得さらにアセトン・水(9:1)の混合液にて逆洗静
置したハイポーラスポリマーHP−20(200m1)
充填力ラムを用い、同一混合液にて展開溶出する。

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 1 イソプレン単位4以上の鎖状イソプレン骨格を有す
    る化合物を含む粗製物を常圧下に非極性の多孔性合成樹
    脂のカラムクロマトグラフィー処理することを特徴とす
    る、鎖状イソプレン骨格を有する化合物の分離精製法。
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