JPH0152439B2 - - Google Patents

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JPH0152439B2
JPH0152439B2 JP22623382A JP22623382A JPH0152439B2 JP H0152439 B2 JPH0152439 B2 JP H0152439B2 JP 22623382 A JP22623382 A JP 22623382A JP 22623382 A JP22623382 A JP 22623382A JP H0152439 B2 JPH0152439 B2 JP H0152439B2
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JP
Japan
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essential oil
porous
water
terpene hydrocarbons
hydrocarbons
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JP22623382A
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Satoru Shiraishi
Yasuhiro Kondo
Makoto Hosokawa
Mitsuhiro Kobayashi
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T Hasegawa Co Ltd
Original Assignee
T Hasegawa Co Ltd
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Description

【発明の詳細な説明】
本発明は、テルペン系炭化水素含有天然精油か
ら、該精油の安定性の悪化、変質やレジン質形
成、などの如きトラブル発生の原因となるテルペ
ン系炭化水素を、容易な操作で且つ該天然精油の
好ましい香気・香味有効成分の変質や揮散損失を
伴うことなしに、効果的に除去できる精油類の脱
テルペン化方法に関する。 更に詳しくは、テルペン系炭化水素含有天然精
油を約40〜約95重量%濃度の含水エタノール及
び/又は含水メタノールで処理して得られた含水
アルコール溶液を、多孔性重合樹脂又は化学結合
型シリカゲルで処理することにより、テルペン系
炭化水素を吸着除去することを特徴とする精油類
の脱テルペン化方法に関する。 一般に、植物の花、葉、茎、根、幹、樹皮、果
実などの如き天然物から、たとえば、水蒸気蒸
留、圧搾、抽出、それらの組み合わせなどの手法
で得ることのできる天然精油類は、例えば、リモ
ネン、α−ピネン、β−ピネン、ミルセン、α−
テルピネン、γ−テルピネン、テルピーノーレン
などの如きモノテルペン系炭化水素、及びカリオ
フイレン、セリネン、フムレンフアルネセン、ビ
サボレンなどの如きセスキテルペン系炭化水素類
などのテルペン系炭化水素の少なくとも一種を含
有しているのが普通である。 しかしながら、このようなテルペン系炭化水素
類は、天然精油の香気・香味には、直接的にそれ
ほど重要な寄与をしておらず、むしろ、天然精油
の貯蔵安定性の悪化に関与し、また、保存中に酸
化を受けて好ましくない変質や臭気発生の原因と
なつたり、更に、重合して不都合なレジン質を形
成する原因となつたりして、例えば、飲食品など
の香気香味賦与及至変調剤としての利用に際し
て、種々なトラブルを引き起す原因となることも
屡々である。そして、天然精油の特徴的な香味・
香気を該精油に賦与しているのは、主として、天
然精油中に含有されるテルペン系含酸素化合物
類、その他の芳香族系及び脂肪族系含酸素化合物
類である。 従つて、天然精油中の上記の如きテルペン系炭
化水素を除去する所謂“脱テルペン化”が行われ
るのが普通であるが、充分満足すべき脱テルペン
化手段は提供し難く、そのような手段の開発が望
まれている。 従来、天然精油中の脱テルペン化手段として
は、例えば、天然精油を減圧蒸留してモノテルペ
ン系炭化水素を分留除去する蒸留法、或いは該精
油を含水エタノールで抽出して該含水エタノール
に不溶のモノ及びセスキテルペン系炭化水素を分
留除去する溶媒抽出法、又は低沸点アルコール系
溶媒の如き極水溶媒と該極性溶媒と混和しない低
沸点炭化水素系溶媒の如き非極性溶媒の2種類の
溶媒を同時に用いて天然精油を抽出する2種類の
溶媒による液々抽出法、更には天然精油をシリカ
ゲル、硅酸などの如き無機質よりなる吸着剤で処
理して該酸素化合物を該吸着剤に吸着させた後、
適当な溶媒を用いて該化合物を脱着させる吸着分
離法などが知られている。更に多孔性重合脂肪に
果実などの天然香気成分を吸着せしめ、次いでエ
タノール、プロピレングリコール等の親水性溶剤
またはその含水物を用いてこれを溶出させ回収す
る天然香料の製造法が提案されている(特公昭48
−34234)。 しかしながら、香気・香味有効成分の変質や揮
散損失を伴うことなしに、容易な操作で且つ高収
率をもつて、脱テルペン化できる満足すべき方法
は提案されていないのが実情である。例えば、前
記蒸留による脱テルペン化によつてセスキテルペ
ン系炭化水素を除去することは困難であつて、脱
テルペン化の程度に自ら制約がある上に、モノテ
ルペン系炭化水素の除去にも、比較的多量のモノ
テルペン系炭化水素を除去するには可成り長時間
の加熱蒸留時間を要するため、香気香味有効成分
の熱変質及び低沸点の香気香味有効成分である含
酸素化合物の随伴留去が回避し難いトラブルを伴
う。 又、前記非極性炭化水素系有機溶媒とアルコー
ル系溶媒を用いる液々抽出手段による脱テルペン
化方法に関しては、簡単な操作で含酸素化合物と
テルペン系炭化水素を完全に分離することは困難
である。 更には、前記吸着分離法においては、天然精油
中の含酸素化合物のうち、非常に活性の強いもの
は、通常のシリカゲル、硅酸などの如き、無機質
に吸着する際、脱水、異性化などの副反応を起す
おそれがあるため、厳格な操作条件の選定が必要
であり、工業的に困難を伴う。 更にまた、特公昭48−34234号の提案による方
法は、パイナツプル、ストロベリー、メロン、バ
ナナ、アツプル及びピーチなどの果実または果実
の搾汁液中に含有されている極めて微量の香気成
分を回収する方法であつて、テルペン系炭化水素
の除去とくにテルペン系炭化水素を多量含有する
精油から該炭化水素を分離除去する方法について
は何ら言及されていない。 本発明者等は、上記の如き従来手段の欠点を克
服して、簡単な操作で変質を伴わない香気香味の
優れた脱テルペン化効果を達成できる手段を開発
すべく研究を行つてきた。その結果、テルペン系
炭化水素含有天然精油を、アルコール濃度が約40
〜約95重量%濃度の含水エタノール及び/又は含
水メタノールと接触処理し、含水アルコール溶液
相を採取し、該含水アルコール溶液相を、多孔性
スチレン・ジビニルベンゼン共重合樹脂、多孔性
エチルビニルベンゼン・ジビニルベンゼン共重合
樹脂、多孔性メタアクリル酸・ジオール重縮合樹
脂及び多孔性化学結合型シリカゲルよりなる群か
ら選ばれた少くとも1種の多孔体と接触処理する
ことにより、テルペン系炭化水素含有天然精油か
ら、テルペン系炭化水素を選択的に効率良く吸着
除去することができ、香気香味有効成分の変質や
揮散損失を伴うことなしに、極めて高純度で含酸
素化合物を高収率で取得できることを発見した。 従つて本発明の目的は、容易な操作及び簡単な
装置をもつてテルペン系炭化水素含有天然精油か
らテルペン系炭化水素を除去する方法を提供する
にある。 本発明の上記目的及び更に多くの他の目的なら
びに利点は、以下の記載から一層明らかとなるで
あろう。 本発明で用いるテルペン系炭化水素含有天然精
油は、植物の例えば枝葉、根茎、果実、果皮、種
子などを、それ自体公知の手段たとえば圧搾法、
水蒸気蒸留法などの如き精油採取手段によつて採
油処理して得ることができる。このようなテルペ
ン系炭化水素類を含有する天然精油の例としては
例えば、オレンジ油、レモン油、ライム油、タン
ジエリン油、マンダリン油、グレープフルーツ
油、ベルガモツト油、プチグレン油、ユズ油、ネ
ロリ油などの精油を例示することができる。 本発明方法によれば、上記例示の如きテルペン
系炭化水素含有天然精油を約40〜約95重量%濃度
の含水エタノール及び/又は含水メタノールで処
理して、必要により該処理系から含水アルコール
相を分離採取する。この処理に用いる含水アルコ
ールのアルコール濃度は、天然精油の種類及びア
ルコールの種類によつても適宜に変更できるが、
例えば、エタノールの場合は約40〜約90重量%、
メタノールの場合は約45〜約95重量%の範囲が好
ましく、またメタノール及びエタノール混合物の
場合は、これらの混合割合によつても適宜に変更
できるが、たとえば、約40〜約95重量%の範囲が
好ましい。 この際、該天然精油と含水アルコールとの混合
割合は適宜に選択できる。例えば、天然精油と含
水アルコールの混合比は、重量比で1:約0.5〜
約1000、好ましくは1:約1〜約100の如き範囲
を例示できる。 形成された処理系は、所望により撹拌条件下に
混合処理して、天然精油中の香気香味有効成分を
含水アルコール相に充分に溶解させるように処理
するのがよい。混合温度及び時間には特別な制約
はないが、例えば、約−20゜〜約80℃程度の温度
条件及び約1分〜約5時間程度の撹拌処理時間を
例示できる。混合撹拌処理後、撹拌を中止し、必
要により、たとえば、混合系を少くとも約5分間
程度静置して、アルコール不溶性部分を過、心
分離などの手段で除去することにより、含水アル
コール溶液を得ることができる。 また本発明で用いる多孔性重合樹脂それ自体は
知られており、スチレンとジビニルベンゼンの共
重合体、エチルビニルベンゼンとジビニルベンゼ
ン共重合体、及びメタアクリル酸とジオールの重
縮合ポリマーである。かかる多孔性重合樹脂は、
その比表面積が例えば約500m2/g以上、好まし
くは約700m2/g以上、及び細孔分布が約10Å〜
約500Åである多孔性重合樹脂を例示することが
できる。 更に、本発明で用いる多孔性化学結合型シリカ
ゲルそれ自体も知られており、シリカゲル表面の
シラノール基の反応性を利用して、たとえばアル
コール類、アミン類、シラン類などを化学結合さ
せたタイプのシリカゲルであつて、例えばシリカ
ゲルの表面に存在するシラノール基にオクタデシ
ルシラン、オクチルシランなどの如きC1以上の
アルキルシラン、アミノプロピルシラン、シアノ
プロピルシラン及びγ−グリシドキシプロピルシ
ランなどの如き種々の置換基を化学結合させた化
学結合型シリカゲルを例示することができ、かか
る化学結合型シリカゲルは、細孔型が例えば約50
Å〜約5000Å、好ましくは約50Å〜約500Å、及
び比表面積が約50m2/g以上、好ましくは約100
m2/g以上で且つ、粒径が約3μ〜約1cm、好ま
しくは、約5μ〜約5mmの範囲にある化学結合型
多孔性シリカゲルが好ましい。 かかる多孔性重合樹脂及び多孔性化学結合型シ
リカゲルの使用量は、天然精油の含水アルコール
溶液中に存在するテルペン系炭化水素の含有量に
よつて適宜選択することができ、例えば該樹脂又
は該シリカゲルで処理した該含水アルコール溶液
相にテルペン系炭化水素が検出されなくなるに充
分な量の該樹脂又は該シリカゲルを使用すること
が望ましい。 本発明の好ましい実施態様は、例えば前記した
如き、テルペン系炭化水素含有天然精油を約40〜
約95重量%濃度の含水エタノール及び/又は含水
メタノールで処理して、必要により該処理系から
含水アルコール相を分離して、得られる含水アル
コール溶液を適宜容器に入れ、多孔性重合樹脂又
は化学結合型シリカゲルを加えて静置もしくは撹
拌して接触せしめるバツチ式で行うことができ
る。更に好ましくは、該樹脂又は該シリンダをカ
ラムに充填し、該カラム上部より、前記テルペン
系炭化水素含有精油の含水アルコール溶液を例え
ばSV約0.1〜約30で通液せしめることにより、該
含水アルコール中に残存するテルペン系炭化水素
を選択的に多孔性重合樹脂又は化学結合型シリカ
ゲルに吸着させて除去することができ、極めて高
純度のテルペンレス精油含有含水アルコール溶液
を高収率で得ることができる。かかるカラムによ
る脱テルペン化処理は必要により複数のカラムを
接続して、行うこともできる。 本発明によれば、テルペン系炭化水素含有天然
精油を予め約40〜約95重量%の含水メタノール及
び/又は含水エタノールで処理する際に、該アル
コール含水率を選択することによつて、大部分の
テルペン系炭化水素を除去することができ、得ら
れる含水アルコール溶液中に残存するテルペン系
炭化水素を極めて低いレベルに抑えることができ
る。従つて該含水アルコール溶液からテルペン系
炭化水素を吸着除去するに要する多孔性重合樹脂
又は化学結合型シリカゲルは少量でその目的を達
することができ、且つ、含酸素香気成分を高純度
で得ることができる。 かかるテルペン系炭化水素含有天然精油の含水
アルコール溶液を多孔性重合樹脂又は化学結合型
シリカゲルで処理する際の含水アルコールの濃度
は前記した如く、約40〜約95重量%が望ましく、
例えば該精油の含水エタノール溶液の場合は、エ
タノール濃度約40重量%以下になると、テルペン
系炭化水素に限らず、全香気成分が吸着され、ま
た、エタノール濃度が約95重量%を超えると、テ
ルペン系炭化水素も吸着されず、共に本発明の目
的を達成することはできない。 本発明によれば、上述のようにして得られる脱
テルペン化精油含有含水アルコール溶液は、香気
香味成分を高純度に含有し、香気香味の高度に優
れた且つ貯蔵安定性に優れたフレーバーとして利
用することができ、特にエチノールで処理したも
のについては、そのまま例えば飲食品、医薬品及
び化粧品などの広い分野に利用することができる
が、所望により、該含水アルコール溶液から減圧
蒸留などの手段を用いて溶剤を除去して、脱テル
ペン化精油とすることもできる。 かかる脱テルペン化精油を得る更に好ましい方
法は、上述のようにして得られた脱テルペン化さ
れた精油を含有する含水アルコール溶液を該含水
アルコール相と難混和性及至非混和性の低沸点炭
化水素溶媒を用いて、更に抽出処理を行う。 上記低沸点炭化水素系溶媒の例としては、例え
ばペンタン、2−メチルブタン、3−メチルブタ
ン、2,2−ジメチルブタン、ヘキサン、2−メ
チルペンタン、3−メチルペンタン、ヘプタン、
2−メチル−ヘキサン、3−メチルヘキサンなど
の如きC5〜C7の炭化水素を例示することができ
る。これは単独でも複数種併用してでも利用でき
る。より好ましくは、n−ペンタン、イソペンタ
ン及びn−ヘキサンより成る群からえらばれた炭
化水素系溶媒の少なくとも一種もしくはそれらを
主成分とする溶媒で処理するのが良い。 この際、該含水アルコール相と炭化水素系溶媒
の混合割合は、適宜に選択できるが、例えば、含
水アルコール相と炭化水素との混合比は、重量比
で1:約0.1〜約20、好ましくは1:約0.5〜約10
の如き範囲を例示することができる。 上記の如き低沸点炭化水素溶媒による抽出に際
しては、例えば撹拌条件下に行つて、含水アルコ
ール相に含有している香気香味有効成分のみを炭
化水素溶媒相に充分に移行させるように処理する
のが良い。その為に予め含水アルコール相を水で
希釈し、香気香味有効成分が炭化水素溶媒に移行
し易いようにしても良いし、又抽出前、或いは抽
出後に塩化ナトリウムを添加してもよい。処理温
度及び時間には特別な制約はないが、例えば約5
及至約70℃程度の温度条件及び約1分〜第3時間
程度の処理時間条件の如き処理を例示できる。こ
の抽出処理後、たとえば混合系を少なくとも約5
分間程度静置して、上層の炭化水素溶媒相と下層
の含水エタノール相とに分離させ、炭化水素溶媒
相を採取することができる。 接触処理後の混合系から、たとえば上述のよう
にして分取することのできる炭化水素溶媒相を、
必要ならば芒硝などを用いて脱水した後、蒸留し
て低沸点炭化水素溶媒を留去する。蒸留は大気圧
条件下、減圧条件下のいづれの条件下でも実施で
きるが、減圧条件下での低温における実施がより
好ましく、例えば約5〜約750mmHgの減圧下で、
約40℃以下で行うことができる。 更には、窒素ガス、炭酸ガスなどの不活性気体
存在下に、上記の如き蒸留処理を行うことができ
る。 上述のようにして、テルペン系炭化水素含有天
然精油を容易な操作及び簡単な装置で、該天然精
油中の香気香味有効成分に不都合な変質や揮散損
失を伴うことなしに、且つ高収率をもつて、該天
然精油中の香気香味有効成分を濃厚に含有して香
気の高度に優れた且つ貯蔵安定性の優れた脱テル
ペン化精油を取得できる。該脱テルペン化精油を
例えば飲食品等に使用した場合、飲食品の香気の
変質などの如きトラブルを生ぜず、長期間にわた
つて香気の優れた且つ安定性の高い飲食品を得る
ことができる。 以下、実施例によつて更に詳細に説明する。 なお、以下の実施例中、単に“%と”あるのは
“重量%”を意味する。 実施例 1 オレンジ精油(含酸素化合物約1.6%含有)100
gに70重量%エタノール水溶液800gを加えて40
〜45℃にて30分間撹拌した。次いで20℃まで冷却
して静置後、分離した下層の含水エタノール層を
分取したのち紙過し、オレンジ精油の含水ア
ルコール溶液830gを得た。 次いで70重量%エタノールに浸漬した多孔性ス
チレン・ジビニルベンゼン共重合樹脂(ダイヤイ
オンHP−20、三菱化成)150mlを詰めたガラス
カラム(直径3cm、高さ30cm)の上部から、上記
オレンジ精油の含水エタノール溶液を、SV=4
で通液し、テルペン系炭化水素を吸着除去し、脱
テルペン化された処理液830gを得た。オレンジ
精油の含水エタノール溶液の該樹脂処理前後にお
ける、精油含有率及び該精油中のテルペン系炭化
水素及び含酸素化合物の比率を第1表に示す。
【表】 第1表の結果から明らかな様に、本発明の樹脂
処理により、テルペン系炭化水素は99.2%除去さ
れた。また含酸素化合物は97.6%の高処理率で回
収された。得られた脱テルペン化精油含有含水ア
ルコール溶液は新鮮なオレンジの香味を有し、保
存安定性に優れている。 実施例 2 レモン精油(含酸素化合物約3.2%含有)50g
に80重量%含水エタノール200gを加えて、20〜
25℃にて2時間撹拌した。次いで20℃まで冷却
し、静置後、下層の含水エタノール溶液を分取
し、210gを得た。該含水エタノール溶液を予め
80%エタノールに浸漬したオクタデシル基を有す
る化学結合型シリカゲル(YMC GELODS30/
60、島久薬品)40gを充填したガラスカラム(直
径3cm、高さ30cm)の上部から、SV=25で通液
してテルペン系炭化水素を吸着除去し、処理液
210gを得た。レモン精油の含水エタノール溶液
の該化学結合型シリカゲル処理前後における精油
含有率及び該精油中のテルペン系炭化水素及び含
酸素化合物の比率を第2表に示す。第2表の結果
から明らかな通り、本発明の化学結合型シリカゲ
ル処理により、テルペン系炭化水素は98.9%吸着
除去され、一方、含酸素化合物は97.5%の高収率
で回収された。 得られた脱テルペン化レモン精油含有含水エタ
ノール溶液はレモン特有の新鮮で優れた香味を有
し、保存安定性が極めて優れていた。
【表】 実施例 3 オレンジ精油(含酸素化合物約1.6%含有)200
gに60重量%メタノール水溶液400gを加えて40
〜45℃で30分間撹拌した。次いで20℃まで冷却し
静置後分離した下層の含水メタノール層を分取し
た。残渣のオレンジ精油はさらに60重量%メタノ
ール水溶液100gを加え40〜45℃30分間撹拌、20
℃まで冷却静置後含水メタノール層を分取した。
分取した含水メタノール層は混合し予め60%メタ
ノールに浸漬した多光性エチルビニルベンゼン・
ジビニルベンゼン共重合樹脂(商品名
PorapakQ、Waters)10mlを詰めたカラム(直
径1.5cm、高さ30cm)の上部からSV=3で通液し
樹脂処理液510gを得た。オレンジ精油の含水メ
タノール溶液の該樹脂処理前後における精油含有
率及び該精油中のテルペン系炭化水素及び含酸素
化合物の比率を第3表に示す。
【表】 第3表の結果から明らかな様に本発明の樹脂処
理により、テルペン系炭化水素は93.5%除去され
た。また含酸素化合物は92.0%の高収率で回収さ
れた。樹脂処理液510gから脱テルペン化精油を
抽出するためn−ヘキサン500gを加えて室温で
30分間撹拌後静置してn−ヘキサン層を分取し35
〜40℃/10mmHgで減圧蒸留して溶媒を留去し脱
テルペン化オレンジ精油2.5g(含酸素化合物約
92%含有)を得た。 このものはオレンジの香気香味有効成分も濃厚
に含有し香気の優れた且つ貯蔵安定性の優れた脱
テルペン化精油であつた。 実施例 4 オレンジ精油(含酸化合物約1.6%含有)100g
に60重量%エタノール水溶液1000gを加えて40〜
45℃にて30分間撹拌した。次いで20℃まで冷却し
て静置後、分離した下層の含水エタノール層を分
散したのち濾紙濾過しオレンジ精油の含水アルコ
ール溶液1020gを得た。 次いで60重量%エタノールに浸漬した多孔性メ
タアクリル酸エステル共重合樹脂(ダイヤイオン
HP2MG、三菱化成)100ml詰めたガラスカラム
(直径3cm、高さ30cm)の上部から、上記オレン
ジ精油の含水エタノール溶液をSV=4で通液し
テルペン系炭化水素を吸着除去し脱テルペン化さ
れた処理液1020gを得た。 オレンジ精油の含水エタノール溶液の該樹脂処
理前後における精油含有率及び精油中のテルペン
系炭化水素及び含酸素化合物の比率を第4表に示
す。 第4表の結果からも明らかな様に本発明の樹脂
処理により、テルペン系炭化水素は98.3%除去さ
れた。また含酸素化合物は78.9%の収率で回収さ
れた。得られた脱テルペン化オレンジ精油含有含
水エタノール溶液はオレンジ特有の新鮮で優れた
香味を有し保存安定性が極めて優れていた。
【表】

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 1 テルペン系炭化水素含有天然精油を、アルコ
    ール濃度が約40〜約95重量%濃度の含水エタノー
    ル及び/又は含水メタノールと接触処理し、含水
    アルコール溶液相を採取し、該含水アルコール溶
    液相を、多孔性スチレン・ジビニルベンゼン共重
    合樹脂、多孔性エチルビニルベンゼン・ジビニル
    ベンゼン共重合樹脂多孔性メタアクリル酸・ジオ
    ール重縮合樹脂及び多孔性化学結合型シリカゲル
    よりなる群から選ばれた少なくとも1種の多孔体
    と接触処理し、テルペン系炭化水素を該多孔体に
    吸着除去せしめることを特徴とする脱テルペン化
    による前記天然精油の製造方法。
JP22623382A 1982-12-24 1982-12-24 天然精油の精製方法 Granted JPS59117593A (ja)

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