JP2900238B2 - 天然メナキノン−7高含量脂質 - Google Patents

天然メナキノン−7高含量脂質

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JP2900238B2
JP2900238B2 JP7196007A JP19600795A JP2900238B2 JP 2900238 B2 JP2900238 B2 JP 2900238B2 JP 7196007 A JP7196007 A JP 7196007A JP 19600795 A JP19600795 A JP 19600795A JP 2900238 B2 JP2900238 B2 JP 2900238B2
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久司 村澤
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は納豆菌に代表される
枯草菌で発酵せしめた食品素材を原料として得られる天
然メナキノン−7高含量の脂質およびその製造方法、並
びに該脂質を主成分とする骨粗鬆症の予防または/かつ
治療用組成物に関するものである。
【0002】
【従来の技術】ビタミンKは古くから血液凝固に関与す
るビタミンとして知られ、ビタミンK欠乏性出血症の治
療に医薬品として合成ビタミンK1 およびK2 が用いら
れ、予防に食品として天然ビタミンK1 濃縮物が利用さ
れている。骨粗鬆症は、老化、疾病などの原因によって
起こる、骨がもろくなる病態で、骨折したり、激しい痛
みなどを伴い、老人医療の面から大きな社会問題となり
つつある。骨粗鬆症の治療、予防には、主にカルシウ
ム、ビタミンD類が医薬品あるいは食品として利用され
ているが、最近になって骨粗鬆症の治療、予防にビタミ
ンKが単独、あるいは既知の有効物質との併用で有効で
あることが見いだされた。出血症の治療、予防に必要な
ビタミンKは極めて微量(一日当たりμgオーダー)で
あるが、骨粗鬆症の治療、予防には一日当たり数〜数十
mgのビタミンKを必要とする。
【0003】ビタミンK類の中で、自然界に存在するの
はビタミンK1 およびK2 群のみである。K1 は主に植
物によって合成される。K2 群の中には側鎖長の違いに
よりメナキノン(MK)−1〜14までが知られてお
り、MK−4は主に動物体内の腸内細菌によって合成さ
れ、MK−7は主に納豆菌によって合成される。食品中
では、K1 は特に緑色野菜、植物油、海藻等に多く含ま
れており、K2 の代表的な物質であるMK−7は納豆に
多く含まれている。主な食品あるいは食品素材中のビタ
ミンK含量は、海藻・海苔・茶葉などにビタミンK1
数十ppm 、大豆油・ほうれん草・ブロッコリなどにビタ
ミンK1 が数ppm 、納豆中にMK−7が数〜十数ppm で
ある。大豆油や納豆の原料である大豆中には1ppm 以下
のビタミンK1 しか含有されていない。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】市販の食品から骨粗鬆
症に有効な量のビタミンKを摂取する場合、仮にビタミ
ンKを1ppm 含有する食品あるいは食品素材より一日1
0mgのビタミンKを摂取しようとすると、一日に10kg
もの量を食する必要があり不可能である。十数ppm 含有
する納豆でも一日数百gを食さなくてはならず、嗜好
上、これだけの量を毎日食することは困難である。市販
の、出血症予防のために調製粉乳に添加している天然ビ
タミンK1 濃縮物は高価であるため、大量のビタミンK
1 を摂取するには価格面で困難である。一方、医薬品の
合成ビタミンKは食品に使用することはできない。
【0005】天然MK−7は、自然界には極微量しか存
在しないため、単離が非常に困難とされており、これま
で、MK−7高含量の脂質を調製した例は知られていな
い。蛋白質との複合体の形で存在するMK−7を水によ
る抽出によって分離した例はあるが、MK−7の一部し
か複合体で存在していないので抽出効率に問題がある。
納豆から、ステロールを主成分とする組成物を抽出した
例もあるが、ステロール含量を高めるためにケン化反応
を必須としており、使用する強アルカリによってMK−
7は分解してしまうため、得られた組成物中にMK−7
はほとんど含有されない。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明の目的は、通常の
食品からは充分な量の摂取ができない、または摂取困難
な天然ビタミンK、特に納豆菌に代表される可食の枯草
菌によって作り出された天然MK−7を、食品あるいは
補助食品として簡単に日常的摂取ができるようにした天
然MK−7高含量の濃縮脂質、およびそれを主成分とす
る食品あるいは補助食品を提供することにある。
【0007】本発明者らは、上記の目的を達成すべく鋭
意研究を重ねた結果、枯草菌で発酵した食品素材より脂
質を取り出すか、あるいは抽出または抽出、精製するこ
とによって天然MK−7高含量脂質を得ることができる
ことを見出して本発明を完成した。本発明において、脂
質の原料となるものは、納豆菌に代表される枯草菌を繁
殖させ発酵させることができるものであれば使用できる
が、発酵物より取り出した脂質を食用に供することから
食品素材が好ましい。食品素材は、一般食品の材料とな
るものの他に、それらの加工過程で発生する粕や煮汁な
どの副産物を用いてもよい。一般食品としては、特に大
豆などの穀類が好ましい。上記の他にも、食することが
可能で枯草菌が繁殖できるものであれば特に限定するも
のでない。
【0008】接種する枯草菌としては、上記素材と同様
な理由から可食の枯草菌が好ましい。可食の枯草菌とし
ては、納豆菌が最も一般的である。市販の納豆菌が使用
できるが、その中でも天然MK−7産生能力の高いもの
が望ましい。また、人為的に天然MK−7産生能力を高
めたものも使用できる。発酵方法は、一般的に知られて
いる納豆の発酵方法の他に液体培養などの公知の発酵方
法を用いてもよい。通常、納豆の発酵は36〜39℃で
15〜20時間かけて行われるが、さらに42℃以上の
温度で、48時間以上の長時間発酵させることによっ
て、脂質中の天然MK−7含量を高めることができる。
【0009】取り出す方法は抽出、圧搾、遠心分離など
物性の相違を利用して分ける方法を選択できるが、特に
抽出法が効果的である。抽出方法は、発酵物に対して最
も効果的な方法を選択すればよく、特に限定されるもの
ではないが、発酵物の固形分量が多ければ固−液抽出法
が、少なければ液−液抽出法が効果的である。固−液抽
出法を選択する場合、発酵物は固体でも多量の水分を含
有しているので、あらかじめ水分含量を測定して、その
水分含量に対して等倍〜10倍量の親水性有機溶媒を混
合するか、減圧下で100℃以下の温度で加熱するかし
て水を除去してから、親油性有機溶媒を等倍〜10倍量
添加して、粉砕・抽出すると抽出効率が向上する。
【0010】親水性有機溶媒と混合して脱水を行う場合
は、親水性溶媒−水混液を分離・除去してから脂質を抽
出してもまた除去せずに抽出してもよい。親水性溶媒−
水混液を除去してから抽出する場合は、分離した親水性
溶媒−水混液を、親油性有機溶媒を用いて更に脂質分を
抽出するとよい。脱水後の発酵物を粉砕し、抽出した
後、ろ過してろ液の親油性有機溶媒層を分取後、減圧下
で溶媒を留去すると抽出脂質が得られる。
【0011】液−液抽出法では、水を除去せずに抽出を
行うことができるが、水に対して親和性の低い溶媒か混
合溶媒を選択して、抽出時に二層に分離させる必要があ
る。発酵液に対して1/10〜10倍量の水との親和性
の低い溶媒か混合溶媒を発酵液と混合後、静置、または
加速度を与え強制的に二層を分離して親油性有機溶媒層
を分取後、減圧下で溶媒を留去すると抽出脂質が得られ
る。残った水層に同様の操作を繰り返すと一層効果的で
ある。
【0012】有機溶媒としては、炭素数1〜10の炭化
水素あるいはアルコール、エーテル、エステル、ケトン
の群から選ばれる単独あるいは2種以上の混合物が使用
できる。抽出法は、固−液、液−液共にバッチ式でも連
続式でもよい。抽出温度は、溶媒の沸点以下であれば使
用できるが、天然MK−7の化学的分解を抑えるために
は室温〜100℃程度の温度が望ましい。
【0013】以上の抽出操作のみによっても、得られた
抽出脂質中の天然MK−7含有量は200ppm 〜1%程
度にまで高まる。このとき、脂質中に含有されるMK−
7以外の物質は、油脂、ステロールおよびその誘導体、
トコフェロール、リン脂質、炭化水素等である。
【0014】より高含有量の脂質を得るためには、さら
に精製処理を施す必要がある。精製方法としては、溶媒
分別、吸着分別、蒸留、クロマトグラフィー、膜分離の
操作を単独もしくはそれらを2種以上複合した方法が効
果的であるが、油脂中の脂質精製法として一般的なアル
カリ精製法は、使用する強アルカリによってMK−7が
分解してしまうため好ましくない。溶媒分別法には、次
の二種の方法がある。上記の抽出溶媒の範囲の溶媒もし
くはその混合物で互いに混ざり合わない二種の溶媒を選
択し、そのいずれか一方あるいは両方に抽出脂質を溶解
し、二液相間でバッチまたは連続で混合−分離を繰り返
し行うことによって、天然MK−7の分配率の高い溶媒
層に天然MK−7を濃縮する。それを分取して減圧下で
溶媒を留去して天然MK−7高含量脂質を得る。溶媒の
混合比率は、一方の溶媒1倍量に対して、他方の溶媒を
1/5〜5倍量とすることが望ましい。別法として、抽
出脂質1倍量に対して1/2〜10倍量の、上記の抽出
溶媒の範囲の溶媒もしくはその混合物に抽出脂質を加熱
溶解した後に、冷却して生成したステロール類を主成分
とする不溶物を、ろ過、遠心分離等の方法により除去す
ることによって、天然MK−7高含量の脂質を得る。
【0015】吸着分別法は、MK−7が炭素系吸着剤に
選択的に吸着される性質を利用して、吸着・溶離を行う
方法である。抽出脂質の有機溶媒溶液に活性炭を添加・
混合するか、活性炭を詰めたカラムに抽出脂質の有機溶
媒溶液を通液するかして、活性炭にMK−7を吸着せし
めた後、有機溶媒で活性炭を洗浄して不純物を洗い流
し、有機溶媒でMK−7を溶離して、天然MK−7高含
量の脂質を得る。ここで使用する有機溶媒は、上記の抽
出溶媒の範囲の溶媒もしくはその混合物であるが、吸着
・洗浄には溶離作用の弱い溶媒、主にアルコール類を、
溶離には溶離作用の強い溶媒、主に炭化水素類を使用す
ることによって、より効率的に濃縮を行うことができ
る。
【0016】蒸留法は、天然MK−7が高沸点かつ高温
で分解する物質であることから、高真空蒸留である分子
蒸留法または水蒸気蒸留法が効果的である。両方法と
も、蒸発対象物の蒸気圧を小さくして、高沸点の物質で
も低い温度で蒸発させることができる。これらの蒸留法
は、バッチ式でも連続式でもよい。この方法を適用する
ことによって得られた天然MK−7高含量の脂質は、溶
媒の残留もなく、無臭であるためそのまま食用に供する
ことができる。分子蒸留法では、5Pa以下の圧力で20
0℃〜300℃の温度範囲で、抽出脂質を分子蒸留装置
に付し、段階的温度にて蒸発留分を分取することによっ
て天然MK−7高含量の脂質を得る。水蒸気蒸留法で
は、1kPa 以下の圧力で200〜350℃の温度範囲
で、水または水蒸気を導入しながら蒸留を行い、段階的
温度にて蒸発留分を分取することによって天然MK−7
高含量の脂質を得る。
【0017】クロマトグラフィー法は、カラムクロマト
グラフィー法が効果的である。カラムに充填する固定相
は、市販のクロマトグラフィー用充填剤でよい。実用
上、シリカゲルベースの吸着剤もしくは有機ポリマーを
骨格に持った合成吸着剤が望ましい。移動相は、上記の
抽出溶媒の範囲の溶媒もしくはその混合物から選択す
る。以上の精製方法を、単独もしくはそれらを複合して
行うことによって、天然MK−7高含量脂質を得ること
ができる。このときのMK−7含有量は1%以上であ
る。精製を重ねることによってほぼ100%のものも調
製できる。蒸留して得られた天然MK−7高含量脂質に
は脂質以外のものとして、若干量の溶媒が残留している
と共に、発酵物由来の臭気も残留している場合がある。
これらの両方を完全に除去するためには、最後に100
〜250℃にて水蒸気蒸留を行うとよい。水蒸気蒸留
は、流動性がないと適用が困難であるため、溶媒留去時
にペースト状あるいは固体になる場合は、1/2〜5倍
量の植物油に溶解してから水蒸気蒸留処理を行う。
【0018】
【発明の効果】本発明により得られた天然MK−7高含
量脂質は、原料が天然物であり、かつ食することのでき
るものであることから、出血症はもちろん骨粗鬆症の予
防のために、食品あるいは補助食品として安全性が高く
簡易に日常的摂取ができる。また、この脂質は無味・無
臭であることから、嗜好上の問題もなく、様々な形態の
食品に応用することが可能である。
【0019】
【発明の実施の形態】次に実施例によって本発明を詳し
く説明するが、本発明はこれらに限定されるものではな
い。なお、以下の実施例においてMK−7含量は(財)
日本食品分析センターの高速液体クロマトグラフ法に準
じて測定した値を、その他の分析値は公定法に準じて測
定した値を示す。
【0020】実施例1 室温下、市販の挽き割り納豆(MK−7含量17.2p
pm;水分57.7%)3kgにイソプロピルアルコー
ル2.3Lを加えて粉砕後、n−ヘキサン4.6Lを加
えて再度粉砕した。全量をろ過した後に、ろ液を静置し
て分離したn−ヘキサン層(上層)を分取した。上層は
5.2Lであった。上層の溶媒を2kPa,60℃で留
去し、153gの残渣を得た。この残渣を3hPa,1
70℃,1.5g水蒸気/時間で60分間脱臭を行っ
て、黄色、無味、無臭、油状の脂質()144gを得
た。この脂質には、MK−7 351ppm,トコフェ
ロール 135ppmが含有されており、TLC(薄層
クロマトグラフィー)で観察したところ大部分はトリグ
リセライドで微量のステロールおよびその誘導体、リン
脂質、炭化水素類がみられた。この脂質の酸価は1.
2、過酸化物価は0.6であった。MK−7を高回収率
で得た。
【0021】実施例2 納豆製造時に副生成する大豆煮汁に納豆菌を接種し、納
豆の製造と同じ条件で培養したもの(MK−7含量1
0.8ppm )10kgにジエチルエーテル10Lを加えて
震とう後、静置して分離したジエチルエーテル層(上
層)を分取した。上層の溶媒を2kPa ,60℃で留去
し、7.9gの残渣を得た。この残渣を5hPa,180
℃,0.08g水蒸気/時間で60分間脱臭を行って、
黄色、無味、無臭、油状の脂質()7.2gを得た。
この脂質には、MK−7 1.4%,トコフェロール
85ppm が含有されており、TLCで観察したところ上
記の他にトリグリセライド、ステロールおよびその誘導
体、リン脂質、炭化水素類がみられた。この脂質の酸価
は0.8、過酸化物価は0.2であった。MK−7の回
収率は93%であった。
【0022】実施例3 市販の納豆(MK−7含量8.5ppm )10Kgを80℃
で24時間減圧乾燥して乾燥物4.75kgを得た。乾燥
物の温度が下がらない内に末広鉄工所製2軸エクストル
ーダーに付し、315gの粗油を得た。80℃で粗油に
温水15mlを添加,攪拌し、遠心分離後上層の油層を分
け取った。さらに20%水酸化ナトリウム水溶液6mlを
添加,攪拌し、遠心分離後上層の油層を分け取った。油
層を真空乾燥後、100℃で活性白土15gを添加し,
攪拌,ろ過した。ろ液を3hPa ,180℃,3g水蒸気
/時間で60分間脱臭を行って、黄色、無味、無臭、油
状の脂質296gを得た。この脂質には、MK−7 1
72ppm ,トコフェロール 752ppm が含有されてお
り、TLCで観察したところ大部分はトリグリセライド
で微量のステロールおよびその誘導体、リン脂質、炭化
水素類がみられた。この脂質の酸価は0.2、過酸化物
価は0.1であった。MK−7の回収率は60%であっ
た。
【0023】実施例4 上記実施例1で得られた脂質()50gを流下膜式分
子蒸留装置に付した。3Paの圧力で200℃から280
℃まで10℃刻みで昇温した。230℃〜280℃まで
に留出した蒸発物を分取して、黄褐色、無味、無臭、ペ
ースト状の脂質10.3gを得た。この脂質には、MK
−7 1560ppm 、トコフェロール 163ppm が含
有されており、TLCで観察したところ上記の他にトリ
グリセライド、ステロールおよびその誘導体、炭化水素
類がみられた。この脂質の酸価は0、過酸化物価は0.
1であった。MK−7の回収率は92%であった。
【0024】実施例5 市販の顆粒状活性炭50gをイソプロピルアルコールで
充填したカラムに、上記実施例1で得られた脂質()
50gをイソプロピルアルコール150mlに溶解した溶
液を、40℃、空間速度(SV)1.0で通液してMK
−7を吸着せしめた。同様の温度および流速でイソプロ
ピルアルコール1Lを通液してカラムを洗浄した後に、
トルエン500mlを通液してカラムから流出した液の5
0〜500mlの画分を分取した。この画分を2kPa ,6
0℃で溶媒留去し、4.5gの残渣を得た。この残渣に
9mlのアセトンを加えて50℃で溶解後、−20℃で1
時間冷却して、生成した沈殿物をろ別した。ろ液を2kP
a ,60℃で溶媒留去し、3.9gの残渣を得た。この
残渣に大豆油3gを加えて、3hPa ,180℃,0.0
7g水蒸気/時間で60分間脱臭を行って、黄色、無
味、無臭、油状の脂質6.8gを得た。この脂質には、
MK−7 2200ppm ,トコフェロール 12ppm が
含有されており、TLCで観察したところ大部分はトリ
グリセライドで微量のステロールおよびその誘導体、炭
化水素類がみられた。この脂質の酸価は1.5、過酸化
物価は1.8であった。MK−7の回収率は85%であ
った。
【0025】実施例6 上記実施例2で得られた脂質()5gを20mlのn−
ヘキサンに溶解して、20mlの5%含水エタノールを加
えて震とう後、ヘキサン層(上層)と含水エタノール層
(下層)をそれぞれ分け取り、上層には20mlの5%含
水エタノールを、下層には20mlのn−ヘキサンを加え
て再度震とうした。それぞれの上層を分け取り、2kPa
,60℃で溶媒留去し、4.5gの残渣を得た。10
0gのシリカゲルをn−ヘキサンで充填したカラムに、
前記残渣を5mlのn−ヘキサンで溶解した溶液をSV
1.0で通液した後に、n−ヘキサン:ジエチルエーテ
ル(20:1)500mlを通液してカラムから流出した
液の320〜480mlの画分を分取した。この画分を2
kPa ,60℃で溶媒留去し、0.31gの脂質を得た。
この脂質には、MK−7 15.4%が含有されてお
り、TLCで観察したところ上記の他にトリグリセライ
ド、ステロールおよびその誘導体、炭化水素類がみられ
た。MK−7の回収率は68%であった。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 FI A61K 31/12 ADT A61K 31/12 ADT C07C 46/10 C07C 46/10 C11B 1/10 C11B 1/10 (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) C07C 50/14 A23L 1/30 A61K 31/12 C11B 1/10 C11B 3/10 - 3/12 WPI/L(QUESTEL)

Claims (13)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 枯草菌で発酵した食品素材より圧搾分離
    および/または抽出することにより取り出した天然メナ
    キノン−7高含量脂質。
  2. 【請求項2】 取り出す方法が抽出することである請求
    項第1項記載の天然メナキノン−7高含量脂質。
  3. 【請求項3】 取り出す方法が抽出および天然メナキノ
    ン−7が分解しない条件下で精製することである請求項
    第1項記載の天然メナキノン−7高含量脂質。
  4. 【請求項4】 食品素材が食用植物あるいはそれらの加
    工過程で発生する粕、煮汁などの副産物である請求項第
    1項ないし第3項のいずれか一項記載の天然メナキノン
    −7高含量脂質。
  5. 【請求項5】 枯草菌による発酵条件が、温度42℃以
    上、時間48時間以上であることを特徴とする請求項第
    1項ないし第4項のいずれか一項記載の天然メナキノン
    −7高含量脂質。
  6. 【請求項6】 枯草菌が納豆菌である請求項第1項ない
    し第5項のいずれか一項記載の天然メナキノン−7高含
    量脂質。
  7. 【請求項7】 天然メナキノン−7含有量が200ppm
    以上である請求項第1項ないし第6項のいずれか一項記
    載の天然メナキノン−7高含量脂質。
  8. 【請求項8】 抽出および天然メナキノン−7が分解し
    ない条件下における精製方法が、溶媒抽出、溶媒分別、
    吸着分別、蒸留、クロマトグラフィーまたは膜分離の単
    独もしくはそれらを2以上複合した方法である請求項第
    3項ないし第7項のいずれか一項記載の天然メナキノン
    −7高含量脂質。
  9. 【請求項9】 抽出または精製に使用する溶媒が、有機
    溶媒あるいは含水有機溶媒である請求項第2項ないし第
    8項のいずれか一項記載の天然メナキノン−7高含量脂
    質。
  10. 【請求項10】 吸着分別法が、活性炭に対する吸着、
    溶離によって成される請求項第8項記載の天然メナキノ
    ン−7高含量脂質。
  11. 【請求項11】 蒸留方法が、分子蒸留、水蒸気蒸留等
    の高真空蒸留である請求項第8項記載の天然メナキノン
    −7高含量脂質。
  12. 【請求項12】 有機溶媒が、炭素数1〜10の炭化水
    素あるいはアルコール、エーテル、エステル、ケトンで
    ある請求項第9項記載の天然メナキノン−7高含量脂
    質。
  13. 【請求項13】 請求項第1項ないし第12項のいずれ
    か一項記載の天然メナキノン−7高含量脂質を主成分と
    する、骨粗鬆症の予防または/かつ治療用組成物。
JP7196007A 1994-07-07 1995-07-07 天然メナキノン−7高含量脂質 Expired - Lifetime JP2900238B2 (ja)

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