JPS5942358Y2 - 車輛用燃料タンクキヤツプ - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は車輌用燃料タンクキャップに関し、特にタンク
内の圧力を自動調節するための弁機構を有する型式のも
のに関する。

一般に、車輌用燃料タンクキャップは、燃料消費に伴う
タンク内圧力の低下やタンク内外の温度変化等が原因で
燃料の流出が悪くなるという現象を防止するために、タ
ンクキャップ本体ニ、外気とタンク内を連通ずる通路を
形成するとともに、この通路に弁機構を組み込んで、タ
ンク内圧力が大気圧以下の所定圧に低下したとき、弁機
構の開弁作用によって、外気がタンクに流入するように
している。

この種の燃料タンクキャップの従来の代ＩＪ ヲ第１図
に示している。

図に示す如く、このキャップは、本体がカバー１トよび
ケース２により構成され、上記ケース２の底部に弁機構
３を備えている。

そして、この弁機構３は次のようになっている。

すなわち、ケース２の底部中央に孔４が形成されるとと
もに、底部外面の上記孔４の周囲にゴム製のシート５が
固定される一方、この孔４に弁体６のロッドＩが挿入さ
れている。

該ロッドＩの一端ＫＦｉ上記シー）５に対して接離する
ディスク８が設けられる一方、その他端にはフランジ９
が設けられ、さらに、該フランジ９とケース２底部間に
コイルバネ１０が設けられている。

したがって、弁体６のディスク８の周囲は、コイルバネ
１０の付勢力により、常時シート５ｒｃ押し付けられて
、燃料タンク１１と外気との連通が遮断されている。

一方、燃料タンク１１内の圧力が大気圧以下の所定圧力
より低下した際には、弁体６のディスク８がタンクｌ１
ｒｃ吸引され、その結果、外気がカバー１とケース２の
隙間並びにシート５とディスク８との隙間を通ってタン
ク１１内に流入し、タンク内圧力を上昇させて常に規定
内圧を保証する。

ところが上記構造のものは種々の有具合があんすなわち
、弁機構３を閉弁するため、弁体６のディスク８の周面
をシート５に押し付ける構造になっているが、この構造
は全接触圧に対してシールめが多いため一般的に気密性
が余り良くなく、ディスク８のシート５！ＩＣ対する接
触周面ば精度の高い加工が要求される。

またゴム製のシー）５に対してディスク８の接触面が張
り付き易く、その為、燃料タンク１１内が負圧になった
場合に弁機構が作動しないことがある。

さらに、この種の弁機構はタンク内の圧力が所定圧より
少しでも低下すればそれに対して敏感に応答することが
望まれるが、この弁機構にかいてそれを満足させようと
すると、コイルバネのバネ力を小さくするかあるいは弁
体のディスクを大きくして受圧面積を大きくする必要が
あり、もしこのようにすれば、ディスクのシール面が多
くなって、増々単位面積あたりに対する接触圧の低下を
来たすので気密性が悪くなるという不具合がある。

本考案は、上記の如き従来の不具合に鑑みてなしたもの
で、燃料タンク内の圧力が所定圧力より少しでも低下す
れば敏感に作動してタンク内圧力を上昇させると同時に
気密性も非常圧優れた新規な構造の車輌用燃料タンクキ
ャップを提供するものである。

本考案に係る車輌用燃料タンクキャップは、キャップ本
体の内部に形成した燃料タンクと外気との連通路を燃料
タンク側と外気側とに区分するダイヤフラムを設けると
ともに、該ダイヤプラムの中央部に小孔を穿設して該／
Ｊ４ＬＶｃ％環状シートを貫通孔内に備えた筒状シート
保持体を挿入・固定する一方、キャップ本体の上記ダイ
ヤフラムに対する反燃料タンク側に、上記シート保持体
の貫通孔内に反タンク側から摺動自在に挿入されて上記
環状シートと共働するニードル弁を取付け、さらに、上
記環状シートの孔がニードル弁によって閉鎖されるべく
シート保持体を一定圧力で常時付勢するバネ手段を設け
てなり、かつタンク内圧力が大気圧以下の所定圧以上の
ときは、上記ニードル弁が環状シートの孔を閉鎖して外
気とタンク内の連通を遮断する十方、タンク内圧力が大
気圧以下゛の所定圧になったとき、ダイヤフラムがシー
ト保持体と共にバネ手段の付勢力に抗して変位すること
により、ニードル弁の環状シートに対する閉鎖が解除さ
れ、シート保持体の貫通孔を介して外気とタンク内が連
通ずるようにしたことを特徴とするものである。

この考案によれば、弁機構としてニードル弁並びに環状
シートを用いているので、シール面積が非常に小さくて
気密性能が良い。

したがって、ニードル弁が環状シートを閉鎖すべく付勢
するバネ手段の付勢力を小さくして、タンク内圧力の微
小の負圧に対しても敏感に開弁し得るよう□できる。

また、ニードル弁の環状シートに対する開弁動作はダイ
ヤフラムの働きにより行なうよ５［しており、このダイ
ヤプラムは容易に受圧面積を大きくすることができるの
で、上記開弁動作をタンク内の微小な負圧に対して敏感
に作動させることが可能である。

また、本考案によれば、ニードル弁はシート保持体の貫
通孔周面に対して相対的に摺動するようＫなっているの
で、ニードル弁とシート保持体との相対的位置関係が安
定しており、つ１す、両者は互いに他方を案内する作用
をなして訃り、したがって、ニードル弁のシー）Ｋ対す
る開閉作用は安定している。

以下に本考案を第２〜４図に示した実施例について具体
的に説明する。

キャップ本体は、ケース２０と該ケース２０ｒｃ被せた
カバー２１よりなる。

このケース２０とカバー２１の間に形成される空間内に
は、ニードル弁２２を取付けたニードル弁取付板２３、
シート保持体２４を固定したダイヤフラム２５並びにコ
イルバネ２６、該コイルバネ２６を支持する座板２７等
を収納している。

上記ニードル弁取付板２３ば、断面角型ニードル弁２２
をキャップ本体に対して取付けるもので、その中央孔２
３ｅＫニードル弁２２の基端２２ａが取付けられるとと
もに、所定箇所に空気流通孔２８が穿設されている。

上記ニードル弁２２の基端２２ａには、上記ニードル弁
取付板２３の中央孔２３ｅの径寸法より十分中さい径寸
法の首部２２ｃと上記中央孔２３ｅの径寸法よりやや小
さい径寸法のフランジ２２ｄが形成されてトリ、該フラ
ンジ２２ｄ並びに首部２２ｃを上記中央孔２３ｅ［挿入
した後、フランジ２２ｄとニードル弁数付板２３間ＫＵ
字リング２２ｅを嵌め込むことにより取付けられている
。

したがって上記ニードル弁２２ばその首部２２ｃとニー
ドル弁取付板２３の中央孔２３ｅの径寸法の差の量だけ
移動自在である。

上記ニードル弁２２はキャップ本体の中心線Ｏに沿って
伸びている。

このニードル弁取付板２３は、上記キャップ本体のカバ
ー２１ｊ？よびケース２０と一体的に固定されるもので
、カバー２１の側部２１ａの周縁２１ｂを内側に屈曲せ
しめて該周縁２１ｂでケース２０の側ｇｚｏａを受は持
つ一方、カバー２１の底部２１ｃの周囲部分２１ｄを等
間隔毎に窪１して、換言すれば、かしめて、該かしめ部
２１ｄ、２１ｄ・・・と上記ケース２０とでニードル弁
取付板２３の底部２３ａの周囲部分２３ｂと側部２３ｃ
の周縁２３ｄとを挾み持つようにしている。

上記ダイヤフラム２５ば、膜状部２５ａの周囲に肉厚部
分２５ｂを設けてなるもので、この肉厚部分２５ｂが、
ケース２０の周囲部分２０ｂとニードル弁取付板２３の
底部２３ａの周囲部分２３ｂとで挟圧されるようになっ
ている。

したがって、ダイヤフラム２５の肉厚部分２５ｂはニー
ドル弁取付板２３の底部２３ａの周囲部分２３ｂ並びに
ケース２０の周囲部分２０ｂをシールすることになる。

上記ダイヤフラム２５の膜状部２５ａの中央部すなわち
上記ニードル弁２２に対応する位置には中央孔２５ｃを
穿設しており、また膜状ｇ２５ａの両面夫々に、中央孔
２９ａ、３０ａを有するダイヤフラムカバー２９．３０
を設けている。

そして、ダイヤフラムの中央孔２５ｃおよび一対のダイ
ヤフラムカバー２９．３０の中央孔２９ａ、３０ａに上
記シート保持体２４の一端を密に嵌合せしめて固定して
いる。

上記シート保持体２４は円筒体で、上記固定端と反対側
の自由端において、貫通孔２４ａ内に環状シート３１を
固定している。

上記ニードル弁２２は、このシート保持体２４０貫通孔
２４ａ内に挿入され、渣た、その円錐状自由端２２ｂ（
シール端）が環状シート３１の孔３１ａ内に挿入されて
ニードル弁２２の円錐状自由端の周面とシート３１の孔
３１ａの周面とでシールを行なうようになっている。

尚、ニードル弁２２はその局面角部が上記貫通孔２４ａ
ｖｃ接触して相対的に摺動する。

上記座板２７ば、ケース２０に沿うべく配置し、ダイヤ
フラム２５の肉厚部２５ｂによりその側部２７ａを囲む
ことによってその位置を規制している。

またこの座板２７ばその底部２７ｃＫ複数個の空気流通
孔２Ｔｂを備えている。

上記コイルバネ２６は、上記座板２７とシート保持体２
４間に介設しており、シート保持体を、したがって環状
シート３１及びダイヤフラム２５を常時ニードル弁側に
付勢するようにしている。

このコイルバネ２６の付勢力により、ニードル弁２２の
自由端２２ｂは常時シート３１の孔３１ａ内に挿入さへ
閉弁されることになる。

尚、図中２Ｑｃはケース２０の側部２０ａの屈曲部２０
ｄ、２０ｄとカバー２１の側部２１ａ間に形成される空
気流通路、２０ｅ 、２０ｅ・・・はケース２０の底部
２０ｃＫ穿設した空気流通孔、３２は燃料タンク３３の
口部３３ａの内部に係止させるため、ケース２０の底部
に固定した係正片、３４はケース２０の周囲に固定され
、燃料タンクキャップの口部３３ａの上部に接触するガ
スケットである。

上記構造の燃料タンクキャップは、これを燃料タンク３
３の口部３３ ａ ｖｃ固定した際、タンク内と外気と
が連通し得る空気流通路が形成される。

すなわち、外気の側からその順路を追えば、外気→カバ
ー２１とケース２０間に形成される空気流通路２０ｃ
、２０ｅ→カバー２１とニードル弁取付板２３の側部２
３ｅとの隙間→カバー２１の底部２１ｃとニードル弁固
定板２３の底部２３ａとの隙間→ニードル弁取付板２３
の底部２３ａの空気流通孔２８→ニードル弁取付板２３
とダイヤフラム２５との隙間→シート保持体２４０貫通
孔２４ａ→シート３１の孔３１ａ→座板２７の空気流通
孔２７ｂ−＋ケース２０の孔２０ｅ、２０ｅ→タンク内
、となる。

前記した如く、タンク内圧力が正常圧すなわち大気圧以
下の所定圧以上のときは、シート保持体２４がコイルバ
ネ２６により付勢されてシート３１がニードル弁取付板
２３を介してキャップ本体に取付けられたニードル弁２
２の自由端２２ｂに押し付けられるので（第２図の状態
）、弁機構は閉弁され、上記空気流通路は遮断される。

ところが、タンク内圧力が例えばタンク内燃料の消費お
よびタンク内外の温度変化等が原因で大気圧以下ノ所定
圧より低くなれば、ダイヤフラム２５の膜状部２５ａが
コイルバネ２６の付勢力に抗してタンク側に吸引され、
その結果、シート保持体２４がタンク側に移動するので
、シート３１がニードル弁２２のシール端より外れ、弁
機構が開弁される。

これにより、外気がタンク内に流入可となり、タンク内
の圧力を正常に戻すことができる。

タンク内圧力が正常に戻ればコイルバネ２６の付勢力に
よりダイヤフラム２５は元の位置に復帰させられ、弁機
構は再び閉弁される。

上記実施例の燃料タンクキャップによれば、図示の如く
、ダイヤフラム２５は非常に大きい面積とすることがで
きるので、コイルバネ２６の付勢力を弱く設定すること
によって、タンク内圧力の微小の負圧に対して敏感に作
動させることができる。

また、弁機構をニードル弁と環状シールとで構成してお
り、このニードル弁のシート端のシート面ば図示の如く
第１図の従来例に比べて非常に小さいので機密性が非常
に良く、シたがって、上記の如くコイルバネを弱く設定
しても十分閉弁作用を行なうことができる。

【図面の簡単な説明】

第１図は従来の代表的な車輌用燃料タンクキャップの断
面図、第２図は本考案の実施例に係る車輌用燃料タンク
キャップの断面図、第３図は第２図の半平面図、第４図
は第２図の単底面図である。 ２０・・・・・・ケース、２１・−・・・・カバー、２
２−・・・・ニードル弁、２４・・・・−・シート保持
体（２４ａ・・・・・・貫通孔）、２５・・・・・・ダ
イヤフラム、（２５Ｃ・・・・・・小孔）、２６・・・
・・・コイルバネ、３１・・・・・・環状シート（３１
ａ・−・−礼）、３３・・−ｍ−燃料タンク。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. キャップ本体の内部に形成した燃料タンクと外気との連
   通路を燃料タンク側と外気側とに区分するダイヤフラム
   を設けるとともに、該ダイヤプラムの中央部に小孔を穿
   設して該小孔に、環状シートを貫通孔内ＶＣｍえた筒状
   シート保持体を挿入・固定する一方、キャップ本体の上
   記ダイヤプラムに対する反燃料タンク側に、上記シート
   保持体の貫通孔内に摺動自在に挿入されて上記環状シー
   トと共働するニードル弁を取付け、さらに、上記環状シ
   ートの孔がニードル弁によって閉鎖されるべくシート保
   持体を一定圧力で常時付勢するバネ手段を設けてなり、
   かつタンク内圧力が大気圧以下の所定圧以上のときは、
   上記ニードル弁が環状シートの孔を閉鎖して外気とタン
   ク内の連通を遮断する一方、タンク内圧力が大気圧以下
   の所定圧になったとき、ダイヤフラムがシート保持体と
   共にバネ手段の付勢力に抗して変位することにより、ニ
   ードル弁の環状シー）Ｋ対する閉鎖が解除され、シート
   保持体の貫通孔を介して外気とタンクが連通ずるように
   したことを特徴とする車輌用燃料タンクキャップ。