JPS5938856Y2 - 自動車用扉の蝶番装置 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は自動車の扉に取付けられる蝶番装置の特に、ヒ
ンジピンにより′回動可能に連結された固定ヒンジ部材
と回動ヒンジ部材にあって、いずれカ一方のヒンジ部材
に固着させた板ばねを他方のヒンジ部材に弾圧摺接させ
ることにより、板ばねの撓み反力で摺接部の摺動摩擦抵
抗を高め、扉を中間開示位置、あるいは全開位置に保持
し、風あるいは坂道などに於げる扉の不意の開閉を防止
してなる自動車用扉の蝶番装置Ｑ改良に関する。

従来この種板ばねによる扉のチェック機構は、例えば、
実公昭５１−５２０９２号に開示される如く、板ばねに
突出部を有する足部を設け、その撓み反力によって扉を
保持する構造のものがよく知られている。

しかし、上記構造のチェック機構に於いては、扉の高い
保持力を得ようとするには、板ばねの板厚を増したり、
形状を太き（しなげればならないが、自動車用扉などで
は蝶番装置の取付空間が非常に制限されており、板ばね
を大きくすることは望めず、また、板厚を厚くすると、
加工精度が低下し、適正なチェックが得られないと共に
、その繰り返し耐久性が劣化し、長期に亘って使用する
と足部の付根が破損してし！う虞れがあった。

本考案は、このような事情に鑑みて、板ばねの足部に自
由端に向けて傾斜案内面と平坦面とが連続して形成され
た隆起部を設けると共に、該板ばねが固着されるヒンジ
部材に上記隆起部と対向するフランジ部を立設し、該フ
ランジ部と上記板ばねとの足部との間の全域に弾性体を
介在させることにより、蝶番装置自体の重量を不必要に
増大させることなく、扉開時における扉の任意位置での
保持を確実にすると共に、板ばねの耐久性を向上させる
ようにした自動車用扉の蝶番装置を提供することを目的
とする。

以下本考案装置の一実施例を図面に基づいて説明すると
、１は支柱Ｐ側に固着される固定ヒンジ部材で、その取
付部２より屈曲して延出する先端には中空穴３．ｌのあ
るボス部３が設げられている。

４は扉り側に固着される断面時コ字形の回動ヒンジ部材
で、取付部５の両側フランジ部６，６には嵌合孔６．Ｌ
、６．が穿設されていると共に、先端には両フランジ部
を連結し前記固定ヒンジ部材１と当接可能のストッパー
ピン７が取付けられている。

８はヒンジで、回動ヒンジ部材４の嵌合孔６８と固定ヒ
ンジ部材１の中空穴３ａを貫通し、両ヒンジ部材を回動
可能に枢着している。

９は基部１０とその両側より直角に延出する一対の足部
１１，１１とからなる断面時コ字形の板ばねで、回動ヒ
ンジ部材４の内面にその外側が接するように収納される
と共に、取付部５の側縁に形成された切欠部５ａに係合
する廻り止め用の爪１０、のある基部１０がリベット１
２にて取付部５に固着されている。

この板ばね９の足部１１゜１１の自由端側には、固定ヒ
ンジ部材１の側縁に乗り上げ可能自由端に向げて内方に
向けて傾斜する傾斜案内面と平坦面とが連続して形成さ
れた隆起部１１ａ、１１ａが夫々設けられている。

１３は回動ヒンジ部材４と板ばね９の足部１１との間の
全域に介設されるプロロプレンゴムなどの補強用の弾性
体で、板ばね９側に焼付けられている。

本考案装置は上述したような構造で、以下その作動につ
いて説明すると、ｎＤを第１図実線で示す閉扉状態から
開方向（矢印Ａ方向）に操作すると、回動ヒンジ部材４
はヒンジビン８を中心に時計方向に回動し、二点鎖線で
示す全開位置に至るが、その際第３図に示す如く、固定
ヒンジ部材１は実線で示す閉扉位置から、回動ヒンジ部
材４に対して相対的に、その側縁が板ばね９上を隆起部
１１ａと弾性体１３を押圧し撓１ぜながも移動するので
、隆起部１１ａの中央付近に於いて、板ばね９及び弾性
体１３の撓み反力で、相互間の摺動摩擦抵抗が高めらた
、扉りは中間開扉位置に適度な抵抗力をもって確実に停
止保持され、更に回動が進み、固定ヒンジ部材１が隆起
部１１．Ｌを乗り越えその下り勾配に至ると、板ばね９
及び弾性体１３の撓み反力が相対的に固定ヒンジ部材１
を開扉方向へ助勢する力として作用するようになり、固
定ヒンジ部材１は回動ヒンジ部材４に枢設されたストッ
パーピンＩと当接する二点鎖線位置に強固に保持され、
扉りは風などの影響を受けても何等変位することなく確
実に全開位置に保持されるようになる。

このとき上記板ばね９の両足部１１の撓みに対して、回
動ヒンジ部材４で支えられた上記弾性体１３がその撓み
を全面的に受けることになるので弾性体１３が板はね９
に作用する荷重を圧縮変形で吸収できる分板ばね９自体
への作用荷重は小さくなり、これに伴って板ばね９の両
足部１１の付根部に大きな応用が集中するという事態が
なくなる。

さらにまた、上記板ばね９の取付部は一般的に捩り方向
の荷重に対して弱いものであるが、捩り方向の荷重に対
して上記弾性体１３が板ばね９を元へ復帰させる方向に
常時作用するので、板ばね９の取付部に大きな捩り変形
と応力の集中が生ずることはなく、板ばねの取付状態は
良好に維持されるほか、上記弾性体１３は板ばね９の振
動を減衰するものであるため、扉開閉時において板ばね
９は固定ヒンジ部材１に常時摺接しながらスムーズに移
動することになり、板ばね９と固定ヒンジ部材１との間
で板ばね９の振動による異音が生ずる虞れもない。

なお、扉りを閉扉する場合は、前述と全く逆の作用が行
なわれ、固定ヒンジ部材１の板ばね９の隆起部１１．ｌ
を閉方向に乗り越す際のチェック作用で前記同様の扉り
の確実な中間位置保持をなし、更に下り勾配に於ける閉
方向の助勢作用で円滑な閉扉を可能にしている。

以上説明してきたように、本考案に係る自動車側扉の蝶
番装置によれば、一方のヒンジ部材と摺接する板ばねに
設げた隆起部とこのばねが取付く他方のヒンジ部材に設
けられたフランジ部との間の全域に板ばねの撓みを補強
する弾性体を介在させたので板ばねが比較的薄く且つ小
さくて撓み量が少ないものであっても、弾性体の弾発作
用により扉開時における扉のチェック保持を確実にする
ことができるほか、上記弾性体は板ばねの撓み変形に対
して補強部材として働くことから、板ばねの繰返し耐久
性を向上させることができる。

このため、本考案は、重い扉のチェックや取付スペース
の少ないものにも適用できるという頗る実用的価値の高
いものになっている。

また、本考案によれば、上記弾性体は少量で済むので、
蝶番装置自体の重量が不必要に嵩むという懸念も全くな
い。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案の蝶番装置の扉及び支柱の水平断面図、
第２図は第１図の蝶番装置の側面図、第３図は摺接部の
作動説囲断面図、第４図は板ばねの斜視図である。 １・・・固定ヒンジ部材、４・・・回動ヒンジ部材、８
・・・ヒンジピン、９・・・板ばね、１１・・・足部、
１３・・・弾性体。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 車体側に固着される固定ヒンジ部材と、扉側に固着され
   る回動ヒンジ部材と、該両ヒンジ部材を回動可能に枢着
   させるヒンジピンと、該ヒンジ部材のいずれか一方に固
   着され、その他方のヒンジ部材の側縁と弾圧摺接し、扉
   を中間あるいは全開位置に保持可能な足部を有する板ば
   ねとからなる蝶番装置において、上記板ばねの足部に自
   由端に向けて傾斜案内面と平担面とが連続して形成され
   た隆起部を設けると共に、該板ばねが固着される上記ヒ
   ンジ部材に上記隆起部と対向するフランジ部を立設し、
   該フランジ部と上記板ばねの足部との間の全域に弾性体
   を介在させたことを特徴とする自動車用品の蝶番装置。