JP2501675B2 - ヒンジ装置 - Google Patents

ヒンジ装置

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JP2501675B2
JP2501675B2 JP3127638A JP12763891A JP2501675B2 JP 2501675 B2 JP2501675 B2 JP 2501675B2 JP 3127638 A JP3127638 A JP 3127638A JP 12763891 A JP12763891 A JP 12763891A JP 2501675 B2 JP2501675 B2 JP 2501675B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は自動車用リアゲートドア
等に用いられるヒンジ装置、特に、その開角度を車体と
の干渉を避けつつ、ほぼ270度と大きくとることがで
きる、いわゆる2枢軸式のヒンジ装置に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、かかる2枢軸式のヒンジ装置とし
ては、例えば、独国特許公開第2811739号公報に
記載されたものが知られている。
【0003】このものは、車体側に固着されるL字状の
車体側ヒンジベースと、リアゲートドア側に固着される
I字状のドア側ヒンジベースとを、それぞれ平ブロック
状のアーム部材の両端に支持された第1枢軸および第2
枢軸でもって回動自在に支承している。そして、この第
1枢軸が挿通される車体側ヒンジのボス部外周に切込み
による第1カム面を、第2枢軸が挿通されるドア側ヒン
ジのボス部外周に同じく切込みによる第2カム面が形成
されている。さらに、平ブロック状のアーム部材内には
両端が上記両ボス部に臨んで開口する案内孔が穿設さ
れ、この案内孔内に両端に所定のタイミングでもって上
記切込みのいずれか一方に係合する楔部を備えたストッ
パピンが摺動自在に挿入されている。
【0004】しかして、リアゲートドアが閉扉状態から
180度開扉される迄は、ストッパピンの楔部がドア側
ヒンジベースにおけるボス部の第2カム面に係合状態に
あり、アーム部材とドア側ヒンジベースとは、第2枢軸
を中心とする相対回転が不可能とされている。そして、
180度開扉状態では、車体側ヒンジベースにおけるボ
ス部の切込みにストッパピンが係合可能となり、結果的
に第2カム面と前述の楔部との係合が解除され、第2枢
軸を中心とする相対回転が可能となると共に、ストッパ
ピンの楔部が第1カム面に係合し、第1枢軸を中心とす
る車体側ヒンジベースとアーム部材との相対回転が不可
能となる。
【0005】かくて、リアゲートドアはアーム部材が車
幅方向に突出した形態で、ほぼ270度回動することに
なる。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、かかる
従来のヒンジ装置にあっては、そのリアゲートドアの開
閉制御機構の構造上の特殊性から、両ヒンジベースを連
結するアーム部材およびその両端の枢軸部を車体の外側
に位置させざるを得ないものであった。
【0007】この結果、車両の外観上の見栄えが低下す
ると共に、歩行者等が接触する可能性もあり好ましいも
のではない。
【0008】本発明の目的は、かかる従来の事情に鑑
み、車体外に露出することなく、ほぼ270度開扉を可
能とするヒンジ装置を提供することにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、本発明は、車体に取付けられる第1ヒンジベース
と、ドアに取付けられる第2ヒンジベースと、一端が、
前記第1ヒンジベースに支持された第1枢軸に回動自在
に支承され、他端が、前記第2ヒンジベースに支持され
た第2枢軸に回動自在に支承された湾曲形状のヒンジア
ームと、前記第1ヒンジベースに固設され所定輪郭のカ
ム面を有する第1カムと、前記第2ヒンジベースに固設
され所定輪郭のカム面を有する第2カムと、前記ヒンジ
アームに回動自在に支持され、基端に前記第1カムと係
合するカムフォロア部を有する第1レバーと、前記ヒン
ジアームに回動自在に支持され、基端に前記第2カムと
係合するカムフォロア部を有する第2レバーと、前記第
1レバーの末端と前記第2レバーの末端とを回動自在に
連結するリンク部材と、を備えたことを特徴とする。
【0010】
【作用】本発明によれば、ドアが全閉状態から、例えば
ほぼ90度に迄開扉されるときは、第2ヒンジベースと
一体に回動する第2カムの所定輪郭のカム面と、ヒンジ
アームに支持された第2レバーのカムフォロア部とが、
ヒンジアームと第2ヒンジベースとの相対的回動を許容
しない状態で係合されており、ヒンジアームは第1ヒン
ジベースに対し、第1枢軸を中心として回動する。
【0011】そして、90度開扉されると、今度は、第
1ヒンジベースに固着された第1カムの所定輪郭のカム
面に従うカムフォロア部の働きにより、ヒンジアームに
支持された第1レバーが、回動する。すると、この回動
はリンク部材を介して第2レバーに伝達され、上述のヒ
ンジアームと第2ヒンジベースとの相対的回動を許容し
ない状態が解除される。この結果、ドアは、第2枢軸を
中心として、さらにほぼ180度回動される。
【0012】
【実施例】以下、本発明の実施例を添附図面を参照しつ
つ説明する。
【0013】図において、100は車体側に取付けられ
る第1ヒンジベースであり、上板部101,下板部10
2および両者を連結する第1および第2の側板部103
および104を備えている。上板部101および下板部
102の第1側板部103に対向する端部は、それぞれ
折曲げられて取付フランジ105および106として形
成されている。
【0014】また、110はドア側に取付けられる第2
ヒンジベースであり、第1ヒンジベース100と同様に
上板部111,下板部112、および両者を連結する側
板部113を備えている。そして、上板部111および
下板部112の端部がそれぞれ折曲げられて取付フラン
ジ114,115および116,117として形成され
ている。また、側板部113の一側辺には延長部118
が設けられて、後述する第2調整ネジ183が螺合され
ている。
【0015】さらに、120は第1ヒンジベース100
および第2ヒンジベース110に、それぞれ回転自在に
連結される帯状のヒンジアームであり、両端に軸受孔が
形成された第1および第2のボス部121および122
を備えている。そして、第1ボス部121の軸受孔には
両端が第1ヒンジベース100の上下板部101,10
2に支持される第1枢軸131が、第2ボス部122の
軸受孔には両端が第2ヒンジベース110の上下板部1
11,112に支持される第2枢軸132が、それぞれ
挿通されている。
【0016】ヒンジアーム120は第1および第2の枢
軸131および132の軸線方向から視てほぼコ字状の
湾曲形状をなし、第1ボス部121に連なる第1側壁部
123,第2ボス部122に連なる第2側壁部124、
および両側壁部123,124を連結する中央連結壁部
125を有している(図2参照)。さらに、第1側壁部
123と第2側壁部124との外側には一体に、後述の
第1および第2のレバー143および144を枢支する
ための支持軸等が嵌合される孔が形成された第3ボス部
126および第4ボス部127がそれぞれ設けられてい
る。
【0017】ここで、ドア開閉の制御機構140につき
説明する。
【0018】ドア開閉の制御機構140は前述の第1お
よび第2のヒンジベース100および110のそれぞれ
の上板部101および111と、ヒンジアーム120と
の間に配設され、第1カム141,第2カム142,第
1レバー部材143,第2レバー部材144、およびリ
ンク部材145を備えている。
【0019】第1カム141は、第1枢軸131の軸線
方向から視てほぼ扇形状をなし、その中心に第1枢軸1
31が挿通される貫通孔が形成されている(図6参
照)。そして、上面の貫通孔まわりにはボス部141A
を有し、ボス部141Aの外周の一部には位置決め用の
平坦切欠141Bが形成されている。さらに、第1カム
141のカム面は、第1枢軸131の軸線を中心とする
同径の円弧部141Cと軸線に平行な斜面部141Dと
を含んでいる。円弧部141Cと斜面部141Dとの配
置関係については後述する。
【0020】第1カム141は、前述の第1ヒンジベー
ス100の上板部101に形成した平坦部付嵌合孔10
1Aに、そのボス部141Aが平坦切欠141Bが整列
状態で嵌着され位置決めされる。
【0021】第2カム142も、第1カム141と同様
にほぼ扇形状をなし、その中心に第2枢軸132が挿通
される貫通孔が形成されている。さらに、他の構成も第
1カム141と同様であるから、簡略的に各部の名称の
みを記すと、ボス部142A,切欠142B,円弧部1
42Cおよび斜面部142Dを含み、前述の第2ヒジベ
ース110の上板部111に形成した嵌合孔111A
に、そのボス部142Aが嵌着され位置決めされている
(主に図4参照)。
【0022】主に図2を参照するに、第1レバー143
は、前述のヒンジアーム120における第1側壁部12
3の外側の第3ボス126に形成された孔に嵌合され支
持される第1支持軸146に、回動自在に支承されてい
る。さらに、第1レバー143は前述の第1カム141
のカム面に当接するカムフォロア部143Aを備えてい
る。
【0023】第2レバー144は、前述のヒンジアーム
120における第2側壁部123の外側の第4ボス12
7に形成された孔に嵌合支持される第2支持軸147に
回動自在に支承されている。さらに、第2レバー144
は第1レバー143と同様に前述の第2カム142のカ
ム面に当接するカムフォロア部144Aを備えている。
【0024】そして、第1レバー143の端部と第2レ
バー144の端部とは、それぞれ第1連結軸148およ
び第2連結軸149でもって、リンク部材145に回動
自在に連結されている。
【0025】次に、チェック力付与機構につき、主に図
2および図5を参照しつつ説明する。
【0026】チェック力付与機構は第1および第2のチ
ェック力付与機構160および170で構成され、第1
チェック力付与機構160は前述のヒンジアーム120
の下側で、第1ヒンジベース100の下板部102の上
に、第2チェック力付与機構170は同じく第2ヒンジ
ベース110の下板部112の上側に配設される。
【0027】すなわち、第1ヒンジベース100の下板
部102には、その上面に、ほぼL字状のカムプレート
161がその一端において枢支軸162でもって回動自
在に支承されている。さらに、163はローラであり、
ヒンジアーム120の第3ボス126に形成された孔に
嵌合支持される第3支持軸164に回転自在に支承され
ている。また、カムプレート161の他端と下板部10
2に折曲げ形成した係止片102Aとの間にはスプリン
グ165が張設され、カムプレート161のカム面をロ
ーラ163に押付けるべく付勢している。カムプレート
161のカム面には後述するドアの位置に対応させて第
1および第2の陥凹部161Aおよび161Bが形成さ
れている。
【0028】次に、ヒンジアーム120の下側には、ほ
ぼL字状のレバー171がその屈曲部を回転中心とし
て、第4ボス127に形成された孔に嵌合支持される第
4支持軸172に回転自在に支承されている。L字状レ
バー171の一端部にはローラ173が回転自在に支承
されている。
【0029】一方、174はチェックカムであり、その
中心に第2枢軸132が挿通される貫通孔が形成され、
第2カム142と同様の固着方法により、ボス部が第2
ヒンジベース110の下板部112に形成した嵌合孔に
嵌着され位置決めされている。
【0030】さらに、L字状レバー171の他端部に形
成した切欠171Aと、ヒンジアーム120の中央連結
壁部125の下面に植設された係止ピン175との間に
はスプリング176が張設され、ローラ173をチェッ
クカム174のカム面に押付けるべく付勢している。な
お、チェックカム174のカム面は第2枢軸132の軸
線を中心とする同径の円弧状部174Aとこの両側の第
1および第2の平坦部174Bおよび174Cとを含ん
でいる(図5参照)。
【0031】なお、図3および図4を参照するに、ヒン
ジアーム120の第1側壁部123には、該壁を貫通し
てストッパ機能とガタ除去機能を兼ねた第1の調整ネジ
181が螺合されており、その先端がドアの所定開角度
において第2側板部104に当接可能とされている。1
82はそのロックナットである。一方、183は前述の
第2ヒンジベース110の延長部118に螺合され、同
じくストッパ機能とガタ除去機能を兼ねた第2調整ネジ
であり、その先端が同じくヒンジアーム120の第2の
側壁部124に当接可能とされている。また、184は
そのロックナットである。
【0032】しかして、上記構成になるヒンジ機構は、
図4および図5に示すように、第1ヒンジベース100
が車両のリアゲートピラー200内に、第2ヒンジベー
ス110がリアゲートドア210の内側に、それぞれ第
1側板部103、取付フランジ105,106および取
付フランジ114〜117に穿設された取付孔を用いて
ボルト等により取付けられる。
【0033】なお、図示の状態は車両の左側における状
態であり、右側においても同様の機構が設けられる。た
だし、その機構は左右勝手違いである。
【0034】そして、図1ないし図5に示すリアゲート
ドア210の全閉状態にあって、第1枢軸131と第2
枢軸132との軸線を含む平面が、ほぼ車両の最側方に
位置し、かつこれらの軸線方向からみてコ字状のヒンジ
アーム120が上記面に対し車両の中心側に存在するよ
うに配置される。このとき、第1カム141の円弧部1
41Cが車両の中心側に、第2カム142の円弧部14
2Cが車両の前方側に向くように配置され、この第1カ
ム141の円弧部141Cに第1レバー143のカムフ
ォロア143Aが当接し、第2カム142の斜面部14
2Dに第2レバー144のカムフォロア144Aが当接
している。
【0035】かかる状態から、リアゲートドア210が
開扉されると、まず、90度迄の開扉動作は以下のよう
になる。
【0036】すなわち、開扉のための力がリアゲートド
ア210に及ぼされると、これらに固設された第2ヒン
ジベース210が第2枢軸132の回りに回転しようと
するが、上述のように(図4参照)、第2ヒンジベース
110に固設された第2カム142の斜面部142Dが
第2レバー144のカムフォロア144Aに当接状態に
あること、斜面部142Dで第2レバー144を回転さ
せようとしても、第2レバー144は第1カム141の
円弧部141Cに当接し回転不能状態にある第1レバー
143にリンク部材145でもって連結されているの
で、第2レバー144も回転不能状態にあることによっ
て、第2枢軸132回りの回転は不可能である。その結
果、拘束力の作用していない第1枢軸131の回りにリ
アゲートドア210は回転する。
【0037】すなわち、第2ヒンジベース110とヒン
ジアーム120との相対的関係は不動のまま、ヒンジア
ーム120が、図7ないし図9に示すように、第1枢軸
131の回りに回転する。このヒンジアーム120の回
転につれて、これに支承されている第1レバー143も
回転することになるが、第1レバー143のカムフォロ
ア143Aは第1カム141の同径の円弧部141A上
を移動するのみである。そして、リアゲートドア210
が90度開扉位置に至ると、第1調整ネジ181の先端
が第1ヒンジベース100の第2側板部104に当接
し、ヒンジアーム120のさらなる回転が阻止される
(図9参照)。そして、同時に、第1レバー143のカ
ムフォロア部143Aの円弧部141Aとの当接が解除
される。
【0038】また、この90度迄の開扉動作中における
チェック力付与機構の作動を図5を参照しつつ説明す
る。上述のように、リアゲートドア210とヒンジアー
ム120との相対回転はないので、第2チェック力付与
機構170は機能しない。しかして、上述のように第1
枢軸131の回りにヒンジアーム120が回転すると、
該ヒンジアーム120の第3ボス126に形成された孔
に圧入支持された第3支持軸164に支承されているロ
ーラ163が、カムプレート161の第1陥凹部161
Aとの係合が解除され、カムプレート161の弧状カム
面を転動する。そして、90度開扉位置に至ると、ロー
ラ163が第2陥凹部161Bに係合することになり、
カムプレート161のスプリング164による付勢力で
もってチェック力が付与される。
【0039】次に、リアゲートドア210が90度開扉
状態から270度開扉状態に至る動作を説明する。
【0040】図9に示す90度開扉状態から、リアゲー
トドア210にさらなる開扉力が付与されると、第2ヒ
ンジベース110に固設された第2カム142が第2枢
軸132の回りに回転しようとし、その斜面部142D
と当接状態にある第2レバー144を第2支持軸147
回りに回転しようとする。このとき、上述のように第1
レバー143のカムフォロア部143Aは円弧部141
Aとの当接が解除されており、リンク部材145を介し
て連結されている第2レバー144の回転が可能であ
る。
【0041】かくして、リアゲートドア210は第2枢
軸132の回りに回動し、図12に示すほぼ270度開
扉状態が得られる。なお、この90度から270度への
ほぼ180度に亘る回動時、第2レバー144のカムフ
ォロア部144Aは第2カム142の円弧部142C上
を摺動することになる。
【0042】上記の説明から明らかなように、第2カム
142は円弧部142Cがほぼ半円周必要であるのに対
し、第1カム141の円弧部141Cはほぼ1/4円周
あればよい。しかし、部品の共用化によるコスト低減を
考慮すれば、第1カム141と第2カム142とも同一
物としてもよい。
【0043】また、上述の90度から270度に至る開
扉動作中においては第2チェック力付与機構170が機
能する。
【0044】すなわち、図5に仮想線で示す状態から、
さらにリアゲートドア5が回動されると、ヒンジアーム
120、ひいてはL字状レバー171を支承する第4支
持軸172は不動のまま、第2ヒンジベース110に固
設されたチェックカム174が第2枢軸132の回りに
回転する。
【0045】すると、図5に示す状態で、チェックカム
174の第1平坦部174Bとローラ173とのスプリ
ング176に付勢された当接により、チェック力が付与
された位置から、チェックカム174の円弧部174A
とローラ173とが当接する中間位置を乗り越えて、ロ
ーラ173は第2平坦部174Cと当接することにな
る。かかる状態ではスプリング176に付勢されたL字
状レバー171により、ローラ173は平坦部174C
に押圧されチェック力が付与されることになる。
【0046】次に、本実施例のヒンジ機構におけるガタ
除去動作につき説明する。
【0047】図4に示すリアゲートドア210の全閉状
態において、第2調整ネジ183を締込み、ヒンジアー
ム120の第2側壁部124を押圧すると、ヒンジアー
ム120に第2支持軸147でもって支承されている第
2レバー144も押され、そのカムフォロア部144A
が第2カム142の斜面部142Dに強く当接する。す
ると、第2レバー144には第2支持軸147の回り
(図4において時計方向)に回転力が付与され、これは
リンク部材145を介して第1レバー143に伝達さ
れ、そのカムフォロア部143Aを第1カム141の円
弧部141Cに押付ける。
【0048】かくて、ヒンジアーム120と第1および
第2のヒンジベース100および110にそれぞれ支持
された第1および第2の枢軸131および132とのガ
タが解消されると同時に、第1レバー143,第2レバ
ー144および両者を連結するリンク部材145相互間
のガタが除去されることになる。
【0049】一方、図12に示すリアゲートドア210
の270度全開状態においては、第1調整ネジ181が
締込まれ、その先端部が第2側板部104に当接する。
すると、第1調整ネジ181が螺合されている第1側壁
部123、ひいては、ヒンジアーム120およびそれに
第1支持軸146でもって支承されている第1レバー1
43は、その反力でもって押圧され、そのカムフォロア
部143Aが第1カム141の斜面部141Dに強く当
接する。この結果、上述の場合と同様に、第1レバー1
43は回転力が付与され、リンク部材145を介して第
2レバー144に伝達され、そのカムフォロア部144
Aを第2カム142の円弧部142Cに押付けることに
なり、ガタが除去される。
【0050】なお、上述のガタ除去のための調整は、本
発明にかかるヒンジ機構を車両に取付ける前に行うこと
が可能である。
【0051】また、第1および第2の調整ネジ181お
よび183は前述のようにストッパとしても機能するも
のであるから、衝接時の打音を低減するために、その先
端部に弾性体を設けるようにしてもよい。
【0052】あるいは、図示はしないが、調整ネジ18
1,183に代えて、上述の全閉、および全開状態にお
いて、ヒンジアーム120と第2ヒンジベース110の
延長部118との間、およびヒンジアーム120と第1
ヒンジベース100の第2側板部104との間に、それ
ぞれ所定の撓み状態で介在する弾性ブロックを設けても
よい。このようにすると、構造が簡単で調整が不要とな
る。
【0053】また、本実施例においては、ヒンジアーム
120の側壁部に一体に貫通孔を有する第3および第4
のボス126および127を形成し、この貫通孔を利用
してヒンジアーム120の上側ではドア開閉制御機構1
40の第1および第2支持軸146および147を支持
し、下側ではチェック力付与機構160,170の第3
および第4支持軸164および172を支持するように
したので、構造の簡略化がはかれると共に、加工工数を
低減することができる。
【0054】
【発明の効果】以上の説明から明らかなように、本発明
によれば、車体側のヒンジベースに支持された第1枢軸
とドア側のヒンジベースに支持された第2枢軸とに回転
自在に支承されるヒンジアームを湾曲形状とし、両ヒン
ジベースに固設されたカムとカムフォロア部を有するレ
バーと両者を連結するリンク部材とでもってドア開閉制
御機構を構成するようにしたので、車体外に露出するこ
となく270度開扉が可能なヒンジ装置を得ることがで
きる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明にかかるヒンジ装置の一実施例の斜視図
であり、ドア全閉時を示す。
【図2】同じく、その開閉制御機構およびチェック力付
与機構の要部を示す斜視図である。
【図3】図1のA矢視側面図である。
【図4】本発明にかかるヒンジ装置を車両に組込んだ状
態の主にドア開閉制御機構を示す平面図(ドア全閉時)
である。
【図5】本発明にかかるヒンジ装置を車両に組込んだ状
態の主にチェック力付与機構を示す平面図(ドア全閉お
よび90度開扉時)である。
【図6】カムの取付けを説明するための分解斜視図であ
る。
【図7】図1に対応する斜視図で、ドアの90度開扉時
を示す。
【図8】図2に対応する要部斜視図である。
【図9】図4に対応する平面図で、ドアの90度開扉時
を示す。
【図10】図1および図7に対応する斜視図で、ドアの
270度開扉時を示す。
【図11】図2および図8に対応する要部斜視図であ
る。
【図12】図4および図9に対応する平面図で、ドアの
270度開扉時を示す。
【図13】図5に対応する平面図で、ドアの270度開
扉時を示す。
【符号の説明】
100 第1ヒンジベース 101A 嵌合孔 102A 係止片 103 第1側板部 104 第2側板部 110 第2ヒンジベース 113 側板部 118 延長部 120 ヒンジアーム 121 第1ボス部 122 第2ボス部 123 第1側壁部 124 第2側壁部 125 中央連結壁部 126 第3ボス 127 第4ボス 131 第1枢軸 132 第2枢軸 140 ドア開閉制御機構 141 第1カム 142 第2カム 143 第1レバー 143A カムフォロア部 144 第2レバー 144A カムフォロア部 145 リンク部材 146 第1支持軸 147 第2支持軸 148 第1連結軸 149 第2連結軸 160 第1チェック力付与機構 161 カムプレート 162 枢支軸 163 ローラ 164 第3支持軸 165 スプリング 170 第2チェック力付与機構 171 L字状レバー 171A 切欠 172 第4支持軸 173 ローラ 174 チェックカム 175 係止ピン 176 スプリング 181 第1調整ネジ 182 ロックナット 183 第2調整ネジ 184 ロックナット

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 車体に取付けられる第1ヒンジベース
    と、ドアに取付けられる第2ヒンジベースと、一端が、
    前記第1ヒンジベースに支持された第1枢軸に回動自在
    に支承され、他端が、前記第2ヒンジベースに支持され
    た第2枢軸に回動自在に支承された湾曲形状のヒンジア
    ームと、前記第1ヒンジベースに固設され所定輪郭のカ
    ム面を有する第1カムと、前記第2ヒンジベースに固設
    され所定輪郭のカム面を有する第2カムと、前記ヒンジ
    アームに回動自在に支持され、基端に前記第1カムと係
    合するカムフォロア部を有する第1レバーと、前記ヒン
    ジアームに回動自在に支持され、基端に前記第2カムと
    係合するカムフォロア部を有する第2レバーと、前記第
    1レバーの末端と前記第2レバーの末端とを回動自在に
    連結するリンク部材と、を備えたことを特徴とするヒン
    ジ装置。
  2. 【請求項2】 前記カムの少なくともいずれか一方は、
    その対応する枢軸が挿通される貫通孔を備えていること
    を特徴とする請求項1に記載のヒンジ装置。
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