JPS591526B2 - 分割形転削工具 - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 本発明は側フライス、正面フライスなどの転削工具に関
するものである。

従来、転削工具の一例として第１図に示すように構成さ
れたものが知られているが、この転削工具は図に示すよ
うにカッターボディ１の外周部に複数の切刃チップ２を
クサビ３を介して装着してなるものであって、そのカッ
ターボディ１の中心部には中心軸線に沿うアーム化４が
形成されていて、このアーム化４を介して適宜の工作機
械に装着されるように構成されている。

そして、上記構成の転削工具を例えば横フライス盤に装
着する場合、第２図に示すようにスピンドル５に取り付
けられたアーム６にアーム化４を嵌合させるとともにキ
ー７で回り止めし、さらにカラー８で位置決めして装着
する。

ところで一般に、転削工具はその切刃チップ２を交換あ
るいは再研削するため、または他の転削工具と交換する
ためなど、比較的頻繁に工作機械に着脱されるのである
が、第１図および第２図に示すように構成された従来の
転削工具にあっては、これを例えば横フライス盤から取
り外す場合、先ずアームサポート９をオーバアーム１０
から取り外し、次にアームナツト１１をアーム６から外
し、さらにアームベアリング１２およびカラー８を取り
外して行なわなければならなかった。

そのため、上記従来の転削工具にあってはその着脱操作
に時間がかかり、それ故に機械の稼働率が低下するとい
う不都合を招来し、さらにはそのカッターボディ１は一
体物として形成されていてその重量が重いために着脱あ
るいは交換作業性や安全性が劣るという欠点があった。

本発明は上記事情に鑑みてなされたもので、工作機械へ
の着脱操作を迅速かつ安全に、しかも容易に行なうこと
のできる転削工具を提供することを目的とするものであ
る。

以下本発明の実施例を第３図乃至第１３図を参照して説
明する。

第３図乃至第９図は本発明に係る転削工具の一例として
の側フライスを示すもので、この側フライス２０は図に
示すように、アーμ２１に嵌装されるアダプタ２２と、
このアダプタ２２に装着される一対のカッターボディ単
体２３とから構成されており、以下者々について順次説
明する。

先ず、アダプタ２２は、第３図および第５図に示すよう
に円筒部２４の一側端部（第３図においては右側端部）
において半径方向へ突出して形成された鍔部２５と、前
記円筒部２４の他側端部（第３図においては左側端部）
において当該他側端側で大径となるテーバ軸部２６とを
有してお沙、前記鍔部２５の前側壁面２７（第３図にお
いては左側壁面）はカッターボディ単体２３の軸線方向
の位置規制をし、また前記テーパ軸部２６の外周面２８
はカッターボディ単体２３の半径方向および軸線方向の
位置規制をするように、それぞれ精度良く仕上げられて
いる。

また、前記鍔部２５の前側壁面２７の所定箇所には、第
４図および第８図に示すようにキー２９が止めねじ３０
により取シ付けられている。

一方、前記円筒部２４には円周方向に等間隔を存しかつ
各々が中心軸線に対しほぼ直角方向すなわちほぼ半径方
向に沿う複数のねじ孔３１が形成されている。

そしてアダプタ２２の中心部にはその中心軸線に沿って
取付孔としてのアーバ孔３２が形成されるとともに、そ
の前後両開口端周辺部は精度良く研削されてここにボス
面３３が形成され、さらに前記アーバ孔３２の内周面所
定箇所には軸線方向に沿うキー溝３４が形成されている
。

次に、カッターボディ単体２３は第４図および第６図に
示すように、内周側が前記テーバ軸部２６の外周面２８
と同一テーパ面をなす略半環状体であって、その外周部
に等間隔をもって複数のチップ取付座３５が形成され、
各チップ取付座３５にはクサビ３６および締付ボルト３
７にて切刃チップ３８が各々同一姿勢で着脱自在に取り
付けられている。

また、一方のカッターボディ単体２３の両端部、すなわ
ち一対のカッターボディ単体２３を前記アダプタ２２に
組み付けた場合に互いに対向する端部の一方には当該各
端部間の間隙をうめるための係合部材としてのプレート
３９が締付ねじ４０で取シ付けられてお沙、斯くして一
対のカッターボディ単体２３をアダプタ２２に組み付け
た場合、各カッターボディ単体２３は実質的に一体とな
って完全な環状をなすように構成されている。

さらに、各カッターボディ単体２３の軸線方向における
中央部で円周方向へ等間隔離間した箇所すなわち前記ア
ダプタ２２に形成されたねじ孔３１に対応する箇所には
、該ねじ孔３１とほぼ同径の貫通孔４１が形成され、該
貫通孔４１の外周側開口端部は座ぐりされてここにテー
パ状のボルト座４２が形成されている。

１だ一方のカッターボディ単体２３の後側壁面４３（第
３図における右側壁面）には前記アダプタ２２に取り付
けられたキー２９に対応してキー溝４４が形成されてい
る。

そして、前記カッターボディ単体２３を前記アダプタ２
２に締結するだめの締付ねじ４５ば、その頭部の下半分
に前記貫通孔４１のテーパ状ボルト座４２に合致するテ
ーパ部４６が形成されてなるものである。

次に、上記のように構成された側フライス２０のアーμ
２１への着脱操作について説明する。

先ず、所定の工作機械のスピンドルに取り付けられたア
ーμ２１にカラー４７を所定数嵌装した後、前記アダプ
タ２２を嵌装して位置決めし、同時にそのキー溝３４に
キー４８を挿入して回り止めし、さらにアーμ２１に他
のカラー４９を嵌装することによりアダプタ２２を固定
する。

一方、各カッターボディ単体２３には切刃チップ３８を
前述したように取シ付けるとともに、一方のカッターボ
ディ単体２３の端部にプレート３９を締付ねじ４０で固
定しておく。

そして、前記鍔部２５の前側壁面２７に取り付けたキー
２９に対し一方のカッターボディ単体２３の後側壁面４
３に形成したキー４４を係合させつつ当該一方のカッタ
ーボディ単体２３をアダプタ２２の外周側へ装着し、ま
た他方のカッターボディ単体２３をアダプタ２２の外周
側へ同様に装着し、しかる後締付ねじ４５を前記貫通孔
４１へ挿入するとともにねじ孔３１にねじ込む。

すると締付ねじ４５のテーパ部４０が前記貫通孔４１の
テーパ状のボルト座４２に当接し、締付ねじ４５を更に
締め付けることにより各カッターボディ単体２３は前記
鍔部２５とテーバ軸部２６に押圧されて固定される。

このようにして鍔部２５とテーバ軸部２６とに対して押
圧されて固定された各カッターボディ単体２３は、一方
のカッターボディ単体２３の端部にプレート３９を取υ
付けたことにより、実質的に一体となって完全な環状体
となり、そのため断続重切削などのように切削荷重の大
きな切削を行なっても各カッターボディ単体２３の取付
状態に変動を来たしたり、これに伴う異常な振動の発生
や切刃チップ３８の欠損を生じたりするなどの不都合を
招来することはない。

また、締付ねじ４５を操作する場合、締付ねじ４５はア
ダプタ２２の半径方向へ向けてねじ込まれているから、
当該側フライス２０が取り付けられたテーパ２１やカラ
ー４７゜４９および各カッターボディ単体２３からの影
響を受けずに操作をすることができ、その作業性は極め
て良い。

なお、切刃チップ３８の交換や再研削などを行なうため
に各カッターボディ単体２３をアダプタ２２から取シ外
す場合は、前述した操作と逆の操作を行なうことで各カ
ッターボディ単体２３をアダプタ２２から取）外すこと
ができる。

第１０図および第１１図は上記構成の側フライス２０に
おける締付ねじおよびこれを挿通すべき貫通孔の他の例
を示すもので、締付ねじ５０はその頭部５１と先端部に
形成したねじ部５２との間に、該ねじ部５２の外径より
小径の軸部５３を所定長さに亘って形成してなるもので
ある。

他方、各カッターボディ単体２３に形成した貫通孔５４
はテーパ状のボルト座５５の下部に、アダプタ２２に形
成したねじ孔３１と同時のねじ部５６をわずかな長さに
亘って形成し、さらにこのねじ部５６の下部に該ねじ部
５６より大径の孔部５７を形成してなるものである。

しかして、前記締付ねじ５０でカッターボディ単体２３
を前記鍔部２５およびテーパ軸部２６に押圧して固定す
る場合、第１０図に示すようにそのねじ部５２が前記円
筒部２４のねじ孔３１に螺合し、かつ頭部５１がカッタ
ーボディ単体２３のテーパー状のボルト座５５に係合し
た状態で締付ねじ５０を締め付けることによって行なう
。

一方、カッターボディ単体２３をアダプタ２２から取り
外す場合、締付ねじ５０を回してそのねじ部５２とねじ
孔３１との螺合を外せばよいのであるが、締付ねじ５０
を抜は出る方向へさらに回せば締付ねじ５０は第１１図
に示すようにそのねじ部５２が貫通孔５４に形成したね
じ部５６に螺合する。

したがって、カッターボディ単体２３をアダプタ２２か
ら取如外す場合、締付ねじ５０をカッターボディ単体２
３から完全に取り外す必要はなく、両者を一体としてお
くことができ、そのため締付ねじ５０が紛失するなどの
ことがないうえ、カッターボディ単体２３をアダプタ２
２から取り外す際に締付ねじ５０を把持部とし得るなど
カッターボディ単体の着脱操作性が向上する。

なお、本発明におけるアダプタとカッターボディ単体と
は上記実施例における形状のものに限られるものではな
く、例えば第１２図あるいは第１３図に示すように構成
されたものであってもよい。

すなわち、第１２図は第３図乃至第９図における部分と
同一部分に同一符号を付して他の実施例を示すもので、
この図に示すアダプタ２２ａは円筒部２４ａの一側端部
に鍔部２５ａを突設するとともに、この鍔部２５ａの前
側壁面２７ａをテーパ状の傾斜面としたものであり、ま
たカッターボディ単体２３ａはその内周面が前記円筒部
２４ａに合致するとともに、その後側壁面４３ａが前記
鍔部２５ａの前側壁面２７ａと合致するような傾斜面と
なるようにしたものである。

そして、アダプタ２２ａは上記実施例におけるアダプタ
２２と同様にテーパに嵌装され、またカッターボディ単
体２３ａはアダプタ２２ａに装着されて締付ねじ４５で
固定される。

また、第１３図は第３図乃至第９図に示す部分と同一部
分に同一符号を付して更に他の実施例を示すもので、こ
の図に示すアダプタ２２ｂは円筒部２４ｂの一側端部に
半径方向に沿う鍔部２５ｂを突設してなるものであり、
またカッターボディ単体２３ｂは前記アダプタ２２ｂに
対応してその内周面と後側壁面４３ｂとをほぼ直交する
ようにしてなるものである。

そして、ここにおけるアダプタ２２ｂも上記実施例にお
けるアダプタ２２と同様にテーパに嵌装され、またカッ
ターボディ単体２３ｂばこのアダプタ２２ｂの外周側に
装着されて締付ねじ４５で固定される。

いずれにしても締付ねじ４５はアゾブタ２２゜２２ａ、
２２ｂのほぼ半径方向に向けてねじ込まれるのであるか
ら、その操作性が良好であることにはかわＤはない。

さらに、上記各実施例では２つを組み合わせて環状体と
なる一対のカッターボディ単体２３゜２３ａ 、２３ｂ
を用いた例について説明したが。

本発明は上記各実施例に限定されるものではなく、組み
合わせることによシ環状体となる複数個のカツタ−ボデ
ィ単体を用いて構成してもよいことは勿論である。

以上説明したように本発明に係る分割形転削工具によれ
ば、アーバ若しくはスピンドルに取り付けられるアダプ
タと、このアダプタに組み付けられて全体として環状を
なす複数のカッターボディ単体とを具備し、このカッタ
ーボデ不単体をその半径方向に沿ってねじ込まれる締付
ねじにてアダプタに着脱自在に装着するようにしたから
、切刃チップの交換等のカッターボディ単体の着脱を容
易に行ない得るうえ、カッターボディ単体が軽量である
ことによシ着脱操作を安全に行なうことができることは
勿論、締付ねじをカッターボディ単体に半径方向に沿っ
てねじ込むように構成したことにより、締付ねじの操作
がアーム、カラー等に影響されず、したがってその操作
を迅速かつ容易に行なうことができる。

また、カッターボディ単体をアダプタに固定するだめの
締付ねじを挿通する貫通孔の一部に、当該締付ねじと螺
合するねじ部を設けておけば、カッターボディ単体をア
ダプタから取り外した場合に前記締付ねじをカッターボ
ディ単体と一体化させておくことができ、したがって締
付ねじの紛失を防止することができ、ひいてはカッター
ボディ単体への着脱操作の操作性が向上する。

【図面の簡単な説明】

第１図は従来の転削工具の一例を示す正面図、第２図は
その転削工具を横フライス盤に取り付けた状態における
縦断側面図、第３図は本発明に係る転削工具をアームに
取り付けた状態における縦断側面図、第４図はその正面
図、第５図は第４図の■−Ｖ線矢視断面図、第６図およ
び第７図はそのカッターボディ単体の正面図、第８図は
第４図のＶＩＩＩ−■線矢視断面図、第９図は第４図の
ＩＸ−ＩＸ線矢視断面図、第１０図は締付ねじと貫通孔
との他の例を示すもので締付ねじをねじ込んだ状態の部
分断面図、第１１図はその締付ねじを緩めた状態の部分
断面図、第１２図は本発明の他の実施例を示すもので第
５図と同様な断面図、第１３図は本発明の更に他の実施
例を示すもので第５図と同様な断面図である。 ２２．２２ａ 、 ２２ｂ−−−−・・アダプタ、２３
゜２３ａ 、２３ｂ・・・・・・カッターボディ単体、
２４゜２４ａ、２４ｂ＝円筒部、２５．２５ａ、２５ｂ
・・・・・・鍔部、３２・・・・・・アーム孔。

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 １ 中心軸線に沿う取付孔が形成された円筒部の一側端
   部にほぼ半径方向に沿って突出する鍔部が形成されたア
   ダプタと、外周部所定箇所に切刃チップが装着されかつ
   互いに接合されて全体として環状をなす複数のカッター
   ボディ単体とからなり、該各カッターボディ単体はその
   半径方向に沿ってねじ込まれて前記アダプタに螺合する
   締付ねじにて前記円筒部と鍔部とに押圧されて前記アダ
   プタに着脱自在に装着されてなることを特徴とする分割
   形転削工具。 ２ 前記カッターボディ単体には、前記締付ねじが螺合
   するねじ孔部と、該ねじ孔部のボルト座側の開口端とは
   反対側の開口端部側で前記ねじ孔部よシ犬径となる孔部
   とが形成されてなることを特徴とする特許請求の範囲第
   １項記載の分割形転削工具。