JPS591434Y2 - 高電圧発生装置のボビン装置 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 この考案はたとえばカラーテレビジョン受像機のフライ
バックトランスとして用いられる高電圧発生装置に係り
、とくにコイルが設けられるボビンの組立て構造に特徴
を備えた高電圧発生装置のボビン装置に関する。

テレビジョン受像機のフライバックトランスにおいては
受像管のアノード電極に印加するための高圧が導出され
る。

このフライバックトランスは、軸心にコアを配設し、こ
のコアの外周囲に１次巻線を筒状のボビンに巻回して配
設し、更にこの１次巻線の外周囲にはやはり筒状のボビ
ンに２次巻線を巻回して配設した構造となっている。

そして、１次、２次巻線を巻装したボビンが組立てられ
ると、巻線間には、巻線と他部品及び巻線相互間のコロ
ナ放電を防止するためにコロナ防止剤が充填され、絶縁
が図られる。

このように巻線をボビンに設けてボビンを組立てトラン
スを構成する場合には、ボビン同志の位置関係は安定し
て保持され、また、組立ても容易であることが要求され
る。

この考案は上記の事情に鑑みてなされたもので、巻線を
施したボビンの組立てが容易に得られ、ボビン相互間の
位置関係も安定し得る高電圧発生装置のボビン装置を提
供することを目的とする。

以下この考案の実施例を図面を参照して詳細に説明する
。

まず、この考案における高電圧発生装置の回路例を第１
図に示す。

この回路は、２次巻線（高圧巻線）１３を複数の第１〜
第ｎの巻線部Ｎｉｌ〜Ｎｉｎに分割しこれらを同極性方
向となる整流ダイオードＤｌｌ〜Ｄ工。

によって直列接続したものである。なお１２はコア、１
１は１次巻線（低圧巻線）である。

この回路方式によると、１次巻線に高周波電圧が印加さ
れるのであるが、２次側に生じる分布容量とともにダイ
オードが整流回路を形成し、出力端子１４には直流電圧
（高圧）を得ることができるもので、平滑コンデンサが
不要となり、効率が良い。

上記の回路の具体的な部品配置は、第２図の如くなされ
る。

今、簡単のために２次巻線１３がたとえば４つの巻線Ｎ
１□、Ｎｌ□、 Ｎ １３ 、 Ｎ １４に分割された
ものとして説明する。

すなわち、第２図ａにおいて、Ａは最内層ボビンであり
、■次巻線１１が外周囲に巻回されて、■次巻線用ボビ
ンＡを構成する。

この１次巻線用ボビンＡは、その軸方向一端に鍔状に端
子板２０が設けられている。

この端子板２Ｃの周縁部には、ボビン本体とは反対方向
へ突出した複数のピン状端子Ｐ１．Ｐ２．Ｐ３・・・・
・・が設けられている。

更にこのボビンＡの軸方向他端には係止部２１が形成さ
れている。

上記の１次巻線用ボビンＡは、巻線が終ると第２図すに
示すように２次巻線用第１ボビンＢ１の中空に挿入され
る。

この２次巻線用第１ボビンＢ。には、第１図で説明した
２次巻線１３における巻線Ｎ１□がその外周囲に巻回さ
れている。

この２次巻線用第１ボビンＢ０は２次巻線用第２ボビン
Ｂ２の中空に挿入される。

この２次巻線用第２ボビンＢ。には、第１図で説明した
２次巻線１３における巻線Ｎ１２がその外周囲に巻回さ
れている。

更にこの２次巻線用第２ボビンＢ２は、２次巻線用第３
ボビンＢ３の中空に挿入される。

この２次巻線用第３ボビンＢ３には第１図で説明した２
次巻線１３における巻線Ｎ１３がその外周囲に巻回され
ている。

更にまた２次巻線用第３ボビンＢ３は２次巻線用第４ボ
ビンＢ４の中空に挿入される。

その２次巻線用第４ボビンＢ４には第１図で説明した２
次巻線１３における巻線Ｎ１４が巻回されている。

そして、巻線間に接続されるダイオードＤＩｌ〜Ｄ１４
は、最外層部に配設されるもので、所定の巻線の巻始め
のリード線あるいは巻終りのリード線に接続される。

この考案は上記した合成樹脂成形によるボビンの組立構
造に特徴を備えるもので、第３図にボビンＢ２とＢ３を
代表して示し説明する。

すなわち、ボビンＢ２は、軸方向一端側つまり、前記１
次巻線用ボビンＡの端子板２０側とは反対側において近
接したすり割２５．２６を平行に軸方向へ形成されてい
る。

そしてすり割２５．２６の間には、係止爪２７を形成さ
れている。

この係止爪２７の先端は、ボビン外周方向へ折曲した係
止部２７□を有する。

また、この端部において、前記係止爪２０とは対向する
周縁部には、切欠き２８が形成されている。

このボビンＢ２は、次の外層のボビンＢ３の中空に図示
矢印方向から挿入されるのであるが、このボビンＢ３に
おいても、軸方向一端部には、切欠き３０及び係止爪３
１が形成されている。

このボビンＢ３の切欠き３０は、前記ボビンＢ２の係止
爪２７に対応して形成されたもので、両ボビンＢ２．Ｂ
３が組合わされると、第４図に示すように係合する。

上記のように内層ボビンと外層ボビンは組合わされるも
ので他のボビン間においても上記と同様な手段が用いら
れる。

なお各ボビンの軸方向他端側においては、第２図すに示
すようにボビンＢ１〜Ｂ４の内周壁の適当な位置に複数
の突起す工１゜ｂ１２． ｂ １３． ｂ １４を設け
ておき、ボビン間の間隔を保持するようになされている
。

また、各ボビンＢ１〜Ｂ４の端子板側は、この端子板２
０に突き当り停止する。

更にまた、係止爪と切欠きによる係止部は、ボビンが多
数層とされるときは、回転角位置がずれるように設定さ
れることは当然である。

上記の如く構成されるこの考案装置によれば、軸方向は
、ボビンＡの係止爪と端子板２０によって規制され、回
転方向は、切欠きと係止爪との嵌合によって規制される
。

したがって、ボビン組立作業においては、内層ボビンに
外層ボビンを装着するだけという簡単な作業によってボ
ビン同志が安定した位置に決まり一体化される。

なお端子板２０の代りに２次巻線用ボビンＢ１に位置規
制部材として鍔体を設けてもよい。

以上説明したようにこの考案は巻線を施したボビンの組
立てが容易に得られ、ボビン相互間の位置関係も安定し
得る高電圧発生装置のボビン装置を提供することができ
る。

【図面の簡単な説明】

第１図は高電圧発生装置の回路例を示す図、第２図ａは
この考案装置の要部の例を示す斜視図、第２図すは高電
圧発生装置の構成説明図、第３図は、この考案装置の要
部を示す斜視図、第４図もこの考案装置の要部を拡大し
て示す斜視図である。 １１・・・・・・１次巻線、１２・・・・・・コア、１
３・・・・・・２次巻線、ＤＩｌ〜Ｄｉｎ・・・・・・
ダイオード、Ｎ１□〜Ｎよ。 ・・・・・・分割巻線、２０・・・・・・端子板、２７
・・・・・・係止爪、２８・・・・・・切欠き。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. １次巻線用ボビンに巻回される１次巻線と２次巻線用ボ
   ビンに巻回される２次巻線とを有し、この２次巻線を複
   数に分割し、各分割された巻線の終端に同極性方向にダ
   イオードを接続して各巻線を直列接続してなり、前記１
   次巻線に高周波電圧を印加することにより各分割巻線出
   力端に発生するパルスを夫々整流して重畳し、直流高電
   圧を発生させる高電圧発生装置のボビン装置において、
   前記分割巻線を夫々巻回せしめて同軸的に重ねるように
   配設される複数の２次巻線用ボビンと、この２次巻線用
   ボビンの最内層ボビンの中空に挿入され配設され１次巻
   線用ボビンと、これらボビンにおける内側の層のボビン
   の軸方向一端から軸方向へ切込んだ一対のすり割の間に
   形成され、先端が外周方向へ折曲した係止爪と、この係
   止爪に対応してこの係止爪の次の外層のボビンに形成さ
   れた切欠きと、この切欠きとは軸方向他端の前記１次巻
   線用ボビン端部あるいは前記２次巻線用最内層ボビン端
   部に鍔状に設けられた鍔体とを具備したことを特徴とす
   る高電圧発生装置のボビン装置。