JPS59134624A - ワイヤカツト放電加工用複合電極線およびその製造法 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるた
め要約のデータは記録されません。

Description

【発明の詳細な説明】 （イ）技術分野 本発明は、ワイヤカット放電加工用電極線として好適な
複合線およびその製造法に関するものである。

（ロ）技術の背景 ワイヤカットの放電加工法とは、被加工体と線状の加工
電極（以下、電極線と称す）との間に放電を行なわせ、
該電極線と被加工体とを相対的に移動させて被加工体を
所望の形状に切断加工するものであり、従来から実施さ
れている方法である。

このワイヤカット放電加工法において、線状の電極線と
しては、通常直径が０．０５〜０．２．５＃ＩＭφの長
尺の線を準備し、放電加工部分に順次新しい線を供給し
て使用している。

そして該放電加工法においては、使用する電極線の良否
が加工速度や加工精度、被加工面の表面性状などに直接
大きな影響をおよぼすため、これにふされしい好適な材
料の使用が強く要望されている。

一般にこの電極線に要求される事項としては、（１）加
工速度：ワイヤカット放電加工法は、一般に必ずしも加
工速度が速くないので、少しでも加工速度を大きくする
ことができること。

（２）被加工物の寸法精度と表面性状二寸法精度よくま
た表面の肌荒れなどを生じさせることなく加工できるこ
と。

（３）作業性：切断作業中、電極線が断線したりすると
、著しく作業性を損なうので、この作業中の断線の発生
が少ないこと。および、ワイヤの加工機への七ツテイン
グや、特にワイヤの自動供給装置を使用する場合ワイヤ
に線ぐせがなく直線性を有していることが強く望まれる
。

（４）価格：電極線は前述のように消耗品であるから安
価であること。

などが挙げられている。

上記の条件に満足する電極線として従来、銅線、黄銅線
、タングステン線などが第１図に示す如き断面の単線１
として使用されていたが、最近、加工速度の向上及び精
度向上の要求更には自動ワイヤ供給等の要求等に対して
は充分対応できなくなっている。そこで最近、特公昭５
７−５６４８号に開示されている如く第２図に示す芯材
３の表面に放電特性のよいＺｎ　、　Ｃｄなとの金属外
層４を被覆した複合電極線２が提案され、従来の電極線
に較べて放電加工速度を早くすることができるようにな
っている。しかしなからのこの複合線も実用上程々の問
題があり普及していない。

上述の複合線は芯月３は黄銅又は鋼であり、外層４は電
気メッキによるＺｎ　、溶融メッキＺｎ、または嵌合法
によるＺｎが提案されている。先ず電気メッキによる場
合は価格が高く特に最近の様に細線が要求される極めて
高いコストとなり実用的でない。次に溶融メッキ法の場
合、厚メッキは可能だが芯材が黄銅では溶融浴が４５０
　”Ｃ近傍であるため通過中に芯材が軟化してしまう。

又芯材が鋼の場合は高張力のメリットがあるがＺｎとＦ
ｅとの金属間化合物が生成し伸線加工が困難で放電特性
も不安定となる。また第３の嵌合法では細径サイズでは
嵌合困難であり高コストとなり、大径サイズでも芯材と
外層材との強度、軟化温度の差で加工し難いという問題
がある。

（ハ）発明の目的 本発明の目的は上述の最も安価な製造法である溶融メッ
キ法によって工業的に製造し易くかつ放電特性の安定な
上記問題点を解消する複合電極性及びその製造法を提供
することにある。

に）発明の開示 本発明の要旨は溶融メッキにおいて芯材が軟化せず安定
な伸線加工が可能にすることにある。

先ずそのため芯材としてはＣｒ　、　Ｚｒ　、　Ｆｅ　
、　Ｂｅ　、　Ｃ。

及びＴｉから選ばれた１種もしくは２種以上の元素を０
．０３〜５，０重量％含有する銅合金を使用すると効果
があることが判明した。これら元素含有の効果は溶融メ
ッキにおいて強度低下を防止することであり、０．０３
％以下ではこの効果が少く、５％以上ではその効果が飽
和し却って冷間加工性を阻害する。また外層としてはＺ
ｎ９５％以上の金属または合金を用いるが、これ以下で
は放電加工性が劣りかつ冷間加工性が低下する。

本発明の第２は、芯材として上記の元素を含有しかつ、
３７重量％までのＺｎおよび／もしくは１０重量％まで
のＳｎを含有する銅合金線とすることである。この効果
は芯材自体の強度向上と外層のＺｎが飛散した場合でも
放電特性の低下を防止し断線などの事故を防止する効果
がある。Ｚｎ、Ｓｎが上記の量以上では冷間加工性を阻
害するので好ましくない。

本発明の複合線は上記の銅合金線なる芯材を９５％以上
のＺｎ溶融浴中を通加せしめ芯材外周にＺｎを溶融メッ
キ被覆することによって製造されるが、更に正確な寸法
とし、表面の平滑化と強度の一層の向上を計るために溶
融メッキ後冷間加工を施すことが不可欠である。加工率
は５％以上が効果がありこれ以下では上記の効果がない
。

本発明による複合電極線は、表面がＺｎに富んだ層が比
較的厚く存在し、芯材が鋼よりも導電性、熱伝導性が良
好であり、たとえ外層のＺｎが飛散しても放電特性が良
好である。又芯材の強度が高く高張力付与による加工が
できるため厚板等の被加工物にも適用可能であり、溶融
メッキ法であるため製造コスト易く、かつ溶融液通過に
よっても強度の低下が少いためメッキ後の冷間加工が５
％と小さいにも拘らず高強度が得られるため伸線コスト
も安くなる等種々の効果がある。

次に実施例によって説明する。

実施例 第１表に示す如く芯材に対し０．２５　ｉｒｘ、φでは
２０μｍ厚、０．２０　Ｕ’ｌφに対しては１８μｍ厚
さとなるようにメッキ速度（溶融浴への通過時間）を調
整して溶融メッキをした後冷間加工して電極線を製作し
た。

黄銅線（単線）を従来例とし、他の比較例と共に４、９
　ａｍ厚の５ＫＤ−１１材を被加工材としてワイヤカッ
ト放電加工テストを行い第１表の結果を得た。

表中、加工速度比は従来例の加工速度を１．０としたと
きの速度比を示す。

【図面の簡単な説明】

第１図は従来の電極線の断面図、第２図は本発明の複合
電極線の断面図である。 ｌ：単線、２：複合線、３：芯材、４：外層被覆層。

Claims (4)

【特許請求の範囲】
1. （１）芯材の外周を他の材質金属で被覆した複合電極線
   において、芯材がＣｒ　、　Ｚｒ　、　Ｆｅ　、　Ｂｅ
   、Ｃｏ　、　Ｔｉから選ばれた１種または２種以上の元
   素を０．０３〜５．０重量％含有する銅合金であり、外
   周被覆層がＺｎを９５％以上の金属または合金であり溶
   融メッキによる被覆であり、被覆後５％以上の冷間加工
   が施されていることを特徴とするワイヤカット放電加工
   用複合電極線。
2. （２）芯材の外周を他の材質金属で被覆した複合電極線
   において、芯材が少くともＣｒ　、　Ｚｒ　、　Ｆｅ　
   、　Ｂｅ、Ｃ。 及びＴｉから選ばれた１種または２種以上の元素を０．
   ０３〜５．０重量％含有し、かつ３７重量％までのＺｎ
   オヨヒ／もしくは１０重量％までのＳｎを含有スる銅合
   金であり、外周被覆層が溶融メッキ法にょるＺｎ　９５
   重量％以上の金属または合金であり、被覆後５％以上の
   冷間加工が施されてなることを特徴とするワイヤカット
   放電加工用複合電極線。
3. （３）芯材の外周を他の材質金属で被覆した複合電極線
   の製造法において、芯材にＣｒ　、　Ｆｅ　、　Ｂｅ　
   、　Ｃｏ及びＴｉから選ばれた１種もしくは２種以上含
   有する銅合金線を用い、これをＺｎ９５重量％以上の溶
   融浴中を通過せしめ芯材外周にＺｎを被覆したのち５％
   以上の冷間加工を施すことを特徴とするワイヤカット放
   電加工用複合電極線の製造法。
4. （４）芯材の外周に他の材質の金属を被覆した複合電極
   線の製造法において、芯材に少くともＣｒ、Ｆｅ。 Ｂｅ、Ｃｏ及びＴｉから選ばれた１種もしくは２種以上
   含有しかつ３７重量％までのＺｎおよび／もしくは１０
   重量％までのＳｎを含有する銅合金線を使用し、これを
   Ｚｎが９５重量％の溶融浴中を通過せしめて芯拐外周に
   Ｚｎを被覆したのち５％以上の冷間加工を施すことを特
   徴とするワイヤカット放電加工用複合電極線の製造法。