JPS5913266Y2 - 流体噴射式織機における緯糸ガイド集合体 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 この考案は、流体噴射式織機において、緯入れ孔内に多
数配列されて緯入れ用噴射流体及び緯糸を案内する緯糸
ガイド部材に関するものである。

流体噴射式織機においては、緯糸を主ノズルから噴射さ
れる高速気流に乗せて、経糸開口内の緯入れ経路に位置
して多数配列された緯糸ガイド部材が形成する緯糸飛走
路内を飛走させ、緯入れする。

また、主ノズルの空気噴流のみでは緯糸を充分な速度で
織幅を越して飛ばすことができないため、筬枠に適数側
の補助ノズルを設け、該補助ノズルからの噴流を主噴流
と協働させる手段が講じられている。

例えば第１図に示すように、大体真直ぐな部分１ａと弧
状に湾曲した部分１ｂとに分岐した本体を有し、上記真
直ぐな部分１ａの自由端と湾曲部分１ｂの自由端とは両
者の間に緯糸脱出開口１Ｃを残して相互に接近している
第１ガイド部材１を、緯入れ方向（矢印Ｄ）に多数配列
して筬枠３に符号４で示すように固定すると共に、これ
等第１ガイド部材１の間に、湾曲部分２ａを有するが上
記第１ガイド部材１の真直ぐな部分１ａのような部分を
持たない第２ガイド部材２を適宜設置し、該第２ガイド
部材２の湾曲部分２ａの開放側に対峙して補助ノズル５
を設けた緯糸ガイド集合体が提案されている。

かかる緯糸ガイド集合体においては、各第１ガイド部材
１の真直ぐな部分１ａ及び湾曲部分１ｂ、各第２ガイド
部材２の湾曲部分２ａ並びに補助ノズル５が相互に関連
して、緯入れ方向りに沿ってほぼ円形の緯糸飛走路６を
形成する。

補助ノズル５は、第２図に示すように空気噴射口５ａを
有し、補助的な空気噴流５ｂが該空気噴射口５ａから噴
射されて主噴流（図示しない）による緯糸の飛走を補助
するようになっている。

噴流５ｂは緯糸飛走路６内を斜行し、流路上にあるガイ
ド部材に打つかる。

第３図は補助ノズル５からの噴流５ｂが第１ガイド部材
１に打つかった時の状態を正面から見て説明するもので
、第３図の第１ガイド部材１は第１図に示したものとは
若干形状を異にするが実質的に同一機能を有する。

従来の緯糸ガイド集合体においては、補助ノズル５は、
例えば二つの空気噴出口５ａを有する場合、上方の噴射
口５ａから出た噴流５ｂが緯経飛走路６の大部分を形成
する湾曲部分１ｂの内周面１ｄの比較的上方に指向する
ように配列されているために、噴流５ｂが内周面１ｄに
打つかると、その一部は内周面１ｄで図示のように上方
へ跳ね返り、内周面上方に沿って緯糸脱出開口１Ｃへ向
かって流れる傾向がある。

そのため、かかる補助ノズルを使用した流体噴射式織機
においては、緯入れの際、緯糸脱出開口１Ｃに向かう上
記跳ね返り気流の影響を受けて、緯糸が思わぬ時に緯糸
脱出開口１Ｃから飛び出してしまう欠点が認められた。

従ってこの考案の目的は、補助ノズルからの噴流が緯糸
飛走路内周面で上方及び下方へ跳ね返っても、跳ね返り
気流が緯糸脱出開口に達するまでに十分減衰させ、以て
緯糸の飛び出しを防ぐことのできる緯糸ガイド集合体を
提供することである。

次にこの考案による緯糸ガイド集合体の一実施例を添付
図面について説明する。

第４図及び第５図はこの考案による緯糸ガイド集合体を
構成する第１ガイド部材１′及び第２ガイド部材２′の
正面をそれぞれ示す第３図に相当する図であり、第１ガ
イド部材１′及び第２ガイド部材２′は、前述した従来
の第１ガイド部材１及び第２ガイド部材２と同様に第１
図に示す態様で筬粋に設置され、また、補助ノズル５も
同様である。

従って、これ等の諸部材１’、２’及び５を組み立てた
状態を示す図は省略できる。

第４図において、第１ガイド部材１′は大体真直ぐな部
分１ａ’と湾曲部分１ｂ’とに分岐した本体を有し、真
直ぐな部分１ａ′自由端と湾曲部分１ｂ’の自由端とは
、両者の間にスリット状の緯糸脱出開口１ｃ’を残して
相互に接近している。

緯糸飛走路６を形成する湾曲部分１ｂ’の内周面は、緯
入れ時に大体水平であるが緯糸脱出開口１ｃ’に向かっ
て若干上方へ傾斜する上面７と、この上面７の内端に丸
味部８Ｃを介して連続する大体垂直な側面８と、この側
面８の下端に丸味部８ｂを介して連続し且つ若干下方へ
傾斜する下面９とで構成されており、これ等の面７，８
及び９が大体コ字形に整列している。

上面７は緯糸脱出開口１Ｃ′に対して相当大きな角度で
く字状に屈曲した関係にある。

一方、真直ぐな部分１ａ’の緯糸飛走路側の面１０は丸
味部８Ｃを介して下面９の外端に接続されている。

下面９がその外端に向かって下方へ傾斜しているために
、丸味部８ｂ、下面９、丸味部８Ｃ及び内面１０を経由
して緯糸脱出開口１ｃ’の入口に至る経路が延長される
。

一方、第２ガイド部材２′は上記第１ガイド部材１′の
湾曲部分１ｂ’に大体一致する形状の湾曲部分２ａ’を
有し、第１ガイド部材１′の真直ぐな部分１ａ′があっ
た位置には補助ノズル５が設置されていて、湾曲部分２
ａ’の自由端と補助ノズル５の自由端とは両者の間に上
記緯糸脱出開口１ｃ’を残して相互に接近している。

第１及び第２ガイド部材はその湾曲部分が大体一致した
形状であるから、第２ガイド部材２′の湾曲部分２ａ′
も上記した面７，８ ａ 、８，８ ｂ及び９を有する
。

しかし、下面９はその外端が補助ノズル近傍まで延び、
そこから下方へと延びて柄部２ｂに接続する。

第４図及び第５図にそれぞれ示した第１ガイド部材１′
及び第２ガイド部材２′の湾曲部分は前記のようにコ字
状に湾曲しているが、この考案による緯糸ガイド集合体
は第１図又は第３図に示すように大体円形の緯糸飛走路
を形する湾曲部分を曲する第１ガイド部材及び第２ガイ
ドを採用してもよい。

第２ガイド部材２′の湾曲部分２ａ′の開放部側に設置
される補助ノズル５は、第４図及び第５図から明らかな
ように、その空気噴射口５ａをそこから出る空気噴流５
ｂが緯糸脱出開口１ｃ’から最も遠い部分、即ち図示実
施例では丸味部８ｂに大体向くように指向させている。

このように空気噴射口５ａを指向させるために、第４図
の補助ノズル５は肉厚に形成されており、且つ空気噴射
口５ａを限定するノズル先端側の面５Ｃが図示のように
丸味部８ｂに向かって下方に傾斜している。

また、変形例を示す第５図の補助ノズル５においても、
ノズル先端に詰め物５ｄが挿入されておりその下面５Ｃ
が図示のように緯糸脱出開口１ｃ’から最も遠い丸味部
８ｂに向かって下方に傾斜している。

これ等の傾斜面５Ｃは噴流５ｂを所定の方向に指向させ
るのに好適である。

第４図及び第５図に示した第１ガイド部材及び第２ガイ
ド部材は緯入れ時の位置にある。

従って、これ等の図から分かるように、緯糸脱出開口１
ｃ’から最も遠くにある緯糸飛走路の部分、即ち丸味部
８ｂは緯入れ時に緯糸経路６ａの近傍に位置するので、
補助ノズル５からの噴流が緯糸に効果的に作用する。

以上のように構成した補助ノズル５を有するこの考案の
緯糸ガイド集合体においては、補助ノズル５の空気噴射
口５ａから噴出する噴流５ｂは、緯糸脱出路ｌｃ’から
最も遠くに位置する緯糸飛走路６の部分８ｂに向けられ
ているため、噴流５ｂが部分８ｂ或はその近傍に打つか
り跳ね返っても、跳ね返り気流５ ｂ’、５ ｂ”が緯
糸脱出開口１ｃ’に達するまでに長い経路を通るので十
分に減衰され、緯糸を緯糸脱出開口１ｃ’から飛び出さ
せる程の力をもはや有していない。

また、第４図及び゛第５図に示したように第１ガイド部
材及び第２ガイド部材の湾曲部分が大体コ字状に形成さ
れたものにあっては、跳ね返り気流５ ｂ’、５ ｂ″
の減衰がより効果的に行なわれるので、緯糸の飛び出し
は一層効果的に防止される。

従ってこの考案によれば、補助ノズルからの噴流が緯糸
飛走路内周面で上方及び下方へ跳ね返っても、跳ね返り
気流が緯糸脱出開口に達するまでに十分減衰させ、以て
緯糸の飛び出しを防ぐことのできる緯糸ガイド集合体が
提供される。

【図面の簡単な説明】

第１図は従来の緯糸ガイド集合体の斜視図、第２図は緯
入れ経路を通る水平面で第１図み緯糸ガイド集合体を切
断した断面図、第３図は従来のガイド部材の拡大正面図
、第４図及び第５図はこの考案の緯糸ガイド集合体を構
成する第１及び第２ガイド部材の第３図に相当する拡大
正面図である。 １．１′・・・・・・第１ガイド部材；１ａ′・・・・
・・真直ぐな部分；ｌｂ’・・・・・湾曲部分； ２，
２′・・・・・・第２ガイド部材；２ａ′・・・・・・
湾曲部分：ｌｃ’−・・・・・緯糸脱出開口；５・・・
・・・補助ノズル；５ａ・・・・・・空気噴射口；６・
・・・・・緯糸飛走路；５Ｃ・・・・・・詰め物の傾斜
面；５ｄ・・・・・・詰め物；８ｂ・・・・・・緯糸脱
出開口から最も遠い緯糸飛走路の部分。

Claims (3)

【実用新案登録請求の範囲】
1. （１）緯入れ方向に整列した複数の第１ガイド部材と、
   これ等第１ガイド部材間に適宜配置された複数の第２ガ
   イド部材と、上記第２ガイド部材に対応した位置に設け
   られる複数の補助ノズルとを備え、上記第１ガイド部材
   は、大体真直ぐな部分と湾曲した部分とに分岐した本体
   を有し、上記真直ぐな部分の自由端と上記湾曲部分の自
   由端とは両者の間に緯糸脱出開口を残して相互に接近し
   ており、上記湾曲部分は真直ぐな部分と共同して上記緯
   糸脱出開口の下方に緯糸を案内するための緯糸飛走路を
   形威し、また、上記第２ガイド部材は、第１ガイド部材
   の湾曲部分に対応する形状の湾曲部分からなる本体を有
   し、第２ガイド部材の上記湾曲部分も緯糸飛走路を形成
   しており、上記補助ノズルの空気噴射口は緯糸脱出開口
   から最も遠い上記緯糸飛走路の部分に指向されている流
   体噴射式織機における緯糸ガイド集合体。
2. （２）補助ノズルの先端内部には軸心方向に関し傾斜し
   た面を有する詰め物が配置されており、上記傾斜面は補
   助ノズルの空気噴射口の壁面に整列している実用新案登
   録請求の範囲第１項記載の流体噴射式織機における緯糸
   ガイド集合体。
3. （３）第１ガイド部材及び第２ガイド部材の湾曲部分は
   共に大体コ字状をなし、緯糸脱出開口から最も遠い上記
   コ字状緯糸飛走路の部分は、緯入れ時に、緯糸経路近傍
   に位置する実用新案登録請求の範囲第１項又は第２項記
   載の流体噴射式織機における緯糸ガイド集合体。