JPS5944418B2 - 空気噴射式織機の空気誘導装置 - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 本発明は緯入れを確実に行い得るようにした空気噴射式
織機の空気誘導装置に関する。

空気噴射式織機においては、第１図に示すように緯糸１
を緯入れノズル２カ）ら噴射されるジェット気流に乗せ
て経糸３の開口４内に位置させた誘導子５列の中を飛走
させ緯入れする。

そして、緯入れした緯糸１を反緯入れ側に待機させた図
示しない捕捉糸により捕捉し張力を与えつつ筬６により
織前７に向けて筬打し、緯糸１両端部を切断して織布８
を製織する。

ここで誘導子５の構成及び緯入れから筬打の過程の誘導
子５列の動きを少し詳しくみてみると、誘導子５は第２
図に示すようにその基部が支持体９内に樹脂糊等により
緯入れ方向に所定のピッチで多数固定されて誘導子５列
を構成し、誘導子５の誘導孔１０が一連に連なって誘導
路Ａを形成していて、該誘導路Ａ内を緯入れされる緯糸
１がジェット気流１１によって飛走する。

誘導子５列は第３図に示すよう筬６と共に保持体１２に
一体的に固定され筬６の筬打運動に従動する。

即ち筬６が後退位置（第３図Ａの実線位置）にある時に
は、誘導子５は経糸開口４内に位置して緯入れ用空気を
誘導し、筬６が前進して織前７に到達する途中で、緯入
れされた緯糸１を、誘導子５の上部に設けた切欠１３を
通じて誘導孔１０から逃がして開口４内に滞留させ、自
らは経糸開口４からはずれて織前１の下方に位置する（
第３図Ａの仮想線位置）。

そして再び筬６が後退する際に、誘導子５は、第３図Ｂ
に示すように経糸３を掻き分けて開口４に進入していく
。

従って、緯入れ用空気の誘導路Ａは完全密閉のパイプ状
ではなく、隣り合う誘導子５間の空隙Ｃ及び各誘導子５
の切欠１３を通じて緯入れ用空気の一部が漏洩し拡散す
るのはやむをえず、時に誘導子５の切欠１３から緯入れ
用空気が逃げると緯入れ用空気の主流が切欠１３側に偏
向してゆき、殊に反緯入れ側において漏洩する空気流１
４は緯入れ中の緯糸１の端部を切欠１３付近に存在する
経糸列に接触させて緯入れミスを発生させる場合があっ
た。

本発明は上記切欠の存在による緯入れミスの発生を防止
することを目的さする。

このため、本発明では、少なくとも１つの誘導子に、切
欠近傍の誘導孔内壁面に少なくさも一部が開口して、緯
入れ方向と所定の角度で誘導路内へ空気を噴射し、緯入
れ用空気の主流を誘導路の反切欠側に偏らせる偏流生起
手段としての補助ノズルを設ける。

以下に本発明の一実施例を第４図に基づいて説明する。

誘導子５列の中の１又は複数枚の誘導子３５内に基部か
ら切欠１３付近に至るまで分岐させて空気通路２１を形
成する一方、各誘導子５，３５の基部を一連にしてエア
パイプ２２を貫通させ、このエアパイプ２２と上記誘導
子３５の空気通路２１とを連通させる。

エアパイプ２２の一端は図示しない開閉パルプを介して
空気圧力源に接続し他端は閉鎖する。

そして、空気通路２１の分岐部の端末を切欠１３付近の
誘導孔３６内壁に開口して補助ノズル３４を形成する。

この補助ノズル３４からの空気の噴射方向Ｆは、緯入れ
方向き所定の角度をもって誘導路Ａ内に向かうよう、即
ち誘導路Ａを流通する緯入れ用空気の主流１１を切欠１
３から遠ざかる方向（第４図下方）に加圧する方向とす
る。

従って、誘導路Ａを流れる緯入れ用空気は、補助ノズル
３４から噴射される補助空気に加圧されて緯入れ用空気
の主流１１が切欠１３から遠去かる方向に偏り、このた
め切欠１３からの漏洩量が減少すると共に緯入れされる
緯糸１端部は切欠１３に近寄ることがない。

特にこの効果は緯入れ用噴射気流が拡散してその集束性
が弱まった反緯入れ側端部において著しく、この場合は
特に緯入れ用噴射気流の勢いを増強するようにも作用す
るのである。

さらに、補助ノズル３４、即ち空気の噴射孔が誘導子３
５の切欠１３近傍の誘導孔３６内壁面に開口しているの
で、噴射孔から噴射される空気が速やかに緯入れ用空気
の主流に作用し、また次位の誘導子によって邪魔される
こさがないので、噴射される空気の全てが有効的に作用
し、少ない噴射空気量でも前述の作用を十分に奏するこ
とができる。

尚、補助ノズル３４を有する誘導子３５のピッチは、上
記効果を奏するように適宜法められるものであり、必ず
しも等間隔に配設する必要はなく、反緯入れ側に行くに
従ってピッチを縮小してもよく、勿論、誘導子３５は１
個のみでもよい。

又、補助ノズル３４からの空気噴射は連続的でもよいが
その噴射タイミングを緯入れ吉同期させる方がよく、複
数の場合は、緯糸の飛走に伴って緯入れ側から反緯入れ
側に順次噴射するようにしてもよい。

本発明は以上述べたように、少なくさも１つの誘導子に
、切欠近傍の誘導孔の内壁面に小なくとも一部が開口す
る補助ノズルを設けて、緯入れ方向と所定の角度をもっ
て誘導路内に空気を噴射させ、緯入れ用空気の主流を切
欠から遠い側に偏流させて誘導路中を誘導するようにし
たから、緯入れ用空気が切欠を通じて誘導路から漏洩す
ることが少ない。

従って緯入れ用空気の集束性が向上し、これに伴って緯
糸端部が確実に反緯入れ側の経糸列端部にまで到達でき
、緯入れミスが減少し、織布の品質が向上する。

そして時に、補助ノズルを誘導子の誘導孔内壁面に少な
くとも一部が開口するように設けたため、噴射角度を大
きくとるこ吉が可能で、噴射俊速やかに偏流作用を営ま
せることができると共に、次位の誘導子と干渉すること
もないので噴射される空気の全てを有効に利用すること
ができる。

【図面の簡単な説明】

第１図は空気噴射式織機の概略平面図、第２図は従来の
空気誘導装置の部分斜視図、第３図は筬打運動の説明図
、第４図は本発明の一実施例に係る誘導子を示し、Ａ図
は側面図、Ｂ図は同上のＢ−Ｂ断面図、０図はＡ図のＣ
−Ｃ断面図である。 １・・・・・・緯糸、３・・・・・・経糸、５，３５・
・・・・・誘導子、６・・・・・・筬、１０．３６・・
・・・・誘導孔、１３・・・・・・切欠、２１・・・・
・・空気路、３４・・・・・・補助ノズル、Ａ・・・・
・・誘導路。

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. １ 誘導孔と、この誘導孔から緯糸を逃がすための切欠
   点を備えた誘導子を、緯入れ方向に所定のピッチで多数
   枚配列して誘導路を形成した空気噴射式織機の空気誘導
   装置において、少なくとも１つの誘導子に、切欠近傍の
   誘導孔内壁面に少なくとも一部が開口して、緯入れ方向
   と所定の角度をもって誘導路内へ空気を噴射し、緯入れ
   用空気の主流を誘導路の反切欠側に偏らせる偏流生起手
   段としての補助ノズルを設けたことを特徴さする空気噴
   射式織機の空気誘導装置。