JPS5851859Y2 - 調理器 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は、調理器本体内に内鍋を収容するとともに該本
体と内鍋の上部をそれぞれ外蓋と内蓋で覆蓋する如くし
た構造の調理器に関し、さらに詳しべはそのような調理
器における調圧装置の取付構造に関するものである。

この種の調理器の代表例として電気炊飯器があるが、従
来の電気炊飯器における調圧装置は、調圧筒を内蓋に取
付けるとともにその調圧筒を外蓋に形成した貫通孔を通
して外気中に臨ませるようにして取付げられている。

しかしながら、この従来の電気炊飯器では、調圧筒の外
面と外蓋に形成された貫通孔の内面との間に環状の隙間
が形成され、しかもその環状隙間によって炊飯器内部（
外蓋下面と内蓋上面の間の空所）が外気中に連通してい
るため、炊飯時又は保温時に炊飯器内部の温空気が該環
状隙間を通って外気中に逃げ、熱損失が大きかった。

本考案は上記の問題点に鑑み、調理時に調理器内部の温
空気を調圧筒の外側に形成される環状隙間から逃さない
ようにするとともに、調理中に調圧筒から放出される蒸
気が該環状隙間を通って外蓋と内蓋の間の空所に流入し
ないようにして蒸気中に含まれるオネバ等によって内蓋
上面或いは外蓋下面が汚れるのを防止し得るようにした
調理器を提供することを目的とするものであって、内蓋
と外蓋の間に挾圧されて調圧筒の外側に形成される環状
隙間を調理器内部に対して遮断する作用をする環状のパ
ツキンを前記調圧筒を囲繞して装着したことを特徴とす
るものである。

以下、図示の実施例に基づいて本考案の調理器を説明す
ると、第１図及び第２図には本考案第１実施例、第３図
には同第２実施例、第４図には同第３実施例の調理器（
電気炊飯ジャー）が示されている。

第１図及び第２図に示す電気炊飯ジャーにおいて、符号
１は外ケース８と内容器９の間に断熱材３０を充填して
なる炊飯ジャ一本体、２は該炊飯ジャ一本体１内に収容
される内鍋、３は内部に断熱材３１を充填してなる外蓋
、４は金属板製の内蓋で、外蓋３は炊飯ジャ一本体１の
上部を又内蓋４は内鍋２の上部をそれぞれ覆蓋し得るよ
うになっている。

符号５は内蓋４に取付げられた調圧装置、６は炊飯ジャ
一本体１の内底部に取付げた炊飯ヒータ、Ｉは外蓋３の
下面に取付けた保温ヒータを示している。

内蓋４は外蓋３の下面中央部に突設された支持ピン１０
に着脱自在に嵌合されて外蓋３に対して取外し自在に装
着されている。

調圧装置５は、内蓋４に固定された調圧筒１１内に調圧
弁１３を収容して構成されている。

調圧筒１１は内蓋４を貫通して該内蓋４の上方に突出さ
せている。

又該調圧筒１１はその側壁１１ａに蒸気抜き用の横孔１
４ａ 、 １４ａ・・を、又頂壁１１ｂに蒸気抜き用の
上向孔１４ｂ、１４ｂを有している。

他方、外蓋３には前記調圧筒１１の外径よりやや大径の
内径をもつ筒壁２１が設けられていて、該筒壁２１内に
調圧筒１１を嵌装させた際には該調圧筒１１の外面と筒
壁２１の内面の間に環状の隙間２３が形成されるように
している。

又、そのときには調圧筒１１の側壁１１ａに形成した横
孔ｉ ４ａ 、 １４ａ・・が前記環状隙間２３に向け
て開口するようにしている。

尚、外蓋３に設けられた調圧筒１１内の筒壁２１はナツ
ト２２によって外蓋３に固定されている。

内蓋４の上面と外蓋３の下面との間には前記調圧筒１１
にその外側を囲繞する如くして嵌着された環状のパツキ
ン２０が介設されている。

この環状パツキン２０は内蓋４の上面と外蓋３の下面と
の間で挟圧された状態で配設されていて、調圧筒１１の
外面と筒壁２１の内面の間に形成された環状隙間２３と
、外蓋３と内蓋４との間に形成される空所Ｓとを遮断す
る作用をするものである。

前記調圧筒１１は、下側筒１５とその上部に配置される
上側筒１６とを相互に螺合して形成されている。

下側筒１５は中央筒部１５ａの下部に外向きのフランジ
部１５ｂを形成しさらに該フランジ部１５ｂの外周部に
下向きの環状壁１５ｃを一体形成して構成されており、
その中央筒部１５ａを内蓋４に形成した調圧部取付穴３
４の下方から挿通させた状態でその段部１５ｂと該取付
穴３４の縁部とをリベット３２で結合することにより該
下側筒１５の内蓋４に固定している。

又、上側筒１６は下側筒１５の中央筒部１５ａよりやや
大径に形成されていて、上側筒１６を下側筒１５の中央
筒部１５ａの外側に螺合させるようにしている。

下側筒１５の中央筒部１５ａの内面には筒状のパツキン
１７が嵌着されている。

このパツキン１７の上端部は調圧筒１１の内部に収容さ
れる調圧弁１３の弁シート部１８となる。

なお、調圧筒側壁１１ａに形成される蒸気抜き用の横孔
１４ａは、この実施例では上側筒１６側に形成されてお
り、しかも該横孔１４ａは弁シート部１８よりやや上方
位置に形成されている。

調圧筒１１内に収容された調圧弁１３は、弁部１３ａと
その上部に形成される作動杆１３ｂとを一体形成して構
成されている。

調圧弁１３の弁部１３ａはその外径が調圧筒１１の上側
筒１６内径より若干小さい程度に形成されている。

又調圧弁１３の作動杆１３ｂは調圧筒１１の頂壁１１ｂ
を貫通して上方に突出させており、炊飯作用時における
該作動杆１３ｂの上端の動きを外蓋３の外方から目視で
きるようにしている。

調圧筒１１の下部、即ち下側筒１５の環状壁１５ｃには
漏斗状のカバー２５が螺着されている。

このカバー２５の中央部には該カバー２５内に溜る御飯
のオネバを内鍋２内に戻すための逃し孔２６が形成され
ている。

前記下側筒１５の下部に形成された環状壁１５ｃには内
鍋２内と調圧筒１１内を連通゛させるための連通孔１９
が形成されており、内鍋２内で発生する蒸気が該連通孔
１９を通って調圧筒１１内に流入し得るようにしている
。

前記内蓋４の上面と外蓋３の下面との間に介設された環
状パツキン２０は、シリコンゴム又は軟質プラスチック
等の弾性材によって成型されたもので、上下２枚の７ラ
ンジ３５．３５をもち且つ中央部に前記下側筒１５の中
央筒部１５ａの外径と同径の穴３６を設げている。

又この環状パンキン２０は上下対称形に形成されていて
、表裏どちら向きでも取付けることができるようになっ
ている。

環状パツキン２０のフランジ３５．３５部分より中央寄
りで穴３６の外側部分（符号３７部分）は御飯のオネバ
を溜めるための凹部となっている。

この環状パツキン２０はその装着状態においては、両フ
ランジ３５．３５間が外蓋３下面と内蓋４上面の間で若
干圧縮されている。

尚この環状パンキン２０は調圧筒１１の下側筒１５と上
側筒１６を螺合する前に該下側筒１５の中央筒部１５ａ
の外側に嵌装すると、その装着が容易である。

又、この環状パツキン２０は、内蓋４を外蓋３から外し
た後、調圧筒１１から取外して洗浄することができるよ
うになっている。

次に第１図及び第２図に示す電気炊飯ジャーの調圧装置
の作用を説明すると、炊飯時には内鍋２内で多量の蒸気
が発生し、その内鍋２内が圧力上昇するとその圧力によ
って調圧弁１３が押し上げられて弁シート部１８を開放
し、内鍋２内の蒸気が該弁シート部１８、横孔１４ａを
通って調圧筒１１の外側に形成された環状隙間２３内に
放出され、さらに該環状隙間２３から外気中に放出され
るようになっている。

炊飯時に発生する蒸気中には液滴状のオネバが含まれて
いるが、調圧筒１１内を通過する蒸気中に含まれたオネ
バは、その一部は調圧筒１１内で分離されてカバー２５
上に落下し、さらに逃し孔２６から内鍋２内に還元され
る。

又調圧筒１１内で分離されなかった蒸気中のオネバは、
その大部分は横孔１４ａ１環状隙間２３を通って蒸気と
ともに外気中に放出されるが、該蒸気中のオネバの一部
は環状隙間２３内で分離されて該環状隙間２３の幕面（
調圧筒１１の外面及び筒壁２１の内面）をったって落下
し、環状パツキン２０上のオネバ貯溜用凹部３７内に貯
溜される。

この凹部３７内に貯溜されたオネバは蓋を少しぐらい傾
げてもこぼれ出すことはない。

尚、環状隙間２３内に吹き出された蒸気は、該環状隙間
２３の下端が環状パツキン２０で塞がれているので外蓋
３下面と上蓋４上面の間の空所Ｓ内に流れ込むことがな
い。

尚、内鍋２内が高圧となると調圧弁１３は押し上げられ
るが、該調圧弁１３の弁部１３ａの最大外径部が横孔１
４ａの下端を通過するまでは蒸気はほとんど逃げず、該
弁部１３ａの最大外径部が横孔１４ａの下端を通過する
に至って蒸気が急激に放出されるように作用する。

従って調圧弁１３の上下ストロークは弁シート部１８と
横孔１４ａまでの高さによって決定される。

即ち、蒸気抜き用の開口（横孔）１４ａを調圧筒１１の
側壁１１ａに形成すれば、該蒸気抜き開口を調圧筒１１
の頂壁１１ｂのみに形成する場合に比べて調圧弁１３の
上下ストロークを小さくでき、しかも弁部１３ａと調圧
筒１１内面との間に蒸気通過用の隙間を必要としないの
で調圧弁１３のガタつきを防止することができる。

又、調圧弁１３の弁部１３ａが当接する弁シート部１８
にはパツキン１７が設けられているので、弁シート部１
８の気密を良好にするとともに調圧弁１３が上下動する
ときの弁部１３ａと弁シート部１８との衝突音を防止す
ることができる。

第３図に示す本考案第２実施例の電気炊飯ジャーでは、
調圧筒１１の上側筒１６の下端に外向きの鍔部３８を形
成して、上側筒１６を下側筒１５に螺合させた際に該鍔
部３８で環状パツキン２０を押えるようにしている。

このようにすると環状パツキン２０の浮き上がりを防止
することができる。

第４図に示す本考案第３実施例の電気炊飯ジャーでは、
調圧筒１１外側の環状隙間２３と炊飯ジャー内部を遮断
する作用をする環状パンキン２０に、内蓋４の調圧部取
付穴３４の開口縁に嵌合するための嵌合溝３９を形成し
て、該環状パツキン２０を調圧部取付穴３４の開口縁に
嵌着し、さらに該嵌合溝３９の内側に形成した穴４０に
調圧筒１１の下側筒１５を圧入してその両者間の摩擦力
で該下側筒１５を保持させるようにしている。

このようにすると、下側筒１５を内蓋４に固定するため
のリベツト（第２図、符号３２）又はビス止めは不要と
なり、且つ調圧装置５全体を内蓋４から取外して洗浄す
ることができ、さらに下側筒１５の段部１５ｂと内蓋４
下面の間の気密性を良好にすることができる。

続いて本考案の効果を説明すると、本考案の調理器は、
調圧筒１１の側壁１１ａに蒸気抜き用の横孔１４ａを形
成し、その横孔１４ａを調圧筒１１の外側に形成される
環状隙間２３に向けて開口させるとともに、内蓋４と外
蓋３の間に該環状隙間２３と調理器内部を遮断する作用
をする環状パツキン２０を配設しているので、調理中に
調理器内の温空気が調圧筒１１外側の環状隙間２３を通
って逃げることがなくなって熱損失が軽減されるととも
に、環状隙間２３内に放出されたオネバ等の液滴まじり
の蒸気が外蓋４の下面と内蓋３の上面との間に流れ込む
ことがなく、調理器の内部（特に外蓋下面及び内蓋上面
）がオネバ等の液滴で汚れることがないといら効果があ
る。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案の第１実施例にかかる調理器の一部切開
側面図、第２図は第１図の一部拡大断面図、第３図及び
第４図はそれぞれ本考案の第２及び第３実施例にかかる
調理器の一部断面図である。 １・・・・・・調理器本体、２・・・・・・内鍋、３・
・・・・・外蓋、４・・・・・・内蓋、５・・・・・・
調圧装置、１１・・・・・・調圧筒、１１ａ・・・・・
・調圧筒側壁、１４ａ・・・・・・横孔、２０・・・・
・・環状パツキン、２１・・・・・・筒壁、２３・・・
・・・環状隙間。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 調理器本体１とその内部に収容される内鍋２の上部をそ
   れぞれ外蓋３と内蓋４で覆蓋可能とし、さらに前記内蓋
   ４には側壁１１ａ部分に蒸気抜き用の横孔１４ａを有す
   る調圧筒１１を装着する一方、前記外蓋３には前記調圧
   筒１１を環状の隙間２３を隔てて囲繞する筒壁２１を設
   けて前記調圧筒１１が前記筒壁２１内に嵌装されたとき
   は前記横孔１４ａが前記環状隙間２３に向けて開口する
   如くした調理器であって、前記内蓋４の上面と前記外蓋
   ３の下面の間に挾圧されて前記環状隙間２３を調理器内
   部に対して遮断する作用をする環状のパツキン２−０を
   前記調圧筒１１を囲繞して装着したことを特徴とする調
   理器。