JPS591605Y2 - 炊飯器等の内蓋構造 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は、内蓋が内なべの上面に気密的に圧接するよう
にした炊飯器等の内蓋構造に関する。

この種の炊飯器では内なべの内圧を上げることによって
おいしくかつ効率よく炊飯することができるが、内なべ
内が密閉されているため、温度低下によって負圧が生じ
、内蓋が内なべに吸着されたまま離れず、そのため内蓋
を開くことができないという問題がある。

本考案はこのような問題点を除去すべくなされたもので
、内蓋に吸気孔を設け、内なべの内部が負圧になったと
き自動的に空気を取り入れて内蓋を容易に開くことがで
きる炊飯器等の内蓋構造を提供することを目的とする。

以下、本考案を一実施例である添付図面にしたがって説
明する。

第１図は炊飯電子ジャーを示し、１は炊飯電子ジャ一本
体、２は本体１の内部に固定された外なべ、３は外なべ
２の外周面に装着された保温用ヒータ、４は外なべの２
の底部に固定され、環状の炊飯ヒータ５を埋設した加熱
板、６は加熱板４の中央に設けられた感温間、７は底面
が加熱板４に接触するような外なべ２内に収納された内
なべである。

８は本体１に対して開閉自在に設けられた外蓋、９はバ
ンドルで、上記外蓋８の下面には放熱板１０が固定され
、外蓋８と放熱板１０との間の空間には断熱材１１が充
填されている。

上記放熱板１０の中央には、下端にボス部１２ ａを有
する内蓋取付具１２が垂設されており、この内蓋取付具
１２の上端はナツト１３にて放熱板１０に固定されてい
る。

上記内蓋取付具１２にはゴム材からなる取付ブツシュ１
４が強制的に嵌め込まれており、この取付ブツシュ１４
のまわりに内蓋２０が気密性をもって取付けられている
。

上記取付ブツシュ１４の下部には厚肉な摺動部１５が設
けられ、この摺動部１５の中央孔１５ａは内蓋取付具１
２と気密的に摺動する。

取付ブツシュ１４の上部には椀形状の内郭部１６と外郭
部１７とが一体に設けられており、内郭部１６は外郭部
１７より短く、取付ブツシュ１４の摺動部１５が内蓋取
付具１２の下端に位置している場合には外郭部１７のみ
が放熱板１０に圧接して内蓋２０の安定性を保つととも
に、摺動部１５が内蓋取付具１２の上部に押し上げられ
た場合には外郭部１７に加えて内郭部１６も放熱板１０
に圧接し、下方への大きな加圧力を付与している。

また、上記内郭部１６および外郭部１７の先端には適宜
個数の蒸気抜き用切欠１８が設けられており、取付ブツ
シュ１４の摺動部１５には上下に連通した数個の調圧孔
１９が設けられている。

上記内蓋２０の周縁部には環状のパツキン２１か装着さ
れており、このパツキン２１が内なベアの上面に圧接し
て内なベアの内部を密封するようになっている。

上記パツキン２１には一体に薄肉な舌片２２か゛設けら
れており、この舌片２２は内蓋２０の周縁部近傍に穿設
された任意数の吸気孔２０ ａの内蓋内側面を閉鎖して
いる。

なお、上記パツキン２１と内蓋２０とはインサート成形
にて装着してもよい 上記内蓋取付具１２にはスライド板２３が上下動自在に
挿通されており、このスライド板２３と放熱板１０との
間には調圧スプリング２４が設けられている。

そして、上記スライド板２３は調圧スプリング２４によ
り常時下方に付勢され、所定圧で調圧孔１９を閉鎖して
調圧弁を構成している。

上記構成からなる内蓋構造の作用を説明する。

まず、外蓋８を閉鎖した状態においては、内蓋２０の外
周端部のパツキン２１が内なベアの上面に圧接している
ため、その反力で取付ブツシュ１４は上方に押し上げら
れ、取付ブツシュ１４の内郭部１６および外郭部１７が
ともに放熱板１０に圧接する（第２図参照）。

この状態で炊飯ヒータ５へ通電すると、内なベア内は密
閉されているため、効率よく炊飯が行われる。

途中で内なベア内の蒸気圧が所定圧以上に上昇したとき
には、その蒸気圧によって調圧スブノング２４に抗して
スライド板２３が若干上動し、内なベア内の蒸気は調圧
孔１９から取付ブツシュ１４の切欠１８を介して放熱板
１０と内蓋２０との間の空間に排出され、さらに外蓋８
に設けた図示しない蒸気口より外部に排気される。

したがって、内なベア内の蒸気圧は過度に上昇する心配
がない。

また、内なベア内の蒸気圧が上昇したとき、パツキン２
１の舌片２２は吸気孔２０ ａに密着するので、この吸
気孔２０ ａから蒸気が逃げる心配はない。

いよ内なベア内の飯が炊き上った状態で長時間放置して
おくと、内なベア内は自然冷却し、温度低下とともに内
なベア内は負圧となる。

この負圧のため、パツキン２１の舌片２２は下方に若干
撓み、吸気孔２０ ａから内なベア内に外気を取り入れ
る。

したがって、内なベア内の負圧はｌ舜時にして解消され
、内蓋２０をいつでも容易に開くことができる。

また、炊飯時において内蓋２０の周端縁からふき出した
湯やネバが内蓋２０の上面に溜って汚れの原因となる心
配がある。

ところが、内蓋２０は中央部側から周端部側にかけて漸
次下方に傾斜しているため、湯やネバは内蓋２０の周端
部上面に溜まり、この湯やネバは上記のごとく内なベア
内の負圧によって外気を取り入れる際、同時に内なベア
内に吸い込まれ、汚れの原因を取り除くことができる。

なお、上記実施例では取付ブツシュ１４に調圧孔１９と
スライド板２３と調圧スプリング２４とからなる調圧弁
を設けたが、この調圧弁は取付ブツシュ１４に限らず内
蓋２０の所望の位置に設けてもよい。

また、取付ブツシュ１４としては、椀形の内外郡部１６
．１７を有するものに限らず、内外郡部１６．１７に代
えて加圧スプリングを設けてもよい。

さらに、内蓋２０は上記実施例のごとく外蓋８の下面に
一体に取付けられたものに限らず、外蓋８と分離しても
よい。

以上の説明で明らかなように、本考案によれば内蓋の周
端部に装着したパツキンに舌片を設け、この舌片で内蓋
の吸気孔の内蓋内面側を閉鎖するようにしたのて゛、内
なべ内に負圧が生じたときには舌片が撓んで外気を取り
入れ、負圧を自動的に解消することができる。

したがって、内蓋はいつでも容易に開くことができる。

また、舌片はパツキンと一体であるため、部品点数が増
加することなく製造コストが嵩む心配がない。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案にかかる炊飯器等の一例である。 炊飯電子ジャーの概略説明図、第２図は第１図の一部詳
細図、第３図は外蓋を開いた状態における第１図の一部
詳細図である。 １・・・・・・本体、７・・・・・・内なべ、８・・・
・・・外蓋、１２・・・・・・内蓋取付具、１４・・・
・・・取付ブツシュ、２０・・・・・・内蓋、２０ ａ
・・・・・・吸気孔、２１・・・・・・パツキン、２２
・・・・・・舌片。

Claims (2)

【実用新案登録請求の範囲】
1. （１）炊飯器等本体に対して開閉自在に設けた外蓋の内
   側に、内なべの上面に気密的に圧接する内蓋を設けた炊
   飯器等において、上記内蓋の周縁部近傍に吸気孔を設け
   るとともに、内蓋の周縁部に、上記吸気孔の内蓋内側面
   を閉鎖する舌片を一体に設けた環状のパツキンを装着し
   たことを特徴とする炊飯器等の内蓋構造。
2. （２）上記内蓋は中央部側から周縁部側にかけて漸次下
   方に傾斜していることを特徴とする実用新案登録請求の
   範囲第１項記載の炊飯器等の内蓋構造。