JPS591604Y2 - 炊飯器等の内蓋構造 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は、内蓋が内なべの上面に気密的に圧接ようにし
た炊飯器等の内蓋構造に関する。

この種の炊飯器では内なべの内圧を上げることによって
おいしくかつ効率よく炊飯することができるが、内なべ
内が密閉されているため、温度低下によって負圧が生じ
、内蓋が内なべに吸着されたまま離れず、そのため外蓋
を開くことができないという問題がある。

本考案はこのような問題点を除去すべくなされたもので
゛、内なべ内が負圧になったとき自動的に空気を取り入
れる吸気弁を設けることにより、外蓋を容易に開くこと
ができる炊飯器等の内蓋構造を提供することを目的とす
る。

以下、本考案を一実施例である添付図面にしたがって説
明する。

第１図は炊飯電子ジャーを示し、１は炊飯電子ジャ一本
体、２は本体１の内部に固定された外なべ、３は外なべ
２の外周面に装着された保温用ヒータ、４は外なべ２の
底部に固定され、環状の炊飯ヒータ５を埋設した加熱板
、６は加熱板４の中央に設けられた感温器、７は底面が
加熱板４に接触するように外なべ２内に収納された内な
べである。

８は本体１に対して開閉自在に設けられた外蓋、９はバ
ンドルで、上記外蓋８の下面には放熱板”１０が固定さ
れ、外蓋８と放熱板１０との間の空間には断熱材１１が
充填されている。

上記放熱板１０の中央には、下端にボス部１２ ａを有
する内蓋取付具１２が垂設されており、この内蓋取付具
１２の上端はナツト１３にて放熱板１０に固定されてい
る。

上記内蓋取付具１２にはゴム材からなる取付ブツシュ１
４（第３図、第４図参照）が強制的に嵌め込まれており
、この取付ブツシュ１４のまわりに内蓋２１が気密性を
もって取付けられている。

なお、取付ブツシュ１４と内蓋２１とはインサート成形
してもよい。

上記取付ブツシュ１４の下部には厚肉な摺動部１５が設
けられ、この摺動部１５の中央孔１５ａは内蓋取付具１
２と気密的に摺動する。

上記摺動部１５の外周には一体に薄肉な舌片１６が設け
られており、この舌片１６は内蓋２１の中心近傍に穿設
された任意数の吸気孔２２の下面側を閉鎖している。

取付ブツシュ１４の上部には椀形状の内郭部１７と外郭
部１８とが一体に設けられており、内郭部１７は外郭部
１８より短く、取付ブツシュ１４の摺動部１５が内蓋取
付具１２の下端に位置している場合には外郭部１８のみ
が放熱板１０に圧接して内蓋２１の安定性を保つととも
に、摺動部１５が内蓋取付具１２の上部に押し上げられ
た場合には外郭部１８に加えて内郭部１７も放熱板１０
に圧接し、下方への大きな加圧力を付与している。

また、上記内郭部１７および外郭部１８の先端には適宜
個数の蒸気抜き用切欠１９が設けられており、取付ブツ
シュ１４の摺動部１５には上下に連通した数個の調圧孔
２０が設けられている。

上記内蓋２１は外周部側から中心部側にかけて漸次下方
に傾斜しており、外周端部にはパツキン２３が装着され
、このパツキン２３が内なべの上面に圧接して内なべの
内部を密封するようになっている。

上記内蓋取付具１２にはスライド板２４が上下動自在に
挿通されており、このスライド板２４と放熱板１０との
間には調圧スプリング２５が設けられている。

そして、上記スライド板２４は調圧スプリング２５によ
り常時下方に付勢され、所定圧で調圧孔２０を閉鎖して
調圧弁を構成している。

上記構成からなる内蓋構造の作用を説明する。

まず、外蓋８を閉鎖した状態においては、内蓋２１の外
周端部のパツキン２３が内なベアの上面に圧接している
ため、その反力で取付ブツシュ１４は上方に押し上げら
れ、取付ブツシュ１４の内郭部１７および外郭部１８が
ともに放熱板１０に圧接する（第２図参照）。

この状態で炊飯ヒータ５へ通電すると、内なベア内は密
閉されているため、効率よく炊飯が行われる。

途中で内なベア内の蒸気圧が所定圧以上に上昇したとき
には、その蒸気圧によって調圧スプリング２５に抗して
スライド板２４が若干上動し、内なベア内・の蒸気は調
圧孔２０から取付ブツシュ１４の切欠１９を介して放熱
板１０と内蓋２１との間の空間に排出され、さらに外蓋
８に設けた図示しない蒸気口より外部に排気される。

したがって内なベア内の蒸気圧は過度に上昇する心配が
ない。

なお、取付ブツシュ１４の舌片１６は内なベアの蒸気圧
が上昇したとき、内蓋２１の下面に圧接するため、吸気
孔２２は閉鎖されたままである。

いよ内なベア内の飯が炊き上った状態で長時間放置して
おくと、内なベア内は自然冷却し、温度低下とともに内
なベア内は負圧となる。

この負圧のため、取付ブツシュ１４の舌片１６が下方に
撓んで内蓋２１の吸気孔２２を開き、外気を吸気孔２２
を介して内なベア内に取り込む。

これによって、内なベア内の負圧は解消され、外蓋８お
よび内蓋２１は容易に開くことができる。

また、炊飯時に内蓋２１の上面にふき上げられた水やネ
バ等は内蓋２１の上面、とくに内蓋２１は中心部側が下
方に傾斜しているため中心近傍に溜る。

この水やネバは上記のごとく舌片１６が下方に撓んで外
気を取り込む際に同時に内なベア内に取り込まれ、内蓋
２１上面の汚れを防止している。

なお、上記実施例では取付ブツシュ１４に調圧孔２０と
スライド板２４と調圧スプリング２５とからなる調圧弁
を設けたが、この調圧弁は取付ブツシュ１４に限らす喰
蓋２１の所望の位置に設けてもよい。

また、取付ブツシュ１４として、椀形の内外郡部１７．
１８を有するものに限らず、内外郡部１７．１８に代え
て加圧スプリングを設けてもよい。

以上の説明で明らかなように、本考案によれば内蓋の中
心近傍に設けた吸気孔を取付ブツシュの舌片で閉鎖する
ようにしたので、内なべ内が負圧になったとき上記舌片
が自動的に撓んで外気を取り入れ、負圧を解消して外蓋
を容易に開くことができる。

また、舌片は取付ブツシュに一体に設けられているため
、部品点数が増加することなく、構造も極めて簡単であ
る。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案にかかる炊飯器等の一例である炊飯電子
ジャーの概略説明図、第２図は第１図のＡ部詳細図、第
３図、第４図は取付ブツシュの平面図および半断面正面
図、第５図は外蓋を開いた状態における第１図のＡ部詳
細図である。 １・・・・・・本体、７・・・・・・内なべ、８・・・
・・・外蓋、１０・・・・・・放熱板、１２・・・・・
・内蓋取付具、１４・・・・・・取付ブツシュ、１６・
・・・・・舌片、２１・・・・・・内蓋、２２・・・・
・・吸気孔、２３・・・・・・パツキン。

Claims (2)

【実用新案登録請求の範囲】
1. （１）炊飯器等本体に対して開閉自在に設けた外蓋の下
   面の中心に内蓋取付具を垂設し、該内蓋取付具に内なべ
   の上面に気密的に圧接する内蓋を取付ブツシュを介して
   摺動可能に取付けた炊飯器等において、上記内蓋の中心
   近傍に吸気孔を設け、かつ上記取付ブツシュに上記吸気
   孔の内蓋内面側を閉鎖する舌片を一体に設けたことを特
   徴とする炊飯器等の内蓋構造。
2. （２）上記内蓋は外周部側から中心部側にかけて漸次下
   方に傾斜していることを特徴とする実用新案登録請求の
   範囲第１項記載の炊飯器等の内蓋構造。