JPH0118120Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は炊飯後ひきつづき長時間保温可能なジ
ヤー炊飯器の改良に関し、特に炊飯時の内釜内圧
を大気圧以上として高温で炊きあげることにより
炊飯特性を改善したものである。

従来、煮炊器や一般の炊飯器で錘式や弁式の圧
力調整器を蓋体に備え、高温、高圧で炊飯を行な
い、ご飯に含まれる澱粉のα化を促進させる圧力
なべがある。一方、炊飯と共に炊飯したご飯を長
時間保温できるジヤー炊飯器の普及率が近年著し
く伸びて来た。このジヤー炊飯器の炊飯特性を一
層優れたものとする方法として、前記の加圧炊飯
の方式を結合することが考えられるが、ジヤー炊
飯器は保温性を必要な水準に維持するために本体
や蓋は断熱材を含む二重構造とすることが不可欠
の条件のひとつである。従つて炊飯時蒸気排出口
からの吹きこぼれや、保温時の内釜内周面への露
付および使い勝手等と関連して種々不具合を生じ
ていた。

本考案はこれらの問題点を簡単な構成で解決し
加圧炊飯により優れた炊飯性能を有し、かつ長時
間保温が可能なジヤー炊飯器を提供しようとする
ものである。

以下、本考案の構成を従来例とともに図面にも
とづいて説明する。第１図〜第４図において、１
は器具本体で、筒状の外ケース２と、外ケース２
の上端カーリング部と結合した上枠３と、さらに
その上枠３と係合し外周に胴保温ヒータ４ａを備
えた外釜４と、前記外ケース２と外釜４間に介在
させた断熱材５等により構成される。６は炊飯容
器となる内釜で、外釜４の開口部にフランジ部６
ａを間隙なく載置し、着脱自在に設けられてい
る。７は炊飯ヒータで、前記内釜６の底部と間隙
を有して対向し、空気を介して加熱炊飯が行なわ
れる。８は上枠３に設けられたヒンジ部３ａにピ
ン９を介して回動可能に支持された、例えばプラ
スチツク製の外蓋で、上面に持ち運び用の把手部
８ａが一体に形成されている。１０は内カバー
で、下面に蓋保温ヒーター１１を配設した放熱板
１２が取りつけられ、更に断熱材１３を介して外
蓋８の内面に固着されている。１４はヒンジ部３
ａと反対側に位置して外ケース２の上端部に固着
され、外蓋８を閉塞した時把手部８ａに設けられ
た図示しない係合カバーが、上枠３に設けられた
図示しない係合部に係合して外蓋８を閉塞状態に
保持する部分の係合部カバーであり、解除用押釦
１５によつて前記係合レバーと係合部の係合を解
除できるようにしている。１６は蒸気排出口１６
ａを有する蒸気抜キヤツプ、１７は蒸気抜キヤツ
プ１６と共に放熱板１２、内カバー１０、外蓋８
を一体的に固着し、中央部には炊飯時の蒸気と共
に出てくるおねばを、蒸気のみ外部へ排出させ、
おねばを分離するおねば切溝１７ａを備えた蒸気
抜筒で、内部に球体の蒸気抜弁１８が配設されて
いる。１９はアルミ製の中蓋で、蒸気抜筒１７の
近傍に位置しておねばを内釜６内に回収するおね
ば回収口１９ａと、シリコーンゴム製のブツシユ
２０を備え、前記ブツシユ２０に蒸気抜筒１７の
凸部１７ｂが着脱自在に係合するように構成され
ている。また外周縁のカーリング部には、舌片２
１ａ，２１ｂを有するシリコーンゴム製の環状パ
ツキング２１が設けられており、外蓋８を閉塞す
ると各々の舌片２１ａ，２１ｂが内釜６のフラン
ジ部６ａと内カバー１０の内面１０ａに圧接し炊
飯時及び保温時の空気の流出入を防止する。

上記構成よりなる従来の圧力タイプのジヤー炊
飯器により炊飯を行なう場合、内釜６内に水洗い
した米２５と炊きあがりに必要な水２６を収納
し、フランジ部６ａを外釜４上に載置し、炊飯ヒ
ータ７により加熱炊飯を開始する。温度上昇によ
り内部の米２５は膨張を初め、沸騰と共に加圧さ
れた蒸気が中蓋１９のおねば回収口１９ａを通
り、蒸気抜筒１７のおねば切溝１７ａでおねば分
を分離し、蒸気のみが蒸気抜弁１８を押しあげ、
蒸気排出口１６ａより外部へ放出される。炊飯完
了と共に中蓋１９上面に分離されていたおねばは
内釜６内の温度下降にともない、おねば回収口１
９ａより内釜１６内に回収される。

一方、中蓋１９の外周部に設けられた環状のパ
ツキング２１は内釜６内から発生した蒸気や、中
蓋１９の上面に発生する蒸気が外部へ流出するの
を防止している。しかしこのパツキングは毎回使
用ごとにおねば等でよごれてしまうたため、取り
はずして洗浄し再び取りつけて使用する。これら
からパツキング２１の舌片２１ｂに劣化やへたり
が生じ、内カバー１０の内面１０ａに圧接する作
用がうすれ、ひいては蒸気のシール性の低下をま
ねくなどの欠点を有していた。

また保温時中蓋１９の温度は、蓋保温ヒータ１
１を配設した放熱板１２と、外周に胴ヒータ４ａ
を備えた外釜４との熱バランスにより、内釜６内
の飯温よりも２〜３℃高目に設定され、保温時に
中蓋１９への結露を防止してご飯の中への滴下を
防止している。しかるに中蓋１９の外周部と内釜
６のフランジ部６ａとは、パツキング２１を介し
て熱交換を行なつているため、外気温の変化、炊
飯量の多少、使用電源電圧の変動等で、微妙に熱
バランスをくずし、中蓋１９の内面や、内釜６の
内周面への露付の原因を生じ保温効果の悪化をま
ねいていた。

本考案は上記従来の欠点を除去するため、中蓋
外周部に、直接内釜と当接するカーリング部を設
け、このカーリング部の上部に内釜と外フタ内面
とにそれぞれ圧接して同時にシールするパツキン
グを設けることにより、おねばや蒸気が外蓋内側
面より外部へ流出することを防止すると共に、中
蓋と内釜との熱伝導を良好にして中蓋内面や内釜
内周面への露付をなくしたものである。

以下第５図、第６図に示す本考案の一実施例に
より説明すると、２２はアルミ製の中蓋で、おね
ば回収口２２ａを蒸気抜筒１７とは所定の距離を
保つた直角方向に設けてあり、かつシリコーンゴ
ム製のブツシユ２３を備え、このブツシユ２３に
は内釜６内からの蒸気やおねばを中蓋２２上面に
もれ出るのを防ぐカバー部２３ａが一体に設けら
れている。

一方、中蓋２２の外周縁に形成したカーリング
部２２ｂは、直接内釜６のフランジ部６ａと当接
させ、中蓋２２と内釜６との熱伝達を良好にさせ
いる。そしてカーリング部２２ｂの上部に内カバ
ー１０の内面１０ａに圧接する舌片２４ａと内釜
６のフランジ部６ａに圧接する舌片２４ｂを備え
たシリコーンゴム製の環状パツキング２４が設け
られており、外蓋８を閉塞すると各々の舌片２４
ａ，２４ｂが、互いに反発しあうように逆向きに
圧接させてシール性の効果を大にしている。

以上の様に構成された本考案による圧力タイプ
のジヤー炊飯器によれば、中蓋２２のカーリング
部２２ｂは炊飯時、保温時共、内釜６のフランジ
部６ａに直接圧接されているため、内釜６と中蓋
２２の熱伝導が効果的に行なわれ、炊飯時には、
ご飯を内釜全体から加熱しご飯を十分α化させる
効果を持つと同時に、保温時には蓋保温ヒータ１
１と、胴保温ヒータ４ａとの熱バランスの設定が
容易にでき、中蓋２２の内面や、内釜６の内周面
への結露を確実に防ぐことができ、炊飯性能を一
段と向上することができる。またシリコーンゴム
製のパツキン２４に寸法誤差やへたりなどが生じ
ても、前記パツキンには、内カバー１０の内周部
１０ａと、内釜６のフランジ部６ａに対し互いに
逆方向へ圧接される舌片２４ａ，２４ｂが設けて
あり、これらの舌片が互いに反発しあうので、シ
ール性能の向上がはかれ、寸法精度や、高価な材
質のゴムを使用する必要がない等の効果を有す
る。

【図面の簡単な説明】

第１図〜第４図は従来のジヤー炊飯器を示すも
ので、第１図は側断面図、第２図は平面図、第３
図は要部断面図、第４図はその中蓋とブツシユの
分解斜視図である。第５図は本考案の一実施例を
示す要部断面図で、第６図はその中蓋とブツシユ
の分解斜視図である。 図中、１は器具本体、６は内釜、８は外蓋、１
７は蒸気抜筒、１８は蒸気抜弁、２２は中蓋、２
２ｂはカーリング部、２４はパツキング。

Claims (1)

1. 【実用新案登録請求の範囲】 器具本体内に収納される内釜と、該内釜の開口
   部を覆う中蓋と、上記内釜の開口部および中蓋上
   方を気密に覆う外蓋と、該外蓋に設けられ炊飯中
   に発生する蒸気量をコントロールする蒸気抜弁
   と、内釜と外蓋内面とにそれぞれ圧接してシール
   するパツキングとを備えたジヤー炊飯器におい
   て、 上記パツキングが中蓋外周部に形成されたカー
   リング部に装着され、 かつ内釜上部のフランジ部と外蓋内面とに互い
   に反発して当接する２個の舌片を備えていること
   を特徴とするジヤー炊飯器。