JPS5856572Y2 - 調理器の蒸気抜き装置 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は炊飯器、鍋など調理器の蓋に設ける蒸気抜き装
置に関し、加熱途中や保温時など蒸気抜き不要時は蓋の
開口を閉塞し、蒸気発生時にはその度合に応じた蒸気抜
きの開口を形成するようにしたものである。

従来、単に蓋に開口を設けたものや、２重蓋等にあって
屈折した連通口を設けたものは、加熱時には熱効率を悪
くシ、保温時には温度降下を早めるだけでなく、におい
を周囲に放散したり炊飯器にあってはご飯を乾燥させる
欠点がある。

又特に開口を設けず蓋載置部より内圧により蒸気を逃が
すものは、蓋の傾斜により構成される微少で細長い空隙
と蓋重量等が関連し、不要な泡の発生や飛沫を発生し不
都合を生ずる。

一方、垂設しまた弁座と錘式弁を備えた圧力鍋等も知ら
れているが、これらは高圧を制御するもので構造も複雑
で一般調理器向きには適切なものではない。

本考案は上記した問題を解消したものであり、以下蓋体
に開閉、運搬用バンドルを備えたいわゆ゛るキャリバン
ドル式の電気炊飯器に実施した例について説明する。

図において１は炊飯器の筒状本体、２は本体１内に着脱
自在に設けられる鍋である。

本体１の上端−側にはヒンジ部３が設けられ、このヒン
ジ部に対向する位置にフック受は部５が設けられている
。

６はヒンジ部３に一端を軸支された橋架状の把手部であ
り、ヒンジ部４の他側にはフック７が設けられ、フック
受は部５に保合が可能である。

把手部６の下方には、鍋２の開口をおおうステンレス製
の蓋４がねじ９，９により固定され、バンドルの操作に
より、蓋の開閉、器具の運搬が可能である。

蓋４の中央には弁体１０を挿入する方向性を有する角孔
等の開口８が設けられている。

弁体１０は強化ナイロンなどの蒸気温度に耐える耐熱性
と一定の弾力性を有しかつ、比較的軽い素材で一体成形
されたもので、上部に開口８を閉成するに充分な大きさ
の弁部１１と、この下方に垂下し、開口８内を上下に移
動する一対の枠状部１２、さらにこの下方に設は図中の
ａ＞ｂ寸法の関係で抜は止めとなる突出部１３より構成
される。

以上の構成において弁体１０の突出部１３を枠状部１２
ごと若干変形させることにより、弁体１０は蓋４に装着
され、逆の操作で洗浄時などの分離がおこなわれる。

煮炊時の蒸気の流路は、わずかな内圧でも弁体１０はそ
の圧に応じた量Ｃだけ持ち上げられ、枠状部１２内の空
間を経由して、その露出開口部１４を経て特定方向（実
施例では把手方向と直角方向）へ放散されるものである
。

枠状部１２の開口部１４は、開口８の形状との関係で、
常に把手部６以外の方向に特定し、蒸気が把手部６にふ
れることをなくしている。

上記のように本考案によれば、保温時など蒸気の非発生
時は弁体で蓋の開口をおおうことができるので、従来例
で述べた欠陥がなく、煮炊中はその蒸気圧に応じた蒸気
の放出がスムースに行われ、弁体が軽いため飛沫を蓋の
周囲にとび散らせることがない。

また蒸気放出方向を特定すれば操作時に手指を蒸気にさ
らす不安もないものである。

そして炊飯器など泡の発生する器具においても枠状部が
適度に泡を破壊し泡と蒸気の分離が行われふきこぼれを
生ずることがない。

また弁体の構成が簡単で洗浄など取扱い性においてもす
ぐれているものである。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案実施例の電気炊飯器の上部断面図、第２
図は同要部断面図、第３図は同要部の分解斜視図である
。 ２・・・・・・鍋、４・・・・・・蓋、８・・・・・・
開口、１０・・・・・・弁体、１１・・・・・・弁部、
１２・・・・・・枠状部、１３・・・・・・突出部、１
４・・・・・・開口部。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 鍋と、鍋の開口部をおおう蓋と、蓋の一部に設けた開口
   に挿入する弁体とを備え、前記弁体は変形可能な樹脂製
   で、前記開口を閉塞する弁部と、この弁部から一体に垂
   下して二方向を開放し、下端で連接して相対した平板状
   の枠状部を有し、枠状部下端には開口に対し抜は止めと
   なる突出部を形成した調理器の蒸気抜き装置。