JPH0322647Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 （産業上の利用分野） 本考案は、電子レンジでの調理に使用する小型
の炊飯器に関するものである。

（従来の技術） 従来、電子レンジで炊飯することは一般に行わ
れているが、専ら電子レンジでの調理に使用する
炊飯器は存在しない。

（考案が解決しようとする問題点） 従来、電子レンジで炊飯する場合には、吹きこ
ぼれを防止するため、米と水の総量の５倍程度の
容量を持つた容器を用いる必要があり、炊飯量に
比してかなり大型となるため、取扱いに不便であ
るという問題点があつた。

本考案は、上記従来の問題点を解決し、比較的
小型の容器で煮こぼれなく、しかも適当な圧力を
かけつつ御飯を炊くことができる電子レンジ調理
専用の炊飯器を提供しようとするものである。

（問題点を解決するための手段） 本考案においては、上記従来の問題点を解決す
るため、容器１と、これに密嵌される内蓋２と、
この内蓋２上に被せられる外蓋３とを具備させて
電子レンジ用炊飯器を構成し、内蓋２には、中央
部に通気孔８を設け、外蓋３には、内蓋２の周縁
を覆つて煮こぼれを阻止するための環状のフード
１１を設けると共に、このフード１１の中央の通
気用開口１２を横断するように着脱用の把手１３
を設けた。

（作用） 本考案の炊飯器においては、容器１内に適当量
の米と水とを入れ、内蓋２、外蓋３で密閉して、
これを電子レンジにかける。沸騰により粘着性の
煮汁が内蓋２の中央の通気孔８から蒸気と共に吹
き出される。通気孔８は小径で、蒸気の吹き出し
に抵抗を与えるので、容器１内には適当な気圧が
かかり、これが良好な炊き上がり状態をもたら
す。小径の通気孔８から吹き出された煮汁は、沸
騰中に内蓋２の凹面７上にたまるが、内蓋２の周
縁を囲み覆うフード１１により煮こぼれが阻止さ
れる。炊き上がり後、電子レンジのスイツチを切
つて容器１内の気圧が下がると、内蓋２の凹面７
上にたまつていた煮汁は通気孔８に流入して容器
１内に戻される。しかして、炊き上がり後、しば
らくの蒸らし時間をおいて食に供する。

（実施例） 第１図乃至第４図に本考案の一実施例を示す。
第１図は炊飯器の正面図、第２図は炊飯器の平面
図、第３図は第２図−断面図、第４図はしや
もじを容器の縁に掛け止めた状態の側面図であ
る。

図示の実施例の炊飯器は、容器１と、これに密
嵌される内蓋２と、この内蓋２上に被せられる外
蓋３と、容器１を載せ置くトレイ４と、専用しや
もじ５とから成る。

容器１は、耐熱ガラス製で、上部外周の対向部
に外側へ水平に張り出すように嵌合固定された合
成樹脂製把手６を備えている。

内蓋２は合成樹脂製で、中央に向かつて徐々に
低くなる凹面７を備えると共に、中央に小径の通
気孔８を有し、かつ周囲がパツキング９を介して
容器１に気密に嵌合されるようになつている。ま
た、内蓋２の周縁には、凹面７を囲むように煮こ
ぼれ阻止用の環状の突縁１０が一体的に形成さ
れ、これが外蓋３のフード１１に螺合されてい
る。

フード１１は、湾曲した環状で、下縁が内蓋２
の突縁１０に連続して煮汁が外へこぼれ出ないよ
うに内蓋２の周縁を被つている。フード１１は、
中央部に通気用の円形の開口１２を備え、この開
口１２を横断するように把手１３が固着されてい
る。フード１１及び把手１３は何れも合成樹脂製
である。

トレイ４は、電子レンジ内において容器１の底
をテーブルから略１cm持ち上げて支持し、容器１
の全体が均一にマイクロ波電力を受けることがで
きるようにするためのものである。このトレイ４
は合成樹脂製で、上部に容器１の底を受ける凹所
１４を有すると共に、両側対向部に一対の指掛け
用の切欠き１５を備えている。

しやもじ４は、合成樹脂製で、握り部１７の基
部に引掛け突片１６を備えている。このしやもじ
５は、第４図に示すように、引掛け突片１６を容
器１の上縁の内側または外側に掛けて保持するこ
とができる。即ち、容器１に蓋が装着されている
ときには、第４図に実線で示すように、しやもじ
５を容器１の外側に掛け、また蓋を取り外したと
きには、第４図仮想線に示すように、しやもじ５
を容器１の内側に掛けておくことができる。

次に上記実施例の作用を説明する。この実施例
の炊飯器を用いて御飯を炊く場合には、容器１内
に適当量の米と水とを入れ、内蓋２、外蓋３で容
器１を密閉する。そして、容器１をトレイ４上に
載せた状態で電子レンジ内のテーブル上に載せ、
電子レンジを始動させる。容器１はトレイ４によ
り底をテーブルから略１cm持ち上げてマイクロ波
電力の弱い位置を避けて支持されるので、容器１
の全体が均一にマイクロ波電力を受ける。マイク
ロ波の照射により昇温して容器１内で沸騰が始ま
ると、粘着性の煮汁が内蓋２の中央の通気孔８か
ら蒸気と共に吹き出される。通気孔８は小径で、
蒸気の吹き出しに抵抗を与えるので、容器１内に
は適当な気圧がかかり、これが良好な炊き上がり
状態をもたらす。また、通気孔８から蒸気が吹き
出し、開口１２から外部に逃げることにより、容
器１内の気圧が適当に逃がされるので、容器１は
さほど高い耐圧強度を要求されず、その分小型軽
量化が可能である。蒸気の吹き出しにより小径の
通気孔８から吹き出された煮汁は、沸騰中に内蓋
２の凹面７上にたまる。しかし、内蓋２の周縁を
囲む環状の突縁１０、及び周縁を覆うフード１１
により煮こぼれや飛散が阻止される。炊き上がり
後、電子レンジのスイツチを切つて容器１内の気
圧が下がると、内蓋２の凹面７上にたまつていた
煮汁は傾斜に沿つて流れ、通気孔８に流入して容
器１内に戻される。この炊飯器を電子レンジから
取り出す場合には、比較的温度の低いトレイ４の
切欠き１５，１５に指を掛けてトレイ４もろとも
取り出せばよい。しかして、炊き上がり後、しば
らくの蒸らし時間をおき、しやもじ５を用いて茶
碗等に移して食に供する。

（考案の効果） 以上のように、本考案においては、容器１と、
これに密嵌される内蓋２と、この内蓋２上に被せ
られる外蓋３とを具備させて電子レンジ用炊飯器
を構成し、内蓋２には、中央部に通気孔８を設
け、外蓋３には、内蓋２の周縁を覆つて煮こぼれ
を阻止するための環状のフード１１を設けると共
に、このフード１１の中央の通気用開口１２を横
断するように着脱用の把手１３を設けたため、炊
飯中、通気孔８から吹き出された煮汁の溢出、飛
散をフード１１で有効に阻止し、煮汁を内蓋２の
上にためると共に、加熱停止後は煮汁を通気孔８
から容器１内へ戻し、また通気孔８からの蒸気の
吹き出しにより容器１内の気圧を適当に逃がすこ
とにより、煮こぼれなく、しかも適当な圧力をか
けつつ御飯を炊くことができる比較的小型軽量の
電子レンジ調理専用炊飯器を提供することができ
る。

【図面の簡単な説明】

図面は本考案の一実施例を示すもので、第１図
は炊飯器の正面図、第２図は炊飯器の平面図、第
３図は第２図−断面図、第４図はしやもじを
容器の縁に掛け止めた状態の側面図である。 １……容器、２……内蓋、３……外蓋、８……
通気孔、１１……フード、１２……開口、１３…
…把手。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 容器と、これに密嵌される内蓋と、この内蓋上
   に被せられる外蓋とを具備し、前記内蓋は、中央
   部に通気孔を備え、前記外蓋は、前記内蓋の周縁
   を覆つて煮こぼれを阻止するための環状のフード
   を備えると共に、このフードの中央の通気用開口
   を横断するように設けられた着脱用の把手を備え
   ていることを特徴とする電子レンジ用炊飯器。