JPS623050Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は、電気炊飯器等の調理用鍋の調圧装置
に関するものである。

本考案は、鍋蓋に内部に蒸気抜き通路を有する
調圧筒を設け且つ該調圧筒内に、前記蒸気抜き通
路を開閉し且つ外部に露出する作動杆を有する調
圧弁を、前記調圧筒内壁に案内されつつ自重によ
り落下して調圧筒内壁に形成された弁シート部に
着座し得るように配設するとともに、前記調圧筒
に、前記弁シート部の直上位置に開口する蒸気排
出用の横孔を形成したことを特徴とし、以つて、
鍋内部圧力を一定に保持し得るとともに、調圧状
態を外部から観察し得るようにすることを目的と
するものである。

以下、添付の図面を参照して本考案の実施例に
かかる鍋の調圧装置を説明する。

本実施例は、本考案の調圧装置を電気炊飯器に
適用したものを示している。

図において、符号１は鍋２を収納すべき炊飯器
本体、３は炊飯器本体１に対して開閉自在な蓋
体、４は前記鍋２の上部開口を覆蓋すべく蓋体３
下面に取付けられた鍋蓋、５は鍋蓋４に設けられ
た調圧装置である。

前記調圧装置５は、鍋蓋４に設けられた調圧筒
６と該調圧筒６内壁に案内されつつ蒸気圧および
自重によつて上下動し得るように配設された調圧
弁７とによつて構成されている。

前記調圧筒６は、上端面を前記調圧弁７が着座
する弁シート部８となした弁座部６ａと該弁座部
６ａ上端外周に螺着されて前記調圧弁７を内壁に
沿つて案内する案内部６ｂとからなつており、内
部には蒸気抜き通路９が形成されている。

前記弁座部６ａ下端には、大径の取付座１０が
一体に形成されており、該取付座１０を鍋蓋４に
リベツト１１で固着することによつて調圧筒６が
鍋蓋４に固定されている。調圧筒６は、取付状態
において蓋体３に形成された貫通孔１２に貫挿さ
れて外方に突出されている。符号１３は取付座１
０の下部開口を覆蓋するカバー、１４は鍋２内と
蒸気抜き通路９とを連通する連通孔、１５はカバ
ー１３内に溜る煮汁あるいは御飯のおネバ等を流
出せしめる逃がし孔である。

又、弁シート部８には、鍋２内の負圧を解消す
るための切欠溝１６が適数個形成されている。

更に、前記案内部６ｂには、前記弁シート部８
の直上位置に開口する蒸気排出用の横孔１７，１
７が形成されている。符号１８は案内部６ｂ上面
に形成された蒸気排出用の孔である。

一方、調圧弁７の上面には、前記案内部６ｂ上
面に形成された通孔１９を貫通して上方に突出せ
しめられた作動杆２０が一体に突設されている。
該作動杆２０は、調圧弁７の開閉作動に伴つて上
下動して、調圧状態を外部に表出する作用をな
す。

図面中、符号２１は貫通孔１２の下端をシール
するパツキン、２２は蓋体３内の断熱材を示す。

次に、図示の鍋の調圧装置の作用を説明する。

炊飯中において、鍋２内部の圧力が上昇する
と、蒸気抜き通路９の圧力も上昇し、該圧力が設
定値以上になると、調圧弁７が鎖線図示の如く押
し上げられて、弁シート部８を開放し、蒸気Ｓを
横孔１７，１７から逃がす。この時、蒸気Ｓは、
調圧弁７の最大外径部下端７ａが横孔１７の下端
１７ａを通過するまでは、殆ど逃げないが、通過
後には急激に逃げる。従つて、調圧弁７の上下ス
トロークは、調圧弁最大外径部下端７ａと横孔
下端１７ａとの間の距離ａによつて決定されるこ
ととなる。即ち、距離ａが大きいとストローク
が大きくなり、距離ａが小さいとストロークｌも
小さくなる。このことより、横孔１７は所望のス
トロークに応じて位置決定されるが、望ましく
は、弁シート部８の直上位置とされる。

蒸気Ｓの逃げによつて内部圧力が低下すると、
調圧弁７が自重にて下降し、弁シート部８を閉塞
する。上記作動を繰り返すことによつて、調圧弁
７が高頻度で上下動する、所謂ピストン調圧が行
なわれ、鍋２内の圧力が所定圧力に保たれるので
ある。そして、この調圧状態は、調圧弁７に一体
形成した作動杆２０の上下動として外部から観察
されるのである。

なお、前記設定圧力値は、調圧弁７の重量と蒸
気抜き通路９の断面積とによつて決定されるもの
であり、調圧弁７を重くすると設定圧力は大きく
なり、又、蒸気抜き通路９の断面積を大きくする
と設定圧力は低くなる。

上記説明では、電気炊飯器を実施例としている
が、本考案は他の調理器にも適用可能なことは勿
論である。

続いて、本考案の鍋の調圧装置の効果を述べ
る。

叙上の如く、本考案によれば、鍋蓋４に設けら
れる調圧筒６内に、該調圧筒６内の蒸気抜き通路
９を開閉する調圧弁７を、前記調圧筒６内壁に案
内されつつ自重により落下して調圧筒６内壁に形
成された弁シート部８に着座し得るように配設す
るとともに、前記調圧筒６に、前記弁シート部８
の直上位置に開口する蒸気排出用の横孔１７を形
成したので、鍋２内の圧力変動に対応して調圧弁
７が高頻度で上下動を繰り返すという、所謂ピス
トン調圧が可能となり、極めて簡易な構造である
にもかかわらず、鍋内部の圧力を所定の圧力に保
持することができるという実用的な効果がある。

また、前記調圧弁７に、外部に露出する作動杆
２０を設けて、調圧弁７の上下動を外部から観察
できるようにしたので、調圧状態および調理状態
を外部から興味深く観察することができ、視覚的
効果が高くなるという効果もある。

【図面の簡単な説明】

図面は、本考案の実施例にかかる調圧装置を備
えた電気炊飯器の要部断面図である。 ４……鍋蓋、６……調圧筒、７……調圧弁、８
……弁シート部、９……蒸気抜き通路、１７……
横孔、２０……作動杆。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 鍋蓋４に、内部に蒸気抜き通路９を有する調圧
   筒６を設け且つ該調圧筒６内には、前記蒸気抜き
   通路９を開閉し且つ外部に露出する作動杆２０を
   有する調圧弁７を、前記調圧筒６内壁に案内され
   つつ自重により落下して調圧筒６内壁に形成され
   た弁シート部８に着座し得るように配設するとと
   もに、前記調圧筒６には、前記弁シート部８の直
   上位置に開口する蒸気排出用の横孔１７を形成し
   たことを特徴とする鍋の調圧装置。