JPS5843113Y2 - テ−プカセツト - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は、不使用時にテープリールが回転し、このテー
プリールに巻装された磁気テープに巻き緩みが生ずるの
を防止するため、上記テープリールの自由な回転を阻止
するリールブレーキ装置を備えたテープカセットに関し
、特に上記リールブレーキ装置に付勢力を付与するため
配設されるスプリングの組付は作業の自動化を達成する
とともに組付は作業時におけるスプリングの確実な保持
固定を確保しようとするものである。

従来の上述したようなリールブレーキ装置は、第１図に
示すような構成でテープカセット内に取付けられている
。

この構成を詳述すると磁気テープ１が巻装されているテ
ープリール２を抑圧ロックし該テープリール２０回転を
阻止する抑圧部材であるリールロック部材３は、テープ
カセットを構成する下部ハーフである第１のカセットシ
ェル４の上記テープリール２の近傍に植立された支軸５
Ｋ、貫通孔６を有するボス部Ｉを嵌挿し、この支軸５を
中心に回動自在に取付けられている。

このリールロック部材３は、上記ボス部７から延設され
た腕部８の一側に、コイルスプリング９の少なくとも一
端９ａが係止される第１のスプリング係止部１０が形成
されている。

そして、上記腕部８の先端には、上記係止部１０とは逆
方向に湾曲され、テープリール２のフランジ部１１の外
周縁に刻設された係合凹部１２に係合するロック爪１３
が形成されている。

このように形成されたリールロック部材３が、第１図に
示すように、ロック爪１３をテープリール２のフランジ
部１１の係合凹部１２に向き相うようにして支軸５に嵌
挿されたとき、このリールロック部材３の一側に設けら
れた第１のスプリング係止部１０と相対向するように・
第１のカセットシェル４の側壁１４Ｋ、上記係止部１０
と同様にコイルスプリングの他端９ｂが係止される第２
のスプリング係止部１５を設けている。

そして、上記第１および第２のスプリング係止部１０．
１５間にわたって、両端をクローズドエンドに処理した
コイルスプリング９を配設すると、リールロック部材３
は上記スプリング９によってテープリール２方向へ回動
しようとする付勢力が与えら札 ロック爪１３がフラン
ジ部１１に刻設された係合凹部１６に係合し、上記テー
プリール２をロックし、回転を止めるように作用する。

このような構成において、コイルスプリング９を第１の
スプリング係止部１０と第２のスプリング係止部１５間
に配設するには、テープリール２等を取付ける前に、第
１図に示すようにリールロック部材３を第１のカセット
シェル４の内方側に回動させ、第１のスプリング係止部
１０と第２のスプリング係止部１５の距離ａを少なくと
もコイルスプリング９が伸張したときの長さＡよりも犬
となるようにする。

この状態で、第１．第２のスプリング係止部１０．１５
間にコイルスプリング９を配設し、次いでリールロック
部材３をコイルスプリング９の圧縮弾性力に抗して上記
側壁１４方向に回動させておき、テープリール２等を配
設する。

そうすると、リールロック部材３はコイルスプリング９
によってテープリール２方向に付勢され、上述したよう
にテープリール２０回動をロックする状態にたる。

ところで、第１及び第２のスプリング係止部１０゜１５
間に配設されるコイルスプリング９は押えがないため、
組立て後上記係止部１０．１５から脱落してしまうので
、たとえば上部ハーフである第２のカセットシェル１６
の内周壁面にスプリング脱落防止用の押え部材であるボ
ス１７を上記スプリング９の配設位置に対応する所に設
けておく必要がある。

そして、第１及び第２のカセットシェル４．１６を、そ
れぞれに設けた嵌合ピン１８と嵌合穴１９とを介して相
対嵌合して一体化したとき、上記脱落防止用ボス１７で
第２図に示すようにコイルスプリング９を支持するわけ
である。

ところが、このようなボス１７による脱落防止において
は、上下のカセットシェル４．１６を組み合わせるまで
の工程中に振動が加わると、コイルスプリング９が外れ
てしまう欠点がある。

本考案は、このような従来の欠点を解決するため、上記
コイルスプリング等のバネ部材の一端を抑圧部材ニ固定
し、上下のカセットシェルを組み合わせるまでの工程中
に振動によるコイルスプリングの脱落を防止し、組立て
作業を容易にするとともに、組立ての自動化による大量
生産効率の向上をも図ることを目的とする。

以下、本考案に係る好ましい実施例について、第３図な
いし第７図を参照しながら説明する。

第３図は、テープカセットの巻取り側テープリール近傍
において、このテープリールを押圧しロックする押圧部
材を配設した状態を示すものである。

この第３図において、リールフレーキ装置２０は、磁気
テープ２１を巻取り巻装してゆくテープリール２２を、
不使用時に回転不能に抑圧ロックする。

このようなリールフレーキ装置２０を構成する抑圧部材
であるリールロック部材２３は、テープカセットの外筐
を構成する下部ハーフである第１のカセットシェル２４
における上記テープリール２２の近傍に植立された支軸
２５に、貫通孔２６を有するボス部２７を嵌挿し、この
支軸２５を中心に回動自在に取付けられている。

このリールロック部材２３は、第４図および第５図に示
すように、支軸２５に嵌挿されるボス部２７から延設さ
れた腕部２８の所定位置に、バネ部材であるコイルスプ
リング２９の一端２９ａを嵌合固定するための略Ｖ字状
の切欠溝３０が形成されている。

この切欠溝３０の下端部近傍には、コイルスフリング２
９の周囲三方を囲むような規制壁３１が形成されており
、これら切欠溝３０および規制壁３１により第１のスプ
リング係止部３３を構成している。

ここで、腕部２８の切欠溝３０は、第６図に示すように
、コイルスプリング２９の一端２９ａが嵌合される部分
の溝巾ｄをコイルスプリング２９の外径りよりも狭くす
るとともに、この部分の腕部２８の肉厚ｙをコイルスプ
リング２９のらせんのピッチＹより広くする（Ｄａｄ。

ｙ＞Ｙ）ことにより、この切欠溝３０にコイルスプリン
グ２９が確実に嵌合固定されて抜は落ちることが少ない
。

そして、上記腕部２８先端には、上記係止部３３とは逆
方向に彎曲され、テープリール２２のフランジ部３５の
外周縁に刻設された係合凹部３６に係合するロック爪３
７が形成されている。

また、腕部２８のボス部２７側の基端付近には、テープ
カセットを記録再生装置に装着した際、磁気テープ２１
が引出される開口４０を不使用時に覆うカセットカバー
４１０回動軸４２に突設された作動片４３によって押圧
回動され、組立て時にあっては、第１のカセットシェル
２４の底壁４４に植立されたピン状の係止部４５と相対
当接しリールロック部材２３のテープリール２２の配設
方向への回転を規制する当接部である舌状片４６が上記
腕部２８に直交するように設けられて（・る。

さらに、上記ボス部２７近傍には、該ボス部２７と並列
に支持片４７．４７を介してテープガイド４８が一体的
に取付けられている。

このように形成されたリールロック部材２３が、第３図
に示すように、ロック爪３７をテープリール２２のフラ
ンジ部３５の係合凹部３６に向き相うようにして支軸２
５に嵌挿されたとき、このリールロック部材２３の一側
に設けられた第１のスプリング係止部２３と相対向する
ように、コイルスプリングの他端２９ｂが係止される相
対向して設けられた第１及び第２の規制壁５０．５１と
底壁５２とを有する第２のスプリング係止部５３を設け
る。

そして、上記第１及び第２のスプリング係止部３３．５
３間に亘って両端をクローズドエンドに処理したコイル
スプリング２９を配設すると、リールロック部材２３は
上記スプリング２９によって、テープリール２２方向へ
回動しようとする付勢力が与えられ、ロック爪３７がフ
ランジ部３５に刻設された係合凹部３６に係合し、上記
テープリール２２をロックし回転を止めるように作用す
る。

ここで、両端をクローズドエンドにしたコイルスプリン
グ２９を用いるのは、パーツフィーダー等で整列する場
合にコイルスプリング２９どうじがからみ合うのを防止
できスムーズに分離するためである。

上述のように構成されるリールフレーキ装置２０を組付
けるには、まず部品単位としてのリールロック部材２３
の腕部２８の切欠溝３０に、コイルスプリング２９の一
端２９ａを嵌合固定しておき、カセットカバー４１及び
テープリール２２を第１のカセットシェル２４に取付け
る前に、ロック爪３７がテープリール２２方向へ向くよ
うにして上記コイルスプリング２９が固定されているリ
ールロック部材２３を第７図に示すように支軸２５に嵌
装する。

この第７図に示すように第１のカセットシェル２４に配
設されたり−ルロツク部材２３は、コイルスプリング２
９を第１及び第２のスプリング係止部３３及び５３間に
配設するためテープリール２２の取付は側へ回動させら
れると、舌状片４６が係止部４５と相対当接しテープリ
ール２２の取付は側方向への回動が一度阻止される。

このように舌状片４６と係止部４５が相対当接し、リー
ルロック部材２３０回動が阻止されたとき、第１のスプ
リング係止部３３と第２のスプリング係止部５３とのそ
れぞれの対向する内壁間の距離ａは、ここに配設される
コイルスプリング２９の常態時であるいずれの付勢力を
も受けないで伸長したときの腕部２８から突出する部分
の長さＡよりも少なくとも大きく構成されている。

すなわち、舌状片４６と係止部４５は、第１及び第２の
スプリング係止部３３及び５３間の上記距離ａが少なく
ともコイルスプリング２９の上記突出部分の長さＡより
も小さくならない位置で互いに当接し、リールロック部
材２３の回動を一度阻止するように上記リールロック部
材２３及び第１のカセットシェル２４にそれぞれ設けら
れている。

ところで、上述のように第１及び第２のスプリング係止
部３３及び５３の距離ａがコイルスプリング２９の突出
長さＡより小さくては、上記コイルスプリング２９が嵌
合固定されたリールロック部材２３を、コイルスプリン
グ２９の他端２９ｂが第２のスプリング係止部５３内に
位置するように配設しようとしても該コイルスプリング
２９を圧縮しなげればならずパーツフィーダー等の自動
ｋによって自動的に行うことは極めて難しい。

そこで、ピン状の係止部４５を長尺状とする等して可撓
性を有し屈曲可能となるように形成するとともに、該係
止部４５と舌状片４６が当接し、リールロック部材２３
０回動を一度阻止した状態からさらに上記リールロック
部材２３のロック爪３７部分等の一部を所定の抑圧手段
で押圧し上記り−ルロツク部材２３をテープリール２２
の配設方向へＩＩＪ的に回動せしめるようにしてもよい
。

したがって、抑圧部材であるリールロック部材２３は、
その腕部２８にバネ部材であるコイルスプリング２９の
一端２９ａが嵌合固定された状態で、下部ハーフである
カセットシェル４に組み込まれるため、上部ハーフであ
るカセットシェルを相対嵌合して一体化する前に、コイ
ルスプリング２９が振動等により脱落することを防止で
きる。

さらに、コイルスプリング２９が嵌合固定されたリール
ロック部材２３をカセットシェル４に組ミ込む際には、
リールロック部材２３の舌状片４６が係止部４５に当接
するような回動位置で支軸２５に嵌挿することにより、
スプリング２９の突出側の先端２９ｂがスプリング係止
部５３内に円滑に（スプリング２９を圧縮することなく
）案内される。

このようなスプリング２９の脱落防止作用およびリール
ロック部材２３０組み込み容易性は、テープカセットの
組み立てを自動化する上で極めて重要なことであり、た
とえば、コイルスプリング２９が組立工程中で脱落して
正常なリールブレーキ効果が得られないような不良品が
生産される割合を大巾に低下させ得る点や、組立工程中
にコイルスプリング２９を圧縮させるような複雑な工程
を不要とする点で、大量生産効率を着るしく向上させる
ことができる。

なお、本考案は上記実施例のみに限定されるものではな
く、たとえばバネ部材としてはコイルスプリング２９の
他に、板バネ等の弾性復帰力を有する部材が使用できる
。

また、このようなコイルスプリング２９等のバネ部材は
、その一端を上述の第２のスプリング係止部５３側に固
定してもよい。

さらに、バネ部材係止部の少なくとも一方へのバネ部材
の固定は、嵌合固定の他にも種々の固定が行なえ、たと
えば抑圧部材のモールド成型時にバネ部材を挿入してお
く、いわゆるインサート成型により固定してもよい。

【図面の簡単な説明】

第１図は従来のテープカセットにおけるテープリールと
リールロック部材の取付は状態を示す平面図であり、第
２図はそこに用いられるバネの支持構造を示す断面図で
ある。 第３図は本考案によるテープカセットにおけるテープリ
ールとリールロック部材の取付は状態を示す平面図であ
り、第４図は本考案に用いられるリールロック部材の斜
視図であり、第５図は該リールロック部材の正面図であ
り、第６図は該リールロック部材へのコイルスプリング
の嵌合固定を説明するための要部平面図であり、第７図
はリールロック部材を第１のカセットシェルに組込んだ
状態を示す平面図である。 ２０・・・・・・リールブレーキ装置、２２・・・・・
・テープリール、２３・・・・・・リールロック部材、
２４・・・・・・第１のカセットシェル、２９・・・・
・・コイルスプリング、３３・・・・・・第１のスプリ
ング係止部、４５・・・・・・係止部、４６・・・・・
舌状片、５３・・・・・・第２のスプリング係止部、５
５・・・・・・舌状片に設けた屈曲可能部。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. カセットシェルに回転自在に取付けられ磁気テープが巻
   装されるリールを押圧する抑圧部材と、上記カセットシ
   ェル内の上記抑圧部材と対向する位置に、相対向してそ
   れぞれバネ部材係止部を形成し、これらバネ部材係止部
   間に配設されるバネ部材の少なくとも一端を上記バネ部
   材係止部の少なくとも一方に固定し、上記抑圧部材にリ
   ール方向への付勢力を与えるようにしたリールブレーキ
   装置を備え、上記抑圧部材に設けた蟲接部と上記カセッ
   トシェルに設けた係止部とが相対当接したときに、上記
   各バネ部材係止部間の距離を少なくとも上記バネ部材の
   突出長よりも大きくしたことを特徴とするテープカセッ
   ト。