JPH0525103Y2

JPH0525103Y2 -

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Publication number: JPH0525103Y2
Application number: JP1986145702U
Authority: JP
Priority date: 1986-09-22
Filing date: 1986-09-22
Publication date: 1993-06-24
Anticipated expiration: 2001-09-22
Also published as: JPS6352188U

Description

【考案の詳細な説明】〔産業上の利用分野〕本考案は、ビデオテープレコーダ（以下、
VTRという）等に使用される磁気テープカセツ
トに係り、特にVTR挿入側となるカセツト本体
の前部に回動可能に被着される前蓋及び回動支軸
に装着される前蓋を常時閉方向へ付勢するスプリ
ングの抜け止め構造に関する。

〔従来の技術〕

VTRに使用される従来の磁気テープカセツト
では、カセツト本体からその前部に繰り出される
磁気テープを開閉可能に覆う前蓋が被着されてお
り、第５図にこの種の磁気テープカセツトを下ハ
ーフ側から見た一部切欠き背面図を、第６図に第
５図の−断面図を示す。

磁気テープカセツト１は、上ハーフ２と下ハー
フ３とで形成したカセツト本体４内に、磁気テー
プ５を巻装する供給リール６と巻取りリール７と
が収納され、VTR挿入側となるカセツト本体４
の前部には、両リール６，７から繰り出されて、
テープガイド部４ａ，４ａの前面を走行する磁気
テープ５を開閉可能に覆う前蓋８が被着されてい
る。

この前蓋８は、前板８ａと天板８ｂの両側に側
板８ｃ，８ｃを延設した平面略コ字状に形成さ
れ、該側板８ｃの内側に突設した回動支軸９，１
０を、上ハーフ２の側壁２ａ，２ａの前部側に軸
支して取付けられるもので、長軸の回動支軸９に
は、前蓋８を常時閉方向に付勢するスプリング１
１が装着されている。

このスプリング１１は、線ばね材を折曲して形
成したつる巻き状のもので、コイル部１１ａを回
動支軸９に外嵌して、固定端１１ｂを該支軸９に
突設した係止ピン１２に係止し、自由端１１ｃを
上ハーフ２の内面に形成したガイド溝１３に遊嵌
すると共に、中間部を上ハーフ２内面に圧接して
して取付けられる。

そして、前蓋スプリング１１を装着した前蓋８
は、上ハーフ２の一方の側壁２ａに形成した装着
凹部１４に一方の回動支軸９を支持し、他方の回
動支軸１０を他方の側壁２ａの軸孔に軸支して上
ハーフ２に組付けた後、両ハーフ２，３を接合
し、両ハーフ２，３により装着凹部１４に形成さ
れる挿通孔に前記回動支軸９を支持し、両ハーフ
２，３をビス１５で螺着してカセツト本体４を形
成することにより、スプリング１１の弾発力に
て、前蓋８が常時閉方向に付勢される。

〔考案が解決しようとする課題〕

しかしながら、上述のものでは、上ハーフ２に
前蓋８を組付けた際に、つる巻き状のスプリング
１１の中間部と自由端１１ｃのみが上ハーフ２内
面に圧接しているので、スプリング１１の弾発力
により前蓋８と上ハーフ２の連結状態が不安定
で、回動支軸９が装着凹部１４から外れ易く、ま
た、上ハーフ２と下ハーフ３との接合前であるた
め、装着凹部１４には、前記回動支軸９を支持す
る挿通孔が形成されていないから、スプリング１
１を装着した回動支軸９が装着凹部１４から外れ
易く、再組付けの手間がかかり、またスプリング
１１を紛失するなど作業性が悪かつた。

本考案は、かかる実情を背景にしてなされたも
ので、前蓋を上ハーフに確実に係止して、組付け
作業性を向上すると共に、回動支軸に装着される
前蓋を常時閉方向へ付勢するスプリングの抜け止
め図つた磁気テープカセツトを提供することを目
的としている。

〔課題を解決するための手段〕

本考案は、上述の目的を達成するため、下ハー
フと接合されてカセツト本体を形成する上ハーフ
の一方の前部側壁に、下ハーフ側を開口した装着
凹部を形成し、カセツト本体の前部を開閉可能に
覆う前蓋に設けた一方の回動支軸に、該前蓋を常
時閉方向へ付勢するスプリングを装着し、前記装
着凹部に回動支軸を支持する磁気テープカセツト
において、該回動支軸に、その先端面に開口する
スリツトを軸方向に形成すると共に、前記スプリ
ングを、一端に前記スリツトに挿入される直線部
と、該直線部に続いて前記回動支軸の略半周を抱
持する抱持部と、上ハーフ前部内面に摺動可能に
圧接される他端と、前記抱持部と他端との間に下
ハーフ側に膨出する湾曲部とを有する板ばねで形
成し、前記上ハーフの内面に固定される基端と、
該基端に続いて前記スプリング側へ折曲する折曲
部と、該折曲部に続いて前記スプリングに近接し
た後回動支軸の先端外周に当接または近接する先
端とを有する弾性係止部材を配設したことを特徴
とするものである。

〔作用〕

したがつて、回動支軸に装着されるスプリング
を、回動支軸に係止される一端と上ハーフ前部内
面に摺動可能に圧接される他端との間に下ハーフ
側に膨出する湾曲部を有する板ばねで形成したの
で、前蓋を上ハーフに組付けた際に、該スプリン
グの弾発力は、回動支軸と上ハーフの前部内面に
略均等にかかるため、つる巻き状ばねからなるス
プリングを用いた場合に比べ、回動支軸が上ハー
フの切欠部のコーナーから殆ど浮き上がらず、上
ハーフに下ハーフを組付ける前でも外れにくい状
態にある。

しかも、前記回動支軸を上ハーフの装着凹部に
装着する際に、弾性係止部材はその弾性力により
回動支軸の進入を許容するから、前蓋に無理な負
荷をかけずに挿入でき、また装着凹部に挿入され
た回動支軸は、押圧を解除されて現位置に復帰し
た弾性係止部材の先端にて抜け止めされて、上ハ
ーフに前蓋を脱落なく確実に装着できる。

また、回動支軸のスリツトに挿入されたスプリ
ングは、回動支軸を抜け止めしている弾性係止部
材により回動支軸の先端側への移動を規制され
て、回動支軸から抜け落ちることがない。

〔実施例〕

以下、本考案の一実施例を第１図乃至第３図に
基づいて説明する。

尚、上記従来例と同一構成部分については、同
一符号を付して詳細な説明を省略する。

上ハーフ２の装着凹部１４に支持される前蓋８
の回動支軸２０には、先端面２０ａに開口するス
リツト２１が軸方向に形成され、該スリツト２１
にスプリング２２が装着されている。

このスプリング２２は、所要長さに切断した板
ばね材を折曲して形成されるもので、一端に前記
スリツト２１に挿入される直線部２２ａと、該直
線部２２ａに続いて前記回動支軸２０の略半周を
抱持する抱持部２２ｂと、上ハーフ２前部内面に
摺動可能に圧接される他端２２ｃと、前記抱持部
２２ｂと他端２２ｃとの間に下ハーフ３側に膨出
する湾曲部２２ｄとを有している。

このスプリング２２の取付けは、両ハーフ２，
３の組付け時に湾曲部２２ｄが下ハーフ３側とな
るように向けながら、直線部２２ａを回動支軸２
０のスリツト２１へ挿入して、抱持部２２ｂで回
動支軸２０の略半周を抱持させて取付けられ、ま
た前蓋８を上ハーフ２に装着した際には、上ハー
フ２のガイド溝２３に遊嵌される他端２２ｃがス
トツパ突起２４に当接し、この反力で回動支軸２
０が装着凹部１４の隅部に圧接支持される。

また、前蓋開口用の案内溝４ｂを形成する上ハ
ーフ２内面の仕切壁２ｂ，２ｃの内、回動支軸２
０側の仕切壁２ｂには、板ばねで形成した弾性係
止部材２５が装着凹部１４側に固設されている。

弾性係止部材２５は、装着凹部１４の隅部に圧
接される前蓋８の回動支軸２０を抜け止めして開
閉時の回転をガイドするためのもので、仕切壁２
ｂに固定される基端２５ａと、該基端２５ａに続
いてスプリング２２側へ折曲する折曲部２５ｂ
と、該折曲部２５ｂに続いてスプリング２２に近
接した後回動支軸２０の先端外周に当接または近
接する先端２５ｃとを有し、基端２５ａを仕切壁
２ｂにビス止めして固定することにより、先端側
がスプリング２２と略平行に配置され、先端２５
ｃを回動支軸２０の先端外周に当接または近接配
置される。

したがつて、前蓋８の上ハーフ２への装着時に
装着凹部１４に挿入される回動支軸２０は、その
先端面２０ａが弾性係止部材２５の折曲部２５ｂ
と接触して、弾性係止部材２５の先端側を押し戻
しながら進入して行き、回動支軸２０が装着凹部
１４の隅部に到達すると、弾性係止部材２５は回
動支軸２０の押圧を解除されて復元力により原位
置に復帰し、先端２５ｃのガイドにより回動支軸
２０を抜け止めする。

前記スプリング２２の取付け部と対向する下ハ
ーフ３の隅部には、前蓋係止用の前蓋係止部材２
６が、上部両側の支軸２６ａ，２６ａを下ハーフ
３のリブ３ａ，３ａに回動可能に吊持されてお
り、該前蓋係止部材２６は、スプリング２２の湾
曲部２２ｄに押動される回動用の突片２６ｂと、
下ハーフ３の側壁３ｂから外部に突出するロツク
用突起２６ｃ及び解除用突起２６ｄとが設けら
れ、前蓋８はロツク用突起２６ｃと係合して閉状
態が保持されるもので、VTRの作用爪が解除用
突起２６ｄを押動して係合状態が解除される。

本実施例は以上のように、前蓋８の回動支軸２
０を上ハーフ２の装着凹部１４に挿入した際に
は、弾性係止部材２５は、その弾性力により進入
を許容するから、前蓋８に無理な負荷をかけずに
挿入でき、また装着凹部１４の隅部に挿入された
回動支軸２０は、押圧を解除されて現位置に復帰
した弾性係止部材２５の先端２５ｃにて抜け止め
されて、上ハーフ２に前蓋８を脱落なく確実に装
着できる。

さらに、弾性係止部材２５の先端２５ｃのガイ
ドにより、前蓋開閉時の回動支軸２０の回動を円
滑に行なえると共に、弾性係止部材２５の先端側
を、スプリング２２の一側へ平行に配置したか
ら、該スプリング２２のガタ付き及びこれによる
抜けを同時に防止することができる。

第４図は他の実施例を示し、本実施例では上記
実施例の構成に加えて、弾性係止部材２５の先端
２５ｃに回動支軸２０の外周と同径の円弧状の支
持部２７を形成して、該回動支軸２０を保持する
ようになしたもので、回動支軸２０のガタ付きを
抑え一層確実な抜け止めと回転ガイドを行なうこ
とができる。

尚上記実施例では、弾性係止部材を案内溝の仕
切壁に固設したもので説明したが、本考案はこれ
に限らず、上ハーフの内面に直接設けてもよい。

また弾性係止部材は、板ばね以外に棒状のばね
材によつても形成することができる。

〔考案の効果〕

以上説明したように、本考案の磁気テープカセ
ツトは、下ハーフと接合されてカセツト本体を形
成する上ハーフの一方の前部側壁に、下ハーフ側
を開口した装着凹部を形成し、カセツト本体の前
部を開閉可能に覆う前蓋に設けた一方の回動支軸
に、該前蓋を常時閉方向へ付勢するスプリングを
装着し、前記装着凹部に支持される回動支軸に、
その先端面に開口するスリツトを軸方向に形成す
ると共に、前記スプリングを、一端に前記スリツ
トに挿入される直線部と、該直線部に続いて前記
回動支軸の略半周を抱持する抱持部と、上ハーフ
前部内面に摺動可能に圧接される他端と、前記抱
持部と他端との間に下ハーフ側に膨出する湾曲部
とを有する板ばねで形成し、前記上ハーフの内面
に固定される基端と、該基端に続いて前記スプリ
ング側へ折曲する折曲部と、該折曲部に続いて前
記スプリングに近接した後回動支軸の先端外周に
当接または近接する先端とを有する弾性係止部材
を配設したので、前蓋を上ハーフに組付けた際
に、該スプリングの弾発力は、回動支軸と上ハー
フの前部内面に略均等にかかるため、つる巻き状
ばねからなるスプリングを用いた場合に比べ、回
動支軸が上ハーフの切欠部のコーナーから殆ど浮
き上がらず、上ハーフに下ハーフを組付ける前で
も、前蓋は外れにくい状態にある。

【図面の簡単な説明】

第１図乃至第３図は本考案の一実施例を示すも
ので、第１図は上ハーフの要部を内面から見た断
面背面図、第２図は第１図の−断面図、第３
図は同じく要部の断面図、第４図は他の実施例を
示す要部断面図、第５図及び第６図は従来例を示
し、第５図は磁気テープカセツトを下ハーフ側か
ら見た一部切欠き背面図、第６図は第５図の−
断面図である。２……上ハーフ、２ａ……側壁、２ｂ，２ｃ…
…仕切壁、３……下ハーフ、３ｂ……側壁、４…
…カセツト本体、５……磁気テープ、８……前
蓋、１４……装着凹部、２０……回動支軸、２１
……スリツト、２２……スプリング、２２ａ……
直線部、２２ｂ……抱持部、２２ｃ……他端、２
２ｄ……湾曲部、２５……弾性係止部材、２５ａ
……基端、２５ｂ……折曲部、２５ｃ……先端、
２７……円弧状の支持部。

Claims

【実用新案登録請求の範囲】

下ハーフと接合されてカセツト本体を形成する
上ハーフの一方の前部側壁に、下ハーフ側を開口
した装着凹部を形成し、カセツト本体の前部を開
閉可能に覆う前蓋に設けた一方の回動支軸に、該
前蓋を常時閉方向へ付勢するスプリングを装着
し、前記装着凹部に回動支軸を支持する磁気テー
プカセツトにおいて、該回動支軸に、その先端面
に開口するスリツトを軸方向に形成すると共に、
前記スプリングを、一端に前記スリツトに挿入さ
れる直線部と、該直線部に続いて前記回動支軸の
略半周を抱持する抱持部と、上ハーフ前部内面に
摺動可能に圧接される他端と、前記抱持部と他端
との間に下ハーフ側に膨出する湾曲部とを有する
板ばねで形成し、前記上ハーフの内面に固定され
る基端と、該基端に続いて前記スプリング側へ折
曲する折曲部と、該折曲部に続いて前記スプリン
グに近接した後回動支軸の先端外周に当接または
近接する先端とを有する弾性係止部材を配設した
ことを特徴とする磁気テープカセツト。