JPS642307Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は新規な小型テープカセツトに関する。
詳しくは、カセツトアダプタに装着された状態で
ビデオテープレコーダ又はビデオテーププレーヤ
（以下「VTR」と言う。）に使用される小型テー
プカセツトであつて、テープ保護のためにカセツ
トケース前面に回動自在に取着されているカバー
が開放されたときに、該カバーの高さが必要以上
に高い位置に来ないようにして、小型テープカセ
ツトが装着されるカセツトアダプタを普通サイズ
のテープカセツトと同じ大きさ及び同じ外形状に
することを可能にした新規な小型テープカセツト
を提供しようとするものである。VTR等に使用
されるテープカセツトにおいては、カセツトケー
ス内に収納されている磁気テープが使用時に該カ
セツトケースから引き出されてVTR内の回転磁
気ヘツド装置に巻装され、そして、使用が終了す
ると、カセツトケース外に引き出されていた磁気
テープが上記カセツトケース内に引き戻されるよ
うになつている。このため、テープカセツトにお
いては、不使用時には磁気テープがカセツトケー
スの前面両側寄りに形成された開口の間に架け渡
されカセツトケース前面に形成された凹部の前面
を横切る状態になつており、これを保護するため
にカセツトケースの前面を覆うカバーが付設され
ている。そして、このようなカバーは、テープカ
セツトがVTR等に装着されて使用されるときに、
前記ロツクが解除され、かつ、カバーが開放され
るものである。

ところで、最近においては、VTR等及びテー
プカセツトをより小型化する要求が高まつて来て
いる。又、その反面で、従来からのVTR等のユ
ーザーのためには従来の普通のサイズのテープカ
セツトと新規な小型テープカセツトとの間の互換
性を確保しておく必要がある。そこで、考えられ
ている方式の一つに、いわゆるカセツトアダプタ
方式と称されるものがある。この方式は、従来の
普通のサイズのテープカセツトと略同じ大きさ及
び同じ外形状を有するカセツトアダプタを用意し
ておき、このカセツトアダプタに小型テープカセ
ツトを装着し、該小型テープカセツトを装着した
カセツトアダプタを普通サイズのテープカセツト
用のVTR等に装着することによつて、小型テー
プカセツトをカセツトアダプタを介して従来の普
通のサイズのVTR等で使用することができるよ
うにしようとするものである。

ところで、上記の如きカセツトアダプタを使用
する場合、カセツトアダプタはその大きさが従来
の普通のサイズのテープカセツトの大きさを越え
ることができず、必然的にその内部空間の大きさ
も限定されてしまう。特に、上下方向即ち厚み方
向の寸法上の制約は重要である。即ち、前記した
互換性を持たせるため、磁気テープは従来の普通
のサイズのテープカセツトも小型テープカセツト
も同じ幅のものを用いることになるので、小型テ
ープカセツトもその厚み方向の大きさはカセツト
アダプタのそれとさ程変わらないものとなる。従
つて、カセツトアダプタ内に小型テープカセツト
を装着し、前記カバーを回動して開放する場合
に、カバーが上方に移動できる範囲が限定される
ことになり、この辺のことを充分に考慮しない
と、カバーが完全に開くことができず、磁気テー
プのローデイングが確実に行なわれない等の事故
の原因となる惧れがある。

そこで、本考案は、テープ保護のためにカセツ
トケース前面に回動自在に取着されているカバー
が開放されたときに、該カバーの高さが必要以上
に高い位置に来ないようにして、小型テープカセ
ツトが装着されるカセツトアダプタを普通サイズ
のテープカセツトと同じ大きさ及び同じ外形状に
することを可能にした新規な小型テープカセツト
を提供しようとするもので、普通サイズのテープ
カセツトと同じ大きさ及び同じ外形状を有し、小
型テープカセツトを装着して、該小型テープカセ
ツトを普通サイズのテープカセツト用のビデオテ
ープレコーダ等で使用することができるようにす
るためのカセツトアダプタに装着される小型テー
プカセツトであつて、カセツトケース内に配置さ
れたリールに巻装されたテープをカセツトケース
の外に引き出すためにカセツトケース前面に形成
された凹部と、該カセツトケースの前面部上方で
回動自在に装着された前記凹部を覆うカバーを設
けた小型テープカセツトにおいて、前記カセツト
アダプタのテープカセツト装着部に小型テープカ
セツトを装着した場合における前記カセツトアダ
プタの高さ規制面と小型テープカセツトの前記カ
バー前面に接し前記高さ規制面と直角に交わる面
との交点から延び前記２つの面のそれぞれから略
45゜離れた線上に前記カバーの回動支点を設けた
ことを特徴とする。

以下に本考案小型テープカセツトの詳細を実施
例に従つて添付図面によつて説明する。

１は普通サイズのカセツトアダプタに装着され
る小型ビデオテープレコーダ用の小型テープカセ
ツトであり、上ハーフ２及び下ハーフ３とから成
るカセツトケース４内に磁気テープ５の両端をそ
れぞれ巻装した２個のテープリール６及び７が配
置され、そして、このようなカセツトケース４の
テープ引出し部である前面部が開閉自在なカバー
８にて覆われている。

第３図は上記のようなテープカセツト１から上
ハーフ２とカバー８とを取り除いた状態を示す平
面図である。カセツトケース４内に回転自在に配
置されたテープリール６，７の一方６はテープ供
給リール（以下「Ｓリール」と言う。）で、他方
７が巻取りリール（以下「Ｔリール」と言う。）
となる。Ｓリール６から引き出された磁気テープ
５は、カセツトケース４前面の一側縁寄りの位置
に形成された開口９からカセツトケース４外に導
出され、カセツトケース４の前面の他側縁寄りの
位置に形成された開口１０からカセツトケース４
内に導入され、Ｔリール７に巻き取られる。ま
た、磁気テープ５はそれぞれの開口９，１０の他
の開口寄りに設けられたガイドピン１１，１２の
滑らかな外周面に沿わされている。１３，１４は
カセツトケース４内のテープリール６，７と開口
９，１０との間に設けられたピンで、磁気テープ
５の緊張時例えば使用時には磁気テープ５と接触
されないようになつている。１５はＳリール側に
設けられた接触片で、例えばポリエステルのよう
な弾性のあるプラスチツクシートから成り、基端
部がカセツトケース４の内壁内に貼着固定され、
先端部が前記ピン１３の外周面に弾接されてい
る。そして、この接触片１５の先端部のピン１３
と接触される面には辷り性の良好なるコーテイン
グ、例えばテフロン（商品名）の薄膜シートを貼
り合わせる等の、処理が施されている。１６も１
５と同様の接触片で、基端部がカセツトケース４
に固定され、先端部がピン１４の外周面に弾接さ
れている。しかして、磁気テープ５の例えば不使
用時の如き非緊張時には、磁気テープ５はピン１
３と接触片１５の先端との間及びピン１４と接触
片１６の先端との間で挟持され、磁気テープ５が
無用にカセツトケース４外へ引き出されてしまう
ことが防止される。

１７，１８は略Ｖ字状のリールストツパであ
り、Ｖ字の屈曲点位置でカセツトケース４に設け
られたピン１９，２０に回動自在に支持されてい
る。Ｓリール６側に配置されたリールストツパ１
７のリール側腕片２１の先端は稍外側へ屈曲され
た係止爪２２とされている。また、このリールス
トツパ１７の他方の腕片２３の先端部には係合突
起２４が形成されている。Ｔリール７側に配置さ
れたリールストツパ１８のリール側腕片２５の先
端は稍外側へ屈曲された係止爪２６とされてい
る。そして、リールストツパ１８の反リール側腕
片２７の先端部はリールストツパ１７の係合突起
２４よりリールストツパ１７の回動支点側に位置
されている。２８はスプリングであり、その中央
部がカセツトケース４に設けられたピン２９に支
持されており、２つの自由端はリールストツパ１
７，１８の腕片２１，２５の先端より稍回動支点
側に一体に形成された突起３０，３１に弾接し、
これによつて、リールストツパ１７，１８の係合
爪２２，２６がテープリール６，７の下側フラン
ジ３２，３３の周面に弾接せしめられるようにな
つている。そして、テープリール６，７の下側フ
ランジ３２，３３の外周面には切欠３２ａ，３２
ａ，………，３３ａ，３３ａ，………が形成され
ており、前記リールストツパ１７，１８の係止爪
２２，２６がテープリール６，７の切欠３２ａ，
３２ａ，………，３３ａ，３３ａ，………と係合
することによつて、ロツク状態となり、不使用時
のテープリール６，７の空回りが防止される。そ
して、使用時にあつては、リールストツパ１７の
腕片２３の先端部を第３図の紙面下方へ押し下げ
れば、各リールストツパ１７，１８は反リール側
へ回動し、各係止爪２２，２６が切欠３２ａ，３
２ａ，………，３３ａ，３３ａ，………から外れ
るため、テープリール６，７のロツク状態が解除
される。

３４はカバーストツパで、基端部がカセツトケ
ース４に設けられたピン３５に回動自在に支持さ
れている。カバーストツパ３４の遊端部の一側面
には突起３６ａ，３６ｂが一体に形成されてお
り、何れもその先端はカセツトケース４外へ突出
されており、更に突起３６ａはカバー８の側面に
形成された孔３７と係合されている。また、カバ
ーストツパ３４の中間部には突起３８が形成され
ており、この突起３８に前記ピン３５に支持され
たスプリング３９の遊端が弾接し、前記突起３６
ａ及び３６ｂがカセツトケース４から突出する方
向に回動するようにカバーストツパ３４を弾発付
勢している。しかして、第１図に示すように、カ
バーストツパ３４の突起３６ａがカバー８の孔３
７と係合している状態では、カバー８が第２図に
示すように開くことが防止される。即ち、ロツク
状態となる。そして、テープカセツト１の使用時
には、カバーストツパ３４をスプリング３９の弾
発力に抗して回動せしめれば、その突起３６ａが
カバー８の孔３７から外れ、カバー８は第２図図
示のように開くことができる状態となる。

４０はカバー８の側壁内面から突設されたピン
であり、図示しないもう一方の側の側壁内面にも
同様に形成されている。このようなピン４０，４
０が上ハーフ２及び下ハーフ３の前端部における
互いの突き合わせ部２ａ，３ａの間で回動可能に
支持され、これによつて、カバー８はカセツトケ
ース４にその上方部で回動自在に支持される。４
１は、その主コイル部が前記ピン４０に外嵌状に
支持されたネジリコイルバネであり、主コイル部
の一端から延びる腕片４２が上ハーフ２に支持さ
れ、これによつて、このネジリコイルバネ４１は
カバー８を閉じる方向に回動せしめるように付勢
する。

第６図において１点鎖線で示される領域４３は
小型テープカセツト１を収納する空間であるカセ
ツトアダプタのテープカセツト装着部を示すもの
である。そして、第６図は、そのようなテープカ
セツト装着部４３に小型テープカセツト１が収納
されている状態を示している。このように、カセ
ツトアダプタのテープカセツト装着部に小型テー
プカセツトを装着した場合、その上下方向、即ち
厚み方向には殆んど余裕がない。そこで、本考案
に係る小型テープカセツト１においては、カバー
８の回動支点の位置を以下のように設定してあ
る。

第６図及び第７図において、４４はテープカセ
ツト装着部の上方限界、即ちテープカセツト装着
部４３に小型テープカセツト１を装着した場合に
おけるカセツトアダプタの高さ規制面である。ま
た第７図において、４５は小型テープカセツト１
のカバー８の最前面に接し前記高さ規制面４４と
直角に交わる面である。そして、これら２つの面
４４と４５との交点４６から延びこれら２つの面
４４，４５から略45゜離れた線４７上にカバー８
の回動支点４８が位置するようにされている。カ
バー８の回動支点４８の位置をこのようにするこ
とによつて、該回動支点４８から前記各面４４及
び４５までの距離x₁及びx₂の関係がx₁＝x₂とな
り、従つて、カバー８が完全に開いた状態、即
ち、カバー８が閉じた状態（第１図及び第７図に
示す状態）から約90゜の角度回動した状態（第２
図、第５図及び第６図に示す状態）において、カ
バー８の最前面は、第６図に示すように高さ規制
面４４より高い位置となることがない。尚、４９
はカバー８の前面部上端部を面取りして形成した
斜視部で、この斜面部４９が逃げとなるため、カ
バー８の回動中において、カバー８の前面部上端
が高さ規制面４４と衝突することが避けられる。

５０はカセツトケースの前面の開口９と１０と
の間に形成された平面形状略浅いＶ字状を為すテ
ープ引出し用凹部である。従つて、テープ５はこ
のテープ引出し用凹部５０の前面を塞ぐような経
路を通つて送行される。

５１は弾性のある合成樹脂シート、例えばポリ
エステルフイルムで略Ｔ字状に形成されたテープ
位置規制片で、その中央の片５２で上ハーフ２の
前端部下面に貼着保持され、該取付片５２の先端
から左右に延びる部分５３，５３はテープ引出し
用凹部５０の前方開口部で不使用時におけるテー
プパスに僅かに離間してかつ該テープパスと平行
になるように配置されている。尚、５４，５４は
辷り性の良い材料、例えばテフロン（商品名）の
薄膜シートで、接触片５３，５３の先端部をサン
ドイツチ状に挟むように貼着されている。そし
て、このテープ位置規制片５１によつて、テープ
５に弛みが生じた場合に、テープ５がテープ引出
し用凹部５０の奥に入り込むのが防止される。

５５及び５６はカセツトケース４の両側面に形
成された案内溝であり、カセツトケース４の底面
から始まり、上面に到達する稍手前で終つてい
る。

５７はカセツトケース４の底面に形成された弧
状の切欠部で、Ｔリール７が配置されている側の
側面に連なつて形成されている。

５８はカセツトケース４の底板に形成された長
孔でリールストツパ１７，１８の反リール側腕片
２３と２７とが交わる位置に略対応した箇所に形
成されている。

５９及び６０は切欠であり、そのうち５９はカ
セツトケース４の底板に形成されており、その形
成位置は前記カバーストツパ３４の揺動先端６１
に対応した位置であり、かつ、下ハーフ３の前端
部に連なつている。切欠６０はカバー８に形成さ
れており、その形成位置は前記切欠５９に対応し
た位置であり、かつ、カバー８の下端部に連なつ
ている。

以上に記載したところから明らかなように、本
考案小型テープカセツトにおいては、普通サイズ
のテープカセツトと同じ大きさ及び同じ外形状を
有し、小型テープカセツトを装着して、該小型テ
ープカセツトを普通サイズのテープカセツト用の
ビデオテープレコーダ等で使用することができる
ようにするためのカセツトアダプタに装着される
小型テープカセツトであつて、カセツトケース内
に配置されたリールに巻装されたテープをカセツ
トケースの外に引き出すためにカセツトケース前
面に形成された凹部と、該カセツトケースの前面
部上方で回動自在に装着され前記凹部を覆うカバ
ーを設けた小型テープカセツトにおいて、前記カ
セツトアダプタのテープカセツト装着部に小型テ
ープカセツトを装着した場合における前記カセツ
トアダプタの高さ規制面と小型テープカセツトの
前記カバー前面に接し前記高さ規制面と直角に交
わる面との交点から延び前記２つの面のそれぞれ
から略45゜離れた線上に前記カバーの回動支点を
設けたので、カセツトアダプタのテープカセツト
装着部内において小型テープカセツトのカバーを
開放した場合でも、カバーが必要以上に上方へ上
ることがなく、カセツトアダプタのテープカセツ
ト装着部の空間、特に高さ方向の空間をそれ程大
きくする必要がなく、テープカセツト装着部をき
わめてコンパクトにすることができるので、小型
テープカセツトが装着されるカセツトアダプタを
普通サイズのテープカセツトと同じ大きさ及び同
じ外形状にすることが可能となる。

【図面の簡単な説明】

第１図乃至第５図は本考案小型テープカセツト
の実施の一例を示すもので第１図は全体の斜視
図、第２図はカバーを開けて磁気テープを少し引
き出した状態を一部切欠いて示す斜視図、第３図
は上ハーフを取り除いて示す平面図、第４図は底
面図、第５図はカバーを開いた状態を底面側から
見た斜視図、第６図及び第７図は本考案小型テー
プカセツトにおけるカバーの開閉動作を説明する
ための概略側面図である。 符号の説明、１……小型テープカセツト、４…
…カセツトケース、５……テープ、６，７……リ
ール、８……カバー、４３……カセツトアダプタ
のテープカセツト装着部、４４……カセツトアダ
プタの高さ規制面、４５……小型テープカセツト
のカバーの前面に接しカセツトアダプタの高さ規
制面と直角に交わる面、４６……面４４と４５と
が交わる交点、４７……面４４及び４５にそれぞ
れ略45゜離れた線、４８……回動支点、５０……
凹部。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 普通サイズのテープカセツトと同じ大きさ及び
   同じ外形状を有し、小型テープカセツトを装着し
   て、該小型テープカセツトを普通サイズのテープ
   カセツト用のビデオテープレコーダ等で使用する
   ことができるようにするためのカセツトアダプタ
   に装着される小型テープカセツトであつて、カセ
   ツトケース内に配置されたリールに巻装されたテ
   ープをカセツトケースの外に引き出すためにカセ
   ツトケース前面に形成された凹部と、該カセツト
   ケースの前面部上方で回動自在に装着され前記凹
   部を覆うカバーを設けた小型テープカセツトにお
   いて、前記カセツトアダプタのテープカセツト装
   着部に小型テープカセツトを装着した場合におけ
   る前記カセツトアダプタの高さ規制面と小型テー
   プカセツトの前記カバー前面に接し前記高さ規制
   面と直角に交わる面との交点から延び前記２つの
   面のそれぞれから略45゜離れた線上に前記カバー
   の回動支点を設けたことを特徴とする小型テープ
   カセツト。