JPS5834977Y2 - 歩行型田植機 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は歩行型田植機に関し、さらに詳しくは、左右の
車輪が独立してスウィング運動を行い耕盤に接地するよ
うにした上下動装置を備える歩行型田植機に関する。

歩行型田植機はシャシ上にヱンジンを搭載し、このヱン
ジン出力の一部を車輪に伝えて走行できるようにすると
共に、シャシの後端側に設けた植付作業部をヱンジン出
力で駆動して機械的に苗の植付けが行えるように構成さ
れている。

そして、田植機は泥土上を走行するところから、シャシ
下部にはフロートが装備さへ田面にフロートの底部が接
してシャシ上に加わる重量をフロートの浮力で支持する
ようになっていも田植機の車輪は、耕盤に確実に接触す
るためにスウィングアームの先端に取付けらヘスウィン
グアームの基端がシャシ側に枢支されていて、スウィン
グアームのスウィング運動により耕盤の凹凸に対して車
輪が確実に接地するようになっている。

この車輪のスウィング運動は、田面から耕盤１での深さ
によりフロートの上下動で切換弁を切換えて、オイルポ
ンプの油圧で駆動されるシリンダユニットのピストン移
動によって行われる。

このような切換弁の切換機構では、フロートの上下動に
より画一的に切換えられるだけで、圃場にむける耕土の
硬度などの環境条件が一切考慮されていない。

この切換弁によって油圧管路の切換えを行うのは、耕盤
に対して車輪を確実に接地させることを目的とするもの
であるから、単に耕盤の深さのみによって車輪を上下動
させるだけでは目的を完遂することができない。

即ち、浅い耕盤の場合にはさほど車輪が上下動しないか
ら、切換弁の切換動作速度は遅い方が田植機の操作、取
扱いは容易であり、深い耕盤では、確実に車輪を耕盤に
接地させないと、スリップによって前進できない場合が
あるから、切換弁の切換動作は耕盤の深さに対し迅速で
なければならない。

また、田植機の場合、圃場の耕土が軟い場合には、切換
弁の切換動作速度を早くして切換感度をよくし、田植機
の耕土に対する追従性を迅速に口ないと、フロートが多
量の泥土を前方および左右方向に押し出す欠点があり、
これとは逆に、耕土が硬い場合には、上記切換感度を良
くして、田植機の耕土に対する追従性を迅速にすると、
切換弁が頻繁に切換えられて田植機の上下動が頻繁に行
わへ操縦性釦よび苗の植付精度が悪くなるなどの欠点が
ある。

本考案は、上記の欠点を解消するため、耕盤の深、浅、
耕土の硬、軟等に応じて、車輪を上下動するための切換
弁の切換動作速度、即ち切換感度の調節ができるように
したものである。

以下、本考案の詳細を添付した図面に沿って説明する。

先ず、第１図は歩行型田植機を示し、シャシフレーム１
１にヱンジン２が搭載されており、ヱンジン出力の一部
が伝動チヱンを収容したスウィングアーム３の先端に取
付けられた車輪４に対して伝動され、耕盤の深さに応じ
て車輪を上下動しながら走行できる構成となっている。

スウィングアーム３は、その基端がシャシフレーム１側
に対して枢支されておシ、車輪を含む平面内でスウィン
グ運動できるようになっている。

前記シャシフレーム１の下側には、フロート５がリンク
５ａを介し取付けられ、フロート５により生じる浮力で
シャシフレームの後端に取付けた植付作業部６の位置を
一定に保っている。

さらに、シャシフレーム１上には車輪４を上下動させる
上下動装置１０が搭載されている。

この上下動装置１０Ｉｔ−Ｌ オイルポンプ１１と、シ
リンダユニット１２と、両者の間を連通ずる油圧管路１
３などにより構威さ札油圧管路には、シリンダユニット
のピストンの移動方向を制御する三位量制御の切換弁１
４が組込まれており、とくに、シリンダユニット１２０
区画室のうち、車輪を上昇方向に駆動するための圧力室
、言換えると車輪上昇方向駆動室には、流量を制限する
ための手段１５ａをもつ開放管路１５が接続される。

この手段としては、例えば可変オリフィスや吸入管よう
管径の小さい管が用いられ開放管路１５の端部はオイル
タンク１６に開放されている。

シリンダユニット１２はピストン１２Ａによって内部が
区画されていて、第２図において左室が車輪下降方向駆
動室１２ｂ１右室が車輪上昇方向駆動室１２ａになって
おり、ピストンロンド１２Ｂは右空を貫き、先端にスウ
ィングアーム３をスウィング運動させる連接杆１７がフ
ランジ１７ａのブラケットを介して枢支されている。

このフランジ１７ａとピストンロッド１２Ｂ間に圧縮ば
ね１７ｂが介装されていて、ピストン１２Ａに車輪を下
降させる方向の習性を与えている。

さらに、連接杆１Ｔの他端はスウィングアーム３の枢支
点より車輪側に端部が取付けられている腕杆１８に対し
枢支さへ ピストン１２Ａの運動でスウィングアーム３
を介して車輪４を上下動させる。

前記油圧管１３に組込まれた切換弁１４には三位置制御
弁が用いら札第２図は中立位置を示し、右が車輪４を上
昇させるための室で前記車輪上昇方向駆動室１２ａに、
左が前記車輪下降方向駆動室１２ｂにそれぞれ油圧をか
け、切換弁１４が中立位置にあるときには、オイルポン
プ１１の吐出口は車輪上昇方向駆動室１２ａに接続され
、油圧は開放管路１５によりオイルタンク１６に徐々に
開放される。

この切換弁１４の切換には、切換機構２０が用いられる
。

即ち、シャシフレーム１に垂直面内で回転できるように
ベルクランク形の挺子杆２１が枢支されており、この挺
子杆２１の一端には連接杆２２の端部がピン２２ａによ
り連結されている。

この連接杆２２の連結位置は複数個あって選択できるよ
うになっていて、枢支点２１ａからの距離を調節する。

さらに、挺子杆２１の他端には垂直方向に配置した駆動
杆２３の一端が枢支されており、この駆動杆２３の他端
部はフロート５に対して枢着されている。

したがって、フロート５の上下浮動によって、駆動杆２
３を介して、前記挺子杆２１が枢支点２１ａを中心とし
た回転運動を行う。

さらに、挺子杆２１の回転によって連接杆２２が軸方向
の運動を行なって、切換弁１４のスプール軸１４ａを回
転させる。

耕盤が浅い場合には、車輪４により機体が持上げられて
フロート５がシャシフレームに対して下降するので、挺
子杆２１を矢印Ｙ方向に回転させ、切換弁１４の第１位
置１４Ｒを開き、シリンダユニット車輪上昇方向駆動室
１２ａに油圧をかけ、車輪下降方向駆動室１２ｂの油圧
をオイルタンク１６に開放する。

逆に、耕盤が深いときにはフロート５が上昇して挺子杆
２１を矢印Ｘ方向に回転させ、切換弁１４の第２位置１
４１を開いて車輪４を下降させる。

切換弁１４の第３位置においては、ピストン１２Ａに油
圧がかかるカヘ この油圧は開放管路１５からオイルタ
ンク１６に開放されるので車輪の上下動はない。

とくに、圃場の状態に応じて切換弁１４の切換動作を迅
速、緩慢に切換えて調節するには、連接杆２２と挺子杆
２１の連結位置を変更して、そのてこ比を調節する。

言換ると、枢支点２１ａから連結位置に至る距離ｐを調
節し、耕盤が浅い場合および耕土が硬い場合には前記距
離ｐを短かくして連接杆２２の移動量を小さく、緩慢と
し、逆に、耕盤が深い場合および耕土が軟い場合には、
距離ｐを太きくして駆動杆２３の移動量に対する連接杆
２２の移動量を大とし、いわゆる迅速にする。

この動作速度は挺子杆２１の腕の長さｐ：ｔにより定す
るので、駆動杆２３の連結位置を調節してもよい。

また、第３図に示すように、腕の長さｐを無段階に変更
できるように長孔２１ｂを設け、連接杆２２の端部をね
じによりスライドできるようにすることも可能である。

さらにまた、第４図は連接杆２２とスプール軸１４ａの
腕２４の連結位置を調節するものであり、挺子杆の挺子
比を直接変更するものではないが、間接的な変更である
。

第５図は田植機のハンドル近くまで操作杆２５を延設し
、これを押し、引きすることにより駆動杆２３と挺子杆
２１における長さｔを調節する。

以上の説明から明らかなように、本考案の歩行型田植機
によれば、上下動装置の油圧管路系に組込んだ切換弁の
切換動作速度を挺子比の変更で調節できるようにしたか
ら、田植機を導入しようとする圃場の耕盤の浅深、耕土
の硬軟等を予め調べ、その状態に応じて、切換弁の切換
動作速度（感度）を適宜選定できる。

即ち、耕盤が浅い場合や耕土が硬い場合には、切換弁の
切換動作速度が緩慢になるように調節することで、田植
機の頻繁な上下動をなくして操作、取扱い性が良好とな
ると共に、機体が安定して走行するので苗の植付精度も
向上する。

また、耕盤が深い場合や耕土が軟い場合には、切換弁の
切換動作速度が迅速となるように調節することで、車輪
を耕盤に確実に接地させてスリップを生じることがなく
、またフロートが泥土を多量に前方および左右方向に押
し出すのを防止して、精度の高い植付作業を行うことが
できる。

なお、上記実施例において切換弁の切換動作速度（感度
）調節は手動によって行なうようになっているが、通常
、一枚の圃場における耕盤の深さ、耕土の硬軟はほぼ一
定であり、それぞれの圃場に応じての上記感度調節は１
〜２度行なうだけでよく、実用１伺ら支障がないもので
ある。

【図面の簡単な説明】

第１図は歩行型田植機の側面図、第２図は車輪の上下動
装置の油圧管路系の説明図、第３図乃至第５図は切換弁
の切換機構の他の実施例を示す部分説明図である。 １０・・・・・・上下動装置、１１・・・・・・オイル
ポンス１２・・・・・・シリンダユニット、１２Ａ・・
・・・・ピストン、１２Ｂ・・・・・・ピストンロッド
、１３・・・・・・油圧管路、１４・・・・・・切換弁
、１４ａ・−・・・・スフニル軸、２０・・・・・・切
換機構、２１・・・・・・挺子杆、２２・・・・・・連
接杆、２３・・・・・・駆動杆。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. オイルポンプと、シリンダユニットと、オイルポンプと
   シリンダユニット間の管路に組込１れていて、車輪の移
   送方向を切換える切換弁を有して構成される車輪の上下
   動装置を備える歩行型田植機において、切換弁を作動す
   る連接杆と、この連接杆の端部が連結され、田植機本体
   に対して枢支されている挺子杆と、この挺子杆の他端に
   連結さね フロートの上下動により挺子杆を動かす駆動
   杆とを備え、挺子杆に対する連接杆あるいは駆動杆の連
   結位置を選択して切換弁の切換動作速度の調節を行い得
   るようにしたことを特徴とする歩行型田植機。