JPS5834898Y2 - 外壁パネルと建築物構造体の接続用鋳造成形体 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 この考案は、外壁パネルと建築物構造体の接続用鋳造成
形体に係り、特にコンクリート製斗壁パネルを建築物構
造体に取付ける場合外壁パネルに突出部分（通称腰掛ア
ゴ）を設けないで簡単で新規な構成金物を用いて行うも
のである。

従来コンクリート製外壁パネルを建築物構造体に取付け
る方法としては、パネルの四隅に近い４ケ所でパネルに
埋込まれた金物及び補助金物を介して構造体にボルト接
合又は溶接等により取付けられている。

又一般に取付工法としてロッキング方式或はスウェイ方
式と呼ばれる工法があるがそのどちらも取付４ケ所の内
、上部或は下部の２ケ所はパネルの自重とパネルに加わ
る外力を構造体に伝達させる働きをさせ、他方２ケ所は
外力だけを構造体へ伝達するようにしている。

第１図は従来型として用いられる外壁パネルを建築物構
造体に取付ける部分の拡大側断面図で、２１は外壁パネ
ルで、コンクリート成形の場合にその一部に突出（腰掛
アゴ）部分２１ ａを設けておくとともに取付金物２２
の一部２２ ａを埋込み外部への一部突出部分２２ ｂ
を突出せしめて、この突出部分２２ ｂよりＬ字形補助
金物２３を介して建築物構造体２４に予めその一部を埋
込まれた金物２５の突出部分に固定して用いるのである
。

尚前記取付金物２２．２５はその一部を必ずしも突出せ
しめないで用いる場合がある。

しかしてこのコンクリートパネルに突出部分（腰掛アゴ
）を作る事は次のような欠点がある。

（イ）パネルの形状が複雑になり、製作に要する型枠も
複雑な形状を要し、製造工数を増大させる等により、製
造費用を高くしている。

（ロ）パネルの重量を重くしている。

（ハ）突出部分が室内側に露出するため、室内空間の有
効利用をさまたげている。

このような点を考慮して、この考案ではコンクリート製
外壁パネルを建築物構造体に取付ける場合パネルに突出
部分を設けないでよいように簡単で新規な構成金物を用
いて行うものである。

第２図Ａ、Ｂはこの考案の実施例を説明するもので、第
２図Ａはこの考案に係る接続用鋳造成形体１と補助金物
２並びにボルト、ナツト等これ等の結合用具の分解斜面
図、第２図Ｂは外壁パネル１０に一部を埋込んだ鋳造成
形体１と補助金物２ど建築物構造体６の取付状態を示す
側断面図である。

１は鋳造成形体で、球状黒鉛鋳鉄或いは可鍛鋳鉄等靭性
（ねばり強さ）を有する材料よりなっていて、まず外壁
パネルのアンカー用鉄筋を貫通せしめうる孔部１ ａｔ
、１ ｂｘ、Ｉ Ｃ１，１ｄｉを有する膨大部を先端に
もつ上下左右４個の水平突出腕１ａ、１ｂ、ＩＣ，ｌｄ
（但し１ｄは図にでない）とこれら水平腕１ａ〜１ｄを
一側面に有する垂直板１ｅとがある。

この垂直板１ｅはこれを１辺として４個の水平突出腕１
ａ、１ ｂ、Ｉ Ｃ，１ｄに対しその反対側に上蓋が
ない筐体１ｆを構成するもので、他の３垂直側板１ ｆ
ｌ、１ ｆ２．１ ｆ３と底板１ｆ４とをもっている。

又垂直板１ｅと対向する垂直側板１ｆ２には孔１ｇが中
央附近にあけられていてＬ状の補助金物２の縦長孔２ａ
と前述の孔１ｇとに対し、座金５ａを補助金物２の一側
に、座金５ｂ、５Ｃ，５ｄを補助金物２と垂直板１ｆ２
の間に、又座金５ｅを垂直板１ｆ２の補助金物２とは反
対側に夫々配してボルト３を通してナツト４で締付は固
定するものである。

又補助金物２の底辺には２個の孔２ｂ、２Ｃがあけられ
建築物構造体６の孔と一致せしめられたところでボルト
７ａと７ｂ、座金８ａと８ｂを金物２の底辺の下側に、
座金８Ｃと８ｄナツ）９ａ−と９ｂを金物２の底辺の上
側にくるように配して締付は固定するものであるが、直
接金物２と建築構造体６を固定してもよい。

１１ ａ、１１ ｂはパネル１０の高さ調整ネジ、１２
ａ 、１２ ｂは締付はナツトである。

従ってこれ等鋳造成形体１を外壁パネル１０のコンクリ
ート作成にあたり取りつけるために鋳造成形体１のうち
垂直板１ｅの筐体１ｆ側の面外壁パネル１０の表面にそ
うようにし水平突出腕１ａ。

１ ｂ、Ｉ Ｃ，１ｄに予めアンカー用鉄筋を貫通し、
必要に応じ溶接を併用して一体としたものを型枠にセッ
トしてコンクリートでかため、外壁パネル１より突出せ
る部分、つまり筐体１ｆの孔１ｇに建築物構造６に予め
取りつけられた補助金物２の孔２ａとをあわせ、ボルト
３、ナツト４並びに座金５ａ〜５ｅを用いて締付は固定
し、又必要に応じ溶接してもよい。

尚筐体１ｆの２側面１ ｆｔ、１ ｆ３の外方に突出し
てとり一つけた部分に螺子孔１ｐ、１ｑが垂直にあけら
れていて螺子１１ ａ、１１ ｂをナツト１２ ａ 、
１２ｂを介してネジって建築物構造体６の上面と鋳造成
形体１との間の距離を調整してから鋳造成形体１と補助
金物２を締付は固定するもので孔２ａを縦長孔にするこ
とにより、ある程度の摺動を可能とし、調整を円滑に行
いうる。

以上この考案では前述１した構成の鋳造成形体１を用い
ることにより次のような作用効果をもたらすことができ
る。

（イ）従来のようにコンクリートの突出部分を設けるこ
とはパネル製作においての型枠が複雑になり、コンクリ
ート打設における製造難度も増大するが、この考案によ
る鋳造成形体の一部を埋込金物にすることにより解消さ
れる。

（ロ）コンクリート部分を減じて埋込金物を用いること
により、パネルそのものの重量を軽くすることか゛でき
る。

（ハ）又鋳造成形体は製造上鋳造成形であるため建築物
構造体に対応して形成することが容易でありその一部を
埋込金物として補助金物と組合せて外壁パネルと建築物
構造体の接続を容易にしている。

図では補助金物にボルトを使用し建方時の高さ調整を兼
ね構造体の寸法の誤差を一部修正できる。

又以上鋳造成形体の埋込金物には４個の水平腕１ ａ、
１ ｂ、Ｉ Ｃ，１ｄを設けたが、必要に応じ腕の数を
増減することはできる。

【図面の簡単な説明】

第１図は従来周知の外壁パネルの建築物構造体への取付
を示す部分の側断面図、第２図Ａはこの考案に係る接続
用鋳造成形体１と補助金物２並びに結合用具の分解斜面
図、第２図Ｂは外壁パネル１０に一部を埋込んだ鋳造成
形体１と補助金物２ど建築物構造体６の取付状態を示す
側断面図である。 図で１は鋳造成形体、２は補助金物、６は建築物構造体
、１０は外壁パネル、１ ａ、１ ｂ、Ｉ Ｃ，１ｄは
水平腕、１ ｅ、ｌ ｆｌ、１ ｆ３，１ ｆ２は垂直
板、１ｆは筐体、１ ｇ、１ ｐ、１ ｑはネジ孔、１
１ ａ、１１ ｂは高さ調整ネジ。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 外壁パネル１０を建築物構造体６に補助金物２を介して
   取付けるための鋳造成形体１で、外壁パネル１０の適宜
   位置に埋込まれる前記鋳造成形体１の部分には外壁パネ
   ル１０のアンカー用鉄筋が貫通する孔部分１ ａｘ、１
   ｂｘ、Ｉ Ｃｔ、１ ｄｘを夫々有する４個の水平腕
   １ ａ、１ ｂ、Ｉ Ｃ，１ｄ及びこれ等水平腕１ ａ
   、１ ｂ、Ｉ Ｃ，１ｄを支持し外壁パネル表面にそっ
   て垂直面を有する垂直板１ｅを設け、又外壁パネル１０
   により外側に突出せる前記鋳造成形体１の部分には前記
   垂直板１ｅを一側辺とし、この垂直板１ｅに平行でこれ
   と向い合い補助金物接続用孔１ｇをその一部に設けた垂
   直板１ｆ２と互いに向い合った垂直板１ ｆ、、１ ｆ
   ３を他側にそして底部に底板１ｆ４を設けてこれ等垂直
   板１ｅ、１ｆ２，１ ｆ、、１ ｆ３底板１ｆ４により
   上蓋のない筐体１ｆを形成せしめるようにした外壁パネ
   ルと建築物構造体の接続用鋳造成形体。