JPS5833960B2 - オイル給油孔のオイル流出防止構造 - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 この発明はオーバヘッドカムシャフト（ＯＨＣともいう
。

）型エンジンにおいて、同エンジンのへラドカバーに設
けた給油口からの潤滑油の流出を防止する機構に関する
。

ＯＨＣエンジンでは、カムシャフトがシリンダヘッドの
上部に取りつけられており、このカムシャフトの前端部
にタイミングチェーンギヤが取りつけられている。

そして、このタイミングチェーンギヤを駆動するための
タイミングチェーンがエンジンの前側に取りつけられて
いる。

又、エンジンに対する潤滑油（以下オイルともいう。

）の給油口は通常給油時に給油の容易性の点から、エン
ジンの前側に取りつけられている。

上記のように、オイルの給油口とタイミングチェーンと
は接近した位置に取りつけられているので、エンジンの
運転中はタイミングチェーンの回動により、カムシャフ
ト潤滑用のオイルが直接給油口附近に飛散し、給油口に
対するオイルフイラキャップの取付は忘れがあった場合
、あるいはオイルフイラキャップの締付けがゆるんで給
油口から脱落した場合に、前記飛散したオイルが給油口
から流出して排気マニホルド等により加熱されて出火し
、車両火災等を起す一つの原因となっていた。

従来は上記のような給油口からのオイルの流出対策とし
て、給油口の下部に給油時に抵抗とならぬ程度の孔をも
った遮蔽部を取りつけていた。

しかし、この遮蔽部では給油口からのオイルの流出を完
全に防止することができなかった。

この発明は上記にかんがみ、ヘッドカバー内をタイミン
グチェーン室と吸排気バルブ室の二室に分離してチェー
ン室からバルブ室へのオイルの飛散を防止して、バルブ
室側に設けた給油口からオイルの流出を完全に防止する
ことのできる遮蔽板の提供を目的とするものである。

つぎにこの発明を図面に示す実施例にもとづいて説明す
る。

第１図、第２図において、１はＯＨＣ型エンジンのシリ
ンダヘッドであり、このシリンダヘッド１の上部にシリ
ンダヘッドカバー２が取りつけられている。

シリンダへラドカバ−２の前方（第１図の図示左方）上
部に、エンジンに対してオイルを供給するための給油口
３がシリンダへラドカバー２と一体的に形成されている
。

この給油口３の下部には、給油口３と一体的に遮蔽部４
が形成されており、この遮蔽部４の後方には給油の抵抗
とならぬ程度の小さな通路４ａが開けられている。

又給油口３の上部にはフイラキャップ５が取りつけられ
て、給油口３からのオイルの流出を防止している。

６はシリンダヘッド１の上部において軸受（図示しない
。

）により回動可能に取りつけられて吸排気弁（図示しな
い。

）を作動させるカムシャフトであり、このカムシャフト
６の前端にタイミングチェーンギヤ７がボルト８により
取りつけられている。

タイミングチェーンギヤ７とクランクシャフトに取りつ
けられた駆動鎖車（いづれも図示しない。

）との間にタイミングチェーン９が掛装されている。

ここで、給油口３とタイミングチェーン９とは接近した
位置にあり、又給油口３の遮蔽部４の通路４ａはタイミ
ングチェーン９と反対の方向に開けられている。

１０は遮蔽板であり、この遮蔽板１０はタイミングチェ
ーン９と遮蔽部４との間で、シリンダへラドカバ−２に
対して一体的でかつ、下向きに垂設されている。

いま、遮蔽板１０の下縁を１０３とし、タイミングチェ
ーン９の上端部を９ａとし、シリンダへラドカバー２の
下面２ａからタイミングチェーン９の上端部９ａまでの
高さをＡとし、タイミングチェーン９の上端部９ａと遮
蔽板１０の下縁１０ａとの高さの差をＢとすると（第２
図参照）、Ｂｌ〜土となるように遮蔽板１０の下縁１０
ａのＡｌ１．５ 高さが設定されている。

又この遮蔽板１０によって、シリンダへラドカバー２の
内側部はタイミングチェーン室１１と吸排気バルブ室１
２との二つに分離されている。

つぎにこの実施例の作用について説明する。

エンジンの運転によりタイミングチェーン９がタイミン
グチェーンギヤ７を回動すると、カムシャフト６が回転
する。

そして、カムシャフト６等を潤滑するオイルはタイミン
グチェーン９やカムシャフト６の回転にともなう遠心力
により、それぞれの円周方向に飛散させられる。

ここで、タイミングチェーン室１１と吸排気バルブ室１
２との間に遮蔽板１０があるので、タイミングチェーン
９により多量に飛散させられたオイルは、吸排気バルブ
室１２側に飛散することが妨げられる。

このために、タイミングチェーン９により飛散させられ
るオイルは給油口３の遮蔽部４に達することができない
。

又カムシャフト６の回転により飛散させられたオイルは
、カムシャフト６の直径がタイミングチェーンギヤ７の
直径より小さいこと（第１図参照）から、タイミングチ
ェーン９により飛散させられるオイルよりその勢が小さ
い。

このために、カムシャフト６により飛散させられるオイ
ルは遮蔽部４により流出を妨げられて、遮蔽部４の通路
４ａを経て給油口３に到達しない。

なお、カムシャフト６以外の部分（例えばロッカーアー
ム等）から飛散させられるオイルも遮蔽部４により給油
口３に到達するのを妨げられる。

又、遮蔽板１０には前述のように大量のオイルがタイミ
ングチェーン９によりふりかけられるので、遮蔽板１０
は放熱フィンの役目をしてオイルの温度を低下させる。

第３図に示す実施例は、第１図の給油口３の取付位置に
ブローバイガス還元装置用であってエアクリーナに接続
されるバイパス通路１３を取りつけたもの、又第４図は
第３図の同じ位置にブローバイガス還元装置用であって
、吸気マニホルドに接続されるメーン通路１４を取りつ
けた状態を示す。

第３図、第４図の実施例ともに、遮蔽板１０によりタイ
ミングチェーン室１１からのタイミングチェーン９によ
るオイルの飛散を防止したことにより、バイパス通路１
３又はメーン通路１４の下方に設けられていたオイル切
り板を廃止または簡単なものとすることができる。

この発明は上記のように、シリンダヘッドの上部に吸、
排気バルブを作動させるカムシャフトを有し、このカム
シャフトの一端部にタイミングチェーンを掛装するタイ
ミングチェーンギヤを有し、かつオイルを供給するため
の給油口をシリンダヘッドカバーに設けたオーバヘッド
カムシャフト型のエンジンにおいて、前記タイミングチ
ェーンギヤの近傍でタイミングチェーンギヤと前記給油
口との間に、シリンダへラドカバー内をタイミングチェ
ーン室と吸、排気バルブ室とに区分する遮蔽板を、シリ
ンダへラドカバーと一体的に下向きに垂設したことによ
り、給油口と対するオイルフイラキャップの取りつけ忘
れがあった場合、あるいはオイルフイラキャップの締付
けが弛んで同キャップが給油口から脱落した場合におい
ても、タイミングチェーンの回動により飛散したオイル
は遮蔽板により給油口への侵入が妨げられるので、給油
日からシリンダヘッドカバーの外部に流出することがな
い。

従って、給油口から流出したオイルによる車両の火災を
防止することができる。

【図面の簡単な説明】

図はこの発明の実施例を示し、第１図はＯＨＣエンジン
のシリンダへラドカバー前部の縦断面図、第２図は第１
図のＣ矢視図、第３図は第１図の給油口の位置にブロー
バイガス還元装置用のバイパス通路を設けた状態を示す
縦断面図、第４図は第３図のバイパス通路の代りにメー
ン通路を設けた状態を示す縦断面図である。 １・・・・・・シリンダヘッド、２・・・・・・シリン
ダへラドカバー、３・・・・・・給油口、６・・・・・
・カムシャフト、７・・・・・・タイミングチェーンギ
ヤ、９・・・・・・タイミングチェーン、１０・・・・
・・遮蔽板、１１・・・・・・タイミングチェーン室、
１２・・・・・・吸排気バルブ室。

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. １ シリンダヘッドの上部に吸、排気バルブを作動させ
   るカムシャフトを有し、このカムシャフトの一端部にタ
   イミングチェーンを掛装するタイミングチェーンギヤを
   有し、かつオイルを供給するための給油口をシリンダへ
   ラドカバーに設けたオーバヘッドカムシャフト型のエン
   ジンにおいて、前記タイミングチェーンギヤの近傍でタ
   イミングチェーンギヤと前記給油口との間に、シリンダ
   へラドカバー内をタイミングチェーン室と給、排気バル
   ブ室とに区分する遮蔽板を、シリンダへラドカバーと一
   体的に下向きに垂設したことを特徴とするオイル給油口
   のオイル流出防止構造。